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2007年3月

蟲師

Mushishi

わたくし、マンガオタクで映画オタクな一応人妻であるわけですが、そんな私の相方であるうちのダンナ様は、特にオタクではありません。しかし私がたくさん読んだり観たりする中で、ごく稀にダンナ様にも「これイイね」と言ってもらえるものもあったりします。漆原有紀氏のマンガ『蟲師』は、そんな希少な作品のひとつなのです。昨年フジで放映されたアニメ版は期待を遥かに凌駕するすんばらしい仕上がりだったのですが、大友克洋監督による実写版はいかなるものか?珍しく夫婦で鑑賞してまいりました。(アニメ版『蟲師』感想

<あらすじ>

100年前の日本には、人間でも植物でも妖怪でもない”蟲”というものが存在しており、人に取り憑いては不思議な現象を引き起こしていた。蟲によって引き起こされた現象を鎮める能力を持つ”蟲師”であるギンコ(オダギリジョー)は、ある晩雪深い山奥の庄屋で、額に蟲によるものと思われるツノの生えた少女に出会い、その原因を探ることになる。蟲師公式サイト

以下ネタバレ↓

さていきなりですが、まずは観終わったダンナの感想から。

「100点満点中・・・0点

えー

キ、キビシイですなぁー

私はそれなりにまぁまぁ楽しめたところもあったんですけどー

いったい何が彼に”0点”と言わしめたのかは、以下箇条書きで。

①ギンコという謎めいた主人公の誕生秘話とも言える大変重要なぬいさんとのエピソードを、 原作とは似て非なるホラーなエピソードに書きかえてしまったこと。

②虹朗さんにだって橋大工だったお父さんとのいろいろがあったのに、淡幽さんちでのゴタゴタにおける単なるパシリになってしまっていたこと。

③「だから俺は淡幽に○○と言えないんだ」などと、ギンコに一番言わせてはいけないセリフを言わせてしまったこと。私もこれには目がまんまるになりました。

ダンナの怒りは留まるところを知らず、ダメ出しポイントを挙げ始めたらキリがありません。私もそれにいちいち同意するばかり。ではなぜ私は「そこそこ楽しめた」のに、ダンナは「100点満点中、-5点」(←減ってる)だったのか。そこには監督・大本克洋に対する、尊敬の念があるかないかが作用しているんではないかと思われます。

大友克洋という人物が、日本のマンガ界アニメ界の一時代を築いたお方のひとりであることは間違いありません。多くのマンガ家が彼の描く緻密過ぎる絵の真似をしたであろうし、『AKIRA』という革新的なマンガ及びアニメーションが世界中の人に今も支持されていることも事実。最近の彼のお仕事がなんとなく微妙な印象であろうとも、私の中の大友さんに対する尊敬の念は、そう簡単に揺らぐことはないのです。

それにアニメ畑のクリエイターの方が実写に取り組むと、「なんじゃこりゃ?」という作品になっちゃうパターンってよくあるじゃないですか。そういう作品に免疫があり、大友さんに対する愛がある私には許せたけれど、私よりも『蟲師』が好きで大友さんのことなどどうでもいいダンナにとっては、とんでもなく悪意を感じる作品だったみたいなのです。

随分とホラーテイストな『蟲師』ではありましたけど、ファンタジーな原作の実写への置き換え方や映像表現などにおいてはなんとか成功していると思います。しかし大友さん、脚本がよくないよ。大友さんなりの解釈なのかもしれませんが、はっきり言ってちょっとビックリしてしまう程のデリカシーの無さでもって原作の素晴らしいところを台無しにしてしまっています。そらぁアニメの時は絶賛していた漆原さんも沈黙するハズだわ。誰か途中で軌道修正してくれる人はいなかったのでしょうか。それとオダジョーに被らせるギンコヅラ、もうちょっとオサレっぽいカットにはできなかったの?ウェンツ鬼太郎にしか見えません。

あ、気が付いたら、ダンナに負けじとケチつけちゃってた。ごめんね、大友さん。『蟲師』というタイトルではあるけれど、漆原さんの『蟲師』とは全く別物であると考えればなんとかイケるかな?でも蟲師ワールドお初の方にとってもキビしそうだし・・・。うーん、フォローするのも難しいです。

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コメントの入力についてのお知らせ

いつもなにかとメンテメンテのココログ。

昨日もいつものように管理画面にログインしようとしたら、「ココログフリーは現在メンテ中です」とか言われちゃって何にもできず。

・・・そーだった。27日15時~28日15時までの24時間、「バージョンアップの為のメンテナンス」とやらが実施されるのだった。

すっかり失念しておりまして、「メンテ中はトラックバックやコメントがはじかれちゃいます、ごめんなさい」のお知らせができませんでした。私のバカバカ~

メンテ終了した今頃ですが、もしもはじかれちゃった方がいらっしゃったらごめんなさい。。。

で、今回のメンテでいったいどこらへんがバージョンアップされたのかと申しますと。

コメントを入力する際に、”スパム防止認証画像”ってやつが、表示できるようになりました!!・・・今頃?えぇ今頃です。

毎日毎日、何百件とついていたスパムコメント。これまでは対処する方法がなく、ただひたすらに削除するばかりの日々でした。しかしこれでようやく、スパムコメントとの戦いから解放されるんじゃないかと期待。

現在は、スパム防止認証画像を”スパムの疑いがあるコメントに対して表示”という設定にしています。コメントを入力していただく際にもしも認証画像が表示されましたら、「スパムちゃうわっ」とお怒りにならずに入力を続けていただけますよう、どうかよろしくお願いいたします。

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ハッピーフィート

Happyfeet

赤ちゃんペンギンのあまりの愛くるしさに、危うく萌え死ぬとこだったっつの。

<あらすじ>

南極で暮らす皇帝ペンギンたちにとって最も大切なことは、自分だけの”心の歌”を見つけること。歌でハートを伝えられなければ、大人になった時に最愛の人に巡り合うことはできないのだ。それなのに、歌の上手いノーマジーン(ニコール・キッドマン)とメンフィス(ヒュー・ジャックマン)との間に生まれたマンブル(イライジャ・ウッド)はとんでもない音痴で、自分を解放しようとするとなぜか奇妙なステップを踏んでしまうのだった。ハッピーフィート公式サイト

