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2008年12月

スカイ・クロラ

Theskycrawlers

押井守の永遠のテーマ。それは繰り返される物語。

<あらすじ>

現代に似たもう一つの世界。そこでは人々が平和を実感するため、戦争をショーとして、戦争請負会社が行っていた。戦闘機のパイロットは、キルドレと呼ばれる永遠に成長しない子供。ある日、キルドレである函南優一(加瀬亮)は、ヨーロッパの前線基地に配属される。彼にはこの基地に赴任する前の記憶がなかったが、同じくキルドレである女性司令官・草薙水素(菊地凛子)に惹かれていく。スカイ・クロラ公式サイト

原作者・森博嗣さんの小説は、初期の『すべてがFになる』『封印再度』の頃はよく読んでいましたが、“スカイクロラシリーズ”に関しては全く読んだことはありません。
で、“草薙水素”ってな名前のキャラクターが登場するもんだから、それって思いっきり『攻殻』を連想させるし、原作にはない押井オリジナル設定か?と思いきや原作通りなんですねぇ。
それは森博嗣氏の攻殻リスペクトを、攻殻第一人者である押井さんが映像化したとみなして良いの?
それって考えすぎ?sweat02

ま、それはさておき。。。
とにかく映像はとてつもなく美しいです。
未来っぽいお話ですが、セピア調の色設定も相俟ってクラシカルな印象。
しかしながら、これでもかってくらい淡々とお話が進んでゆくもんだから・・・パーフェクトな映像は本っ当に素晴らしいのだけど、じゃっかんの睡魔にも襲われてしまい・・・
途中までは、この映画あんまし好きじゃないかも・・・って思いながら観てました。
が・・・
押さえ込まれた感情が解き放たれた瞬間。それは快感になるのです。

パイロットは、永遠に成長しない子供。いや、子供の体に大人の心を持った存在。
少女の肉体に宿る、成熟した精神。『イノセンス』の時と同じエロスがここにもありました。
それっていったい子供なのか、大人なのか。
“義体”が子供である限り、やはりそれは子供なのだ。と、最終的には思いましたです。

エンドロールの後には、オマケどころではない重要なシーンが。
悲しいくらいに残酷な、子供たちの悪夢。
何度も繰り返しているうち、いつしかそれは、甘美なものになるのかもしれない。

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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

Hotfuzz

ずいぶん前に観たのにほったらかしてたシリーズ。とっくにDVD出てるっつの。
海外ですこぶる評判が良いにもかかわらず、日本ではあやうくDVDスルーになりそうだったところを、映画ファンの署名活動によりようやく劇場公開にこぎつけたという鳴りもの入りイギリス製おバカアクション。
プロモーションとして非常に有効とも言えるそのような経緯を事前に聞かされてしまうと、いったいなにがそんなにスゴイのか?どれだけバカで、どれだけ笑わせてくれるのか?といやがおうにも期待は高まりまくってしまうし、それを劇場で確認せずにはいられない。
とにかく笑う気満々で観に行ったのでした。

<あらすじ>

ロンドンのエリート警察官、ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)。あまりの優秀な働きぶりに周囲の反感を買ってしまい、田舎町サンドフォードに左遷されてしまう。一見のどかで、事件らしい事件は何もないように思える町だったが、ある日不審な事故で死人が出る。町の人々は口を揃えて“事故”だと言うし、無理矢理組まされた映画オタクの相棒、ダニー(ニック・フロスト)は頼りない。やむなくニコラスはたった一人で捜査を進めるのだった。ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン公式サイト)

うーん。おもしろかったんだけど・・・
正直なところ、思ったほどには笑えなかったsweat02(えぇー)
自分好みの映画という確信はあるのですが。なんなんでしょう。
あんまり笑えなかったことが、自分でも悔しい。
たまにやらかす“期待しすぎ”パターンだなこれは。

ちょいコメディタッチの刑事もの?としてテンポよくスタートする本作。
ちょい役でビル・ナイ、マーティン・フリーマンといったイギリス映画ではお馴染みの俳優さんたちが出演しているのも楽しい。
ジャニーンがケイト・ブランシェットだったのはさすがに分かんなかったけど。

