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2007年10月

エクスマキナ

Ex_machina

ベクシル 2077 日本鎖国』を観た時に「まぁまぁええやないか」的な感想を述べましたけど、これ観て「あぁやっぱこれくらいはやってもらわないと!!」と深く頷きました。つってもこれも随分評判はよろしくない(特に原作ファンに)みたいですけどねー

<あらすじ>

西暦2138年、人間とサイボーグ、そして人間の遺伝子からつくられたバイオロイドが共存する中立都市オリュンポス。都市の治安を維持する特殊部隊E.S.W.A.Tに所属するデュナンとブリアレオスは、戦闘時のパートナーであると同時に恋人同士でもあった。ある時任務中にブリアレオスは重傷を負ってしまう。治療中の彼の代わりにデュナンのもとにパートナーとして配属されたのは、ブリアレオスの遺伝子からつくられ、サイボーグ化する前の彼の顔と肉体を持ったテレウスだった。エクスマキナ公式サイト

士郎正宗の緻密なSF世界の映像化というだけでも充分ビッグ・プロジェクトなのに、プロデューサーにジョン・ウーを迎えてみたり、デュナンの衣装デザインをミウッチャ・プラダが手掛けていたり、音楽監修は細野晴臣だし大好きなコーネリアスも参加してるし、とにかく各界の名だたるクリエイターが結集しており話題には事欠かない本作。

確かにあちこちで言われている通り、ストーリー的に弱い部分はあるかもしれません。いくらでもツッコミどころありそうだし。でも原作の深い世界観がそれらを補ってくれてると思ったし、なにより前作『アップルシード』よりも格段にレベルアップした映像だけでもかなり見応えがありましたです。やっぱこのくらいケレン味たっぷりド派手にやってもらってこそ!!ですよ。キャラクターの顔の表現を中途半端にリアル寄りにせず、かわいいアニメ顔にしている点も正しいと思いました。もうね~美男美女祭りですから。アテネとニケの美しいこと。見とれちゃう♪

ごっついマシンのボディを持ったブリアレオスに、一途な想いをよせるデュナンのいじらしさがフューチャーされてるのも、意外に乙女のツボを刺激しました。イケメンテレウスもねぇ、一見何考えてるか分かんないヤなヤツ風なんだけどこれがまた案外できたイイ男なのさぁ。揺れるのよ~乙女心が~!!・・・って一人で盛り上がってすんません。しかしこうゆうのこそ、原作に思い入れのある方にはなんじゃこりゃ?って感じなんでしょうね(笑)

そうそう、ブリアレオスってビジュアル的にはバトーさんなんだけど、声はトグサ役の山寺宏一さんなんですよね。攻殻トグサだったり、エヴァ加持さんだったり、山寺さんご本人のお顔だったり・・・どんな役でも完璧にこなしてしまう山寺さんだけに、お声を聞くとありとあらゆるイメージが浮かんでしまいがちですが、やっぱりブリちゃんのようなシリアスで男前な役がいいわぁ。かっこよかった♪

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ファンタスティック・フォー:銀河の危機

Riseofthesilversurfer

まだギリギリ上映中?かな?

<あらすじ>

宇宙から謎のエネルギー体が地球へ飛来し、各地域で怪現象が発生。そんな中ニューヨークでは“ファンタスティック・フォー”のリード(ヨアン・グリフィズ)とスー(ジェシカ・アルバ)が結婚するという話題でもちきり。挙式当日、ついに例のエネルギー体がニューヨークにも出現、ヒューマン・トーチのジョニー(クリス・エヴァンス)は懸命に追いかけるが逃がしてしまう。エネルギー体は全身銀色でサーフボードに乗った人の姿をしていた。ファンタスティック・フォー:銀河の危機公式サイト

アメコミ映画は大好きなんですが、このファンタスティックな4人に関してはなぜかあんましそそられるものがなく、前作『ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]』は劇場スルーしておりました。しかしいつだったかテレビでやってたのをたまたま観てみたら、これが思った以上にギャグ満載で案外たのしめちゃいまして。