イチ赤ちゃんだけでもものすごい威力なのに。フワフワ産毛のあの質感、あの動き、あの声が、スクリーンの中で一斉に・・・!!ですよ?心の歌があってもなくっても、ハートのど真ん中を撃ち抜かれてグッタリ(?)しちゃうこと必至。ぬいぐるみが動いているとしか思えない白クマの赤ちゃんに我を忘れてしまいがちな今日この頃ですが、ペンギンの赤ちゃんの想像を絶する愛くるしさにも正気を失いかけました。あれ以上長く赤ちゃん時代を見せつけられたら、マジでヤバかった。

歌やダンスで自らを解放するペンギン達を観ていると、自然とこっちも解き放たれてしまってなぜか全編泣きっぱなし。音楽って不思議!先日観たミュージカル映画『ドリームガールズ』でもこれに似た感情の高ぶりがありましたが、なぜにこのように一瞬で心を持っていかれてしまうのか、言葉ではなかなかうまく説明できません。とにかく、脳みそを介すことなく心にガンガン響いてくるの。ジーン・ケリー好きとしては、短い足で超絶タップを踏みまくるマンブルたまりませんし。超豪華声の主演陣でも話題の今作ですが、まー皆さんほんっとに芸達者。ブリタニー・マーフィーのセクシーなハスキーボイス、好きなんですよねぇ。

ほとんどモンスターなアザラシとの追いかけっこにハラハラしたり、ナイスキャラにも程があるラテン系アデリーペンギン達に爆笑したりしていたら、物語はいつのまにやら思いもかけない重ーい方向に。うーん、まさかこんなにも胸に痛いテーマが用意されていようとは。やや唐突な展開である気がしなくもないけれど、映画だからこそ、奇跡のように理解し合えるのもアリなのだ、と思いました。

それにしても、CGアニメの技術というのは一体どこまで進化していくのでしょうか。アニメキャラ的なデフォルメと、リアルな野生の動物らしさとの配分があまりにも絶妙なペンギン達、『プラネットアース』並みに驚異的で美しい南極の風景、どこをとっても「なんかCGっぽくて不自然」というところがありませんでした。終盤に実写と思しき映像も出てくるけど、全くもって違和感なし。すばらしかったです。

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ACIDMAN LIVE TOUR”green chord”at広島クラブクアトロ

またライブ。またクアトロ。今回はACIDMANなり。

Acidman_1

正直彼らの大ファンってわけでもなかったのですが、うちのダンナ殿がけっこう好きらしく、「一緒にライブに行きませんか」とのお誘いがあったので、謹んでお受けしてみました。

せっかく行くならやっぱりちゃんと聴いておかないとってことで、最新アルバム”green chord”を含めた何枚かのアルバムをダンナ殿からお借りして予習もしましたよ。

Green_chord green chord

ボーカルギター担当の大木さん、彼の書く詞がたいへんドラマティック。詩人ですね。クールなようで熱い、抽象的なようで秘められた物語がある、そんな印象です。”and world”の7曲目に収録されている”銀河の街”が好き。

野郎率高そうだなーと予測しつつクアトロに行ってみると、意外と男女半々くらいではあったのだけど平均年齢がグンと低そうな感じ。一段高くなっていて見晴らしのよい後ろの方にとりあえずポジションをキープ。

PM6:30を少し過ぎたところで、”green chord”の1曲目のイントロと共にメンバー登場!ドラムの人の「今日は仁義なき盛り上がりを見せて下さい!」というお言葉にウケた。ステージ前のヤングメン達はそれに応えるかのようにかなり激しく盛り上がっていて、狭いクアトロ内はあっという間に熱気ムンムン、まるで男子更衣室のような独特の空気に・・・。あー私も前の方に行って若者に負けじとくんづほぐれつしたかったぁ~!と、すぐに後悔。私の隣りのダンナ殿は、そういうのお構いなしに興奮して盛り上がっておられましたが。

ACIDMANとしてはややおとなしめな印象の”green chord”より、昔のパンクっぽい感じの方が好きだなーとはなんとなく思っていたのだけど、ライブでもやっぱり激しい曲の方が燃えました!でも”プリズムの夜”とか”スロウレイン”とか美しい曲もたくさんあって、ついうっとりと聴き惚れてしまったり。

ライブ後にはやっぱりTシャツお買い上げでご満悦~☆

また来てね、広島!

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『BLAME!』映像化プロジェクト開始!!!

弐瓶ファンとしては、聞き捨てならないニュースが飛び込んでまいりました。

”『BLAME!』映像化プロジェクト開始!!!”

ですってえぇえぇえぇーーーーー!!!!!

そらぁいつも使わない”文字最大&太字”を使いたくもなりますっ

22日、東京国際アニメフェアで発表されたビッグニュースなのですが、いろいろ書くのがなんだかもうまどろっこしいので、こちらを読んじまって下さいませ。↓

http://animeanime.jp/news/archives/2007/03/blame322.html#

てゆーかもしかして、記事中写真の右から2番目のヒトが弐瓶さん?

こんなに追っかけしてるのに、初めてお顔を拝見しました♪

製作はミコット・エンド・バサラ。2004年に発表されたフル3DCGアニメ映画『アップルシード』を手掛けたチームです。『BLAME!』もやっぱり3DCGで行く気らしい。2007年夏にフィギュア付き短編DVDをとりあえず発売する気らしい。フィギュアは初田晃一郎さんとメチクロさんが担当するらしい!!うっきゃー!!!

プロモーションムービーをご覧になった弐瓶氏のコメント。

「原作の”絶望感”がとてもよく表れている」

ですって。そうか。そうなのか。

長編映画の方の発表時期はまだ未定のようですが、弐瓶さん的には「現在連載中のバイオメガを中断してでも関わっていく」おつもりらしく、嬉しいやら悲しいやらよく分かんないけどとんでもなく楽しみなことがまたひとつできてしまったことだけは間違いないのです☆

※ミコット・エンド・バサラって、個人名じゃなくて製作会社名だったんですねぇ~。

 はっはっは。はっはっはっはっは。本文訂正しました。失礼しますた。

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鏖(みなごろし)/ピコーン!

