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2007年2月

パフューム ある人殺しの物語

Perfume

ファーストカットからして、並みの映画ではない匂いがプンプン。

<あらすじ>

18世紀パリ。悪臭立ち込める魚市場で産み落とされた赤ん坊、ジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。驚異的な嗅覚を持つがゆえに周囲に疎まれている彼は、ある晩、美しい赤毛の少女の香りに夢中になってしまう・・・パフューム ある人殺しの物語 公式サイト

パトリック・ジュースキントの1985年のベストセラー小説『香水 ある人殺しの物語』。ある意味主役が”におい”であるだけに映像化不可能と言われていたらしいのだけど、このたび『ラン・ローラ・ラン』のドイツ人監督、トム・ティクヴァが満を持して映画化。原作は未読ですが、この手のお話はもともと大好きなので、かなーり前からすんごく楽しみにしておりました。そしたらまたもや試写会当選。いやっほーぃ

観終わってまず思ったのは、予告篇やチラシなどで終盤の重要なシーンのネタバレをし過ぎなんじゃないかしら、ということ。原作を読んであらすじを知っている人にとっては割りとどうでもいいことなのかもしれないけど、そうでない人はなるべく前知識なしに観た方がより楽しめるんじゃないかと思うので、最近サボってたネタバレ警告を久々にやっておこうと思います。

てなワケで、以下ネタバレ↓

劇中ジャン=バティストが嗅ぐ恍惚の香りが、スクリーンのこちら側まで漂ってきてもおかしくないくらいに、映像に焼き付けられた濃密な”におい”がそこにありました。色彩、質感、光と影、そして音楽が織り成す甘美で猟奇的な世界の魅力はすさまじく、個人的にはこの雰囲気、たまらなく好きです。しかし、「すごく良かったから観てみて!」と素直にオススメできないのは、巷でウワサのそのトンデモない結末にありまして。それについては後ほど。

やたらとグロテスクな映像が次々と映し出されるジャン=バティスト生誕シーン。そのおぞましさは同時にこの上なく美しくもあり、不思議と不快感は感じませんでした。てゆーか、あの赤子はホンモノ?なワケないですよね?あまりにもリアルでしたが。やがて赤ん坊が成長し青年になり、ある晩運命の香りに出会いそれを失うまで・・・、背景が混沌としたパリの街であることも相俟って、後半のパリ郊外の町篇よりも(町名忘れた)鮮烈な印象が残りました。

主演のベン・ウィショー、彼がこれまたものすんごくハマリ役。その顔立ちも佇まいも、そして狂気を秘めた無垢なる瞳も、何もかもがあまりにもジャン=バティスト・グルヌイユなのですよ。”におい”を演技で表現するのってかなり難易度高そうな上セリフも少ないのに、見事に演じておられましたです。しかし・・・ダスティン・ホフマン宅でのオイタ、あれはネコ好きとしては許せん!!そんなんでニャンスメルを抽出できるワケないだろが~バカっ!!美女の全裸死体より何よりショックでした・・・。

で、問題の結末。匂いフェチ街道をまっしぐらに突き進んだジャン=バティスト・グルヌイユが、ついに到達してしまったトンデモない境地とは・・・

予告篇等で”その香りに世界がひれ伏す”とかしつこく言ってくれるもんだから。馬車を降りたジャン=バティストが民衆の前に立ったあたりから、映画を観ている自分の心境としては「もうすぐひれ伏すよ~ひれ伏すよ~・・・・・・ハイ!ひれ伏した!」みたいなことになってしまいまして。けっして”否”ではないのだけど、「なんじゃこりゃ?」と思ってしまったのも事実。「あたり一面ハダカンボのこんな映像観たことないなぁ。寒そう~ロケ大変そう~」とか余計なこと考えちゃってる時点で、やはりすこ~し引いてしまっていたのだろうと思われます。タイトルに”ある人殺しの物語”とありますが、これは”ある救世主の物語”でもあったのね。そう考えるとアラン・リックマンの最後のあのセリフも、父なる神様から不幸な息子君への謝罪の言葉だったのかもしれないと思えました。