特に気に入ったのは、ゴムゴム人間、インビジブル美女、発火人間、岩男、それぞれの能力の応用の仕方がやたら庶民的で、時にとってもスケールがちっさいところ(笑)能力を人助けばかりに使わず、日常生活にもちまちま生かしてるところがやたら愉快なのです。あとはかわいいジェシカちゃんのお約束なかわいいお色気と、クリス・エヴァンスの弟君らしいお調子者系能天気キャラが良いと思いました。

今回もそんなファンタなやつらのかる~いノリは健在。ゴムゴム一発ギャグで美女を喜ばせてみたりとか、ドルガバのスーツ台無しのフレイムオン!とか。激やせジェシカちゃんは以前のようにややふっくらしてる方が好みではあるけど、発火美女になってパニくる姿すらやっぱりかわいいんだから大したもんだわ。

そしてこのたびのニューキャラ、ファンタスティックな5人目「シルヴァーサーファー」。観る前は正直けったいなビジュアルじゃのう・・・と思っていたんだけど、実際観てみると銀ピカボディで宇宙空間をサーフィンするその孤高の姿が、なんともシュールでカッコイイんですね。クールな見た目とは裏腹に、実はジェントルメンなところもイイ。次回はファンタスティック・ファイブ?なの?

銀河の危機とか言いつつ、あんまり危機感がなくてもまぁええじゃないか。前半何かとヘコみがちでらしくなかったクリス君が、最後大活躍してくれただけでも嬉しかったです。

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本間四畳半vol.9th~良宵~@賀茂輝酒造 円座(わろうだ)

酒蔵でライブ・・・って超シブくない?

酒どころで有名な東広島市西条町にある「賀茂輝酒造 円座(わろうだ)」にて、エマーソン北村(キーボード)、塚本功(ギター)、武嶋聡(サックス、クラリネット)という三名の楽器演奏者による、ちょっと変わったライブを観てきました。

EmersonTukamotoTakeshima

ぶっちゃけ上のお三方のことは全く存じあげなかったのだけど・・・とにかく、「酒蔵という和の空間におけるライブ」というシチュエーションに激しく惹かれてしまいまして。それぞれがこれまでライブやレコーディング等に携わってきたバンドの中には、エゴラッピン、シアターブルック、ピラニアンズ、忌野清志郎など、けっこう好き系の名前もチラホラあったのでたぶん楽しめるんじゃないかなぁ~という勘も働いたんですが、これが見事に大当たり♪むっちゃ楽しかったぁ~~♪♪

まずライブ会場の雰囲気が期待以上に素晴らしかったです。携帯カメラで撮ったのでちょっと不鮮明ですが、入り口はこんな感じ↓

1_2ム~ディ~

奥へズズイと進むと、いい感じにこじんまりとしたライブ会場が↓

2レトロ~

椅子は一升瓶を入れるケースで代用(笑)演奏者とお客さんのこの近さ!素敵です。さらに奥には燗酒や甘酒、おでんや手打ちそばをいただけるかなり広くてオープンな空間も有り↓

3ほのぼの~

ファンキーなチビっ子とそのママ、蕎麦打ち職人のおじさん集うの図。ほんとにアットホームない~い雰囲気でしょ☆

ライブは前半後半に分かれていて、前半はまず武嶋氏によるサックスソロ、塚本氏のギターソロ、エマーソン氏のオルガン?ソロ及びデュオでの演奏。皆さん醸し出す空気も音楽もトークも、なんともいえないゆるさがすごく良くて、すぐに大好きになっちゃいました。まるで友達のライブを観にきているかのごとくリラックス~。ライブしながら次に演奏する曲の打ち合わせしてるし(笑)

