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怪談

Kaidan

そろそろそんな季節ですね。上の写真は小林正樹監督、1965年作「怪談」のデジタルリマスター版DVDジャケット。小泉八雲の書いた有名な「怪談」を、構想10年、当時のお金で3億8000万円の制作費をかけ「黒髪」「雪女」「耳なし芳一の話」「茶碗の中」から成る4話オムニバス構成で映画化。たまたまCSの日本映画専門チャンネルで放送されているのを「耳なし芳一」のあたりから観てくぎづけになってしまいました。41年も前にこんなスゴイ日本映画があったなんて。

こりゃ最初から観なくっちゃということで再放送をさっそく録画。オープニングの映像は原色のインクが水の中に溶ける様子をひたすらに映したもの。大変シュールで幻想的です。今では大御所俳優陣の名が連なった後、いよいよ本編でございます。「怪談」ですから一応怖いお話なわけですが、いわゆるイマドキのこけおどしホラーな作り方(デカイ音で驚かすとか。いきなりワッ!とか)など当然なされておりません。独特な美術センスで作りこまれたセットの中、絶妙の間で淡々と進む耽美な世界。ゾっとするけど絵も言われぬ美しさなのです。例えば「黒髪」・・・薄暗いあばら屋に浮かび上がる艶やかな黒髪の後姿と鮮やかな着物の赤。純和風な顔立ちの女のお歯黒。「雪女」・・・雪女に魅入られた男を空からじっと監視する月。「耳なし芳一」・・・生気を吸いとられた青白い芳一の肌に丁寧に書き込まれる般若心経。武満徹氏の前衛的な音楽がこれまた大変効果的にこの異世界を際立たせています。

しかしデジタルリマスターって技術は改めてエライ。元々ものすごいクオリティの高さで仕上がっている作品ですが、デジタルリマスターされているからこそ古臭さを全く感じず快適に楽しむことができるんだもの。日本人として一見の価値アリです。

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コメント

kenkoさま
こりゃひとりで見れないくらい怖そう?
しかし興味をそそる。
一人暮らしにはでもおそろしすぎ!?

投稿: えす | 2006年7月14日 (金) 00時27分

えすさま

一人で見られないほど怖いかどうかと聞かれると、そんなでもないと思うのです。
ベタボメしといてなんですけど途中おネムになっちゃう可能性すらあります。(あまりに濃密な幽玄の世界が約3時間続きますから)
でも「雪女」や「耳なし芳一」など小さい頃からよく知っているお話だけに、41年前のこの洗練された映像化にはビックリすると思うなぁ。

投稿: kenko | 2006年7月14日 (金) 16時51分

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