しかし世界を支配できる究極の香りを手に入れたところで、それを使って人々を救う理由なぞ、ジャン=バティスト・グルヌイユにあるハズもなく。だって彼が本当に望んでいたのは、神になることではなかったのだもの。ハダカンボがあったからこそようやく気がつくことができた、シンプルで本能的で人としてイチバン大切なこと・・・。

悲しき猟奇殺人者を描いたサスペンスなのかと思いきや、実は残酷で美しいファンタジーだったみたい。人になれず、神になることを選ばなかったジャン=バティスト・グルヌイユ、彼のことは忘れません。

※mezzotintさんのブログ『銅版画制作の日々』にTBさせて頂きました。

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世界最速のインディアン

Worldsfastestindian

愛しのレクター博士さま。これからはバート・マンローじいちゃまのことも、等しく想わなくてはなりません。

<あらすじ>

ニュージーランド南端の町、インバカーギル。バート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は、1920年型インディアン・スカウトというバイクを何度も改造し、ひたすら速く走ることに人生を捧げてきた。そんな彼の夢は、アメリカのボンヌヴィル塩平原で世界記録に挑戦すること。狭心症を患いながらも、バートはついにアメリカ行きの貨物船に乗り込み、ボンヌヴィルを目指す。世界最速のインディアン公式サイト

映画が始まって数分、すっかり忘れていた自分の弱点のひとつを思い出しました。それは・・・おじいちゃん。おじいちゃんモノ(?)に弱いということ。おばあちゃんにも弱いけど。家なんだかガレージなんだか分からないおうちで、愛車インディアンと暮らすバート・マンローの姿を眺めているだけで、むやみやたらと涙がこぼれてきて困りました。

早朝からエンジンをふかしまくり、お隣さんに叱られるバート・マンロー。人んちの肉切り包丁を、バイクの改造の為に勝手に失敬するバート・マンロー。ほったらかしの庭の雑草に火を放ち、消防車を呼ばれてしまうバート・マンロー。はっきり言ってものすごーく変人で迷惑なじいさんなのだけど、彼を憎んだり疎ましく思ったりする人は誰もいません。なぜならば!彼はどんな人間に対しても態度を変えないし、怯むこともない。いつも笑顔でジョークを飛ばし、相手の気持ちをあっという間に解きほぐしてしまうのです。もうあっちやこっちでモッテモテ。そういう私もすっかりメロメロに。

この愛されキャラ、バート・マンローを演じるのは名優アンソニー・ホプキンス。改めて言うのもナンですが、その演技の巧みさには脱帽いたしました。子供のように無邪気なんだけど、年老いた自分という現実を冷静に受け止めてもいる。おだやかな笑顔、でも時々、すごく寂しそう・・・。ようやくボンヌヴィルに辿り着いた時の彼のあの表情・・・たまりませんね。そして忘れてはならないのが、とっても嬉しいことがあった時に披露される素っ頓狂なダンス。なんですかアレ?むちゃくちゃカワイイんだけど♪

バート・マンローの言葉には、ズシッと心に響いてくる名言がいっぱい。特に「夢をもたない人間は野菜と同じだ」は・・・、イタかったっす。坊やがすかさず「どんな野菜?」と訊ねると、「キャベツだな!ははは!」ですって。キ、キャベツかぁ、そうかぁ。。。このへんの坊やとのやりとりも、別に泣くところじゃないと思うのですけど泣けて泣けてしょうがなかったです。

ただひたすらに夢を追い続ける男、バート・マンロー。行く先々で出会う人々も、そんな彼の夢のかけらを少しずつ分けてもらってみんなハッピーになってゆくのだ。映画を観ている私達もね。とっても心があったかくなる、ステキなステキな映画でした!大好き~バート・マンローじいちゃま☆

