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敬愛なるベートーヴェン

Copying_beethoven

2007年1本目☆

クラシック → のだめ?・・・程度のことしか思いつかないミーハー者ですが、鳥肌モノの第九を体感すべく行ってまいりました。

<あらすじ>

1824年ウィーン。第九の初演を4日後に控え、未だ合唱パートが完成していないベートーヴェン(エド・ハリス)のもとに、作曲家を志す若き女性アンナ(ダイアン・クルーガー)が写譜師として送り込まれる。ベートーヴェンの音楽を深く理解するアンナは、苦悩するベートーヴェンを力強くサポートしていく。そしてついに迎えた第九初演の日、難聴のため指揮することに怯えるベートーヴェンだったが・・・敬愛なるベートーヴェン公式サイト

手掛けたのはアニエスカ・ホランドというポーランド出身の女性監督。過去の作品で観たことあるのは、『太陽と月に背いて』だけだなぁ。あの頃のディカプリオは良かった。。。今作では、思ったよりも実験的なカメラワークが印象的でした。

病に苦しむ写譜師のおじさんが弾く古いピアノの音色や、「ウィーン中が待ち望むベートーヴェンの新曲を誰よりも早く聴くことができるんですもの。引っ越すなんてとんでもない!」と言って微笑むおばあちゃんのシーンが好き。

意外と早目にやってきた第九のシーンはウワサ通りの圧巻!演奏者も、飲み屋のおじさんも、そして叔父が天才であるが故に苦しむカールも、みな魂を激しく揺さぶられているのに、神の声を解き放った張本人のベートーヴェンだけが、アンナの合図を必死で見ながらまるでひとごとみたいに指揮棒を振っているように私には見えました。演奏中、難聴であるベートーヴェンには彼の内なる音楽がちゃんと再現されているかどうかきっと分からないわけで・・・エド・ハリスはそこら辺をリアルに演じたのかしら。第九に酔いしれる美しいアンナの姿はどこか官能的。そしてそんな彼女を見つめるベートーヴェン・・・

しかし結局、彼の音楽は多くの人に讃えられ愛されても、彼自身を愛してくれる人は誰もいないのだ。だってベートヴェンってば、とても粗野でデリカシーがなくて不潔なんですもの。正直私も、大きな声で怒鳴ったりする人は苦手です。天才は孤独。その行動は純粋に愛を求めるあまり自己中心的で子供っぽい。それでも彼の才能や時折静かに話す言葉は光り輝いていて若いアンナも惹かれるけれど、けして一線を越えることはありません。でも・・・男女、師弟、親娘、いや母子?二人の強い結び付きは運命的で複雑なのです。

ところで。神の声・第九に感涙しふと連想したのは、学生時代バックパッカーを気取ってヨーロッパを旅した時に訪れた、バチカン市国内にあるサン・ピエトロ大聖堂だったのでした。歴史的、宗教的背景などボンヤリとしか知らず、ガイドさんがいてくれたわけでもなかったのですが、大迫力の建築美に圧倒されわけも分からず泣きそうになっちゃいまして。おそらく、神の仕事としか思えない彫刻や、あるいはそれらを造り上げた当時の芸術家達の強い信仰心に、日本からなんとなく来てみただけの無宗教な一婦女子は不意打ちを喰らってしまったのだと思われます。ベートーヴェンとは時代もお国も違うし「いったい何の話?」とツッコまれるかもしれませんが、すっかり忘れていたことをせっかく思い出したのでちょっと書いてみました次第です。なんだそりゃ。

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映画」カテゴリの記事

コメント

こんにちわ!

おお!ご覧になられましたねえ!
素晴らしい作品でしたよねえ・・・やっぱ
あの第九シーンは圧巻・・・感動でも悲しみ
でもない、新感覚の涙を流しました。

ところで、私もこの映画を観て、
ヨーロッパの壮大な建造物を思い出しました
バチカン市国ももちろん、ヴェニスの
サンマルコ寺院とかミラノの大聖堂とか。
睦月もヨーロッパは何カ国が行っているので
kenkoさんがおっしゃる雰囲気、分かりますよ♪

投稿: 睦月 | 2007年1月12日 (金) 08時55分

睦月様

観ましたぁ!ようやく☆
期待以上、大迫力の第九シーンでした!
甥っ子カールはあの後どうしたかなぁ…
心を入れ替えたか、ますますひねくれたか。。。

>ところで、私もこの映画を観て、
ヨーロッパの壮大な建造物を思い出しました

おぉ!ホントですか!嬉しいなぁ♪
ミラノは行ってないですが、ヴェニスには行きました。
不勉強な若造は信仰と芸術とが融合したヨーロッパの建築物を見て
「神様を信じる気持ちってスゲー!」と畏れおののいたのでした☆
社会人になってからは長期の休みが取りにくかったり、
長時間飛行機に乗る根性がなくなったりでなかなか重い腰が上がらないけど
また行きたいですヨーロッパ!

投稿: kenko | 2007年1月12日 (金) 12時15分

こんにちわ~
涙が出てくる…なんか鳥肌が立つのと似ています。睦月さんが言うように、嬉しいとか悲しいとかではない…壮大で自分(の周囲・日常)にないものに出くわすと…鳥肌が立つような感じ。
感無量ってやつですかねぇ。
凄い映画でした。

TBありがとうございます。

投稿: 八ちゃん | 2007年1月12日 (金) 15時46分

八ちゃん様

こんにちは!
お返しTB&コメントどうもです。

そうなの!正に感無量でした!
てゆーか私、映画を観ちゃあしょっちゅう感無量になってる気もしますがw
実際に第九の初演を聴いた当時の人々は、
人生観変わっちゃったかもしれませんよね。

投稿: kenko | 2007年1月12日 (金) 17時15分

官能的!の言葉に反応してしまいました。
やっぱり第九ってのは陶酔できる曲ですわ。
メロディが覚えやすいってのもあるけど、
心に響く曲ですよねぇ~
もう一度陶酔したいものです。

投稿: kossy | 2007年1月12日 (金) 17時25分

kossy様

第九のシーンがスゴイ!とは聞いていたけど
あんなに官能的でもあるとは思ってなかったのでちょっとドキドキ。。。
クラシックを聴く習慣のない私でも、どっぷり陶酔できました。
もっと聴いていたかったなー♪

ところで、私が古いピアノだと思っていた楽器、あれはチェンバロだったのですね。
恥ずかしながらkossyさんの記事を拝見し教えて頂きました。
私ってばホントものを知らないんだから・・・勉強になりました!

投稿: kenko | 2007年1月13日 (土) 12時43分

アンナは、本当に官能的でした^^)
ふたりのあいだのなんともいえない一体感は、ゾクッとしますね~♪

そして、あの第九のシーンは、わけもわからずにグッときました。
ブワッと浮かぶ涙~~。
揺さぶられるって感じでした^^)

あ、ご挨拶が遅れました。
今年もちょくちょくお邪魔すると思いますが、よろしくお願いします^^)

投稿: ぷちてん | 2007年1月18日 (木) 21時47分

ぷちてん様

二人の間のなんとも言えない一体感・・・
音楽に言葉がいらないように、
二人の関係も言葉では言い表しがたいものがありましたね。

第九のシーンでは私もグっと来てさらにブワっと来ちゃいました!
クラシックはそんなに聞かないのですけど、
やはり時代を越えて多くの人に愛される音楽っていうのは
すごいパワーがあるなぁ!と思いました。

こちらこそちょくちょくお邪魔させて頂きますョ☆
今年もヨロシクです!!

投稿: kenko | 2007年1月18日 (木) 22時21分

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