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ゾディアック

Zodiac

青いインクで書かれた記号が几帳面に並んだ暗号文も、円に十字を重ねたマークも、そして「ゾディアック」という名前の響きも、何もかもがあまりにもセンス良すぎ・・・なんて言ったらホントにあった事件だけにちょっと不謹慎?ゾディアックに執りつかれ、何かを犠牲にしてまでもその謎を解こうとする男たちに、なんとなく共感できるような気もしました。

<あらすじ>

1969年7月4日独立記念日。カリフォルニアでドライブ中の若いカップルが銃撃された、という通報が警察に入る。男性は一命を取り留めたが女性は死亡しており、通報者は「犯人は俺だ」と言い残していた。その1ヶ月後、サンフランシスコ・クロニクル紙に届いた手紙は7月の事件も含め2件の殺人を実行したという犯人からの声明文で、同封された暗号文を紙面に掲載しなければさらに殺人を犯すという内容のものだった。犯人はのちに自らをゾディアックと名乗るようになる。風刺漫画担当のグレイスミスはこの奇妙な暗号文に惹かれ熱中していく。ゾディアック公式サイト

デヴィッド・フィンチャー監督作と言えば、どう見ても死んでる人に死ぬほど驚かされた『セブン』と、世の中的には大不評なんだけど自分的にはなぜか大満足だった(そーゆーのよくある)『エイリアン3』以外はあんまり好きではないのだけど、これは久々とっても気に入りましたです。後でビックリしたくらい上映時間長めでしたが、鑑賞中は全く気になりませんでしたもん。というよりかむしろ、ジェイクと共にいつまでもゾディアックの迷宮に迷い込んでいたいような、そんな不思議な感覚すらおぼえました。謎を解きたい、真実を知りたいという人間の欲求を、エンターテイナーと言ってもいい見事なやり口で刺激し続けるゾディアック。謎は謎のままだからこそ魅力的なのかも。

まずはこの作品、60~70年代の雰囲気がとてもうまく再現されてるところに一票!その時代を生きた人間ではない自分が言うのもヘンだけど、子供の頃テレビの洋画劇場で繰り返し観てたクライムサスペンス映画っぽい空気がすごくあって、奇妙な懐かしさと心地良さを感じたのでした。『ダーティーハリー』はこのゾディアック事件をモチーフにしているということで劇中にも登場しますが、かなーりそのまんまなんですねぇ~驚いた。音楽もすごくイイし、ジェイク・ギレンホールもマーク・ラファロもロバート・ダウニー・Jrも、存在感はあるんだけどヘタに目立ちすぎず味わい深い俳優さんばかり。キャスティングが良かったのかな?皆さん本当にこの時代の人みたいに馴染んでました。

ジェイク演じる風刺漫画家グレイスミスは、けして悪人ではないけれど変わり者で人付き合いのヘタないわゆるオタク青年。事件の核心に迫るのが彼のようなちょっと頼りないヤツである点もなんだかそそります。物語も終盤になってやっとこさ活躍し始めるジェイクのマイペースっぷりには「おそいよ今頃かっ」とツッコミ入れたかったけど、それも含めて良し♪

アメリカではかなりの有名人だというゾディアックですが、私のようなゾディアック初心者にとっては、ヤツの所業の数々を迅速かつ丁寧に追っていく前半戦もかなり興味深かったです。緻密なシリアルキラーのようで、殺人自体はやたら雑なところとか、あんまりカッコイイとはいえない衣装でノソノソ現れる姿のユーモラスさとか妙にリアル。無数の模倣犯やしょうもないイタズラのせいで、ゾディアックの掴み所の無さはますます助長されていきますが、後半にはジェイクの働きにより「どうりでね~」とささやかながら納得することができます。あの地下室のシーン、コワイよね・・・

最終的にはかなりハッキリと「犯人はこの人」宣言をしてくれているにも関わらず、なおも両手をすり抜けてゆく掴んだはずの真実、そしておそらくは永遠にそれっきり・・・。なんてもどかしいのでしょう。でもこのもどかしさこそが、今も多くの人をトリコにしている所以かもしれないなと思いました。まんまと法の手を逃れたのかと思うとムカつく!でも夢中になってしまう・・・「イヤよイヤよも好きのうち」って、もしかしてこのことかしら。違うか。

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映画」カテゴリの記事

コメント

kenkoさん
ほんともどかしいまま終わってしまう
映画でしたよね。でも長さはそんなに
感じなかったです。このノリで
あと3時間くらいあってもひょっとしたら
大丈夫だったかも?なんて思います。
途中何年もすっとばすじゃないですか^^
同じ日に公開の犯人探しの邦画「キサラギ」もかなり面白かったです。

投稿: kazupon | 2007年6月24日 (日) 12時02分

こんにちは!