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しょこたん☆苺まつりin広島

なぜか行ってきました。2月17日(土)18:00~、おしゃれなシャレオ中央広場にて。

アイドルでありながらオタク街道まっしぐらなしょこたんのこと、応援していなくもないんだお☆(アイタタタ)

先日発売されたしょこたんのシングルCD『ストロベリmelody』の公開ミニライブ&トークショーということだったのだけど、その開催地が東京、大阪、そしてなぜか3箇所目が広島なのです。行ってみてもいいでしょ?でしょ??

Syokotan

しょこたんをより近くで拝む為の整理券をゲットするほどの熱狂的なファンではナイので、人込みの後ろ~の方からチラっと拝見しただけでしたが、さすがに生しょこたんはお人形さんのように愛らしかったです。

彼女が運営する超!人気ブログ『しょこたん☆ぶろぐ』でよく目にする”ギザカワユス!”とか”マリガトウ”などといった独自の言語。アレっててっきり、あくまでブログ上でのみ使用されるモノだと思っていたのですが・・・勉強不足でした。アレは実際に日常会話として使っても良いモノだったのですね。しょこたんが「ギザうれしすなぁ!」などと口にするたび、ドッと沸く会場。ヒトゴトみたいに言ってる私自身も、正直和みました。

しょこたんがシングルCDに収録された3曲をアイドル揺れを駆使しながら可愛らしく熱唱したあと、トークは5月頃発売される予定のアニソンカバーミニアルバムのお話に。

現在しょこたんカバーが決定しているアニソンは、『ドラゴンボール』のEDテーマ”ロマンティックあげるよ”や、『エヴァンゲリオン』の”残酷な天使のテーゼ”など・・・なのですが、その他の曲に関してはファンの皆様からのリクエストを大募集しておるそうなんです。

しょこたんにも「どんなにマニアックなのでもいいので、好きなアニソン考えておいてください!」と言われてしまったので、ホントに考えてみました。

しょこたんの好きな80年代テイスト溢れるアニソン・・・しょこたんをプロデュースする気持ちで・・・私なりに出した結論・・・それは・・・

『夢戦士ウィングマン』の”異次元ストーリー”とかいかがでございましょう。微妙?地味?つか知らない?こんなのです↓

http://www.youtube.com/watch?v=Af1A4poGer4&mode=related&search=

でも”異次元の天使~♪”ってトコが、エヴァとカブっちゃうよね。

調子に乗って、職場のおともだちにもムリムリ考えてもらいました。彼女のセレクションは・・・

『Theかぼちゃワイン』の”Lはラブリー”!!・・・イイ!すごくイイ!!ナ~イスチョイスっ

こんなの↓

http://www.youtube.com/watch?v=60MHrpuz3Lk

YouTubeってホンットになんでもあるんですね。

つかヒマですいません。アホですいませんでした。

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ディパーテッド

Thedeparted

レオナルド・ディカプリオもマット・デイモンもどちらもあんまり好きではなくて、彼らが出演する映画を劇場で観るのを何年も避けていた気がします。でも大好きなジャック・ニコルソンが出てて、香港映画の伝説的傑作『インファナル・アフェア』のリメイクとあらば、やっぱ観ておかないとね。

<あらすじ>

マサチューセッツ州ボストン。犯罪組織との繋がりを持つ自らの生い立ちと決別すべく警察官を志すビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)と、マフィアのボス、フランク・コステロ(ジャック・ニコルソン)に育てられたコリン・サリバン(マット・デイモン)は、同じ警察学校を共に優秀な成績で卒業する。彼らはお互いの存在を知らぬまま、ビリーはコステロの元へ潜入するという極秘任務を命じられ、コリンはエリート捜査官としてコステロを摘発する特別捜査班に抜擢されるのだった。ディパーテッド公式サイト

