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まったき動物園

Mattaki

ある日、とある本屋で、ギーガーの画集など立見していた時のこと。となりの棚に何冊も取り揃えられた、エドワード・ゴーリーなる人物の描いた絵本に目がとまりました。「うろんな客」「不幸な子供」「題のない本」「おぞましい二人」「敬虔な幼子」・・・などなど。残酷で奇妙、ユーモラスでミステリアスな世界にドップリ30分以上はハマり、「なんか見ちゃいけないもの見ちゃった」って感じで本を閉じ、その日は本屋を去ったのでした。

しかしその後もゴーリーワールドは脳裏に焼き付いて離れず。調べてみるとエドワード・ゴーリーは、微細なモノクローム線画によるユニークな作品を多数発表している世界的に有名なアメリカの絵本作家。アナグラムを用いた偽名で多くの私家版を出版したため、熱狂的なコレクターが世界中にいるらしい。77年にはブロードウェイ舞台「Dracula」のセットと衣装デザインを担当しトニー賞を受賞したり、ミステリ小説の表紙や挿絵を数多く手がけていたり、カルトな作風とは裏腹に幅広く活動し、生涯独身で猫と共に暮らしたというかなり風変わりなアーティストでありました。(2000年に心臓発作で死去。享年75歳)

そんなこんなで結局、立ち読みした中でも特に気に入った「まったき動物園」(原題:UTTER  ZOO ALPHABET)を後日購入。「まったき」ってあまり使わない言葉ですけど、原題の「UTTER」同様「完全な」とか「欠けたところのない」とかそんな意味。今まで見たこともないようで悪夢の中で出会ったことがあるような、A~Zの26匹の摩訶不思議な生き物が登場します。短歌形式の日本語訳も秀逸で、独特の韻を踏んだ原文の雰囲気を損なわず、美しい日本語でゴーリーの世界になじんでいると思いました。

余談ですが、ゴーリーの幻想的な画風と謎めいた人物像・・・「MONSTER」のフランツ・ボナパルタを連想しました。浦沢さんはきっとゴーリーをモデルにしたに違いない。

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