2009年11月20日 (金)

私の中のあなた

My_sisters_keeper

泣けると評判の映画ですが、実はあまり涙は出なかった。
だからといってイマイチだったとかじゃなく、重いテーマなのにナチュラルで温かくてユーモアもあって、すごくステキな映画だったと思います。
特にケイトとテイラー(サラコナークロニクルズのトーマス・デッカー)のやり取りが好き。
病気のことをジョークにしたり、「抗がん剤の味がする」なんてロマンティックだなぁ・・・なんて思うのは間違ってるかもしれないけど、やっぱりロマンティックだったな。
あまり泣けなかったのは、登場人物それぞれの複雑な立場を考えれば考えるほど、迂闊に感情移入できなかった・・・のかなぁ。私よ。

※下でわりと詳しく内容を書いちゃったので、<あらすじ>は省略。ネタバレ含みます※

私の中のあなた 公式サイト

物語は、白血病の姉ケイトのドナーとして生まれてきたアナ(アビゲイル・ブレスリン)のモノローグで始まります。
アナはケイトを生かすために、遺伝子操作でつくられた子供。
ケイトが病気でなければ、アナはこの世に存在しなかった。
臍帯血にはじまり、血液、骨髄など、ケイトに提供し続けてきたアナ。
母サラは弁護士の仕事をやめ、ケイトを一日でも長く生かすことに人生を捧げている。
父ブライアンも兄ジェシーも、ケイトを愛している。もちろんアナも。
だからみんなの気持ちはひとつ。
ケイトの命を守るという、ゆるぎない絆で結ばれているはずだった。

ある日アナは、テレビCMで有名な弁護士事務所を訪れる。
アナは弁護士(アレック・ボールドウィン)に言う。
「姉の容態が悪化し自分の腎臓を移植することになっているが、これ以上姉の犠牲になるのは嫌だ。両親を訴えたい」と。
弁護士は絶句する。そりゃそうだ。
子供が親を訴えるなんて前代未聞だけど、アナが生まれた経緯、そしてこれまでアナが受けてきた行為はもっと驚きだ。
はっきり言ってこの時点では、アナの訴えはもっともだと思えてしまう。
成長したアナが、両親の自分に対する扱いに疑問を抱くのは当然。
そもそも病気の子供のためにもう一人子供を作るってどうよ?

しかし・・・アナが移植を拒否するということは、これまでなんとかもってきたケイトの命が消えてしまうかもしれない、ということ。
アナは本当にそれでいいのか。
自分のせいで姉は死んだ、と後で後悔するのではないか。

ケイトのことしか眼中にない母サラ(キャメロン・ディアス)。
アナを傷つけてきたことを反省してくれるかと思いきや、そういう展開にはなりません。
サラはアナと法廷で対決します。
アナが折れてくれなければ、ケイトは死んでしまうから。
アナを目の前にして「病気の子が最優先だ」と断言するほど、母の意志はゆるぎないもの。
ここでもやはり、この母どうなの?と思ってしまった。

けれどアナが両親を訴えることを宣言したあとも、家族はこれまでどおり仲良しで、アナが両親や姉を憎んでいるようには見えない。
なのでアナの行動に何かしら理由があることは予想がつきます。
真実が分かったとき・・・驚きというよりもすべてがしっくりきたというか、病に冒された身でありながら誰よりも家族ひとりひとりを理解し、見守ってきたケイトの思いに目頭が熱くなりました。

最初はなかなか母の気持ちが理解できませんでしたが、家族それぞれに順番にスポットが当たっていくにつれ、フィッツジェラルド家のような家族のあり方はとても難しく、何が正解で何が間違ってるとかそういう単純なことではないのかも・・・と考え込んでしまった。
例えばサラの立場になったとき、我が子を救うたった一つの方法がもうひとり子供を作ることだと医者に提案されたら、そりゃその方法を選択してしまうだろうと思うし。
両親の関心はどうしてもケイトに集中してしまい、子供達が精神的に大人にならざるを得ない状況であることは哀しいけど、ケイトを守りたい気持ちはみんな同じ・・・というのは、やはり家族だから。
お互いを思いやる心が、多くを語らずとも伝わってくる作品でした。

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2009年11月19日 (木)

スペル

Dragmetohell

ポスターは日本のがアホっぽくて良いですねぇ。
スパイダーマンシリーズのサム・ライミ監督、原点回帰と大評判のコメディなホラー『スペル』
ようやっと観てきました。

<あらすじ>

銀行のローンデスクで働くクリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)のところへある日、老女が不動産ローン延長の申請にやってくる。
老女の家は既に差し押さえられており、延長は3回目だったが、老女を可哀想に思ったクリスティンは上司に相談することに。
しかし上司は申し入れを拒否するようクリスティンに指示。
昇進を意識していたクリスティンは上司に従うが、老女はクリスティンを逆恨みし、残業を終えて帰宅しようとしたクリスティンを待ち伏せ、散々暴れたあげく呪いの言葉を残して去る。
やがてクリスティンを恐ろしい超常現象が襲いはじめる。