エリート警察官ニコラスがド田舎の一見平和な町へ左遷されてからは、怒濤のトンデモ展開が待っています。
詳しいストーリーは知らなかったけど、グロ系であることは聞いていて期待していたので、最初の首チョンパで待ってました♪ってテンション上がりました。
その後も残酷きわまりない死体が続出heart
頼りない相棒との友情を深めつつ、本領発揮で捜査しまくるニコラス・エンジェル。
しかしながらその真実は・・・!!ニコラスの推理とはあんまし関係のないものだった(笑)

監督のエドガー・ライトさんは『ショーン・オブ・ザ・デッド』で名を馳せた人ってことで、いっそゾンビとか出てきちゃっても違和感ないくらいなんでもアリな感じです。
クライマックスでニコラスが完全武装で登場したとき、いくら悪党とは言えそんな装備でお年寄りを攻撃するのはちょっと・・・って思ったけど、そんな心配は杞憂でございました。
相手に不足なし!!
ジオラマの町でティモシー・ダルトンとの取っ組み合いが始まったときはさすがに笑った。
まるで昔の特撮怪獣映画みたいなんだもんcoldsweats01ニコラス対メカティモシー。

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落下の王国

Thefall

年末駆け込みレビューは続く。
『ザ・セル』のターセム監督、6年ぶりの新作だそうです。原題は『The Fall』。
これもまたずいぶん前に観てほったらかしておりました。

<あらすじ>

1915年。撮影中の落下事故で重傷を追い入院しているハリウッドのスタントマン、ロイ(リー・ペイス)。恋人にも去られ自暴自棄になっていた。ある日ロイの病室へ偶然、腕を骨折して入院中の少女、アレクサンドリア(カティンカ・ウンタルー)がやってくる。ロイは少女をあることに利用するため、思いつきのおとぎ話を語り始める。物語に夢中になるアレクサンドリアだったが・・・落下の王国公式サイト

大画面で観るべき美麗な映像はあいかわらず。
モノクロスローモーションで始まるオープニング。うっとり見入ってしまうshine
現実と物語を少女が行ったり来たりするという設定は、昨年の私的ナンバーワン映画『パンズ・ラビリンス』を連想させますが、パンラビと違い、現実世界で起きた出来事が物語に影響することはあっても、その境目はわりとハッキリしています。
そのせいかどうかは分からないけど、パンラビほどハマることはできなかった。
かなり期待していたのだけど。

『ザ・セル』は、残酷だけれど生々しさを一切感じさせない、完璧とも言える静謐さをたたえた映画でありました。
今回のもテイストは変わりません。唯一無二のターセム節といった感じ。
けれど、そこはかとなく人間くさいというか、血が通っているというか・・・けして悪い意味でなくなんかユルイ。
主演女優のかわいらしさのおかげかもしれないけど。
6年の歳月を経て、ターセムさんもちょっと丸くなったのかもね。

ターセムさんの映画にはいつも、“馬”が象徴的に登場しますね。
いったい何を表しているのだろう。未来?変化?神性?
今もっとも目が離せないマンガ『ソイル』の最新巻にも出てきて、それがターセム映画におけるお馬さんとなんとなく同じ印象。
運命を司るお馬さんは不気味で美しい。妙に気になる存在ですhorse

それからこの作品、なにげに世界遺産めぐり映画でもあり、世界遺産好きとしてもとっても楽しいです。
物語の背景をCGで完璧に作り込むこともできたでしょうが、あえてロケしてるところがイイ。
てゆーかやっぱリアルにはかなわないですね。
現実世界には、まるでおとぎ話そのものみたいな美しい場所が、こんなにもたくさんあるのだ。
クライマックスの舞台であるブルーシティー・ジョードブル。いつか行ってみたいなconfident

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その土曜日、7時58分

Beforethedevilknowsyouredead

気がついたら、まばたきするのも忘れギンギンに目を見開いて観てた。
すっかりドライアイぎみです。

<あらすじ>

娘の養育費もまともに払えないハンク(イーサン・ホーク)に、兄であるアンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)はある計画を持ちかける。それはなんと、彼らの両親が経営する宝石店を襲うというものだった。アンディは、店は保険に入っているし死人は出ないから絶対に大丈夫だとハンクを説得する。ハンクとは違い一見裕福な暮らしをしているように見えるアンディにも、実は緊急に金を要する理由があった。その土曜日、7時58分公式サイト