Minagorosi Picon

最近ジャケ買いするマンガってことごとくIKKI。なんか目につくのです。

IKKIはIKKIでも、こちらIKKI COMPLEXなる新レーベルから出版されたもの。

なんでも、”コミックから文学への新アプローチ第1弾”なんだそうで、今回は”芥川賞作家・阿部和重&異能漫画家・三宅乱丈による『鏖(みなごろし)』”と、”話題の覆面作家・舞城王太郎&IKKI生え抜きの俊英作家・青山景による『ピコーン!』”の、2冊同時発売!!なんですと。

ふうん。わたくし、阿部和重さんの小説も舞城王太郎さんの小説もどちらも全く読んだことがないのですが、”文学とコミックの共闘!!”とか、”最先端最新鋭!!”とか、そういうあおり文句に弱いみたい・・・。

てなワケで、まずは『鏖(みなごろし)』の方から。

”鏖”と書いて”みなごろし”と読むのか。知らなかった。てゆーかなんかコワイ。こちらに収録されているのは、阿部和重の短編小説『鏖(みなごろし)』の三宅乱丈による描きおろしコミック版と、それに対するこれまた書きおろしアンサー小説『くるみ割り人形』の2編。どちらも”かきおろし”であるところが、なんとなくオトク感があります。

タイトルの言葉の響きといいデザインといいなんだかオドロオドロしいイメージ。実際読んでみると暴力描写が多少激しいものの、元の小説がそうなのか三宅乱丈さんの手腕なのか分かりませんが、ポップでブラックユーモアが効いてて、わりとサラっと読むことができました。三宅乱丈さんのマンガでは『ぶっせん』『ペット』を過去に読みましたが、やはり『ぶっせん』がオススメですね。

続きまして『ピコーン!』。

こちらには、IKKIにて発表済みの舞城王太郎の短編小説『ピコーン!』の青山景によるコミック版と、同じく舞城の小説『スクールアタックシンドローム』の描きおろしコミック版が収録されています。『鏖(みなごろし)』に負けじと過激な内容であるのに、こちらは不思議とさわやか青春風味。青山景さんのマンガは初めてなのですが、若者ウケしそうな今っぽい絵の中に、ところどころ少女マンガ的な絵やアメコミ的な絵が入ってるのが面白く、なおかつお話を大変効果的に盛り上げているなと思いました。

どちらも好き嫌いがかなり分かれそうな作品ですが、IKKIがなんかまた新しいことやってるってことで紹介してみました。個人的には『スクールアタックシンドローム』がいちばん良かったかな。第2弾は、桐野夏生、イシデ電による『リアルワールド』だそうな。

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ナイトミュージアム

Nightatthemuseum

博物館にかかった魔法が、永遠にとけませんように。

<あらすじ>

ニューヨークに住むバツイチ失業中のラリー(ベン・スティラー)は、元妻や息子ニッキーからまともな職につくよう諭され、ある日なんとか自然史博物館の夜警の仕事にありつく。先輩老警備員3人組から仕事を引き継ぎ、夜の博物館で勤務初日を迎えるのだが・・・ナイトミュージアム公式サイト

それぞれが好き勝手しててんやわんやの夜の博物館はお祭り騒ぎなようで、ときおりとんでもなくシュール。イタリア語を話すブロンズ像、南北戦争の顔のない兵士達、ジオラマの中の小さき人々、ガラスケースの中の寂しげなネイティブアメリカンガール・・・。皆それぞれの歴史に沿ってそれぞれに主張するのだけど、本当の自分はただのお人形であることをちゃんと知っていて、朝が来ればきちんといるべき場所へ戻っていくのです。面白おかしくもそこはかとなく切ないそんな彼らの姿を、もったいぶることなく序盤からたっぷりと魅せてもらえて大満足でした。T-REXと「取ってこい」して遊んでみたいなぁ~。

主演のベン・スティラーももちろん良かったけれど、ロビン・ウィリアムズの演技も安心感があってなんとなく癒されるんですよね。それと出演しているとは全然知らなくて、嬉しい驚きだったのはオーウェン・ウィルソン!小さな彼が登場するだけでなぜか笑えた~。

意外な出演者といえば、ご老体だからといってけして侮ってはいけない先輩警備員3人組。演じるのはディック・ヴァン・ダイク、ミッキー・ルーニー、ビル・コッブスといったベテラン陣ばかり。MGMミュージカル好きとしては、まさかミッキー・ルーニーの現在のお姿を拝見できるとは思っていなかったので驚きました。最初は分かんなくて、「なんかオモロイじいさん出てきたな・・・えぇ!まままさか!ミッキー・ルーニー?!」って感じでしたが。エンドロールではかわいいダンスも披露してくれましたね。いつまでもお元気でいてほしいです。

「歴史はきちんと学ぶべし」「どんなにつまらないと思う仕事でも誇りを持って真剣に取り組むべし」といった教訓めいたものも感じつつ、笑って泣いて存分に楽しませていただきました。あんな博物館がホントにあったらサイコー!!毎晩後片付けが大変かもしれないけど。

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少年少女漂流記

Syounensyoujo_1

最近読んだマンガの中では久々のヒットです。乙一×古屋兎丸という豪華コラボレーション、『小説すばる』にて連載されていたらしい。

乙一的短編形式で描かれるこの物語に登場するのは、自意識がイタいほどに強い10代の少年少女たち8名。友達も恋人もいない彼らはそれぞれの傷を心に抱え、それぞれに自らの妄想世界に住んでいます。

古屋兎丸さんのマンガに関してはこれまでなぜか手付かずだったのですが、乙一さんの小説は兄に『ZOO』と『GOTH』を薦められて以来、ちょくちょく読ませて頂いてます。『失はれる物語』とか。『平面いぬ。』とか。

原作付きのマンガってよくあるけれど、この作品はネット配信された映画版『ZOO』で知り合った作家乙一とマンガ家古屋兎丸が意気投合し、何にもないところから創り上げた物語、といった印象。なんでもお二方とも自称”永遠の中二病”なんだそうで、かつて悩み苦しんだ10代の自分達、そして今なお悩み続ける少年少女達に、「今はしんどくても大丈夫なんだよ」と言ってあげたかったんだそうな。

なんて書くとまるで『真剣十代しゃべり場』みたいでなんとなく気恥ずかしいですが、実際しゃべり場的な熱い空気も結構あり。しかしそこはどう転んでも乙一ならではの切れ味鋭いストーリー&めくるめく兎丸ワールド、「真のコラボとはこういうことかっ」と、気の合う二つの才能の混ざり具合の絶妙さに、感服せずにはいられません。センスのいいセリフ、分かり易く盛り込まれた”あの作品”や”この作品”のテイスト(・・・ってなんのこっちゃ分かりませんね。読めば分かるのです)、描き方によってはとてもじゃないけど見ちゃいられないかもしれないイタイタしい”真剣十代”たちを、ちょうどいいコミカルさと圧倒的な画力でさらりと描いてしまうというその手腕。お見事であります。

