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ライチ光クラブ

Raiti

少年少女漂流記』が良かったので、古屋兎丸氏の他作品にも手を出してみることに。

古屋さんと言えば『Π(パイ)』が代表作みたいだけど、この『ライチ光クラブ』の妖しげなビジュアルに抗えず・・・例のごとくジャケ買い。

物語の始まりには、以下のような謎の言葉が。

”只今ヨリ、東京グランギニョル第3回公演「ライチ☆光クラブ」ヲ開演致シマス。”

なんのこっちゃ?古屋兎丸的お芝居風演出?意味不明だけどなんかワクワク。

『ライチ光クラブ』は、螢光中学という男子校に通う少年9名と、彼らが密かに創り上げた”ライチ”というロボット、そしてそのライチが誘拐してきた美しい少女”カノン”の物語。醜い大人になるまで生きることは罪だとする彼らの思想は狂っており、”光クラブ”の秘密を守る為なら暴力も躊躇わず行使します。

読み始めてすぐに思いました。この乱歩的耽美ワールド知ってるぞと。丸尾末広氏の作風に激似だぞと。以前、丸尾さんがどういうマンガを描く人かも知らずにやっぱりジャケ買いしてしまった『笑う吸血鬼』。美しき少年少女たちが織り成すイケナイ世界はいかんせん私には刺激が強すぎて・・・、しばらく本棚に並べておいたものの、やっぱ持ってちゃいけないような気がして結局ブックオフに売り飛ばしたという思い出が鮮明に蘇りました。あの時恐ろしくて手放したあの丸尾ワールドが、計らずもまたこうして私の手元に・・・・・・イヤァ!!!

そう、ようやく思い出しました。”グランギニョル”とは、”残酷劇”のこと。そして”東京グランギニョル”とは、19世紀頃パリに実在した大衆芝居小屋”グラン・ギニョール劇場”の精神を受け継ぎ、84年に飴屋法水氏によって旗揚げされた劇団のことだったのです。丸尾末広さんは当時、劇団の宣伝美術を担当されていたのでした。

このマンガ『ライチ光クラブ』は、古屋兎丸さんが高校生の頃に観て衝撃を受け、その後アングラ文化に傾倒していくきっかけにもなったという東京グランギニョルの第3回公演『ライチ光クラブ』をマンガ化したもの。古屋さんにとって東京グランギニョルと丸尾漫画は、”価値観の基準”とも言える特別なものであったそうで、その並々ならぬ思い入れはあとがきにて熱く綴られております。

大概の残虐描写には慣れっこの私も、さすがにこれは生理的にちょっと・・・というシーンも正直あります。ダメな人はきっと全くダメでしょう。しかし1ページ目から光クラブの妖しい魅力に引き込まれ、最後まで一気に読まされてしまったのも事実。そして丸尾マンガに激似であるにも関わらずなぜか受け入れることができるのは、古屋兎丸さんのユーモアや正義感、そして少年マンガっぽさがこのイケナイ世界を中和しているからではなかろうかと思いました。

「兎丸マンガ、ちょっと読んでみよう♪」という軽い気持ちであったのに、思いがけず随分とディープな世界に触れてしまいましたが、これもまた私の運命であったのかもしれません。(大げさ)たまにはまーこういうのもいいんじゃない?ってコトで。

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