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水鏡綺譚

Sui

”「水鏡綺譚」は長年忘れがたい未完の物語であった。旅が終わった今、この物語は愛しい泉の如く、心に在りつづける。”→by大人気漫画家・高橋留美子氏。「BLAME!みたいなマンガばっかり読まずにたまにはこういうのも読め」と先日兄がくれました。作者は近藤ようこ?全然知りません。88年~91年にかけて「ASUKA」に連載されたものの人気がなく打ち切りになった未完の漫画を、12年の月日を経て52ページの完結編を描き下ろし復刊したんだそうな。

主人公は、狼と行者に育てられ”立派な人間になる”べく修行の旅を続ける少年ワタル。ある日、魂である鏡を失ってぬけがらのようになった謎の美少女・鏡子(かがみこ)を野盗の元から救い出し、鏡子の家探しをしながら一緒に旅をすることに。行く先々で日本の神話や昔話に出てきそうな不思議な出来事に遭遇します。

少年らしいまっすぐな正義感を持つワタルの心をかき乱す、無垢な鏡子の行動は無邪気であればあるほどになんとも言えず色っぽい・・・と思ったら、作者・近藤ようこ氏があとがきにこのように書いておりました、”ころころと可愛くて、素朴でエロティックな、子供の頃好きだった少年漫画のようなテイストをこの物語に入れたかった”と。

しかし、作者が一番好きだったという白土三平の漫画には正直あまり馴染みがありません。そんな私が「水鏡綺譚」を読んで連想したのは、高橋留美子の「人魚の森」でした。

Nin

人魚の肉を食べて不老不死になった湧太と真魚(まな)の、恐ろしくも切ない物語。死ねない自分を救ってくれるかもしれない人魚を求めて旅してきた湧太と出会うまでは、ずっと囚われの身であった世間知らずの真魚の無邪気さや長い黒髪が、鏡子となんだかダブるのです。(兄に同意は得られませんでしたが)もしや高橋留美子が「水鏡綺譚」をリスペクト?・・・と勝手に想像しつつ調べてみたら、近藤ようこと高橋留美子は高校の同級生で、在学中漫画研究会を立ち上げ共に取り仕切っていたというではないですか。(ちなみに「人魚の森」の方が先に描かれていました)

漫画研究会を立ち上げるほどに漫画が好きで、青春時代を共に過ごした女性が描いた漫画なら、少女が密かに夢想しそうな耽美な世界観を、二つの物語が共通して持っていることもあるかもねと思いました。不老不死の湧太と真魚の旅が何百年も続いていくように、完結編で別れ別れになったワタルと鏡子の物語も、実はまだ続いているような気もしたり・・・。

まぁそんな勝手な妄想はさておき、SF好きの私の心にもしんしんと響くマンガでした。お兄ちゃんどうもアリガトウ。

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コメント

おおかみに育てられるってとこが、
ガラスの仮面の狼少女ジェーンみたい!
たしかに、心があらわれる!?

投稿: えす | 2006年8月25日 (金) 18時13分

えす様

ガラスの仮面…まだ終わっていないよね?
懐かしいですなぁ。

投稿: kenko | 2006年8月27日 (日) 18時36分

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