« マンガ新刊いろいろ① | トップページ | 七色七曜ムービーバトン »

あるいは裏切りという名の犬

36quaidesorfevres

原題は『36 QUAI DES ORFEVRES』。”オルフェーブル河岸36番地”という意味で、パリ警視庁の在る場所を示しています。それなのに!この超シブいおフランス製ノワール映画に日本の配給会社がつけた邦題は、『あるいは裏切りという名の犬』。輪をかけてシブいっす!近年稀に見るナイス邦題!グッジョブ!アスミックエースの人!!この古典的名作を想起させるような詩的な邦題だけで、観に行くのほとんど決定してました。ようやくうちの近所のミニシアターにもお目見え♪

<あらすじ>

パリ警視庁の二人の警視、正義感の強いレオ・ブリンクス(ダニエル・オートゥイユ)と野心家で利己的なドニ・クラン(ジェラール・ドバルデュー)はかつて親友同士であったが、レオの妻カミーユ(ヴァレリア・ゴリノ)を奪い合った過去を持ち、現在は次期長官の座を競うライバルとして対立していた。現金輸送車強奪事件の犯人逮捕を巡り、二人の関係はさらに険悪なものになっていく。あるいは裏切りという名の犬 公式サイト

フランス映画って、実は恥ずかしながら大抵観てる途中で寝ちゃうのです。理由としてはおそらく、フランス語のソフトな発音が妙に耳に心地良いのと、お話が簡潔で分かりやすいハリウッド的な映画に慣れ親しみ過ぎてしまっているから、であると思われます。しかし今回の『あるいは裏切りという名の犬』、これは全く!眠気に襲われませんでした。つか寝てる場合じゃないす、もうハラハラドッキドキで。そういった点では、観慣れたハリウッド映画に近いものがあるのかも・・・と思いました。

観ててまず思ったのは、「パリ警視庁って、裏ではこんなにも犯罪ギリギリのことやってんですか??」ということ。なんでも監督のオリヴィエ・マルシャルは元警察官で、共同脚本のドミニク・ルワゾーなる人物も元刑事、実話に基づいて脚本を書き上げたって言うんだもの、信憑性あるでしょ。パリ警視庁に限らずこんなもんなのかなぁ、警察って・・・。一般庶民としてはやはり衝撃的。

劇中登場する揃いも揃って激シブなちょい悪オヤジ軍団の中、メインとなるのはダニエル・オートゥイユ演じるレオとジェラール・ドバルデュー演じるドニの対立。前者は一筋縄ではいかないワル共を日々相手にしているせいかその行動は時に常軌を逸しているし、後者は立身出世を望むあまり人としての道すら踏み外しつつある。はっきり言って”ちょい悪”なんて可愛らしいもんではなく、ホンモノのワルの世界へ片足突っ込んでる状態。二人とも凶悪犯を捕まえようと必死になるあまり、本人達も気付かぬうちに倫理観を失いダークサイドに堕ちていっているように見えました。

二人の男を中心に据えて裏社会を描くというこの構図、個人的には香港映画『インファナル・アフェア』を連想してしまうんですけど、インファのリメイクでありながら先日アカデミー作品賞を見事受賞した『ディパーテッド』では感じられなかった、”命を張って生きてる漢の色気”みたいなものが、キチンと感じられました。んで、レオやドニみたいなホンモノの漢達を愛し、愛される女というのは、これまたホンモノのイイ女ばかりなのよね。美しいばかりでなく知的で肝が据わっていて、そこはかとなく寂しげで・・・。私なんて、今更どう頑張ってもそっちの方向へは行かれませんわ。

”因果応報”という言葉が浮かんでくるラストには唖然。惨めな最期を迎えるか迎えないかは、かつての自分の行い次第なのだ。おフランス製エンタメノワール、お腹いっぱい大満足でした☆

|

« マンガ新刊いろいろ① | トップページ | 七色七曜ムービーバトン »

映画」カテゴリの記事

コメント

なんとなく久しぶりにお邪魔しにきました。
面白そうな映画だね。
アウトドア派なので普段はあまり映画を見ないけど興味を持ちました。

投稿: つよぽん | 2007年3月12日 (月) 22時44分

つよぽん様

あー!つよぽんさん、久しぶり!

とっても面白い映画だったのでオススメなのですが、
つよぽんさんち方面ではもう終わっちゃってるかもしれないなー、残念ながら。

DVDが出たら観てみて下さい☆

投稿: kenko | 2007年3月13日 (火) 10時39分

kenkoさん、こんにちは☆

>パリ警視庁って、裏ではこんなにも犯罪ギリギリ
-------
いや、まじですよね。
私も、観ててどれが警察でどれが悪者か判断しかねながら観てましたよ。
ちなみに母は、わかってないようでしたが・・

でも、思ったよりも面白かったです。
フランスの刑事ものって「クリムゾンリバー」とか
あんまり面白くないイメージがありましたが
コレ結構衝撃的でした。暴力シーンとかね^^
特に、警察が誘拐して裸で穴に落とすところなんか、ひどすぎ・・

TBもらいます♪

投稿: へーゼル☆ナッツ | 2007年3月16日 (金) 18時21分

ヘーゼル☆ナッツ様

>警察が誘拐して裸で穴に落とすところ

警察の悪事の中ではやはりこのシーンが一番ビックリ。
ホントに撃ったかと思った。。。
あれじゃ恨みを買ってもしょうがないですよねぇ・・・
全体的に皆さん銃撃ちまくり、人死にまくりだったので、
結構ビクビクしながら観てました。
お母様がどっちが警察でどっちが悪者か区別がつかなくてもムリないですわw

そういや『クリムゾンリバー』もフランスの映画でしたね。
あのオチは反則だと思います。。。

投稿: kenko | 2007年3月17日 (土) 13時20分

こんにちわ!TB&コメントありがとうございました!

フランス映画の持ち味と、香港映画の持ち味ってどこか似ているところがありますよね。私も最近やっとインファナルを観たのですが、そのときに即座にこの作品のことを思い出しました。
なんていうのかなあ・・・哀愁とか焦燥感とかそういうすごく繊細なニュアンスが漂っている感じが似ている気がします。

そういった微妙なところをハリウッドではどうリメイクするのかがすごく気になるところです。

投稿: 睦月 | 2007年3月17日 (土) 15時15分

睦月様

レスが遅くなっちゃいました!ごめんなさい!
睦月さんもついにインファナル観られたんですね☆

フランス映画と香港映画ってやっぱ似てるんですかね?
どちらもそんなにたくさん観てはいないものの、
この作品とインファは設定といい雰囲気といい似てるなぁ~と思いました。

ハリウッドが一体どのようにリメイクするのか興味深々。。。
ジョージ・クルーニーはちょっとカッコよすぎるかな??
こういう繊細で哀愁な感じもイイけれど、
ハリウッド的なのももちろん好きなので楽しみです♪

投稿: kenko | 2007年3月18日 (日) 19時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/108178/5602430

この記事へのトラックバック一覧です: あるいは裏切りという名の犬:

» あるいは裏切りという名の犬 [カリスマ映画論]
【映画的カリスマ指数】★★★★☆  これぞ本当の男のエロス   [続きを読む]

受信: 2007年3月20日 (火) 08時46分

« マンガ新刊いろいろ① | トップページ | 七色七曜ムービーバトン »