間に休憩をはさんでの後半戦は主にトリオで演奏。「テキーラ」「チムチムチェリー」「キャラバン」「私の青空」など、私でも知ってる曲をたくさんやってくれたので嬉しかった。お客さん自ら流れ作業で一升瓶ケースの椅子をお片付けした後は、もうみんなノッリノリのニッコニコで踊りまくり♪エマーソン氏曰く、「これまでこのメンバーでデュオでのライブはよくやってきたけど、トリオっていうのは今回のが全国初」らしい。なんだか光栄ですね。

2回目のアンコールで塚本氏が「では僕がソロライブで必ずやる曲を・・・よく“蛍の光”と間違われるので、たぶん帰る気持ちになれると思います。このメンバーではやったことないんですけど・・・」と言って始めた曲は、映画『エデンの東』のメインテーマ曲でした。いい選曲っすねぇ~。ほんと楽しくって癒されるひとときでした。「円座」ではこのようなナイスなイベントをちょくちょくやっているみたいなので、ぜひまた来たいと思います♪

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新装版『うる星やつら』1~17巻読んだっちゃ☆

いきなりイタいタイトルだっちゃ。

何を隠そう、私が溺愛しているネコちゃん(チンチラゴールデン♀6さい)の名前はずばり「ラム」。その名の由来はもちろん、虎柄ビキニの電撃美少女ラムちゃんだったりするわけで。

ゴージャスバディを隠そうともせず、男子という男子を悩殺しまくる健康美ラムちゃん。メカに強く、時にヘンなマシンでヘンな事件をまき起こすお騒がせラムちゃん。そしてドアホな浮気男あたるをなぜか一途に想い続けるピュアなラムちゃん・・・

ラムちゃんは私にとって永遠のフェアリー。「ラムちゃんのようなステキな女の子に育ってほしい」そんな勝手な願いをネコちゃんに託してみたのでした。(←バカ)そしてその願いはあんまり叶えられていません。

そんなある日とある本屋さんにて、現在月2巻ペースで発刊中の新装版『うる星やつら』をふと目にし、はたと気がついたんす・・・「そういやマンガはまともに読んだことなかったな」と。

私にとっての『うる星~』とは、あくまでTVアニメの方。幼稚園から小学校低学年にかけて、毎週水曜よる7時から『Dr.スランプアラレちゃん』とセットで観ていた記憶は今も鮮明です。んで『アラレちゃん』と『うる星』放映終了後には『ドラゴンボール』と『めぞん一刻』が始まって、もちろんこちらも必死で観ておりました・・・鳥山明&高橋留美子のゴールデンタイムに育てられたと言っても過言ではないかも?

ともかく、飼いネコにラムちゃんとまで命名しちまったからには原作ぐらいちゃんと読んでおかにゃあまずかろう、とは誰も言ってないのに勝手に自己判断した結果、全34巻のシリーズに手を出してみることにしたのでした。

Urusei1 Urusei2 Urusei5_2

とりあえず、ちょうど中間地点にあたる17巻までを読破。初期の絵柄に若干の衝撃を受けつつも、愛すべき友引町の住人たちによるエンドレスどんちゃん騒ぎに、甘酸っぱいノスタルジーを感じまくりながら読んでます。次から次へとよくもまぁここまで多彩なキャラクターを考えつくもんだと今更ながら感心至極。最近の高橋先生のカワイイ系の絵柄もいいけんど、やっぱりこの時代の絵の方が色気があって好きだなぁ。サクラさんの艶っぽさとかタダゴトじゃないし。

そしてこのたびの新装版における最もナイスなオマケ・・・それは、巻末に収録されている『My Rum~分野を超えて現代の人気アーティストが描く~永遠の美少女ラム』という企画。ラムちゃんに特別思い入れがあったりなかったりする人気マンガ家、人気イラストレーターの皆様が、それぞれのタッチ、それぞれの解釈で描いたラムちゃんのイラストが掲載されているんですが、これがまぁなかなか興味深い。個人的に特に気になったのを4つだけセレクトしてみました。