とても残酷で、救いのない物語。
兄、弟、そして彼らの父。3人を中心とした、まるでシェイクスピア劇のような悲劇です。
後味はけして良くないけれど、サスペンスとして非常に秀逸。
シドニー・ルメット監督、80歳越えてなんという映画ですかwobbly

まず、すべての悪夢の発端である、“その土曜日、7時58分”から物語は始まります。
そしてそこに至るまでの経緯と、それが起きてからの出来事が、3人の男それぞれの視点からバラバラの時系列で展開されていきます。
ヤクの売人の部屋でアンディが、「俺の人生はパーツがバラバラだ。経験が積み重ならない」とつぶやくシーンがありますが、まるでこの映画そのものについて語っているかのよう。
ただし映画は、えも言われぬ緊張感のもと、見事なまでにパーツとパーツが組み合わさっているわけですが。

役者がまたそれぞれに巧すぎて目が離せない。
兄アンディ、フィリップ・シーモア・ホフマン。弟ハンク、イーサン・ホーク。
父チャールズ、アルバート・フィニー。
誰がいちばん良かったってなかなか言えないくらいだけど・・・個人的にはやっぱ父かなぁ。

「早く天国に行けますように。死んだことに悪魔が気付く前に。」

冒頭に出てくるこの言葉。この映画の原題でもあります。
“ Before the devil knows you're dead ”
これってもしかして、父チャールズの祈り?唯一の救いなのだろうか・・・と観終えて思いました。
劇中で家族の過去が詳しく語られることはないので想像するしかないけど、息子をうまく愛することができなかった父は、罪を犯した息子、地獄に落ちるしかない息子がせめて天国へ行けるように、最後に父としてそう願ったのかもしれない。
だからこそ彼は、これ以上ないくらい慎重に事を進めた。そして立ち去った。
憎しみと絶望の中で、父としてすべきたったひとつのこと。最後の最後に、息子にしてやれること。
悪魔がアンディの死に気付く前に、天国に行けますように、と。

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ブラインドネス

Blindness

ここにきてムダに頑張る私。だって今日仕事納めだったんだもーんshine
感想書くの遅くなっちゃったけど、実は『トロピックサンダー』のあとにハシゴして観ました。
『シティ・オブ・ゴッド』『ナイロビの蜂』のフェルナンド・メイレレス監督作品ってことで、トロピックと並び(並ぶの?)かなり楽しみにしていた一作でございます。

<あらすじ>

ある日、車を運転中の日本人の男(伊勢谷友介)の目が突然見えなくなってしまう。妻(木村佳乃)に付き添われて病院に行き検査をするが原因は不明。彼を発端として同じような症状を訴える患者が次々と現れ、彼らは隔離される。隔離病棟には日本人を診察した眼科医(マーク・ラファロ)もいたが、まだ見えている彼の妻(ジュリアン・ムーア)は失明したふりをして夫に付き添っていた。やがて病棟は失明した者でいっぱいになり、医者の妻は最悪の事態を目撃することに・・・ブラインドネス公式サイト

ひとことで申しますと、
“見えなくなって見えてくる、人間の本性”・・・ってな感じのお話。

ある日突然、目の前が真っ白になった人々。言うなれば“白い闇”。(←原作のタイトル)
原因は不明だが、どうやら伝染性があるようで、見えなくなった人は次々と「いったいいつの時代?」とツッコミたくなるような隔離病棟に、問答無用で押し込められてしまいます。

感染者?がまだ数名しかいない最初の方は、まるでワンシチュエーションの実験的な舞台劇みたいで、現実感、緊張感があまりなく、時におかしみすら感じる。
この時点では、実はあまり物語に入り込むことができず、この調子で最後まで続くのだとしたらちょっと期待したのと違う?なんて思ってました。

しかし建物内が見えない人々で溢れ、住環境は汚物にまみれ、人々の精神状態がみるみる劣悪になり始めてからは、ぐいぐい引き込まれていきました。
食欲と性欲に支配された人々から人間らしさはあっという間に失われ、鬼畜と化していく。
罪を見咎める者が誰もいなければ、人はこんなにも人ではなくなってしまうのでしょうか。
なんというか、見えなくなってから完全に理性を失うまでの過程があまりにも滑らかで、正気と狂気の境目がまるでないように見えることが、すごく怖かったbearing