スペル 公式サイト

いやー、これは楽しかった。
オバアチャンがやたらとおぞましかったり、入れ歯が武器だったり、ハンカチが武器だったり。
そりゃもう笑っちゃうのだけど、恐怖面でも抜かりないのがさすがライミ監督。
恐さと笑いの両方でアドレナリン噴出しまくり!大満足の一本shine
あまりのゲロテスクに吐き気をもよおすことはあっても、目をそむけたくなるほどの残虐さはないところがみんなに優しいし、実は『マーターズ』以来後味の悪い本気のホラーばかり観まくってまして、そのせいか非常に新鮮でした。

効果音や音楽、いかにもなタイミングやカメラワークを駆使した、あくまで古典的手法の怖がらせ方だったりするのが懐かしさを感じさせて嬉しいだけじゃなく、斬新なアイデアもいっぱい詰まってて飽きさせません。
だってハンカチですよ。
ハンカチが人間を襲う・・・こんなシュールなホラーがかつてあったでしょうか。
ディズニーアニメじゃあるまいしcoldsweats01
でもこれがまたちゃんと怖いんだよねー

あんまり悪くないのに呪いをかけられてしまう不運な主人公が、いかにもな美女ではなくカワイイ系の地味目ガールであるところがまた絶妙。
田舎育ちであることや実はかつてポッチャリさんだったことがコンプレックスなのだけど、仕事に恋に頑張るクリスティンは、どこにでもいそうなタイプだからこそ応援したくなる。
おとなしそうに見えて意外と負けん気の強い子なので、オバアチャンの呪い攻撃にもそう簡単には負けないのだ。
クリスティン役アリソン・ローマンの女優魂を見せつけられるシーン多数。
ゲロまみれ血まみれ泥まみれ・・・ホラー映画のヒロインは大変なのです。

ジャスティン・ロング演じるクリスティンの恋人が、彼女の奇行を目の当たりにしながらも最後まで愛を貫いた点に関しては、どうせ心変わりするんでしょーというひねくれた目で見てただけに普通に感動してしまった。
しかしそんな優しい彼のどうでもいい趣味が、彼女を地獄の底に突き落とすことになるという皮肉。
ハッピーじゃないオチも秀逸でした。

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2009年11月12日 (木)

カイジ 人生逆転ゲーム

Kaiji

ようやっとカイジ。まだやってるかしら。
原作は『賭博黙示録カイジ』の頃に一度読んだきりですが、マジに命を賭けたギャンブルの世界はアドレナリン全開の緊迫感と異様なテンションで、読み始めたら止まらない悪魔的面白さのマンガ。
福本伸行氏の独特の作風によるイメージがあまりに強烈すぎるため、藤原竜也主演で実写映画っていまひとつピンとこなかったのだけど、なかなかどうして普通に面白いエンタメムービーに仕上がっておりました。

<あらすじ>

怠惰な生活を送る若者・伊藤カイジ(藤原竜也)のところにある日、金融会社の社長・遠藤(天海祐希)が借金の取り立てにやってくる。
カイジはすっかり忘れていたが、数年前に友人の借金の保証人になっており、利子が量んだ負債総額は200万を越えていたのだった。
支払いを拒否するカイジに遠藤は、一夜で大金を手にすることができるという豪華客船エスポワール号に乗ることを薦める。

カイジ 人生逆転ゲーム 公式サイト

映画は、限定ジャンケン、鉄骨渡り、Eカードと原作の印象深いエピソードに加え、地下王国も建設中という盛りだくさんな構成。
ゲームのルールや細かい設定など、ツッコミどころ満載の改編もボチボチなされていたようですが、個人的にはほとんど気にならなかったし、役者さんの全力の演技とギャグぎりぎりの真剣勝負を大いに楽しみました。
特に地下王国がお気に入り。
松尾さんが最高に良かったし、藤原くんのビールの飲みっぷりには笑ったbeer

やや物足りなく感じた部分を挙げるとすれば、原作の持つ内臓を抉られるようななんとも言えない気味悪さが、映画では若干薄められているような気がしたこと。
たくさんの人に観てもらえる映画にする為には仕方のないことだとは思いますけども・・・もっとサディスティックで変態で狂ってて怪物的な存在感の兵藤会長を見たかったです。
要するに、金のないヤツは目か耳を賭けろ!そして負けたヤツは焼き土下座をせい!!ってことなのだけど・・・それをやるとホラーになっちゃう?
終わり方とかやけにサワヤカだったし。