どの少年少女のエピソードも大変秀逸なのですが、”モンスターエンジン”では不覚にも涙。”お菓子帝国”の異様なまでのイキオイと爽やかさも良い。”蟻のせかい”では、うちの兄が私の結婚祝いとしてアントアクアリウムをくれようとしたことを思い出しました。結婚祝いにアントアクアリウムって・・・。本気か冗談かは分かりませんでしたが、「あげてもいいけど、蟻は自分で捕獲して」と言われ、アントアクアリウムをリクエストした覚えもないし蟻さんを自力で捕まえる気もさらさらなかったので、丁重にお断りしました。

なんとなく話が逸れましたが、マンガ好きの方にも、マンガを読む習慣はないけど乙一さんは好き、という方にもオススメです。

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THE CORNELIUS GROUP”SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW”at広島クラブクアトロ

行ってきましたコーネリライブ!!3月17日(土)19:00start、広島クラブクアトロにて。

どうでもいいけど小山田くん、このツアー宣伝用(?)のお写真ちとコワイっす・・・↓

Corneri 血走った目の小山田がいっぱい・・・

それはさておき。いったいぜんたい何年ぶりですか、広島まで馳せ参じて頂いたのは。

ほんまよ~ぅ来たのう!!(広島弁。達川さん風に)

ライブ前にとりあえず今回のコーネリツアーTシャツ買いました。こんなの↓

Cot

SENSUOUSなカラーバージョンもあったけど、こっちの方が好みだったので。XSサイズなり。

ツアーグッズ売り場には、大事そうに額に入れられたこんなTシャツも飾られていました。↓

Sfsrt

ちょっと画像が暗いですが、”STAR FRUITS SURF RIDER”の文字がパッチワークされたTシャツ。か、かわいい・・・もしかしてものすごく高いの??

ライブがスタートしてまず登場したのは小山田っちではなく、湯浅弁護士にも負けないくらい前髪長めで小太りのお兄さん。あんた誰?自己紹介によれば「広島出身、京都在住」だそうで、名前は聞き取れなかったのだけどクアトロのサイトを見ると「guest:rei harakami」とあるのでそのヒトかな?その筋では有名な方ですか?汗を拭き拭き、謎の装置のネジをあちこちヒネって繰り出す音楽はなかなかイケてたんですけど、約30分経過する頃にようやく「あーこれ、前座か」と気が付いた鈍感な私にとっては、まー長かった!!でもね、広島県人は皆”広島出身”のヒトには優しいのです。盛大な拍手&歓声でご退場。

次こそいよいよ小山田か?!と思いきや・・・今度はおもむろにステージ前面に白い布がかけられ始めました。いったい何が始まるのー?!・・・そういや久々なんですっかり忘れてましたが、小山田っちはフツーのライブはしないヒトなんだった・・・。

その白い布に、アルバム”SENSUOUS”の4色カラーがまるでカラーバーのように映し出されて20分・・・。「総ライブ時間が1時間強もあれば御の字かな」くらいの心構えはあったけど、まさかここまで待たされるとは思ってませんでした。会場に「まぁーだー?」といった感じのグダグダな雰囲気が蔓延し始めたその時・・・!!”Breezin'”のイントロと共に布にメンバーのシルエット、宮島大鳥居の映像が映し出されて布オープン!!ウッギャー!めちゃんこカッコいいっす!!一瞬でグダグダ払拭!!アメとムチってやつですか?なんにせよサイコーであります!!

本日の小山田ファッションチェーック。アップル渋谷インストアライブ時同様メンバー全員お揃いのシャツだったのですが、今回は襟小さめの白シャツ&ジーンズに白ベルトという出で立ち。(足元までは見えなかったぁ)シャツのボタンは当然上までキッチリ留めていらっしゃいました。マッシュもぴっちりキマってたよ♪

曲目ですが、”SENSUOUS”に収録されている曲はほとんどやってくれたような気がします。その他”point”や”FANTASMA”からも数曲。”カウント・ファイヴ・オア・シックス”の時は燃えましたね~。やたらめったらテンションの高い外国人男性が「イエッス!!イッエーーーッス!!!」と後ろの方で絶叫されていたのですが、興奮のあまり、それぞれの場所をきちんとキープしている日本人を無理やり押し分けてステージ中央真ん前あたりにやって来られ、踊り狂っていらっしゃいました。つかあんたみたいなデカいのがそこに来ちゃったら見えねーよ!!・・・と最初は不満に思ったものの、あまりにも楽しそうな彼の後ろ頭や動きを眺めていると不思議と許せましたです。

今回のライブ、映像と音楽とのリンクがものすごーくカッコ良かったのは言うまでもないですが、以前教えて頂いた情報によると、GROOVISIONSというクリエイター集団が映像面を手掛けていたりするみたいです。特に印象的だったのは、”SENSUOUS”の中でもかなりお気に入りの”Like a Rolling Stone”という曲。(コレがGROOVISIONSのものがどうか私には判別できませんが・・・個人的にはちょっと『火の鳥復活篇』を連想)感無量でした。ゴレンジャーやE.T.、観客カメラにもテンション上がりまくり☆

そして忘れてはならないのが、コーネリ定番アイテムである”テルミン”!!小山田っちってば、ハワイアンな曲の最中におもむろに観客の中から気の弱そうなメガネ男子をステージにひっぱり上げ、ビクつく彼の手を取り”ラブミーテンダー”をテルミンで演奏させちゃったの!うーらーやーまーしー!!

そんなこんなで、1時間近く待ちぼうけをくった当初の心配とはウラハラに、充分過ぎるほどサービス満点だったコーネリライブ。クアトロを出るみんなのお顔がそろいもそろってニッコニコだったのが印象的でした。ライブ後のアンケートの項目の中になにげに「最近どうですか?」っていう問いがあったのにウケた~。他にもいっぱい言いたいことはあるのですが、際限なく長くなりそうなんでこの辺で☆

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レンタルビデオ店開店バトン

先日”七色七曜ムービーバトン”に回答して下さった『丼BLOG』の発生さんに、これまたとっても面白そうな映画バトンを教えていただきました。

その名も、”レンタルビデオ店開店バトン”!

内容は以下の通り。

あなたは明日、いきなりレンタルビデオ店をオープンしなければならなくなった。と、とにかく今すぐタイトルを揃えなきゃ!せめて50音順につき1本ずつは揃えなきゃ、カッコがつかん!でも、どうせなら自分の好きな映画を揃えたい。そこは、譲れないところ。リストは手元にないけど、とにかく発注先へ電話して・・・。

さて、電話口であなたは何を注文する?