そしてそんなすべての惨状の目撃者であるジュリアン・ムーア。
ただひとり“見えている”彼女は、地獄のような状況で夫を始めとした見えない人々に密やかにつくす聖母?ある意味圧倒的な力を持ったリーダー?のようだけど・・・なんとなく、そういう分かりやすい存在として描かれているわけでもなさそう。うーん。。。
ガエル君にハサミを突き立てた彼女より、つくしてきた夫の裏切りを咎めない彼女の方が、なんだか恐ろしく感じたのでした。

見えなくなって崩壊する社会。奪い合う人々。しかし手を取り合わなくては生きていけない。
それってもしかして・・・私たちのリアル社会そのもの?
考えれば考えるほどいろんな受け止め方ができそうだけど、なんとなくつかめそうでつかめないsweat02
このもどかしさ、ちょっと『バベル』と似てるかも?日本人出てるしね。

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ユーロマンガ vol.1

Euromanga1

今年も残すことろあとわずか!
弐瓶以外のマンガネタを書かなくなって幾久しいですが・・・
話題の雑誌『ユーロマンガ』創刊号。読んでみましたshine

ユーロマンガとはすなわち、バンド・デシネのこと。
主にフランス、ベルギーを中心としたフランス語圏のマンガのことです。

「私たちは、BDあるいはバンド・デシネという言葉を大事にしたいと思っているが、あえてここでは『EUROMANGA』というタイトルを採用している。これはBDを日本に紹介する本であると同時に、日本マンガとマンガ読者へのラブレターなのだ。本書がマンガとBDをつなぐきっかけとなれば幸いである。」

とは、翻訳者のひとり、原正人氏のお言葉。なるほど。

BDで読んだことがあるのは、エンキ・ビラルくらい。
あと『タンタンの冒険』とか・・・観てないけど、去年映像化された『ペルセポリス』なんかもそうなのかな。
日本のマンガはどんどん翻訳されて輸出されているのに、ヨーロッパのマンガって確かに、圧倒的に目にする機会が少ない。
そんなBDの代表的な作品が4篇も収録されて1500円ですから、かなりお買い得。
雑誌と言ってもイイ紙だし、フルカラーだし。
今後も半年に一度は刊行していく予定らしく、なかなかステキな試みだと言えます。

まず1コ目は、表紙にもなっているカネパ&バルブッチ『SKY.DOLL』
Skydoll_2

これはかなり読みやすく親しみやすい。
BDと言えばエンキ・ビラルみたいなのばっかりだと思ってたので、こういうのもあるんだ!と驚きました。
カネパ氏もバルブッチ氏も、もとはディズニーでお仕事をされていたそうで、いかにもディズニーっぽい分かりやすさと、ふたりが大好きだという日本のマンガ・アニメのテイスト、そして伝統的なBDの手法とがうまく溶け合ってハイブリッドな世界を作り出している、その代表格みたいな作品なのかなぁと思いました。
ポップな色使い、キャラクターはちょっぴりセクシーでキュートheart
「スカイドールの中には、ラムちゃんの皮肉っぽいセクシーさやオスカルの物憂い魅力、ヱヴァンゲリオンのヒューマニズムや哲学的SFも入ってます」(byカネパ&バルブッチ)
なんて言われたら、ますます親近感を抱いてしまいますねcatface

二つ目は、マリーニ&デュフォー『RAPACES』
Rapaces

どうやらバンパイアのお話らしい。
スタンダードで硬派な絵柄。
新旧バンパイア対決?ちょっと『ブレイド』を連想させるような展開です。
ほかが個性的すぎるのか、4作品の中ではいちばん印象薄いかもsweat02

三つ目。ガルニド&カナレス『BLACKSAD 3』
Blacksad3

すでに1巻2巻は邦訳されて出版されているそうで、待望の第3巻(前半だけだけど)らしいです。
作画のガルニド氏はこれまたディズニー出身ってことで、絵柄に顕著に特徴があらわれているように思います。
主人公の探偵ブラックサッドをはじめ、登場キャラはみんな動物の顔をしており、セピア調の色使いといい、宮崎アニメの『名探偵ホームズ』を連想させる。
しかしながら内容はオトナの社会派ハードボイルド。黒猫さんシブイ!カッコイイ〜lovely

