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ナイロン100℃「神様とその他の変種」

今月は、演劇プチ強化月間♪
ケラリーノ・サンドロヴィッチ率いるナイロン100℃の33回公演、『神様とその他の変種』。
5月26日、アステールプラザ大ホールにて、観てきましたshine

Kamisamato

峯村リエ/犬山イヌコ/みのすけ/大倉孝二/長田奈麻/植木夏十/藤田英世/廣川三憲/
猪岐英人/白石遥/
山内圭哉/山崎一/水野美紀

今回の公演のタイトルは、<ケラ&シンセサイザーズ>でケラさんが作った曲と同タイトル。
なんでもこの曲をもとにして書かれたお芝居なんだそうです。
自作の曲名を芝居のタイトルに流用するのは、86年の『カイカイデー』以来で、なんで23年間もやらなかったのかと言うと気恥ずかしいからで、だったらやらなきゃいいのに今回はあまりにピンときたのでやってしまった(チラシより)、のだそう(笑)

今回の舞台、けしてつまらなかったわけではないのだけど、実は思ったほどすんなりのめり込むことができなかった、というのが正直なところ。
前回観た『わが闇』が強烈すぎたせいか、今回の舞台がいつにもまして不条理劇だったせいかは分かりませんが、観賞後、イメージソングとも言えるその曲の歌詞を読んでみてようやく、なんとか飲み込むことができたような・・・
うーん。でも消えないこのモヤモヤはきっと、私自身の人生経験の乏しさゆえだろなsweat02

舞台は古ぼけた洋館。
そこで暮らすサトウ一家は、父(山内圭哉)と母(峯村リエ)と小学生の息子ケンタロウ(みのすけ)父方の祖母(植木夏十)という家族構成。
学校にほとんど行っていないケンタロウにとって、家の向かいにある動物園の動物たちだけが友達。
飼育係のユウチャン(大倉孝二)は、唯一人間の友達。
母は息子のために、新しい家庭教師(水野美紀)を雇います。
前の家庭教師は、急にやめてしまったらしい。ケンタロウもよくなついていたのに。
祖母は母のことを「魔女」と呼んで嫌っている。
サトウ家について聞き込みをしている刑事(猪岐英人)は、サトウ家を訪ねた人間が何人も行方不明になっているという・・・

毎度のことながら、舞台セットに映像を効果的に重ねた超スタイリッシュなオープニングが、鳥肌が立つほどカッコイイです。
ポスターの象がほんとに出てくるわけではないですが、サトウ家の向かい=客席が動物園、なので、なんとなく私たちが動物さんの気分。
まるで悲鳴のような象の鳴き声が、胸を突き刺すよう。
廣川三憲さん演じる神様もちゃんと登場します。語り部的な役どころ。

洋館の古ぼけ感といい序盤の印象はなんだかホラー風味で、ちょっとした演出やセリフの端々からサトウ家の猟奇的な秘密を予感してしまう。
峯村リエさんの淡々としつついいかげんな雰囲気がすごく好きなんですが、こういうシチュエーションだとそれが逆に凄みになって、なんとも言えず怖さを引き立てます。
『すべての犬は天国へ行く』の時の峯村さんをちょっと思い出しました。

サトウ夫妻に始まり、物語が進むにつれて、登場人物たちはみな何かしら罪を抱えていることが徐々に分かってきます。
しかしそれらの罪はすべて悲しい出来事に深く傷ついたり、誰かを大切に想っているがゆえ。
てっきりホラーだと思っていたことの真実が、実はそんなんじゃなかった、というオチは、ケラさんの人間に対する優しさだと思いました。
キーワードは神様、罪、赦し、そして祈り。
動物も出てくるし、なんとなく会場全体がノアの箱船なイメージ。

ずいぶん暗いお話のようですが、もちろん笑いもそこかしこにアリ。
シリアスなシーンでも、ふとさりげない笑いが盛り込まれるところが好きです。
デカイ笑いは、主に大倉孝二さんと山内圭哉さんがとってましたねー。
ナイロン研修生の猪岐英人さん、白石遥さんによる下着泥棒のエピソードも良かったです。

カーテンコールはスタンディングオベーションで、3回目にはケラさんも出てきてくださいました。
少し前に、女優の緒川たまきさんとご結婚されたケラさん。おめでとうございますheart
ケラさんの映画『罪とか罰とか』が、広島ではようやく今週末からの上映で、こちらももちろん観に行く予定。楽しみ♪

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