藤原竜也は、<ここぞという時には天才的にヒラメくのだけど、基本的には誘惑に打ち勝てないダメ人間>であるカイジを好演。
およそカイジのイメージからは程遠いイケメン俳優なのに、全身全霊でカイジでした。さすがです。
利根川役・香川照之との演技合戦は見もの。(ざわざわ・・・がちゃんとBGMに♪)
カイジのダメっぷりになぜか母性本能を刺激され助けてあげたくなる・・・のは私だけかもしれませんが、原作のカイジにはそんなこと思わないし、これも藤原竜也効果かと思われます。
その点、原作では男性である遠藤を天海祐希にしたのは正解かと。
遠藤の意外な行動も、藤原カイジくんと天海姐さんならなんとなく納得なのだ。

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2009年11月 4日 (水)

『The Wolfman』trailer

久々にツボど真ん中な予感のする映画。
1941年のホラー映画『狼男(The Wolfman)』のリメイクで、ベニチオ・デル・トロが狼男に!

変身シーンに並々ならぬ本気を感じます。
骨がごきゅごきゅ変形する感じがイイ♪

チェ・ゲバラがまだ記憶に新しい演技派、ベニチオ・デル・トロがこういう役を受けるとはちょっと意外?
しかしこれはハマリ役でしょうheart
デルトロ演じる狼男のお父さん役がハンニバル・レクターことアンソニー・ホプキンスで、狼男が関係している殺人事件の捜査官役がエージェント・スミスことヒューゴ・ウィービングだなんてワクワクするキャスティング。
ヒロイン役にエミリー・ブラント(『プラダを着た悪魔』)ってのもイイですね。
清楚でクラシカルでちょっと陰がある感じ。この手のゴシックホラーにはピッタリです。

監督のジョー・ジョンストンに関しては、フィルモグラフィを見る限り実はあんまりそそられないのだけどsweat02(『ジェラシック・パークⅢ』とか)
脚本が『セブン』のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーってところに期待。

あちらでの公開は来年2月。
日本の公開時期は決まっていないようですが、きっとやるよね?今から楽しみです。

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2009年11月 2日 (月)

マーターズ

Martyrs

単館系映画の中でも、特にマイナーな作品ばかりかける横川シネマという映画館がありまして(先日紹介したネコカフェの近く)、かつてポルノ専門館であった時代の面影を残す昭和な佇まいが大変味わい深いステキな映画館なのですが、個人的にちょっと行きにくい場所であるため、足を運んだのは2006年の『ある子供』以来。
『カスタムメイド10.30』では、横シネの二階に木村カエラちゃんが住んでたのよ。

※下の方で映画の内容をかなり詳しく書いているので<あらすじ>は端折りまっす。
マーターズ 公式サイト

いやー。ウワサに違わぬ衝撃作でございました。すごいもん観ました。
事前に聞いていた<女の子が監禁虐待される><ものすごく残虐非道><衝撃のラスト>といった断片的な情報から、『ホステル』みたいなのを想像していたのですが、これは似て非なる新機軸。
最近めっきりグチャッとしたのがダメで、ノコギリとか金槌とかチェンソーとか痛そうな道具を駆使してジワジワと切り刻む系は胃腸に悪いのう・・・と弱腰だったんだけど、その点に関しては想像した種類の暴力とは違ってて自分としては許容範囲内。
最後まで目をそらすことなく観ることができました。
と言っても、もちろん充分過ぎるほど残虐でしたけども。

ネタバレ厳禁ムービーですが、以下、ラストまで完バレしてます。
これからご覧になる方はご遠慮ください。

この作品、ポスターからも伺い知れる通りヒロインが二人いるのが特徴。
前半と後半で映画の雰囲気がガラリと変わるのですが、ヒロインも前半後半でチェンジするという構成が、斬新で面白いなと思いました。
リュシーとアンナ、二人とも黒髪でまるで姉妹のよう。
特にリュシーが好みだわshineちょっとアジア系入ってる感じの見た目が個性的で良いです。

で、前半のヒロインはそのリュシー。
10歳のリュシーは、廃工場のようなところで何者かに監禁虐待されていたが、自らの力でなんとか脱出。
保護された小児科病院?で、同世代の少女アンナに出会う。
犯人は捕まらず、事件はトラウマとなりリュシーの心を苛み続けた。

15年後。
スクリーンに映し出されるのは、何の変哲もない家族の朝の食卓。
他愛もないことで笑い合う、父、母、兄、妹。とても幸せそう。
この人たち誰?リュシーはどうなった?と思うやいなや、家族の元へ朝っぱらから訪問者が。
ヤな予感。
玄関に立っていたのは、フードをかぶり猟銃を手にした女。
女は成長したリュシーで、猟銃で家族を皆殺しにしてしまう。