そして最後は、ニコラ・ド・クレシー『BIBENDUM CELESTE』
Bibendum_celeste

これが今回の目玉なんじゃないかと。
「伝説のBD界最高のビジュアルショック!」とありますが、キャッチコピーに偽りなし。
非常にシュールで難解な内容ですが、キャラクターの造型といい、絵画的で斬新な色使いといい、凄まじいビジュアルイメージです。
語り部はナゾの太った生首、主人公は人間になりたいアザラシ。
そして舞台は、汗と鉄くずでできた町、ニューヨーク=シュル=ロワール。

どれも1巻の前半部分が収録されているだけなので、続きがとっても気になる!
vol.2は来年3月発売予定とのこと。楽しみnotes

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めりくり♪

お菓子のおうちへようこそ♪

Okashinoie_2
CakeMerrychristmas_2Cake

みなさまがハッピーなクリスマスを過ごせますようにxmas

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ウォーリー

Walle_gallery

確実に良質なCGアニメを、マンネリ化することなく提供してくれるピクサー。
この季節、ファミリーでもカポーでも安心して楽しめる、絶対オススメの一作ですxmas

<あらすじ>

ゴミ処理ロボット・ウォーリーは、人間のいなくなった地球で、700年間ずっとゴミを片付け続けている。長い年月の間に、ウォーリーの中には感情らしきものが芽生えていた。そんな彼の前にある日、最新型ロボット・イヴが現れる。ピカピカの彼女の気を惹こうとあれこれ試みるウォーリーだったが・・・・ウォーリー公式サイト)

700年間ひとりぼっちだったウォーリーも、彼が恋する最新型ロボット・イヴも、ピクサーらしくデフォルメされたかわいらしいデザイン。
でもSF的背景はとっても本格派で、しょっぱなから度肝を抜かれます。

ウォーリーが日々せっせと作っては積み上げる、ゴミのキューブでできた巨大な摩天楼。
動くものと言えば、ウォーリーとゴキブリくんと、忘れ去られた遠い過去の映像だけ。
そんな最初の約30分間、セリフらしきものは全くなし!
これだけでもう、ぐわっし!とハートをわしづがみでございます。
強気な演出のようでいて、観る側をけして選ぶことなく老若男女トリコにする、圧倒的ピクサークオリティー。
アニメーションとして省略すべきところは省略し、描き込むべきところはとことん描き込んで奥行きを持たせる。
今回のは特に溜め息もので、すっかり見とれてしまいました。

これまでも車だったりお魚やネズミだったり・・・無機質なものや本来表情に乏しいものを、生き生きとしたキャラクターとして描いてきたピクサーですが、
今回の登場人物ならぬ登場ロボットたちも、例に漏れずみんなとってもかわいくって魅力的。
なんというか、彼らが単に人間に近い感情を持っているせいだけではなくて、ロボットゆえの一途さや純粋さに胸キュンしてしまうのです。

ウォーリーがゴミの山から発掘する宝物は、どこかノスタルジックで暖かみのあるものばかりで、彼の中にある“心”を感じる。
でもそれらを生真面目に分類しちゃうところは、いかにもロボットらしくて微笑ましい。
お気に入りの映画『ハロードーリー』のワンシーンを見つめるピュアな瞳・・・weep
ビジュアル的には『ショート・サーキット』に出てきたロボット君にそっくりで、かわいらしさは『ニューヨーク東8番街の奇跡』のチビUFOたちを連想させます。愛しの80年代。

そんなウォーリーが一目惚れするツルンとピカピカ卵肌の女の子・イヴは、いわゆるツンデレ系というか、最初はちょっとひいちゃうくらい猟奇的な彼女ですsweat02
でも実はちょっぴりドジッ子で、はたまたしっかり者のお姉さんなところもあったりして、なにげにいろんな萌え要素を併せ持ったキャラでありました。
ほかにもキュートなロボットがたくさん登場するけれど、いちばんのお気に入りはやっぱり、終盤にようやく名前が明かされ最後の最後まで大活躍のあの子かなぁ。

