ファニーゲーム U.S.A.
クラシック音楽のタイトル当てっこをしながら、湖畔の別荘へと車を走らせる親子のささやかな幸せ。
そこへ暴力的にかぶせられる、大音量のハードコアミュージック。
赤い文字で“FUNNY GAMES" タイトルがドーン。
たったこれだけでもう、いいようのない不快感を感じさせてくれます。
「なんでこんな映画観にきちゃったんだろう」と、幾度となく思いましたとも。
<あらすじ>
三人家族のファーバー家はバカンスを過ごすため、湖畔の別荘へやってきた。
妻アン(ナオミ・ワッツ)が夕食の準備をしていると、友人宅の使いだという青年ピーター(ブラディ・コーペット)がやってきて、卵を分けてくれと言う。
アンは快くピーターに卵を渡すが、ピーターは渡されたばかりの卵を手を滑らせて割ってしまう。
(ファニーゲームU.S.A. 公式サイト)
やつらにとっては、卵を割るのも、命を奪うのも、同じこと。
『ファニーゲームU.S.A.』を観る前に、元祖『ファニーゲーム』を観ておきたかったのだけど、最寄りのツタヤには置いてなく、“おかしなゲーム”初参戦となりました。
ちっともおかしくないっつーの。
なんでも、元祖と寸分違わぬセット&構図&セリフでリメイクされているらしいですが、こんなどす黒い映画を二度に渡り世に解き放つミヒャエル・ハネケ監督の情熱には、ある意味脱帽せざるをえません。
最後の最後まで救いとか、この手の映画にありがちなどんでん返しなんてもちろん皆無。
生半可な映画じゃないことは分かっているはずなのに、ジョージ坊やが逃げ出すシーンや、ボートの中のナイフや・・・やっぱり期待しちゃうんだよね。
そしてことごとく裏切られるのです。これ以上ないくらいにあっさりと。
賛否両論は当然の問題作であることは間違いないものの、恐怖を煽る演出は冴え渡っているし、ナオミ・ワッツの絶望顔は相変わらず絶品だし、心の中で何度も「もうやめて!」と叫びながら、持続する緊迫感のトリコになっていたのも事実。
映画って本来、エンターテイメントだと思うんす。
邪悪な若者にズタボロにされる親子の映画を観ることで得られる不快感を、私たちは楽しんでいるのか。
マイケル・ピット演じるポールと不意に目が合う瞬間、「君たちを楽しませるためのゲームなんだよ」と言われている気がしてゾッとしました。こっち見んな!!
理由のない悪意による犯罪なんて別段珍しくもない世の中なだけに、これが単なる虚構だとは言い切れず。
スタイリッシュかつ凶悪な、唯一無二のリアル。
ハマる人はとことんハマってしまうのでしょう。
そういう私も、元祖『ファニーゲーム』をやはりなんとしても観なければ・・・と、
懲りずに強く思ったのでした。
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コメント
kenkoさん、最近更新してなかったけど、お元気でしたか~?
でね、この映画は絶対に見ない(笑)
投稿: SGA屋伍一 | 2009年3月17日 (火) 18時15分
kenkoさん、ついに「ファニーゲーム」デビュー、おめでとうございます。
私は元祖ファニーを見たことあるのですが、
映画館であのジョン・ゾーンの神経逆撫でさせられるキリキリ音楽聴いた途端、
「またあのゲームを最初から見なあかんのか・・・」と途方に暮れそうになりました。
ハネケは本当に天才だと思いますわぁ。
ここまでよくもまあ不快な映画作れるもんだわぁ。
ちなみに私は元祖ファニーのほうが好きです。
投稿: ふぉんだ | 2009年3月17日 (火) 18時29分
SGA屋伍一様
久々の更新だというのに、こんなチョイスですいません
花粉症に苦しんでいることをのぞけば、元気にやってますよ〜
確かに、SGAさんにはオススメしにくい映画だわ・・・
これ観る前に「ダウト」も観たんですけど、見事なまでに吹っ飛びました。
投稿: kenko | 2009年3月17日 (火) 19時05分
ふぉんだ様
コメンツサンキューです♪
ついに観てしまいました・・・
あのキリキリ音楽はジョン・ゾーンという方の音楽なのですね。
いちばん不快に感じたのは、あのオープニングだったかもしれないです。
たったあれだけでここまで神経を逆撫でするハネケはホント天才です!
しかし後味の悪さは別にして、映画の作り方自体には感心する部分が多かったです。
「アレックス」は二度と観たくない映画だけど、
「ファニー」には何度も観てしまいそうな強烈な魅力がありますね。
近いうちなんらかの方法で、元祖の方にチャレンジしたいと思います
でも観始めたとたん、あのキリキリ音楽でまた後悔するんだろうなぁ
投稿: kenko | 2009年3月17日 (火) 19時16分
こ、これは・・・
記事を見ただけでちょっとパスですね(>_<)
でもそういいつつ見てみたいような気もしちゃって・・・
投稿: コン猿君 | 2009年3月19日 (木) 23時10分
コン猿君様
お返事がものすごーーーく、遅くなってしまってごめんなさい
これはうかつに人様にオススメできない映画です。
私は好きがキライかで言うと・・・まぁ好きな方なんですけども
全然関係ない話ですが、弐瓶さん「バイオメガ」の連載は近日中に終了して、
また新たな連載がスタートするらしいですね。
投稿: kenko | 2009年3月22日 (日) 11時50分
こんにちは!
劇場で,よく最後までご覧になれましたね~
私はオリジナルを2度続けて観た変りものですが
それでも決してこれのファン,というわけではなく・・・
>こんなどす黒い映画を二度に渡り世に解き放つミヒャエル・ハネケ監督の情熱には、
>ある意味脱帽せざるをえません。
きっとね~,ハネケってDNAにちょっと悪魔が入ってるかと・・・
あんまし高尚な目的はなくて
ただ単に残酷な嫌がらせを観客にしたかったんじゃないかなと。
それでも確かに恐怖をあおる演出やら何やらは
上手いですね~!
マイケル・ピットくん,「シルク」でセンチメンタルな役をやってるより
こっちの方がずっとハマってましたわ。
投稿: なな | 2009年7月 5日 (日) 12時24分
なな様
コメントありがとうございます♪
ヘタなホラー映画観るよりなんぼかキツかったですけど頑張りました!
結局最後まで観たけど)
よっぽどつまんない映画じゃない限り、観始めたからには最後まで観たいし。
(試写会で観た『感染列島』は、始まって15分でもう帰ろうかと思った
ななさんこそ2回も続けて観るなんて強者!
ハネケって見た目はダンディで優しげなおじさまなのに、
映画はこんなんばっかりで、そのギャップに驚きます。
たしかに悪魔入ってるわ。。。
高尚な目的なんてないのかもしれないけど、映画からは
そこはかとなくヨーロピアンな高尚さが滲み出ていますよね。
マイケル・ピットって元祖ファニーのアイツとはぜんぜんタイプ違うけど
ハマってた!
「シルク」みたいなラブストーリー?は似合わないのかな?
センセーショナルな役が合ってるのかもです。
投稿: kenko | 2009年7月 6日 (月) 15時30分