『インファナル・アフェア』は1作目しか観ていないのだけど、アンディ・ラウとトニー・レオンの存在感がバツグンで、シンプルでありながら後半にはビックリ仰天してしまう仕掛けの脚本、全編に漂う男の美学がついクセになっちゃうような秀逸な映画でした。

アジアが誇るあの傑作をハリウッドがリメイク?またぁ?・・・と、始めはちょっとだけ不満だったのですが、いやいやどうして、これがなかなかに面白かったです。

インファナルそのまんまのところもあり、そうでもないところもあり・・・。お国柄の違いなのか何なのか分からないけど、インファナルの二人は、自らの宿命に抗うべくいろいろやってるようで実は最初からそれを受け入れているかのような気だるいハードボイルド感をかもし出してた気がするのですが、ディパーテッドの二人には、”宿命”という言葉も”ハードボイルド”という言葉も似つかわしくないし、なぜか時々ちょっぴりコミカルにすら感じました(ラストシーンとか特に)。あとあちこちで言われているようにやたらとバイオレンス度がアップしてまして、特にギブスをブチ割るシーンでそれを実感。しかしまあともかく、男の美学に浸るヒマもなくお話が非常にテンポよく進んで行くので、結構長い上映時間で要所要所のオチを知っているにも関わらず飽きることなく楽しめちゃいました。

あんまり好きじゃなかったレオ様ですが・・・。イイ。すごくイイではないですか。すっかり逞しいオトナの男に成長しましたのね(一体いつから観てないのだ)。常にお目目ウルウルなギリギリボーイっぷりに胸が痛くなると言うかなんと言うか、とても良い演技だったと思うのです。でもアカデミーは『ブラッド・ダイアモンド』の方でノミニーなのね。公開はまだもう少し先だけど、こちらも観るべし!!ちなみに、デイモンさんの評価は据え置きです。

そして我らがジャック・ニコルソン。最近はコメディ路線の作品の出演が多く、役柄も恋愛ベタで絡みづらい小説家とか、定年退職後の悲壮感溢れるおっさんとか、うら若き美女からチャーミングな熟女までなぜかモテモテの憎めないお金持ちとかだったので、今回の邪悪路線は久々な気がして勝手にウハウハしてました。『インファナル~』の方のボスよりも明らかに危なくて、何をしでかすか分からないフランク・コステロを好演!!ボス自らが両手を血だらけにして一体何をされてたのでしょう。もうおじいちゃんなのに。

やっぱ『インファナル・アフェア』の熱狂的なファンの方には評判悪いのかな?期待以上に面白かったし、インファナルとは違った切り口の演出を頑張ってやったっぽいのと、レオ様を見直す機会を与えてくれたということで良しとします・・・って何様?

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ドリームガールズ

Dreamgirls

い~い映画観ちゃった。爆裂エモーション!!

<あらすじ>

1962年デトロイト。エフィー(ジェニファー・ハドソン)、ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)、ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)の3人は、歌手としての成功を夢見てドリーメッツというグループを結成し、オーディションへの挑戦を繰り返していた。中古車販売会社のカーティス(ジェイミー・フォックス)はそんな彼女たちに目を付け、マネージメントを買って出る。ドリームガールズ公式サイト

最近、試写がよく当たるんす。

タモさんのミュージカル嫌いは有名で、その理由は「お話の途中で突然歌い始めるのがヘンだから」・・・なんですよね。ミュージカルの良さを知る前は分かるような気もしていたけれど、その素晴らしさをささやかながら知っている今では、もったいないなぁ!と思ってしまいます。生ミュージカルはそんなに観たことないですが、ミュージカル映画は好きな方で、特に愛しているのは黄金期のいわゆるMGMミュージカル。超絶タップを踏み歌い踊るジーン・ケリーやフレッド・アステアの姿は、ドリーミーで、キラキラしてて、何度観ても胸がいっぱいになっちゃうのです。