☆ルール☆

・自分の好きな映画から選ぶ

・1監督につき、1作品とする

・自力で思い出す

・外国映画、日本映画は問わず

こりゃ前回以上に手強いのでは・・・

しかし、バトンというものの楽しさにちょっとだけはしゃぎぎみの私。イキオイのあるうちに、果敢に挑戦してみるべし!!

50本近くある作品の画像を貼るのはキビしそうなので、発生さんを見習ってタイトルにamazonへのリンクを貼ってみました。時々コメント付き。

ではでは、さっそくいってみましょー。

  雨に唄えば ジーン・ケリー大好き♪

  E.T. 前回のバトンの回答とカブっちゃうけど、これだけは外せません。

  ウルフ

  エンゼル・ハート ピアノが印象的。

  オーメン

  カンフーハッスル

  キャンディマン 一時期、キャンディマンに恋してました。

  クライングゲーム

  ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer 『ケイゾク』はベストオブTVドラマ。

  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 TV版の方がファンなのですが。

  サスペリア ホントは「2」じゃない『サスペリア2』も好きです。

  シャイニング ジャックの顔が一番コワいよ

  スクール・オブ・ロック ジャック・ブラック大好き♪

  セッション9 雰囲気を楽しむべし

  ソウ 心臓バクバク!

  ダイ・ハード

  チアーズ!

つ  追想 ユル・ブリンナーにハマった時期がありました。

  ティファニーで朝食を

  トッツィー ちょこっと出演でもやっぱりビル・マーレイはイイ味出してて爆笑。

  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

  ニュー・シネマ・パラダイス 絶対に、ディレクターズカット版ではない方で!!

  ヌーヴェルヴァーグ  

  ネバーエンディング・ストーリー ファルコンに乗ってみたーい

  ノッティングヒルの恋人

  パピヨン 独房のシーンのマックィーンがスゴい迫力。

  羊たちの沈黙 どんなにレクター博士のことが好きでも、食べられるのはやだ

  フィールド・オブ・ドリームス 泣きまくりました。

  ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

  ポリスストーリー 『プロジェクトBB』楽しみ!

  マルホランド・ドライブ リンチ作品の中では一番お気に入り。

  未来世紀ブラジル なんでブラジルなの?

  ムーランルージュ

  メトロポリス 光り輝くティマのビジュアルだけで満足。

  もしも昨日が選べたら

  山猫

  ユージュアル・サスペクツ カイザーソゼってヘンな名前

  汚れた血

  羅生門

  リトル・ダンサー これまた泣きまくり。

  ルル・オン・ザ・ブリッジ そういや最近ミラ・ソルヴィノ見ないなー

  恋愛適齢期 私なら迷わずニコルソン!

  ローマの休日

  ワーキングガール

前半なにげにホラー系が多く、後半名作映画でお口直し・・・みたいな、なんとなく節操のないラインナップ。耽美なホラーの世界に身を委ねたい時もあれば、今は亡き銀幕スターに想いを馳せたい時もあるってコトで。

思いつく限りのお気に入り映画で大部分は埋まったんだけど、ところどころそんなにそんなでもないのもあります。監督はたぶんカブってないと思うのですが、どうでしょ?

最も困難を極めたのは・・・「」!!寝ても覚めても頭の中は「ぬ」でいっぱい!っていうくらい必死で考えたのですが・・・、好きな作品どころか、「ぬ」で始まる映画タイトル自体が全く!思い浮かばず~。ものすごーくほのかな記憶を辿ってようやく思い至った『ヌーヴェルヴァーグ』。正直なところ、「確かこんなタイトルの映画があったような」といった程度のレベルであった為、検索して調べてみたら、ジャン・リュック・ゴダール監督、アラン・ドロン主演のわたくしにはあまり似つかわしくない高尚な作品でございました。レンタルビデオ店が無事オープンしましたら、真っ先に観たいと思いますのでどうかご勘弁下さいませ。。。

てなワケで、「ぬ」に苦しんだものの大変やりごたえのある楽しいバトンでした☆

発生さん、どうもありがとうございましたー!!

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七色七曜ムービーバトン

バトンーーー!!!

いつも大変お世話になっている『カリスマ映画論』の睦月さまから、”七色七曜ムービーバトン”なるものを頂きました。

ルールは以下の通り。

①虹の七色 赤・橙・黄・緑・青・藍・紫にちなんだ映画をあげて下さい。

題名にその色が用いられていればいいですが、「あの映画のあの場面のあの色が忘れられない」でもOKです。

②七曜・・・すなわち、日曜日~土曜日にちなんだ映画をあげて下さい。

何を隠そうわたくしバトン初挑戦なのですが、初めては初めてなりに一生懸命考えました。

まずは”七色”の方から!張り切っていってみましょーー!!

Spiderman 赤 RED → 『スパイダーマン』

赤いタイツのアメコミヒーローさんの中ではやっぱり彼が一番好き。5月公開の3作目における黒い方の活躍も楽しみです。

Orangecounty_1 橙 ORANGE → 『オレンジカウンティ』

トム・ハンクスの息子君、コリン・ハンクス主演の青春コメディ。地味ながらなかなかにステキな作品。脚本マイク・ホワイトで、ジャック・ブラックがコリンのお兄ちゃん役で出演しているところがポイントです。

Wizardofoz 黄色 YELLOW → 『オズの魔法使い』

オズと言えば、”Yellow brick road” でしょ。でも一番好きなシーンは、ジュディ・ガーランドが”Over the Rainbow”を歌うモノクロのシーン。あれこそ、魔法そのもの。

Predator 緑 GREEN → 『プレデター』

吸い込まれそうなほど瑞々しい緑色をした深いジャングルの中に、光学迷彩で身を隠し人間狩りに勤しむプレデターさん。センセーショナルでした。結局、コレ!っていう画像を見つけられなかったのですが、蛍光イエローのプレデターさんの血潮が飛び散った葉っぱの緑色がとっても印象的だったってコトで・・・

  Nausicca2 青 BLUE → 『風の谷のナウシカ』

風の谷の言い伝えに、”その者、青き衣を纏いて~うんたらかんたら”というのがございます。王蟲の子供の血を浴びて染まった異国の衣の色は、青というより藍だったかしら・・・まぁいーや。余談ですが、辺り一面真っ赤なテールランプの灯った交通渋滞にハマってしまった時、「王蟲が・・・王蟲が怒っておる・・・!!」などと大ババ様ごっこをして気を紛らわそうとしてもイライラも渋滞も解消されませんよ。