初っ端から非常にショッキングなシーンですが、映画全体からすればまだまだ序章にすぎません。
大体予想はつくけど、これはリュシーの復讐。いや、身を守るために仕方なくやったことか。
リュシーが殺した夫婦は15年前の事件の犯人で、リュシーは彼らの罪なき子供達までもブチ殺してしまったのでした。
なんで子供まで?リュシーがここまで激しく思い詰めてしまったのにはワケがある。
事件以来、リュシーは全裸で傷だらけで関節の曲がり方が気持ち悪いバケモノのような女の亡霊?に襲われ続けており、犯人を殺せば女が消えると信じていたのだった。

この全裸の女ってのがねぇ・・・ハンパなくコワイんすsad
リュシーの狂気が見せる幻なのか、それとも本当に存在するのか。
この時点では判断できないのだけど、オバケ的なものって基本的に神出鬼没じゃないですか。
だからコワイsad
クローゼットに隠れたって後ろから突然ナイフを突き立てられそうで・・・
リアルな犯罪モノなのかオカルトもアリなのかなんだか分からないまま容赦なくお話が進んでいくテンポの良さが、とてつもない緊迫感を生んでいて秀逸。

その後もまあいろいろありまして・・・後半戦。(手抜きsweat02
リュシー退場後、ヒロインはアンナにバトンタッチ。
アンナは、惨劇の館の隠された地下室を発見する。
(二転三転するストーリーってやつです。つかとっとと警察に連絡せい。いかにも怪しい地下に一人で行くな!とお姉さんは言いたい)
冷たい地下室の真ん中にポツンと置かれた椅子。
長い鎖の先の暗闇には・・・痩せこけ傷つき、壮絶な姿になり果てた女が繋がれていた!!!shock
(この人がまたねぇ・・・筆舌に尽くし難いビジュアル)

一刻も早く警察か病院に電話すべきシチュエーションですが、なぜか女を湯船につけて放置したまま居眠りしてしまうアンナ。
(頭部に直付けされたヘッドギアを外すシーンは痛かった・・・お願いだからそういうのはお医者さんにやってもらってください)
そこへ突然、黒づくめのスワットみたいな連中がドヤドヤと乱入。
もしかして警察の人?騒ぎを聞きつけて駆けつけてくれた??
という淡〜い期待は、アンナの髪を鷲掴みにして地下に連れて行くという乱暴な行為であっさり却下。。。
悪い人たちだ。間違いなく監禁する側の人たちだよぉー。アンナお先真っ暗・・・

ここでやつらのボスとおぼしき高齢の女性<マドモアゼル>登場。
(こんなにもバイオレンスな映画なのに、メインキャストは女性ばかり)
「リュシーやあの女だけじゃない。被験者は何人もいた。その境地に達することのできる人間は滅多にいないけど、若い女の方がなりやすいのよ」
カルト教団かなんかでしょうか・・・
とにかく長年に渡り、組織で監禁虐待を繰り返してきた模様。

組織の目的は暴力そのものではなく、暴力によってもたらされる苦痛の果てにあるもの。
死の間際にあってなおこの世にあり続ける人間<MARTYR=殉教者>が見るという、<もうひとつの世界
つまりここでようやく、15年前リュシーを監禁虐待した犯人の正体、その目的が明らかになるというわけ。

当然ながらアンナもまた、彼女の意思とは関係なく殉教にチャレンジ!させられます。
未来永劫続くかと思われる屈辱的な暴力は、あくまで淡々とドライであるがゆえにキツイ。
アンナは苦しみもがき、肉体的にも精神的にも追い詰められていきます。
苦痛と恐怖を乗り越えるため、アンナは心の中のリュシーに語りかける。
「どうすれば恐くなくなるの?」「身をゆだねるのよ」
アンナはもう、暴力に逆らいません。

そしてついに・・・<殉教への道>ラストステージ。
顔面のみ残し全身の皮膚を剥かれ、パッと見<なんか赤くてヌラヌラした全身タイツ>を着た人みたいになってしまった哀れなアンナ。
上目使いでイッちゃった感じの目つきこそが殉教の証拠らしく、マドモワゼルは17年間待ちに待ったこの瞬間、アンナに問いかけます。「何を見たの?」
マドモワゼルの耳元でアンナは何かしら囁きますが、私たちには聞こえない。

館に組織の会員らしき金持ちげな老人たちが集まってくる。
彼らはアンナが見た<もうひとつの世界>の存在を、マドモワゼルから伝え聞くためにやってきた。
「最終段階まで到達することができたのは17年間で4人。殉教者はアンナのみです。彼女に敬意を払ってください」