この作品は、ダイアナ・ロスとザ・スプリームスをモデルにしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化で、時代も音楽も大好きなMGMミュージカルとは別物だけれど、”歌っていないシーン”の描写が現代風でリアルなだけに余計に、「えぇ?ここで歌い始めるの?」と、タモさんならドン引きしてしまいそうなところもちょぴっとあります。でも。でもですよ。そんな違和感どうでもよくなってしまうくらいに、どの役者さんのパフォーマンスも超パワフル!で、すんっっばらしいのです。

中でも最も光り輝いているのは、ゴールデングローブ賞を始めとした各映画賞を既に受賞しており、アカデミーにもノミネートされているエフィー役のジェニファー・ハドソン。完璧な美しさを湛えたビヨンセに比べたらもちろん美人ではないのだけど、自分の歌声に絶対の自信を持つ彼女のパフォーマンスにのっけから激しく引き付けられ、あっという間にトリコになってしまいました。特に素晴らしかったのは、誰も聞く人のいないステージでたった一人、孤独と、求めてやまない愛とを歌い上げるシーン。世界中の人が振り返りそうなくらい力強くて、美しくて、痛々しくて・・・涙が止まりませんでした。

80年代にテレビの洋画劇場を観て育った人間にとっては、エディ・マーフィーやダニー・グローヴァーの出演も嬉しい限り。ジェームズ・ブラウンをモデルにしたというジェームズ・アーリー役のエディも、ドリーメッツに負けず劣らず魅せてくれました。その美しさこそが夢そのもののようなビヨンセ・ノウルズ七変化にもウットリ。

ストーリーがありがち?だから何ですか。映画と音楽って、切っても切り離せないもの。何度もカーテンコールしているかのようなサービス精神たっぷりのエンドクレジットにも大満足でした☆

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仮面ライダーSPIRITS

最近、”仮面ライダー”にハマってるんす。(SGA屋伍一様のご指導のおかげですっかり楽しませていただいております。ありがとうございます)

それもいわゆる、オダジョーの出世作『仮面ライダークウガ』から始まった”平成仮面ライダーシリーズ”に。わりとドップリと。

第2作目にあたる『仮面ライダーアギト』をコンプリートし、1コ戻って今『クウガ』を観ているところなのですが、現在DVD化されている平成ライダーを制覇したら、次は原点である昭和ライダーに手を出してやるのだ!・・・という壮大な野望が渦巻く中(どんだけヒマ人なのだ)、私の趣味嗜好が何かとサブカルオタク寄りになってしまったことの一因を担っており、子供の頃はV3が好きだったといううちのお兄様にさっそくこのことを報告してみましたところ、『マガジンZ』にて現在連載中の村枝賢一氏のマンガ『仮面ライダーSPIRITS』を薦められたのでした。

Spirits1

兄が申すには、「特に3巻、ストロンガーのエピソードが秀逸。ライダーの強さ、孤独、ここにあり!」なんですと。ふーんそーなんだー・・・ってなワケで、さっそく1~4巻を購入し読んでみましたよ。

”原作 石ノ森章太郎”とありますが、基本的には村枝氏のオリジナルストーリーで、設定としては1971年から始まったテレビシリーズにおけるライダー達のその後・・・ってことになってるらしい。

正直最初は、村枝氏の描くちょっと古臭い絵柄、あまり好みじゃないな・・・と思いながら読み始めました。しかし第1話における、滝和也のスカルマンを連想させる扮装を見て、絵柄がどうこう言っとる場合ではないことが判明。そしてその後の1号の変身シーンで、自身も幼い頃憧れたであろうライダーへの、村枝氏の熱いパッションを確認。