Thesisterhoodofthetravelingpants 藍 INDIGO → 『旅するジーンズと16歳の夏』

ジーンズと言えばインディゴブルー!!・・・ってワケでこちらの作品をセレクトしてみましたが、実はわたくしコレ未見です。観てもないくせに選ぶな!!と、怒られちゃってもしょうがないですが、藍色な映画というお題に対し、この作品しか思いつきませんでした。観たい!とはずーーーっと思ってるのです。近いうち観ます。

Catpeaple_1 紫 PURPLE → 『キャットピープル』

パープルじゃないじゃん、ピープルじゃん!!・・・はいそうですね。でもなんとなく紫色なイメージなのー!!・・・と、無理やり画像を探していたら、こんなにも見事に紫なのを発見しちゃいました。その昔少女マンガで、美少女がネコ科の動物に変身しちゃう『闇のパープルアイ』という作品がありましたが、おそらく元ネタはこの映画なんじゃないかと思うのです。作者の篠原千絵さんも、私と同じく紫色なイメージだったに違いないっ(←思い込み)

ひゅう~。後半苦しかったですね。引き続きまして、”七曜”の方にいってみたいと思います。

しかし日曜日から土曜日にちなんだ映画って・・・むむむ、難しい~

まことに勝手ながら、ルールをちょぴっと変更。。。

日・月・火・水・木・金・土 を、それぞれ天然自然のモノに置き換えさせて頂きます☆

Empireofthesun 日 SUN → 『太陽の帝国』

ずーっと前に一度観たきりの作品なので内容はけっこう忘れちゃってますが、スピルバーグ監督って子供を使うのがとっても上手な人だと思います。

Et 月 MOON → 『E.T.』

これまたスピさんじゃん。こうして『太陽~』のポスターと並べてみるとあまりにもソックリなんでビックリしました。「一番好きな映画って何?」という無理難題をふっかけられた時の答えがこれ。私にとって宝物のように大切な作品・・・とか書いてる時点で既にもう泣きそう。

Backdraft 火 FIRE → 『バックドラフト』

ユニバーサル映画のまわしもんみたいになってきました。まるで生き物のような炎の描写が衝撃的だったロン・ハワード監督作品。

Cocoon 水 WATER → 『コクーン』

スピスピロンロンと続きます。なぜかサントラのジャケット画像ですが。ジジババものに弱い私にとってはたまらん映画です。ちなみに、スポーツジムのプールなどで思いがけずご年配のスイマーの皆さんに囲まれてしまった状態のことを、一般的に”リアルコクーン”といいます。

Atreeofpalme 木 TREE → 『パルムの樹』

なかむらたかし監督脚本のアニメ映画。可愛らしい絵ですが、内容は非常にドロドロと暗く悲劇的。しかしエンドロールのあまりにも美しい映像と音楽には心洗われちゃいます。同じくなかむらたかし監督が手掛けた連続TVアニメ『ファンタジックチルドレン』もやっぱり悲しく切ないお話。結構好きでハマって観てました。

Goldfinger 金 GOLD → 『ゴールドフィンガー』

ゴールドと言えば『ゴールドフィンガー』。ベタだなぁ。またもやサントラだし。

Shawshank 土 SOIL → 『ショーシャンクの空に』

空なのに土?そうです。土を掘って耐えて掘って耐えて掘って掘って耐えて掘って・・・その先にようやく、自由な空があるのです。てゆーか、この場合の土って英語では何と言うの?mudかな?

以上!!七色の方に負けず劣らず苦しい内容でした。

でも結構楽しかった~♪睦月さん、どうもありがとう!!

さて、次にバトンを回す方ですが・・・

ヘーゼル☆ナッツ・シネマBOOK』のヘーゼル☆ナッツさん

It's a Wonderful Life』のkazuponさん

丼 BLOG』の発生さん

に、お願いしたいと思います☆

ドキドキ初バトンだったけど、回すのもドッキドキ。。。

※ふるさんのブログ『ふるちんの「頭の中は魑魅魍魎」』にTBさせて頂きました。

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あるいは裏切りという名の犬

36quaidesorfevres

原題は『36 QUAI DES ORFEVRES』。”オルフェーブル河岸36番地”という意味で、パリ警視庁の在る場所を示しています。それなのに!この超シブいおフランス製ノワール映画に日本の配給会社がつけた邦題は、『あるいは裏切りという名の犬』。輪をかけてシブいっす!近年稀に見るナイス邦題!グッジョブ!アスミックエースの人!!この古典的名作を想起させるような詩的な邦題だけで、観に行くのほとんど決定してました。ようやくうちの近所のミニシアターにもお目見え♪

<あらすじ>

パリ警視庁の二人の警視、正義感の強いレオ・ブリンクス(ダニエル・オートゥイユ)と野心家で利己的なドニ・クラン(ジェラール・ドバルデュー)はかつて親友同士であったが、レオの妻カミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)を奪い合った過去を持ち、現在は次期長官の座を競うライバルとして対立していた。現金輸送車強奪事件の犯人逮捕を巡り、二人の関係はさらに険悪なものになっていく。あるいは裏切りという名の犬 公式サイト

フランス映画って、実は恥ずかしながら大抵観てる途中で寝ちゃうのです。理由としてはおそらく、フランス語のソフトな発音が妙に耳に心地良いのと、お話が簡潔で分かりやすいハリウッド的な映画に慣れ親しみ過ぎてしまっているから、であると思われます。しかし今回の『あるいは裏切りという名の犬』、これは全く!眠気に襲われませんでした。つか寝てる場合じゃないす、もうハラハラドッキドキで。そういった点では、観慣れたハリウッド映画に近いものがあるのかも・・・と思いました。

観ててまず思ったのは、「パリ警視庁って、裏ではこんなにも犯罪ギリギリのことやってんですか??」ということ。なんでも監督のオリヴィエ・マルシャルは元警察官で、共同脚本のドミニク・ルワゾーなる人物も元刑事、実話に基づいて脚本を書き上げたって言うんだもの、信憑性あるでしょ。パリ警視庁に限らずこんなもんなのかなぁ、警察って・・・。一般庶民としてはやはり衝撃的。

