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エディット・ピアフ~愛の賛歌~

Lamome

「エディット・ピアフ」という名前に聞き覚えはあっても、越路吹雪さんや美輪明宏さまが歌う「♪あなた~の燃える手で~」とは全く結びついていなかった私(恥)フランスの伝説的シャンソン歌手の壮絶すぎる人生、しっかと心に焼きつけました。

<あらすじ>

1915年、エディット・ジョヴァンナ・ガジョン(マリオン・コティヤール)はパリの下町に生まれた。路上で歌っていた母に捨てられ、売春宿を営む祖母に預けられたエディットは、娼婦のティティーヌ(エマニュエル・セニエ)らにかわいがられて育つ。やがて兵役から戻った大道芸人の父に引き取られ、エディットも母と同じように路上で歌うことで日銭を稼ぐようになる。ある日エディットは、とあるクラブのオーナー、ルイ・ルプレ(ジェラール・ドバルデュー)にスカウトされ彼の店で歌うことに。エディット・ピアフ~愛の賛歌~公式サイト

物語は、ピアフの子供時代から成人するまでをザックリと追いながら、その合間に歌手として成功してからのエピソードが時間軸をあっちこっちしながら挿入されるというちょっと変わった構成になっています。これは晩年(といっても40代)のピアフの心理的な混乱そのもののようでもあり、この世を去る直前のいわゆるフラッシュバックのようでもありましたが、自分としては彼女の人生に起きたすべてが時間の経過に影響されることなく等しく色あせぬ出来事であった、という印象を持ちました。

母親に捨てられ、売春宿を営む祖母に預けられ、一時視力を失い、若くして産んだ子供もようやく出会った最愛の人も失くし・・・たった47歳でこの世を去ったエディット・ピアフの人生は、「なぜ彼女ばかりがこんな目に?」と思わず天を仰ぎたくなるほどの不運の連続。彼女に魂を揺さぶる歌声を与えたもうた神様の、残酷な気まぐれとしか思えません。

そしてそんな波乱の人生を歩みながら、どんどんエキセントリックになっていくピアフを演じきったマリオン・コティヤールが評判通り素晴らしかった。過去の出演作リストの中には観た映画もちょこちょこあるのに、彼女がどんな役だったのか全然思い出せずほとんど先入観がないせいでしょうか・・・エディット・ピアフ本人にしか見えませんでした。人って身も心も本当にボロボロになると、あんな風にゾッとするほど年老いてしまうものなのかと、マリオンの鬼気迫る演技に引き込まれながら思いましたです。これは各映画賞を賑わすのは間違いなかろうと素人目にも確信。

歌うシーンではほぼピアフの歌声を使用しているらしいけど違和感全くなし。マリオンのド迫力の演技と相俟って鳥肌たちまくりです。ピアフが初めてホールでコンサートをするシーンでは、あえて歌声を消すという演出もありましたが、ピアフの強烈な魅力というのは歌だけにあったわけではなくて、彼女の顔やその表情や佇まいや存在そのものだったのだろうと強く感じました。

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コメント

kenkoさん、こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰ばかりでごめんなさい。
この夏は他所様にお邪魔する余裕がなくて、失礼ばかりしています。

どなたの感想をお聞きしても、どなたもマリオン・コティヤールの演技を絶賛されますねぇ。
ピアフの壮絶な人生から受けるショックと同じくらい、
彼女の演技の凄さが驚きでした。

>時間の経過に影響されることなく等しく色あせぬ出来事
なるほど!言われてみればそうですね。
この作品の表現方法は、いろんな感じ方をさせてくれます。

投稿: 悠雅 | 2007年10月 6日 (土) 08時19分

♪あなたーのもえるてでー
わたしーをだき(カーン)

ちょっと! 最後まで歌わせてよ!

>エディット・ピアフ

わたしも最近ようやく知った名です。エビピラフなら好きですけど(こんなんばっかしや・・・・)
越路吹雪さんも苦労には事欠かない方だったそうですけど、『愛の賛歌』って「不幸な女」によく似合う歌なんですかね?

ここんとこ特に見たい映画がなくて(『パンズ・ラビリンス』は近所でやってくれないし・・・)手持ち無沙汰状態なんですが、これはおすすめですか?