第1部(1~3巻)では、新たなる敵の影を匂わせながら、1号、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、それぞれのオリジナルエピソードを各ライダーの紹介もふまえて描き、第2部(4巻~)から満を持して不遇のライダーZX(ゼクロス)や、敵サイドのライダー軍団も登場、あくまで子供向けの特撮番組であったかつてのテレビシリーズではあまり描かれなかった仮面ライダーのダークな部分や改造人間としての苦悩などが、熱く描かれています。

今は亡き石ノ森先生の描いたマンガで読んだことあるのは、『仮面ライダーBLACK』と『人造人間キカイダー』くらいなのであまり偉そうなことは言えないのですが(さんざん言っておいて?)、キカイダーの方はけっこう好きで、以前MEIMU氏が描いた『キカイダー02』というリメイク版のマンガをジャケ買いしたことがありました。しかしこれ個人的な感想ですが、絵はすごくキレイだし今っぽいんだけど内容はどうも物足りなくって、残念ながらそこにキカイダースピリッツを見出すことはできなかったのでした。(最後まで読まなかったのでなんとも言えませんが・・・2000年に製作されたアニメ『キカイダーTHE ANIMATION』は良かったなー)

それに比べるとこの『SPIRITS』は熱い。それもドロドロと燃えたぎっています。この、ちょっと昔のマンガっぽい絵だからこそ、と今では思っています。畏れおおくも「好みじゃない」なんてほざいた自分を反省。私、全然リアルタイムでは観ていないハズなのになぜか昔からアマゾンがお気に入りなので、血しぶき舞うアマゾンエピソードに興奮しました。兄オススメのストロンガーの回も良かったです。でもストロンガーのデザインってちょっとヘンだよね。(アマゾンを棚に上げといて)

それはさておき・・・この物語にはタイトル通り確かに、石ノ森章太郎先生がかつて世に送り出し、多くの人に愛された仮面ライダーという孤独なヒーローの魂が受け継がれている・・・!!と、感じたのでした。

各巻気合いの入った表紙のイラスト、カラーページ、表紙をめくってすぐのところに収録されている石ノ森先生の描いたイラスト&村枝氏の描いたイラストもそれぞれに素晴らしいです。かつて「ライダー・・・・・・変身!!!」に夢中になった方はぜひ。

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エラゴン 遺志を継ぐ者

Eragon

1日1回ヘンな時間に、かろうじて上映中。

<あらすじ>

邪悪なガルバトリックス王(ジョン・マルコヴィッチ)に支配された帝国アラゲイシア。その辺境の村で叔父と暮らしていた少年エラゴン(エド・スペリーアス)は、ある日森の中で青く光る石を見つけるが、それは実はドラゴンの卵だったのでした。エラゴン遺志を継ぐ者公式サイト

原作者のクリストファー・パオリーニは、この物語を15歳で書き始め、17歳で自費出版したとのこと。スゴイなぁ。十代の自分が想像した架空の世界が、大迫力のVFXで映像化されるのって、いったいどんな気分なんでしょう。

原作は未読なのでなんとも言えませんが、確かに長い物語をダイジェスト的にグッと短くまとめちゃった感はあります。原作に全く思い入れのない自分としてはあまり気にならなかったのですけど、そうでない方にはとっても評判悪いみたい・・・。サクサクっと進むエラゴン旅立ち篇、個人的にはハデハデアクションシーンを存分に満喫いたしました。

『指輪物語』がいわゆるRPGゲームの元ネタのひとつであったように、この『エラゴン』もRPG臭プンプン。てゆーかこちらの場合、まずRPGゲームありきだと思われますが。ドラクエやFFを人並みにヤリ込んだ者ならば、こういう世界観は妙に親しみ深いというか、ドラゴンとか勇者とか魔法とか「ファイガ!」とか「メガフレア!」とか言われると(言ってない)、無条件にワクワクしちゃうのです。