劇中登場する揃いも揃って激シブなちょい悪オヤジ軍団の中、メインとなるのはダニエル・オートゥイユ演じるレオとジェラール・ドバルデュー演じるドニの対立。前者は一筋縄ではいかないワル共を日々相手にしているせいかその行動は時に常軌を逸しているし、後者は立身出世を望むあまり人としての道すら踏み外しつつある。はっきり言って”ちょい悪”なんて可愛らしいもんではなく、ホンモノのワルの世界へ片足突っ込んでる状態。二人とも凶悪犯を捕まえようと必死になるあまり、本人達も気付かぬうちに倫理観を失いダークサイドに堕ちていっているように見えました。

二人の男を中心に据えて裏社会を描くというこの構図、個人的には香港映画『インファナル・アフェア』を連想してしまうんですけど、インファのリメイクでありながら先日アカデミー作品賞を見事受賞した『ディパーテッド』では感じられなかった、”命を張って生きてる漢の色気”みたいなものが、キチンと感じられました。んで、レオやドニみたいなホンモノの漢達を愛し、愛される女というのは、これまたホンモノのイイ女ばかりなのよね。美しいばかりでなく知的で肝が据わっていて、そこはかとなく寂しげで・・・。私なんて、今更どう頑張ってもそっちの方向へは行かれませんわ。

”因果応報”という言葉が浮かんでくるラストには唖然。惨めな最期を迎えるか迎えないかは、かつての自分の行い次第なのだ。おフランス製エンタメノワール、お腹いっぱい大満足でした☆

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マンガ新刊いろいろ①

一度ブログ内で感想を述べたマンガ作品に続刊が出た場合、もちろん購入して読んでおるワケですが、それについてまた感想を書くのはちょっと面倒だなと思い、これまでは特に何も書いておりませんでした。でもね、たまにはあーだこーだ言いたくなるときもあるの。ネタ切れじゃないってば。

Dorohedoro9 ドロヘドロ 9 (林田球) 関連記事はこちら

ピンク!表紙ピンク!!これはピンクの中でも、特に良いピンクですよ。しかも鳥太さん!うふふ♪物語は終幕に向けて一気に加速しつつあります。切りよく10巻で完結させるつもりなんじゃないかしら。廃墟と化した魔法学校におけるカイマンの白昼夢、お肉屋さんのビジュアル&仕事っぷりは必見。しかし、ありとあらゆる謎は未だ混沌の中・・・それが・・・・・・・・・ドロヘドロ!!!

Soil5 SOIL 5 (カネコアツシ) 関連記事はこちら

今最も続きが気になってしかたないマンガのひとつですからねぇ。”解かれるべくして在るわけではない謎”の数々は、相変わらず解けそうで解けないまま。暗黒迷路の中にいつまでも迷い込んでいたいけど、このまま引っ張り続けるのも、すべてをスッキリ解決するのも至難のワザだと思うよ。いったいどうするおつもりか、カネコアツシ。

Musisi8 蟲師 8 (漆原友紀) 

あら?これはまともに感想を書いたことのないマンガだった。ジャケ買いして以来珍しく夫婦でハマっています。アニメの方もなぜか毎回涙ボロッボロ流しながら観てました。オダジョー主演、大友克洋監督の実写版ももうすぐ公開ですが、ちょっと鬼太郎っぽいオダジョーギンコのビジュアルに一抹の不安がよぎらなくもなかったりして。8巻の中では、ラストのホラー風味なエピソードが印象的。2巻の”綿胞子”(SFホラー『光る目』っぽい)もかなりホラーしてましたけど、たまにはこういうテイストも新鮮でイイです。

Moyasi4もやしもん 4 (石川雅之) 関連記事はこちら

毎度、予想を裏切る表紙デザインが楽しいす。今回のはミュシャ風?ですか??まさか食パンで泣きそうになるとは思いませんでした。しかしなぜにゴスロリ??カワイイけどわけわかんね。

Saraiya2 さらい屋五葉 2 (オノナツメ) 関連記事はこちら

相変わらず独特の色香を放つ登場人物たちが魅力的。相変わらずお話にはいまひとつノレず。でも絵を眺めているだけでなんとなく満足だからいいの。

以上☆

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ゴーストライダー

Ghost_rider

悪魔さんとの契約はクロスロードで。コレ、基本なのね。

<あらすじ>

危険なバイクスタントショーで人気を博すジョニー・ブレイズ(ニコラス・ケイジ)。彼には17歳の時、病気の父親の命を救う為メフィスト(ピーター・フォンダ)に魂を売り渡してしまった、という過去があった。ある日メフィストが再び現れ、ジョニーにゴーストライダーとなって魔界の反逆者ブラックハート(ウェス・ベントリー)を捕らえるよう命じる。ゴーストライダー公式サイト

アメコミヒーロー映画は大好物なんです。しかしマーク・スティーブン・ジョンソン監督の前作『デアデビル』、そういや珍しくあまりお気に召さない作品だったんでした。気に入らない理由の大部分を占めるのは、”ベン・アフレックがどうでもよかったから”なんですけどね。そんなジョンソン監督がこのたび、再度マーヴェルコミック映画に挑戦!お題は『ゴーストライダー』、ガイコツの中の人はニコラス・ケイジ!・・・ケ、ケイジかぁ。またもやどうでもいい人じゃんー・・・などと文句をタレつつ、初日にさっそく観てきましたよ。

以下ネタバレ↓

ゴーストライダーのバッドテイストなビジュアル、予告篇でチラっと拝見した時から激しくツボっぽいなーとは思っていたのですが期待以上にツボにハマりまくりで大満足。

でも・・・でもね。ストーリー面においては、理解力、集中力の無さが災いしたのか、実は?がいっぱい・・・でして。あまりに意味が分からんかった為、思わずパンフレットを買ってしまったほど。以下、鑑賞中に脳内を飛び交った疑問点を挙げます。

①悪魔さんと契約を交わしたゴーストライダーの役割りは悪い魂1000コ狩りだと聞いていましたが、17歳から30歳までの13年間、ジョニー・ブレイズは一体何やってたの?

②そもそもジョニーがメフィストに魅入られた理由って何ですか。単なる気まぐれ?契約の取り方、ほとんど詐欺ですけど。

③突然現れてメフィストのことを父と呼ぶバケモノ御一行、あんた達何者?大昔の契約書を探しているようだけど、それを手に入れたら一体何がどうなるの?