なんたる身勝手。なんたる傲慢。
どいつもこいつもてめぇで試せ。ほんでとっととあっちの世界にいてまえっっっ!!!!!(#`皿´)
・・・と、いいかげんスクリーンに向かって絶叫したくなりました。
とにかく彼らは大真面目。真剣なのです。だからこそタチが悪い。

しかーし!マドモワゼルは彼らに何も伝えないまま、ただ「疑い続けなさい」という言葉のみ残して・・・自殺。
・・・えええええーーーーーっっっ!?どゆこと!?Σ( ̄ロ ̄lll)

なんという唐突な終わり方。とってもモヤモヤしますた。
個人的には猟銃持ったリュシーちゃんに再登場してもらって全員ぶっ殺してもらいたいくらいですけども・・・
アンナがマドモアゼルに何を言ったか知らんけど、その言葉は彼女を完膚なきまでに叩きのめした。
そして何も教えてもらえなかったじいさんばあさん達はさぞかし絶望し、今まで以上に死を恐れながら余生を送ることになるのではないでしょうか。
そうでも考えなきゃ、犠牲となった人たちが報われないです。

バカ長い感想になってしまいました。
とにかくものすごーく、濃密な2時間。
全く予想もつかない展開でラストまで引っ張る引っ張る。
まごうことなき問題作ですが、近年稀に見る斬新さと面白さを兼ね備えた作品であることも確か。
映画館で観ることができて良かったです。
これが監督2作目のパスカル・ロジェには、かつて『ヘルレイザー』リメイクの話があったみたいだけど既に降板になったらしい。残念だわん。

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2009年10月28日 (水)

観たい映画

映画ネタが尽きてしまいましたので、今現在広島市内で上映中の映画で観たいなーと思ってる映画を挙げてみたいと思いまふ。

Kaiji カイジ 人生逆転ゲーム

『カイジ』を実写映画化って微妙〜。しかもカイジ役が藤原竜也ってイケメンすぎ!と、当初は半信半疑でしたけども、予告篇を観るとけっこう面白そう。
そして公開後の評判もなかなかどうしてよろしいようで。
チャンスがあれば観てみよう・・・と思ってます。

Mysisterskeeper 私の中のあなた

方々で絶賛の嵐!ずいぶん泣けるそうじゃありませんか。
観る予定には入れてなかったけど、時間が許せば観てみようかな。
(カイジよりむしろこっちを優先させるべきなんじゃ?sweat02

Sunshine_cleaning_2 サンシャイン・クリーニング

広島でも先週末よりようやく。
一日の上映回数は少ないけど、しばらくやってるようなのできっと観ます。

Martyrs マーターズ

ウワサのおふらんす製残虐ホラー。
今やってるのよ・・・1週間だけ。
年のせいか最近めっきりこの手のホラーを観るのがしんどくなってしまい、あんなに大好きだったソウシリーズも3で止まっちゃってるんだけど・・・マーターズは気になる。
ぶっちゃけ、ここに挙げた映画の中では今ダントツ観たい映画です・・・
1週間だけってことは・・・明日か明後日行くしかないじゃないかbearing

芸術の秋だというのに10月はあんまし映画を観なかったですが、11月は『母なる証明』『スペル』『なくもんか』『曲がれ!スプーン』『イングロリアス・バスターズ』など、またボチボチ観たいのがあるので楽しみです。

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2009年10月22日 (木)

大人計画「サッちゃんの明日」

1

松尾スズキ作・演出による大人計画本公演って久しぶりなのでは。
『サッちゃんの明日』大阪公演(OBP円形ホール)に行ってきました。ひゃほーい(≧∇≦)
今回なっかなかチケットが取れなくて大苦戦。
まず北九州公演を狙ったのだけど×。東京はもちろん×。
大阪公演もイープラスの一次プレオーダーに落選して、ほぼ諦めかけていたところ二次プレオーダーにてようやっとゲットしたのでした。
相変わらず大人気の大人計画ですが、久々の松尾作品てことでいつも以上の争奪戦だったのかも。

<キャスト>
墨田サチコ・・・・・・・・・・・・・鈴木蘭々
墨田カズ、沼田・・・・・・・・・・・小松和重
墨田三千男・・・・・・・・・・・・・松尾スズキ
れい子、リリー・・・・・・・・・・・家納ジュンコ
道灌、ノムロ・・・・・・・・・・・・宮藤官九郎
カチガネゴロー、ヤス・・・・・・・・星野源
ヅケヤマテビイチ、ポーチお化け・・・皆川猿時
つぐみ、キヨ・・・・・・・・・・・・猫背椿