Rum1

あだっちゃ充。あだち先生が描くとラムちゃんという強烈なキャラクターでさえ、すっかりあだちワールドの住人ぽくなるから不思議です。フツーにカワイイです。

Rum3

中川いさみ(『くまのプー太郎』など)作。にゅ~っと伸びたツノ、「バリバリバリ」という電撃音の緊張感のない感じが良いです。てゆーかラムちゃんはこんなにのん気に電撃を出さないと思う。

Rum2

・・・・・・ヒドイ。これはヒドイ。これはもうラムちゃんではありません。ただの鬼嫁です。野中英次氏(『魁!!クロマティ高校』など)曰く、「今回私の本気度を見ていただこうと思い、あえてラムちゃんを見ないで描いてみたらこうなってしまいました」とのこと。さすがいい根性をしていらっしゃいます。うしろにメカ沢くんが飛んでます。

Rum4

最後に高橋先生が描く最新版ラムちゃんでほっと一安心。太ももがいいよねー。奔放でまっすぐなラムちゃんは、実は先生にとって自分から一番遠い存在らしいです。

まーこんな具合で、“ひとりうる星祭り”はまだまだ続きそうな予感。ちなみに最近はこんなのにもハマってたりして↓

Uruseibest ぜんぶ名曲だっちゃ☆

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幸せのレシピ

Noreservations

晩ごはんも食べずにレイトショーで観る映画ではありません。おばあちゃんの死に際パスタとティラミス食べたいぃ~

<あらすじ>

ニューヨークのとあるフレンチレストランで料理長を務めるケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)。腕は一流だが時に客と対立してしまうことも・・・。ある日姉を交通事故で失い、残された姪のゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)を引き取ることになった。ケイトが仕事を休んでいる間に、レストランでは陽気なシェフ・ニック(アーロン・エッカート)が福料理長として雇われ、その自由な仕事ぶりにケイトはイラ立つのだった。幸せのレシピ公式サイト

この作品の元ネタであるドイツ映画『マーサの幸せレシピ』は未見なのでなんとも比較しづらいですが、キャストを見てみるとキャサリン・ゼタ=ジョーンズの役が『善き人のためのソナタ』のマルティナ・ゲデック、アーロン・エッカートの役が『赤いアモーレ』のセルジオ・カステリットで珍しくどちらも知ってる役者さんでした。想像するに、「生真面目なドイツ女性を陽気なイタリア男が口説く」という設定におけるふたりの競演はすごくおもしろそう。

ニューヨークに舞台を移して描く本作では、アーロン・エッカートが単なるイタリアかぶれのアメリカ人だったりするので、お国柄の違いによるドタバタ的な面白さはオリジナルに比べるともしかして弱いのかも?とは思いました。でもそれぞれにチャーミングな主要キャスト3名の魅力と、なにより見目麗しくとっても美味しそうなお料理の数々に、ちゃんとほっこり幸せ気分になることができました。めっちゃおなかすいたけどね~最近こうゆうパターン多いなぁ。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じるケイトはいわゆるツンデレキャラ。美人で仕事もできて一見パーフェクトなんだけど、料理以外のことにはとんと疎くて不器用で、ちょっと子供っぽいところもある女性です。しょっぱなから期待通りにツンツンしまくりますが、意外とあっさりデレっとしちゃうところがまた可愛らしい。スキがないようで実はスキだらけってなんだか妙にそそるんす。これまでのキャサリン・ゼタ=ジョーンズにはちょっとないキャラで新鮮でした。

そんなケイトの姪っ子ゾーイを演じるのは、『リトル・ミス・サンシャイン』でアカデミー助演女優賞にもノミネートされたアビゲイル・ブレスリンちゃん。本来の美少女っぷりを披露しつつ、ナチュラルな演技で観る者をトリコにしちゃいます。こちらケイトとは対照的にかなり大人な部分もあわせ持つ女の子で、そんな二人が本気でモノポリーやってるシーンとか笑っちゃいました。

そして最後はモテモテ!アーロン・エッカート。彼みたいな懐の深い男性って実はそうめったにいないと思う。ちょっと変態的な行為も目につきましたが・・・とにかくタッパーにティラミスはズルイ、とだけ言っておきます。

そのほか脇を固める役者陣も、レストランオーナー役のパトリシア・クラークソンとか、セラピスト役のボブ・バラバンとか、なにげに粋でオトナな方々に彩られておりました。しかしセラピーはそう大して意味なかったような?