①に関しては、どうやらメフィストとジョニーの契約内容は魂1000コ狩りではなくバケモノ御一行をやっつけることらしい、というのがジワジワと分かってきたけれど、③に関してはいつまで経ってもモヤモヤしたまま。プロローグでサラっと語られた150年前のお話が実は深く関係していたようですが、ケアテイカーのぶっちゃけ話を聞いたところでぶっちゃけ全くスッキリしなかった私は、たぶんホンモノのアホなのでしょう。最も根本的な問題は、”ブラックハートが悪い魂1000コを手に入れたら、パパ・メフィストを出し抜いて一気にこの世の支配者になれるほどにパワーアップできる”ということが、恥ずかしながらクライマックスに至るまで全く理解できていなかった、という点ですね。②に関しては、まぁ、もうイイです。

このように、ストーリーに全くついていけてないにも関わらず、ゴーストライダーのビジュアルだけで充分楽しめてしまうところが私という人間のさらにアホなところだったりもします。あっちゅう間に、燃えるガイコツのトリコ。(ジョニー・ブレイズの、ではない)

炎のワダチをつけながら爆走するヘルバイク、トゲトゲ付きライダージャケットを身に纏い燃えさかるチェーンを振り回すゴーストライダー・・・ってだけでもかなりキテるのに、彼ってば、夜のキラキラ高層ビルをヘルバイクで垂直に昇ったり降りたりしちゃうの。あまりのカッコ良さと突拍子もなさに心の中ではなぜか大爆笑。第一印象はちょっぴりコワそうな雰囲気だけど、実はそんなに悪い人じゃなかったりする点もポイント高し。ギャップって大切です。極めつけはまさかのダブルライダー!きゃっほーぅ!そう来たか!!こんなにもあれやこれやされて、心ときめかせずにいられましょうか。

最後に。上の方で”どうでもいい”と言い切ってしまった主演のニコラス・ケイジ。なんだかとっても楽しそうに演じているなと思ったら、なんでも彼、大のコミックファンでずーっと前からアメコミヒーローを演じたくてしょうがなかったんですってね。中でもゴーストライダーは燃えるガイコツのタトゥーを入れちゃうほどに特別思い入れのあるキャラクターだとか。ゴーストライダーに対するその熱い想いと、初変身の際の熱演、最近の増毛技術の目を見張る巧みさに免じて、”どうでもいい”はあっさり撤回することにします。次回もフサフサで頑張れ!!

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西遊奇伝大猿王

西遊記と言えば。真っ先に思い浮かぶのは、やっぱマチャアキ悟空の西遊記。

子供の頃、夏休みには必ずと言っていいほど再放送されていたドラマ『西遊記』、飽きもせず毎夏毎夏観てたもんなぁ。

慎吾くん主演のフジ版リメイクもとっくの昔に放送終了しているのに何をまた唐突な、と思われるかもしれませんが、つい先日CSでたまたまマチャアキ悟空が放送されててね、懐かしさのあまり観てみたら、これがまぁ今観ても全くもって色あせぬバツグンの面白さで、やはりこの”日本テレビ開局25周年記念番組”は他に類を見ない傑作だったのだ、と、一人で勝手に感心してしまいましたのです。

何がそんなにおもろいかって、堺正章(孫悟空)、西田敏行(猪八戒)、岸辺シロー(沙悟浄)、このお三方が繰り広げるミニコントがまぁ秀逸。もう大爆笑。アドリブオンパレードなんじゃないかと思うんだけど、なんつーか腕が違います、腕が。特に、関西弁沙悟浄のゆる~い感じがたまらん。

そして・・・夏目雅子さま演じる三蔵法師の、なんとまぁ麗しいことか!!お目目キラッキラ!ですから。ま、眩しいよ、おっしょさま・・・その微笑み、神々し過ぎ・・・。美しきおっしょさまの周りでお弟子三人衆がどんなにオモシロおかしいコントを繰り広げようとも、一応悪役なんだけどあんまり憎めない妖怪さん達に食べられちゃいそうになろうとも、毅然とした態度をけして崩さないそのお姿に、スキトキメキトキス!!

その他、中華人民共和国の協力のもと行われた中国ロケ、円谷プロ監修の特撮シーン、耳に焼き付いて離れないゴダイゴのテーマソングなど、見どころ聴きどころ満載!軽く懐かしがりたい方は、よろしければコチラの動画をお楽しみ下さい。→西遊記OP

いいかげん本題に入るべし。世界に誇る日本マンガ界にも、『西遊記』をモチーフにした作品は数多存在いたします。中でも圧倒的知名度人気度を誇るのは、やはり鳥山明氏の代表作『ドラゴンボール』でございましょう。ピッコロさんLOVE!!しかし本日ご紹介するのは、寺田克也作、極彩色CGマンガ『西遊奇伝大猿王(さいゆうきでん だいえんおう)』という作品↓

Daienou

海外の方にも大人気の自称ラクガキング、寺田克也。ゲーム『バーチャファイター』、押井守監督のアニメ『BLOOD THE LAST VANPIRE』、映画『デビルマン』のキャラデザイン、コスチュームデザインなどで有名なお方です。私にとって超別格の漫画家、弐瓶勉氏ほどにその仕事を追っかけているワケではありませんが、彼の描くオドロオドロしくも超クールな作品の数々・・・当然、好きに決まってるでしょ。

『西遊奇伝大猿王』に登場するお猿さん御一行様の目的は、天竺に行ってありがたいお経を授かることではなく、なななんと!”釈迦をぶっ殺す”こと。きゃー!邪悪!!お猿さんの定番アイテムである如意棒&金斗雲の機能やデザインの面白さ、ここでもやはり”女性体”である三蔵法師様(ドラマ『西遊記』の影響力は絶大ナリ)のSMちっくなビジュアルなど、「西遊記のこんなアレンジありですか!!」と、新鮮な驚きの連続なのでございます。絵的にもストーリー構成的にもものすごいクオリティの高さであるにも関わらず、なんとも言えず肩の力の抜けた感じがするところもさすが。エロキモいクリーチャーのデザインなんて、寺田克也にとっては御茶の子さいさいなのでありましょう。

実質的な内容量のわりにお値段1900円とちとお高めなのですが、全編色付きなんだからしょうがない。てゆーか、お値段分の満足度は確実にあるし。(主婦が言うんだから間違いなし?)ただ一点不満を述べるならば、コレ一応”vol.1”なのに何年経っても続きが出ないこと・・・。しくしく。

いつにも増して収拾のつかない内容になってしまいましたが、てんやわんやついでにもひとつ愛すべき『西遊記』を貼り貼り↓

増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和 第10話

5分ほどのアニメーションです。アタックNo.1なOPの後、本編がスタートします。気が向いた方どうぞ。

寺田的西遊記とは真逆ベクトルだけど、これもまた秀逸ナリ!!

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