舞台となるのは下町、クビキ町。
明日30歳の誕生日を迎えるサッちゃんこと墨田サチコは、祖父の代から続くそば屋、墨田屋を一人で切り盛りしている。
子供の頃、犬に噛まれたことが原因で、今も足を引きずるサッちゃん。
父・三千男は店を手伝うでもなくブラブラしており、母・れい子は6年前、酒を飲んでは暴力をふるっていた三千男に愛想を尽かし祖父と駆け落ちしてしまった。
山際証券に勤めるキャリアウーマンだった祖母・カズは、株価チェックが日課で一見まだまだ元気だが、実は惚けはじめており・・・

ほんのさわりだけですが、そんな感じのお話。
今回<松尾スズキ的朝ドラ>がテーマってことで、自転車に乗った鈴木蘭々がサッちゃんのテーマ曲を唐突に歌い始めるオープニングは、かろうじてサワヤカ朝ドラ風。

その後、シャブ中の女リリーが墨田屋で支離滅裂に暴れ回るくだりで軽くブラックな笑いを誘い、足を引きずるサッちゃん、サッちゃんに想いを寄せる幼馴染みでトップセールスマンで身体障害者の沼田、が登場するあたりでは、既にドップリ松尾ワールド。

そこには下町人情あふれる気さくな人間関係があるはずなのに、サッちゃんと沼田のなんてことない日常会話の合間にさりげなく挟み込まれる毒が、チクチクと心に突き刺さり始めます。
最終的には全面的に毒になってくわけだけど。

クリーンなイメージの朝ドラとは本来真逆なところにあるはずの覚せい剤、エロ、時事ネタ(幸◯実◯党ならぬ幸せ追求党、某国核ミサイルなど。覚せい剤は偶然らしい)などを絡めてくるところが、もはやベタと言ってもいいくらい松尾スズキ的。
しかし個人的には、久々に大人計画らしい芝居を観た!という満足感がすごくありました。

クドカンのなーんも考えずにただ笑っていられるハイテンションな舞台もいいけど、松尾さんのドタバタなようで実はものすごく緻密に考え抜かれた脚本、言葉の選び方には心酔してしまいます。
なんでそうなるの?という展開が、笑いと共によどみなく繋がっていく。
テレビや映画では間違いなくタブーであろうネタをあっさり笑いにして、冷静に考えたら本来笑えないはずのシーンでもゲラゲラ笑っちゃうのだけど、そうして笑っているうちにいつのまにか、凝縮された闇にぎゅーーーんと引き込まれていく感じ。
PJ先輩の部屋を訪れたつぐみが、覚せい剤に手を出す過程のあっけなさとかリアルすぎてコワイ・・・shock
日常と狂気と修羅場がいっしょくた。
あの赤い部屋は、この世でいちばん行っちゃいけない部屋だと思います。

そしてそんな笑いと闇の先に、奇妙な癒しがあるのもまた松尾的だったり。
どこまでも落ちていくんだけど、落ちるとこまで落ちたら後はアガルしかないんじゃない?とりあえず明日はやってくるんじゃない?・・・という希望。
何もかもをなかったことにするバッドエンド?と思いきや、サッちゃん定食をイキオイよくかき込むサッちゃんで終わるってのも良かったです。

OBP円形ホールってこじんまりしたところでビックリ。
どの席からでも役者さんの表情がくっきり見えるのって嬉しいshine
役者さんそれぞれの演技を濃密に堪能することができました。
小鳥のさえずりのような可憐な歌声で、私にはエロサイトがある〜notesなどと軽やかに歌い上げる蘭々の、まるでしょこたんのようにマニアックな壊れっぷりはなんだか可愛かったし、
家納ジュンコさんの、祖父との情事を200%赤裸々に打ち明けるシーンは圧巻。女優ですなぁ。
松尾さんはそこにいるだけで面白すぎるし、皆川さんは皆川さんの持ち味とヅケヤマテビイチというキャラクターが絶妙にマッチして、今回かなり良かったんではないかと。
タオルケットの扱い方が見事でございました。爆笑happy02
ほぼ全員二役演じてるけど、特に小松さんはどっちも重要な役でどっちもハマリ役でしたです。

カーテンコール無し!って最初から宣言されちゃうのは、ちょっと寂しかったなぁー

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2009年10月18日 (日)

エスター

Orphan

イマドキB級ホラーの殿堂、ダーク・キャッスル作品。
監督は『蝋人形の館』のハウメ・コジェ=セラ、製作にはレオナルド・ディカプリオ様も名を連ねておりますよ。
久々にハラハラドキドキしたくって観てきました。

<あらすじ>

3人目の子を死産したケイト・コールマン(ヴェラ・ファーミガ)は悲しみから立ち直れず、夫ジョン(ピーター・サースガード)と相談の結果、孤児院へ行き養子をもらうことにする。
二人は、ずば抜けて聡明で大人びた少女・エスター(イザベル・ファーマン)のことを気に入り、彼女を養子として引き取ることに。
やがてコールマン家の周囲で不審な事件が次々と起こり始める。