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セルフ・リペイントバージョン?!

メチクロ氏のサイト『Mhz』内メチクロチャンネルにて、先月発売された『プロローグ・オブ・BLAME!』のサナカンフィギュア「セルフ・リペイントバージョン」なるもののお写真が公開されておりました。

http://d.hatena.ne.jp/matic-log/comment?date=20071001#c

なんですかこのクオリティの高さは・・・もしかしてこれが本来の姿なのー??

うちにあるのと全然チガウよ・・・ し、死ぬほどカッコイイよ~~

さすがだ・・・シビれました!!

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パンズ・ラビリンス

Panslabyrinth

ずーっと前からむちゃくちゃ楽しみにしていたギレルモ・デル・トロ監督最新作『パンズ・ラビリンス』、ようやく公開ってことで張り切って初日に観てまいりました。

<あらすじ>

1944年内戦終結後のスペイン。内戦で父を亡くしたオフェリア(イバナ・バケロ)とその母カルメン(アリアドナ・ヒル)は、山間部でゲリラの鎮圧を指揮するビダル大尉(セルジ・ロペス)の元へ。母はビダルと再婚し身篭っていたが、冷酷かつ残忍な人物であるビダルにオフェリアは恐怖を抱いた。その夜、オフェリアの前に妖精が現れ、彼女を不思議な迷宮へと導く。そこにいた迷宮の守護神パン(ダグ・ジョーンズ)は、オフェリアが地底の国の王女の生まれ変わりだと言うのだった。パンズ・ラビリンス公式サイト

デル・トロ作品はなんだかんだで全部観ているけど、『ブレイド2』や『ヘル・ボーイ』といったハリウッド系エンタメ作品も、『クロノス』や『デビルズ・バック・ボーン』のようなホラーと言いつつドラマチックで切ない作品もどっちも同じくらい好き。

またデル・トロ監督は日本のマンガ及びアニメヲタクであることでも有名で、私がいつも一人で勝手にきゃあきゃあ騒いでいるSFマンガ家・弐瓶勉氏のファンであるらしいことにも、これまた勝手に親近感を抱いているのでした。今回オフェリア役を見事に演じ切った美少女イバナ・バケロちゃんに、『風の谷のナウシカ』(マンガの方)をプレゼントしたそうですが、蟲と美少女だしヲタク文化基本篇だし、贈り物としてはなかなか正しいセレクションだったと思います。

本作は『デビルズ~』と同じくスペイン内戦を背景に子供を主人公として描かれており、単なるややホラー寄りのファンタジーだと思って油断して観ると、ビダル大尉とゲリラとの争いにおける目を覆いたくなるほどの残虐描写にビックリしてしまうかもしれません。苦手な人にはちょっとキツイかもしれない・・・けど、自分的にはむちゃくちゃ気に入ってしまいました。デル・トロがあえてオブラートに包まず描いた悲しく恐ろしい現実と、それらが色濃く反映されたむっちゃダークネスでこの上なく甘美な少女の幻想とが、絶妙なバランスでお互いを引き立てあってたと思う。妖精(てゆーか虫)がオフェリアの本の挿絵を見て姿を変えるシーンだけでも、なぜか感極まって泣いちまいました。少女の残酷で妖しい夢の世界という点では、ニール・ジョーダンの『狼の血族』をちょっと連想。