投稿: SGA屋伍一 | 2007年10月 6日 (土) 11時06分

悠雅様

私も最近は以前よりPCの前に座れる時間が減って
失礼してばっかりです。ほんとお気遣いなく~

この作品を観て何が驚きって、やはりまずはマリオン・コティヤールですよね。
これまで全く注目していなかっただけにこの女優さんいったい何者??って感じでした。
泣きながら笑っているような彼女の顔が忘れられません。

表現方法には賛否あるみたいですが、私はけっこう好きでした。
言葉で分かりやすく語られるよりも感覚的に、
ピアフという女性についてほんの少しかもしれませんが知ることができたような気がします。

投稿: kenko | 2007年10月 6日 (土) 15時57分

SGA屋伍一様

しめてー
ただふーたりーだけーでー
いきてーいーたーいーのー

続きを歌ってみたけど、この後の歌詞が分かりましぇん。

エディットピアフとエビピラフ!!に、にてる・・・ははは(笑)
私も今回初めて感じたことですけど、「愛の賛歌」日本語バージョンから受ける印象と、
本家エビピラフさんバージョンから受ける印象はずいぶん違ってました。
シャンソンって歌う人の生きざまがものすごく反映されるものなのだなと思いました。
不幸であればあるほど歌に凄みが増す・・・みたいな。

ズーンと重い映画ではありますが私的にはオススメです。
「パンズ・ラビリンス」はついさっきさっそく観てきちゃった。えへ♪
これまた痛かったり重かったりですが、めっちゃ良かったです。
遠出してでも観て!などと無責任にすすめてみたりして。

投稿: kenko | 2007年10月 6日 (土) 16時11分

kenkoさん

自分も数本は観ているけどマリオン・コルティヤールって全然認識なかったです。
この映画でもう忘れることなないかなと
思います。素晴らしかったな~
伝記映画ってあまり気に入るものが
無い方なんです・・必ずフラッシュバック
だし、ドラッグに溺れるし(笑)最後は
音楽!みたいなシメになるし。。
でもこれは本人全く知らないからなのか、
マリオンの力なのかものすごく胸打たれる
作品だったと思います。

投稿: kazupon | 2007年10月 7日 (日) 23時20分

kazupon様

こんにちはkazuponさん☆

マリオン・コティヤールのことも、エディット・ピアフのことも
あんまり知らなかっただけに(笑)マリオン演じるピアフは衝撃でした。
私ももう彼女のことは忘れられないです。

確かに伝記映画の主人公になるような人って
必ずと言っていいほど皆ドラッグ中毒ですね(笑)
感受性が強くて繊細な方が多いから?でしょうか…
マリオンの熱演がなかったらもしかしたら時系列バラバラなのに
混乱するだけに終わったかもしれません。
ほんと胸打たれました!

投稿: kenko | 2007年10月 8日 (月) 15時31分

こんばんは!
TB&コメントありがとうございました。
kenkoさんも心打たれた映画だったようですね~
私は辛口な感想になってしまったので肩身が狭いです(汗)
マリオンは渾身の演技でしたし素晴らしかったと思います。これから数々の賞も取るでしょう。
ピアフの人生も、想像を絶する程波乱万丈で、何度も胸が詰まりながら鑑賞しました。
凄い映画だなぁ~と思ったのですが、好きな映画にはならなくて・・・困った困った(笑)
『神様の残酷な気まぐれ』―私もぶんやりとそう考えました。
それ故に尚更彼女は苦しんだんじゃーないかなって。

投稿: 由香 | 2007年10月 8日 (月) 21時40分

由香様

いやー由香さんのおっしゃることもぶっちゃけよく分かりますです。
ピアフの人生ってあまりに悲しい出来事が多すぎて絶句してしまうほどなんだけど、
かと言って彼女の行動や発言は共感できるものではありませんでしたもの(笑)
でもそれでも今も多くの人に愛される歌手ってスゴイですよね。

終盤彼女の子供が亡くなるシーンで、天をキッと睨みつけるような
目をしていたのが印象的でした。
マリオン・コティヤールがどれくらい賞に絡んでくるか楽しみですね♪

投稿: kenko | 2007年10月 9日 (火) 23時51分

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