エスター 公式サイト

予告篇を観た限りの印象では、そこはかとなくダメっぽい予感もしたんだけど・・・
なかなかどうしてこりゃ当たり!good
『オーメン』+『ゆりかごを揺らす手』って感じでしょうか。
非常に堅実な作りのサスペンス・ホラーである意味ベタなんですが、そのベタさがイイのだshine
洗面所の薬棚や冷蔵庫の扉を開け閉めする瞬間・・・
物陰に何か現れそうで・・・・・・現れない!!(((゚Д゚)))ヒィー
といった、王道と言えるホラー的演出の連続で、観てるこっちはいやがおうにも心拍数UPsign03
気がつけば瞬きするのも忘れ、食い入るようにスクリーンを凝視しておりました。
悪夢の出産シーンのなんともいえない不快感からしてかなりいい線いってたし。

そしてなんと言っても!エスター役のイザベル・ファーマンちゃんがスゴすぎ。
彼女の怪物的熱演だけでも観る価値は大いにありまする。
物語の中でエスターは9歳という設定なのだけど、実際この子何歳!?というのがスッゴク気になって後で調べてみたら、イザベルちゃんは現在12歳。ひえー
若い身空でこんな恐ろしい役をここまで完璧に演じて、後々トラウマになったりしないだろうか・・・と本気で心配になりましたです。
コールマン夫妻の実子の一人、マックス役の子がまたむちゃくちゃかわいくて、この子だけは何があってもエスターの魔の手から守らねば!と思わせる名演。
ハリウッドには天才子役がなんぼでもいるんですねぇ。

※以下じゃっかんネタバレを含みますので未見の方はご遠慮ください※

コールマン夫妻に関しては「身勝手な大人」と思わせる描写がちょくちょくあり、あんまり感情移入できませんでしたけども、それもまぁこの手のサスペンスでは王道な脚本ゆえと思います。
3人目の子が死産だったことは不幸だけれど、だからと言ってその喪失感を埋めるためだけの養子なのだとしたら、日本人的な感覚ではちょっとなかなか理解し難いものがあるし。
だって既に子どもは二人もいるのに。
エスターが普通の子だったとしても、そりゃ子どもは戸惑って当然なんじゃないかと。

そのぶんエスターの真実と、それ故に捻くれてしまった彼女の心と行動には、なるほど納得。
と言ってもあまりにエキセントリックすぎるし、やってることはまごうことなき罪ですけども。
愛をねぇ・・・求めていたのだねぇ。
「練習する時間がいっぱいあった」蛍光塗料アートも素敵でした。

カウンセラー役で、お気に入り海外ドラマ『デクスター 警察官は殺人鬼』のマーゴ・マーティンデイルが出演していたのもちょっと嬉しかったです。
包容力があって頼れるオバサマ。今回はぜんぜん頼りにならんかったけどねー

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2009年10月17日 (土)

懐かしPV♪

わたくし、聴く音楽が10年くらい前で止まっているのですが、その約10年前のラインナップの中から、時折なんの脈絡もなく、唐突に聴きたくなったりする曲があります。

先日その突然の衝動にかられた曲がコレ↓

当時このPVのあまりのカッコ良さに惚れ、アルバム『Psyence Fiction』を購入した記憶が。
音楽と映像が完璧にリンクしてる。まるで短編映画のよう。
ラストシーンで鳥肌立ちます。
歌っているのは、Radioheadトム・ヨーク。
呪詛をつぶやく不死身のオジサンを演じているのは、『ポンヌフの恋人』などレオス・カラックス作品によく出演していたドニ・ラヴァン。
最近では『ミスターロンリー』でチャップリンそっくりさんの役を演じてました。

このPVを製作したジョナサン・グレイザーは、ジャミロクワイ『Virtual Insanity』のPVなどで有名な人。
(動画が埋め込み無効なのでURL貼付け)

4

懐かしいなぁ。これもアホみたいに繰り返し観てました。

ジョナサン・グレイザーの作品を集めたDVDもあるようで、今更ながら欲しいです。

3

こういうPVを撮る人は映画とかもやってそう・・・と思ったら、とうの昔にやってた。
ニコール・キッドマン主演『記憶の棘』(2004年)
あれってジョナサンだったのね・・・知らんかったです。(気付くの遅sweat02
中田秀夫監督『カオス』のリメイクを監督する話もかつてあったようだけど、ボツっちゃったんでしょか。

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2009年10月14日 (水)