気にいられましたか!
私は観てるときはすごく長く感じられましたが、見終わってから恐い映画だったなあと・・丁寧につくりこんでありましたね。

ほぼドキュメンタリーを観てるようで、キャストもよかったですよね。
地下室のシーンは、自分が体験してるようでこわかった。
見応えがありました!

投稿: アイマック | 2007年6月24日 (日) 15時56分

kazupon様

未解決事件だけにもどかしいラストでしたが、それも含めて良かったです。
ホントあと3時間くらいあっても全然平気だったと思う。

そうそう、さりげなく何年もすっとばしてましたよね(笑)
ジェイクの奥さん役の人が好きな女優さんだったので、
そのへんのエピソードももうちょっと観たかったです。

『キサラギ』は全く観る予定ではなかったんですけど、
kazuponさんが高評価なのでかなり観たくなってますよ!

投稿: kenko | 2007年6月25日 (月) 11時06分

アイマック様

気に入りました~えへ♪
むっちゃ集中して観てて長さは全く感じなかったです。
『セブン』のように必要以上に猟奇的な殺人を
取り扱った映画には慣れっこですが、
これは実際の事件をドキュメンタリー風に追ってるせいか
とてもリアルで恐ろしかったですわ~
キャストも良かった♪

投稿: kenko | 2007年6月25日 (月) 11時29分

こんにちは♪
次々と浮かび上がる容疑者と証拠が矛盾しあい、最終的に挙がる最有力容疑者ですら矛盾がある遣る瀬無さに、実録未解決事件の醍醐味がありましたねぇ。結構お気に入りでした^^

投稿: たお | 2007年6月25日 (月) 11時37分

たお様

たぐり寄せてもたぐり寄せてもふり出しに戻ってしまう
遣る瀬無さに酔いしれました。
30年以上前とはいえ実際にあった事件なので、
そんなことに萌えてちゃダメかも?とはうっすら思うんですが・・・
私もこれはかなりお気に入りです♪

投稿: kenko | 2007年6月25日 (月) 12時17分

お久しぶりですー。

うちのブログ、引っ越したのですがご挨拶遅れましたm(_ _)mごめんなさいっ。(あ、「とりあえず生態学+」です)

ゾディアック、評判割れてるみたいですけどボクも楽しめました。
ナイトショーでうつらうつらしてたとこもあるのでまた観にいく予定です。

ではでは。

投稿: とりこ | 2007年6月30日 (土) 21時56分

とりこ様

おー!!なんと!!
とりこさま、なのですね?
お久しぶりでございます!
もしかしてこのままかしら・・・と、実はちょっぴり寂しく思ってました・・・
コメントを書きにきて下さってどうもありがとう♪

とりこさんも楽しめた方ですか。
なんか嬉しいな♪感想UP楽しみにしてまーす☆

投稿: kenko | 2007年7月 1日 (日) 21時19分

朝から失礼しますです

フィンチャー作品で一番印象に残ってるのは、実は『ゲーム』(笑) 「あんだけされたら、普通ぶっ殺すよな」と思いながら、けっこう面白く見ました。世評高い『ファイトクラブ』はまだ未見です

実はこの事件、もっと最近にNYであったものかと勝手に勘違いしておりました。そちらはゾディアックの模倣犯だったようです

アメリカではメジャーな事件だったんですねえ。日本で言えば三億円事件とか、怪人にじゅういち面相とか? 
お粗末なところも見え隠れしてますけど、ここまで延々と後をひいて、ゾディアックもしてやったりというとこでしょうか。
映画もスパッと終るものより、謎を残して終るものの方が後を引きますしね・・・ 腹の立つこともあるけど(笑)

漫画家の彼はベン・スティーラーに似てると思いました
あと「みのもんた」みたいなおじさんが出てきて、「スタートレックのゴルゴン」とか言ってたのは、この映画の数少ない笑いポイントでした


投稿: SGA屋伍一 | 2007年7月 3日 (火) 08時09分

SGA屋伍一様

24時間いつでもどうぞー

『ゲーム』も『ファイトクラブ』もおもしろく観たことは観たんですけど、
あんまり好きな作品じゃなかったりするんですよねぇ~
特に『ファイトクラブ』は殴り合いにハマり過ぎて
道を踏み外す野郎どもの気持ちがよく分かんなくて。

お粗末さが見え隠れするところがこれまた妙にリアル。
実際あった事件なんだから当たり前ですが・・・
CSI科学捜査班がいる時代ならとっくに捕まってますよね。

え!ベン・スティラーに似てた?そうですか?(笑)
スタトレは好きなんだけどトレッキーってほどでもないので、
そのネタはちょっと分からんかったのです・・・悔しい!
しかしあのみの風オヤジもなかなかナイスなキャラでした。

投稿: kenko | 2007年7月 3日 (火) 21時29分

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