そんなワケで・・・ストーリーはこの際置いといて、特に言いたいことだけ箇条書きで挙げていきたいと思います。

①ドラゴンとしての雄雄しさと、女の子としてのセクシーさ、エレガントさが見事に表現されたヒロイン・サフィラちゃんがとっても魅力的。あっという間に成長してしまって、キュートな赤ちゃん時代があまり見られなかったのが残念だけど。ドラゴンに乗り、大空を自由自在に飛び回るというのは、今も昔も変わらぬ青少年の夢なのです。

②18万人の中からエラゴン役に大抜擢されたという主演のエド・スペリーアス君。「なんでこんなんがドラゴンライダー?」という役どころにはピッタンコな彼、キラキラの鎧を身に纏ったとたんにそれらしく見えてくるから不思議です。自分でも「我ながら見違える」とか言っちゃってるし。

③レスラー風ザコキャラがワラワラと登場するたび、そのあまりにもベタなザコっぷりに思わず笑みがこぼれました。ダーザに怒られてキョドる姿もまた良し。全身に黒い虫みたいのがいっぱい蠢いてる方の皆様も、ス・キ♪

④脇を固めるシブいおじさま達の雄姿にも期待しつつ観に行ったのですが、最もツボにハマったのは、ジェレミー・アイアンズでもジョン・マルコヴィッチでもなくゾンビーフェイスのこのお方↓

Durza_1

ゾンビじゃなくて、どちらかというとヴァンパイアでしたけど。彼いいわぁ。どっかで見た顔だなーと思ったら、『フル・モンティ』や『トレイン・スポッティング』に出てたロバート・カーライルさんでしたか。全然分かんなかった。次回作でも、なんかこうわけわかんない闇の力でもってムリムリ復活してくれないかなー

⑤なんと言っても一番の見どころは終盤のエラゴンとダーザのガチンコ勝負。でも勝負の決着がついた瞬間、分かっちゃいたけどダーザ贔屓の自分としてはちょっぴり複雑な心境だったりして。

次回はやっぱドラゴンVSドラゴン?今度こそマルコヴィッチ大活躍?楽しみです。

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墨攻

Bokkou

珍しく試写会にて鑑賞。原作は日本産のコミックだそうですが、そもそもそのコミックは酒見賢一氏の書いた歴史小説を原作にしているとのこと。でもこの映画が基盤としているのは、あくまでコミックの方なのね。どちらも未読ですが、上映後どっちでもいいから無性に読みたくなってしまいました。

<あらすじ>

紀元前370年頃、戦乱の中国。巷淹中(アン・ソンギ)率いる大国・趙の10万の大軍を前に、全住民わずか4千人の梁城は落城の危機に瀕していた。梁王(ワン・チーウェン)は”非攻”を信念とする墨家に援軍を求めるが、やってきたのは革離(アンディ・ラウ)という男ただ一人。王やその側近、民衆の疑念の中、革離は一体どうやって梁城を守り切るのか。墨攻公式サイト

”10万の敵にたった一人で挑む”というキャッチコピー。主人公は、攻撃せずに守り抜くことを信念とした思想家集団”墨家”から、梁城を救う為にただ一人やってきた男・革離。そういった前情報からこの映画に期待したのは、”正に映画スターといった感じのオーラを輝き放つアンディ・ラウ様が、すんごいクレバーかつ画期的な方法で大軍をものの見事に追っ払う”的なものだったのでした。

もちろんアンディ・ラウはメチャンコかっこいいです。当たり前ですが存在感抜群。冒頭の弓矢によるエピソードも、「そんな矢一本で一体どうするつもりなのだ!」と、ついワクワクしました。しかしこれも結果としては、敵軍までの距離が微妙にこちらに伝わってこないせいか、「え?その程度でビビって退散すんの?」みたいな印象に。そのほか革離が繰り出す策も、有効みたいだけど思ったほど目を見張るものでもなく。”攻撃せずに守り抜く”ことが信念であるわりには、やたら残虐な方法で敵兵をやっつけまくるし。とにかく前半は、登場人物の行動がいちいち唐突に見えたり、ヒロインを演じる女優さんのアイドル声が気に入らなかったりで、なんとなく不可解な気持ちが続きました。(ケチつけてゴメン、アンディ)