空気人形

Kukiningyou

是枝裕和監督の最新作は、持ってはいけない心を持ってしまった人形のお話。
原作は業田良家の短編マンガ集『ゴーダ哲学堂 空気人形』の表題作。
日本映画ですが、この物語の主人公である<空気人形>を演じるのは、『リンダリンダリンダ』『グエムル 漢江の怪物』の韓国女優ペ・ドゥナ。
とにかく彼女の演技が絶品。
表情、動き、言葉、吐息・・・そのすべてに強烈に引き込まれます。
正直言ってそんなに美人とは思わないし、もっと人形っぽい顔立ち、人間離れしたスタイルの女優さんはいくらでもいそうだけど、ペ・ドゥナの空気人形を観た後では、彼女以外のキャスティングなんて考えられません。
カタコトの日本語も、まっさらな状態でこの世に生まれたばかりのお人形、ならば全く違和感なし。
むしろそのカタコトが愛おしい。

<あらすじ>

冴えない中年男・秀雄(板尾創路)は、ラブドールにのぞみという名をつけパートナーに見立て、古びたアパートで一人暮らしをしていた。
ある朝、秀雄が出かけた後、突然心を持ってしまった人形(ペ・ドゥナ)。
人形は町へ繰り出す。見るものすべてが初めての人形にとって、世界は美しく刺激的だった。

空気人形 公式サイト

人形と言ってもいろいろで、空気人形は子供の玩具ではなく、ぶっちゃけて言えば成人男性が性欲を処理するための道具。
いわゆるダッチワイフってやつです。
最近はかなり精巧に作られているものもある・・・のかどうかさすがに詳しくないですが、空気人形はその名の通り、空気を入れて膨らますだけのビニール製の安物。

メイド服を着たキュートなビジュアルのお人形が心を持って動き出しちゃうなんて、今回かなりファンシーなお話?と思いきや、板尾創路演じる人形の持ち主・秀雄と、彼が<のぞみ>と呼ぶ空気人形とのセックスシーン(厳密にはセックスとは言えないけど)のあまりにリアルで容赦ない描き方に、初っ端からガツンとやられました。
そして翌朝、人形が内側の空洞に無垢な魂を宿す・・・その奇跡の瞬間のなんと美しいこと。

町へ出た空気人形は好奇心のかたまり。
その様子はコミカルで可愛らしいけど、端から見ればちょっとアブナイ人かも?coldsweats01
純一という青年に恋をした空気人形は、彼が働くレンタルビデオ店でアルバイトを始めます。
メイド服じゃない服を自分で選び、髪型を変えメイクもして・・・どんどん普通の女の子らしく、魅力的になっていく空気人形。
昼間の彼女はとても幸せそう。恋する女の子の瞳に映る世界はキラキラと光り輝きます。
しかし夜の彼女は、以前と変わらず<性欲処理の代用品>に過ぎない・・・という残酷な現実。

ある日お店で空気人形の空気が抜けてしまうという事故が起きるのですが、このシーンにおけるペ・ドゥナの熱演、エロスといったらもう。
愛する人の息でカラダ中を満たされるということ。
それは空気人形にとって初めて経験する悦びだったのでした。

純一も空気人形と同じくらい、彼女のことを好きでいてくれたらよかった。
純一が空気人形に望んだのは、彼の中にも歴然とある空虚を浮き彫りにするような思いがけないこと。
繰り返されるその行為は、なんだか一方的でとても虚しく、繰り返せば繰り返すほど、空気人形があの日感じた悦びが薄れていくような気がする。
だから空気人形は、純一にしてもらって嬉しかったことを彼にもしてあげたのでした。

愛するゆえの行為が、知らないうちに相手を傷つけていることってある。
しかもそれが取り返しのつかないことだったり。
「取り返しがつかない」ということにすら気付けなかったり。

空気人形が出会う人々は皆、心にぽっかり穴が空いているような寂しい人ばかり。
高橋昌也さん演じる元教師のおじいさんが彼女に教える詩は、この物語を象徴していて印象深いです。
それは吉野弘の『生命は』という詩。以下ざっくり抜粋。

 生命はすべて そのなかに欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ
 世界は多分 他者の総和
 しかし互いに欠如を満たすなどとは知りもせず 知らされもせず
 ばらまかれている者同士 無関心でいられる間柄
 ときにうとましく思えることさえも許されている間柄・・・
 花が咲いている すぐ近くまで 虻の姿をした他者が光をまとって飛んできている
 私もあるとき 誰かのための虻だったろう
 あなたもあるとき 私のための風だったかもしれない

この詩がラストシーンで生きてきます。
世界は哀しくて残酷で、孤独な人で溢れているけれど、本当はみんな誰かに満たされていることを知らないだけ。
空気人形が軒下の雨のしずくに触れた瞬間、命を宿したように、まるでかげろうのように儚い人形の心は風になり、誰かの元へ届くのでした。

まるで映画全体が一編の美しい詩のよう。見事な作品でした。

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