ポシェット斜めがけにしてるのがバケモノとしてはなんだか新鮮なパン、手のひらに目玉を装着してヨロヨロと追っかけてくる姿が死ぬほど怖いペイルマンのデザインなど、ほんと不気味で素晴らしくバケモノ好きには激しくツボでもありました。動きがまた意外にコミカルかつアナログでいいなぁと思ったら、演じているのはどちらもダグ・ジョーンズという人で『ヘル・ボーイ』でエイブ・サピエンの中の人もやってたお方だと知り妙に納得。

そしてそんなバケモノさんたちよりかよっぽど恐ろしい存在として描かれていたビダル大尉も良かったです。ほんっとにヒドイ人物なんだけど、彼もまたかつて戦争で心に傷を負った子供だったのかもしれず、最終的には少し憐れに思えました。彼を倒したとしてもいつかまた新たな独裁者が現れ、子供が犠牲となる争いが終わらないのなら、世界のどこかに迷宮への入り口はきっと存在するはずと信じたくなる・・・そんな作品でした。

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エディット・ピアフ~愛の賛歌~

Lamome

「エディット・ピアフ」という名前に聞き覚えはあっても、越路吹雪さんや美輪明宏さまが歌う「♪あなた~の燃える手で~」とは全く結びついていなかった私(恥)フランスの伝説的シャンソン歌手の壮絶すぎる人生、しっかと心に焼きつけました。

<あらすじ>

1915年、エディット・ジョヴァンナ・ガジョン(マリオン・コティヤール)はパリの下町に生まれた。路上で歌っていた母に捨てられ、売春宿を営む祖母に預けられたエディットは、娼婦のティティーヌ(エマニュエル・セニエ)らにかわいがられて育つ。やがて兵役から戻った大道芸人の父に引き取られ、エディットも母と同じように路上で歌うことで日銭を稼ぐようになる。ある日エディットは、とあるクラブのオーナー、ルイ・ルプレ(ジェラール・ドバルデュー)にスカウトされ彼の店で歌うことに。エディット・ピアフ~愛の賛歌~公式サイト

物語は、ピアフの子供時代から成人するまでをザックリと追いながら、その合間に歌手として成功してからのエピソードが時間軸をあっちこっちしながら挿入されるというちょっと変わった構成になっています。これは晩年(といっても40代)のピアフの心理的な混乱そのもののようでもあり、この世を去る直前のいわゆるフラッシュバックのようでもありましたが、自分としては彼女の人生に起きたすべてが時間の経過に影響されることなく等しく色あせぬ出来事であった、という印象を持ちました。

母親に捨てられ、売春宿を営む祖母に預けられ、一時視力を失い、若くして産んだ子供もようやく出会った最愛の人も失くし・・・たった47歳でこの世を去ったエディット・ピアフの人生は、「なぜ彼女ばかりがこんな目に?」と思わず天を仰ぎたくなるほどの不運の連続。彼女に魂を揺さぶる歌声を与えたもうた神様の、残酷な気まぐれとしか思えません。

そしてそんな波乱の人生を歩みながら、どんどんエキセントリックになっていくピアフを演じきったマリオン・コティヤールが評判通り素晴らしかった。過去の出演作リストの中には観た映画もちょこちょこあるのに、彼女がどんな役だったのか全然思い出せずほとんど先入観がないせいでしょうか・・・エディット・ピアフ本人にしか見えませんでした。人って身も心も本当にボロボロになると、あんな風にゾッとするほど年老いてしまうものなのかと、マリオンの鬼気迫る演技に引き込まれながら思いましたです。これは各映画賞を賑わすのは間違いなかろうと素人目にも確信。

歌うシーンではほぼピアフの歌声を使用しているらしいけど違和感全くなし。マリオンのド迫力の演技と相俟って鳥肌たちまくりです。ピアフが初めてホールでコンサートをするシーンでは、あえて歌声を消すという演出もありましたが、ピアフの強烈な魅力というのは歌だけにあったわけではなくて、彼女の顔やその表情や佇まいや存在そのものだったのだろうと強く感じました。

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