ウォーリーが古ぼけたipodを愛用していたり、充電完了音がマックの起動音だったり、細かい遊び心を忘れないところもイイshine
随所に出てくる名作SF映画へのオマージュとか。ニヤッとさせられますね。

最後が『魔女の宅急便』のジジ的な切ないオチだったとしても、大人目線ではアリかなぁと一瞬思ったけれど・・・
やっぱりやだ!そんなの耐えられない!!
この作品を観るお子様たちに対してもそれじゃああんまり厳しすぎるし。あれで良かったんだろな。

おなじみの同時上映の短編アニメからエンドロールにいたるまで、今回も飽きることなく楽しませてもらいましたheart

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ウーマンリブvol.11「七人は僕の恋人」

クドカン脚本・演出によるウーマンリブシリーズ、第11回目公演『七人は僕の恋人』。
兵庫県立芸術文化センターにて、関西公演千秋楽の昼公演に行ってきました。

Hitininhabokunokoibito

も~~~めっさわろた(≧∇≦)
だいたい8本のオムニバス方式、というかまぁクドカン節爆裂のコント集。
はっきり言って、中身といえるものはまるでなし(笑)
とにかく笑ったもん勝ちです。

ウーマンリブvol.9『七人の恋人』の女性バージョンってことらしいですが、女性7名+男性5名で、ほどよくバランスとれてます。
キャストは以下の通り。

伊勢志摩/宍戸美和公/猫背椿/田村たがめ/荒川良々/平岩紙/少路勇介/星野源/宮藤官九郎
峰村リエ/遠山景織子/池田成志

お話にはそれぞれ、『生きる』『バトルロワイヤル』『惑星からの物体X』(遊星じゃなくて?)『夢』『サウンドオブミュージック』『ブラックレイン』『友だちのうちはどこ?』『ゾンビ』といった名作映画のタイトルがほぼまんまつけられています。
しかしながらその内容は、似てもないうえ非なるもの。
もはや“非”すぎて、一周まわってそのものになってる?いやそれはないかsweat02

なにはともあれ1コ目。『生きる』。
まず登場するのは、全身白タイツ、白いかぶりものでアゴからにょろっとしっぽの生えた悩める精◯くん3名(荒川良々、星野源、少路勇介)。

「どうせ俺たち3流4流の◯子が、人間になんてなれるわけねぇんだよ」
「いや!おれは立派な社会人として生きるんだ!」
そこへ現れるガングロてかてかの“ガ◯ン汁”先輩(池田成志)。
「先輩はすげーんだぜ!尿◯を出て、◯宮にタッチして帰ってきたことがあるんだぜ!」
「えぇ!?◯貞なのに・・・どうやって?」
(中途半端な伏せ字トークですみません)

こんな調子で、しょっぱなからぶっとばしてます。
以前kazuponさんにオススメしていただいた『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』の中の一編を思い出しました。

そんなこんなで、源ちゃん精◯は、みなの反対を押し切り立派な中学生に↓

『バトルロワイヤル』
女子7人、男子1人の山奥の分校。ブリーフ一枚でオ◯ニーしていたところを、彼女である紙ちゃんに目撃されてしまったただ一人の男子学生、源ちゃん。
そこへやってくる新任教師の沢井(クドカン)。紙ちゃんに◯ナ◯ーのぬれぎぬを着せられ、女子一同に「キモイ!」「あんきもの肝に井戸の井で肝井!」と責め立てられる。
分校といえど、“天然コケッコー”みたいな女子は景織子ちゃんだけ。
あとはスケバン、フック船長、白メガネ(黒だけど)・・・などなど。ヤケクソになるクドカン。
オ◯ニー問題はさておき、「景織子の次にカワイイのは誰か?」で、バトルロワイヤル!