しかし後半の、胸が痛くなるほど理不尽で悲しい戦いや、墨者としての正義に基づき行動しているハズの主人公・革離の「こんなつもりじゃなかったのに・・・」的な表情を眺めているうちに、そもそもこれは自分が勝手に期待していた爽快な時代活劇ではないのだ、ということが分かってきて。戦争は人の心を疑心暗鬼にし、殺し合いのその瞬間には”攻撃せずに守り抜く”ことなんて到底無理。”総ての人を公平に愛そう”にも、本当に愛する者を誰かに奪われた時、はたして人はその誰かに憎悪をぶつけずにいられるだろうか。

ストーリーの粗さは気になるし、せっかく中国・韓国・日本が手を組んで、いい俳優、いいセットや衣装で題材も面白そうなのに、なんかもったいない!・・・と、どうしても思ってしまうのだけど、ラスト、革離や子団のとった行動に胸を打たれ、エンドロールが始まったとたん、この映画のテーマと思われることについて深く考えこんでしまったのでした。

てなワケで。(どんなワケじゃ)映画ではザックリはしょったっぽい墨家についての描写とか大変気になるので、近いうち原作を読んでみたいと思いますです。

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天体戦士サンレッド

Sunred2 Sunred3 Sunred4

2巻、3巻、4巻それぞれの表紙から、このマンガの絵も言われぬユルさ、なんとなく伝わりませんでしょうか。

『天体戦士サンレッド』は、

ヴァンプ将軍(料理好き)率いる悪の組織・フロシャイム(川崎支部)。ご近所付き合いに気を配りつつも世界征服を企む彼らは、正義の味方・サンレッド(チンピラ)の命を狙い、今日もまた戦いを挑むのであった。天体戦士サンレッド ヤングガンガン公式サイト

そんな感じの、なぜか怪人たちにほのぼの和んでしまうギャグマンガでございます。

先日、たった10Pほどの弐瓶勉氏の読切『戦翅甲蟲・天蛾』を読みたいが為に購入したヤングガンガン。連載中のマンガの中で、なぜか一番心が動いたのがこの脱力系ヒーローコミック『天体戦士サンレッド』だったのでした。

主人公は”一応”正義の味方であるレッドさん。レッドっていうくらいだからブルーやらイエローやらが存在するのかと思いきや、基本的にヒーローはレッドさんお一人のみしか登場しません。1巻と2巻に収録されているサンレッドの前身(つーか名前が違うだけで内容はほぼ同じ)であるらしい『気象戦隊ウェザースリー』には、ホストのバイトをしているブルーとか、関西弁ビールっ腹のイエローも、ちょこっと出てくるんですけどね。レッドさんがデス強すぎるんで、ブルーやイエローの出番なくなっちゃった?

はっきり言ってこのマンガの見どころは、ホントは強い(レッドさんとの対決ではいつも瞬殺だけど)怪人たちの生活感溢れる日常なのでございます。なんてことない平凡な日々の細か~い描写に、世界征服を企む怪人たちを配置するというその目のつけどころがとってもナイス。日常っつっても怪人ならではの小ネタが盛り込まれているのがミソなんだけど。例えば一人暮らしの男性や一般的なサラリーマンであったなら、生真面目な怪人たちがボヤく愚痴とか、彼らが遭遇するしょーもないんだけど思わず共感してしまう日々の出来事に、爆笑しながらも「分かる分かる~」って言いたくなっちゃうかも?

お料理大好きなヴァンプ様の”さっと一品”はとっても簡単で美味しそうだし、主婦の方もナニゲに必見だったりして。今度、二子玉丼やってみよ。

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