『惑星からの物体X』
いったいどの辺りが『物体X』なのか分からんかったのですがsweat02
天狗になってるビーチバレーアイドル選手のおなかに、なんと天狗が寄生しちゃってるんですねぇ。
天狗さん(池田成志)は、このあとも『CR伊勢志摩』で大活躍。

『CR伊勢志摩』じゃなくて『夢』
CR岩下志麻でも、CRユマ・サーマンでもなく、あくまでも“CR伊勢志摩”。
777が出るたび、客席どっと沸いておりました。
自分のことを伊勢っていう伊勢さん、ヤザワみたいでカッコイイっす。斉木さんもステキ。

『サウンドオブミュージック』
歌舞伎町のジュリー・アンドリュースこと、猫背椿。彼女にたかる最低プレイボーイ、池田成志(バカ)。
“ぎゅうかど” “たつや” とか、つい言ってしまいそう。

『ブラックレイン』
コントの合間に登場しては、アドリブなんだか計算しつくされているのか分からんトークで笑いをとりまくる荒川氏演じる“さくらばじゅん”主演の映画、それが『ブラックレイン』。
映画のPRのために、主演俳優みずから地方のローカル情報番組に出演します。
今日はクドカンの故郷、宮城県にて“ずんだずんだモーニング”に出演。
本番前はちっとも訛ってないのに、本番になると急に訛りまくる出演者たちが何言ってるのか分からなくて、すっかり置いてきぼりのさくらばさん。
カンペまでもが訛ってます。「ボケで」

『友だちのうちはどこ?』
こっちの方が物体Xぽいような。
伊勢さんのお願いダンスが、さすがにリピートしすぎだろうってのも越えてさらに続いたところでまた笑いが起きたりして、笑いって奥深いなぁと思いました。

『ゾンビ』
ごじゅううん歳の現役アイドル、鈴木大麻ことズッキー(池田成志)のオンステージ!!
とある旅館で開かれる、年に一度の「ズッキーファンの集い」
集まったズッキーファン6名(女優陣)の名前もみんな“鈴木”。
隠し子(遠山景織子)がいて孫もいて、本当はもうすっかりハゲててヨボヨボのズッキーだけど、ファンの前ではヅラをかぶりパツンパツンの衣装で歌って踊りまくります。
「今度倒れたら引退する。今年で最後にするよ」娘でありマネージャーでもある景織子にそう語るズッキーだが、倒れても倒れても、ズラが取れても飛んでも、何度でも立ち上がる!!

・・・そんな感じで( ̄▽ ̄)
全くつながりのないお話のようで、実は最後のズッキーファンたちがズッキーの子守唄を聴きながら見ている夢なのかも・・・とか思いました。
とにかくずーっと涙流して笑いまくってましたが、とくに気に入ったのは『生きる』『バトルロワイヤル』『夢』『ゾンビ』あたりかな。

女性陣の中で今回いちばん輝いていたのは、やっぱ伊勢さんでしょうか。
個人的には客演の峰村リエさんのファンなので、出演してるだけで嬉しかったです。
それから遠山景織子さんといえば、“冒険”以降はクドカンも構成作家として参加していたという『笑う犬』。
ウーマンリブ初参戦とは思えぬ馴染みっぷりでした。

そして・・・おそるべし池田成志。
ガ◯ン汁、天狗、ズッキー・・・どの役もいちいち濃いです(笑)
こんなこと毎日、ときには日に二回だなんてスゴすぎる。おそれいりました。
星野源さん、『未来講師めぐる』の“エロビデオ”以来めちゃ気になる存在なのですがやっぱイイ!
サケロックのライブにも行ってみたいなheart

クドカンの次回作は、サダヲちゃん主演の『メカロックオペラR2C2』

R2c2

こちらも関西公演があるみたいなので観に行きたいshine
しかしチケット争奪はかなり厳しそう・・・頑張るぞぅ!
そのまえに『少年メリケンサック』も観なきゃ。

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KA〜ME〜 HA〜ME〜

HAーーーーー!!!!!

本日正午に解禁された『dragon ball evolution』の予告編。
もうご覧になりましたでしょうか。

マンガ、アニメとあまりにも慣れ親しんだ『ドラゴンボール』のイメージと、どんなにかけ離れていようとも・・・“ドラゴンボール”と名のつく限り、体が勝手に反応してしまうのであります。

・・・うーーーーーんdespair

私たちのよく知る『ドラゴンボール』とは、ずいぶん違うお話になっている様子。
ハリウッドなだけあって、CGによる特殊効果はそりゃ立派なものですけども・・・なんだかなぁ。

中学生くらいの頃、けっこう本気でピッコロさんLOVEheartだった私ですが・・・
このピッコロさんには、ちっとも心トキめかないですsweat02

悟空にはゴハンをもりもり食べてほしいし、亀仙人さまはちゃんとエロジジイであってほしい。

唯一ワクワクしたのは、“ホイポイカプセル”使用シーンかなぁ。

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トロピック・サンダー/史上最低の作戦

Tropicthunder

ベン・スティラー監督、脚本、主演!
今年やたら出演作目白押しのジャック・ブラックと、今をときめくアイアンマン、ロバート・ダウニー・Jr.が夢の競演!!
この秋いちばんの期待作!と言っても過言ではない本作。
これを観ずして、クリスマスもお正月も迎えられませぬっ

<あらすじ>

落ち目の俳優ダグ・スピードマン(ベン・スティラー)は、ベトナム戦争回顧録「トロピック・サンダー」の映画化で再起を狙う。共演は、下ネタコメディアンのジェフ・ボートノイ(ジャック・ブラック)、オスカー俳優のカーク・ラザラス(ロバート・ダウニー・Jr.)など。映画はクランクインするが、俳優たちはみなワガママで早くも予算オーバー。プロデューサーは怒り狂う。そこで監督は、原作者“フォーリーフ”(ニック・ノルティ)の提案により、俳優たちをジャングルに放り出し、彼らのサバイバルを隠し撮りすることに。トロピック・サンダー/史上最低の作戦公式サイト

などとずいぶん熱く語りつつ、実はわたくし、こちらの作品を鑑賞するにあたり、とんでもない失態をやらかしてしまいました。
私としたことが・・・上映開始時刻に遅れてしまい、最初の5分を見損ねてしまったのです。
映画館に到着したときにはもう始まっていたんだけど、どうしてもその日観たかったし、なんとなくこの映画なら最初の数分見のがしたところで差し支えなさそうな気がしてsweat02
むりやり観てしまうことに。
シアター内に入ったときにはちょうど、“ふるちんのロバート・ダウニー・Jr.”が仁王立ちしているところでありました。
しかし・・・聞いたところによりますと、私が見のがした5分間にはめちゃ凝ったフェイク予告などがあり、カメオ出演てんこもりだったとか。。。
むむむむむ・・・なんということでしょう。これは悔しい!私のバカバカ!!
もう一回観たいよぅ~。えーんcrying

そんなわけで・・・個人的にやや消化不良な部分もある本作ですが。
これはもう期待通りのバカ!グロ!ド派手アクション!
イギリス人監督はいきなり退場するし、パンダめった刺しだし、麻薬組織のボスは『カンフーキッド』だし(知ってる人いるかしら)、ロバート・ダウニー・Jr.はずっと黒人だし。
戦争映画には“狂気”がつきものですが、この映画の登場人物たちも、みなさん軽〜くイっちゃってる感じ。
ときに笑いがブラック過ぎて、置いてけぼりをくらってしまうほどですsweat02

しかーし!!
誰よりもいちばんぶっ飛んだ狂気をはらんでいたのは、JBでもベンでもロバートでもありません。
ジャングルでサバイバルしなくても、映画産業の頂点で誰よりもアドレナリンを噴出しまくっている人物、を演じたあの人。

あまりの変貌ぶりに、途中まで全く気がつかなかった私。。。
マシュー・マコノヒーに“悪魔のささやきダンス”で迫る彼を見たとき、なぜか唐突に「まさか・・・この人は!!!」と思い至りました。
いったいぜんたいどうしちゃったんでしょう、彼。おもしろすぎるんですけど(≧∇≦)
特殊メイクによるビジュアルも、罵詈雑言吐きまくりのキャラクターも、これまでのイメージとはあまりにもかけ離れたもの。
なにがあったか知りませんが、ありえないハジケっぷりは見てて気持ちいいくらい。
その心意気やよし!!
最近下降ぎみだった彼の評価が、一気に上昇いたしましたupupup

豪華出演陣によるベン・スティラーのおバカアクション。
さまざまな映画のパロディも楽しい。
けれど一番の見どころは・・・ズバリ彼!!としか言いようがないです、ほんと。一見の価値アリshine

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