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重力ピエロ

Juryokupiero

伊坂ワールド大好きなんですが、新刊が出ても文庫になるまで手を出さない私が胸を張ってファンだと言ってもいいもんかどうかsweat02
『重力ピエロ』は、自分が読んだ伊坂作品としては確か2作目だったと思います。

<あらすじ>

遺伝子の研究をしている大学院生の泉水(加瀬亮)と、落書き消しの仕事をしている春(岡田将生)は仲の良い兄弟。
彼らが暮らす仙台市内では、放火事件が立て続けに起こっていたが、あるとき春は放火事件のあるルールに気付く。
それは放火現場の近くには必ず、春が消しているグラフィティアートがある、というものだった。

重力ピエロ 公式サイト

伊坂作品の映像化は難しい、などとあちこちで言われつつ、たった数ヶ月の間に3作も公開される伊坂原作ムービー。

確かに『アヒルと鴨のコインロッカー』なんて、小説だからこそ成り立つお話だと思ってたけど映画もすごく良かったし、伊坂氏が映画好きであることは有名で、文中にもしょっちゅう何かしらの映画の引用があったり、読んでて映画的だなぁと感じることはよくあるし、もともと映像化に適した作風なのかもしれません。
さすがに『オーデュボンの祈り』はキビシイかもしれないけど・・・カカシがなぁ。
アニメならいけるかも?

それはさておき『重力ピエロ』。
原作と比べながら観てしまうのは悪いクセだけど、エピソードが絶妙に組み替えてあったり、当然ながら端折ってあるところや、登場人物の設定が違っているところも結構ありました。
例えば、泉水が遺伝子の会社に勤めているんではなくて、遺伝子研究をしている大学院生だったりとか、父が養蜂業を営んでいたりだとか・・・細かく挙げればキリがないですが、その他にもいろいろ。
しかしそれらが原作の持つ独特の雰囲気を損なうことはけしてなく、映画全体の印象としてはむしろ感動的なくらい原作を大切にしているなぁという感じ。
伊坂氏が絶賛するのも頷けます。

物語は、「春が二階から落ちてきた」という唐突なフレーズで始まります。
ひらひらと舞い落ちる桜の花びら。
ジョーダンバットを持ち、スローモーションで飛び降りてくる春。
頭の中でイメージしていたシーンがあまりにも美しく再現されているのを見て、しょっぱなからいきなり涙腺がゆるみまくってしまった私crying

主な登場人物はあまり多くはないんだけど、個人的には一人として違和感を感じることはなかったし、ほぼ完璧なキャストだったんじゃないでしょうか。
遺伝子の話だったりするので、役者さんのビジュアルもある程度重要になってくると思うんですが、まずその点に関してはきっちり説得力のあるキャスティングがなされておりました。

さらにその遺伝子というしがらみを吹き飛ばすお話でもある、というのがこの物語の核となる部分。
淡々としているように見えて、実は激しい感情を秘めている登場人物たちの切羽詰まった思い。
加瀬亮さんを始めとした役者さんたちの繊細な演技により、一層伝わってくるものがありました。
葛城のあまりにも理解不能な言葉を聞いたときの泉水の表情には胸が詰まったし、黙ってれば美人の夏子さんが、しゃべったとたん挙動不審なのには笑ったcoldsweats01
あ、あとグラフィティアートは、私が想像した以上にカッチョ良いものでしたわん。
すべての絵を組み合わせると人間の体になる(?)、って公式サイトに書いてあったんだけどホントsign02

重力って、人間がこの世に生まれ落ちた瞬間からはめられている足枷みたいなもの。。。
宿命と言ってもいいかも。
でも楽しそうに生きてれば、いつかきっと宙に浮かぶ。重力なんて関係ない、なんて。
なんてシンプルで軽やかな考え方なんでしょう。家族の絆こそが最強。
最後の方はもうずっと、ベロベロに泣いちゃってました。いい映画でしたshine

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コメント

こちらにもお邪魔します♪
重力ピエロは初めて読んだ伊坂作品でした。
で、、、思い入れも大きいんだけれど、、、いい映画でした!
展開を知っているだけに冒頭から何度も涙が出ちゃった。
もちろん原作の良さには敵わないかもだけど、それでも十分原作の良さを出していましたよね~
イケメン春を演じた岡田君、、、良かったです。
鑑賞後に彼の出た天然コケッコー観ちゃった(笑)

投稿: 由香 | 2009年6月 8日 (月) 21時52分

由香様

こちらにもありがとうございます♪

私が初めて読んだのは「アヒルと鴨のコインロッカー」でした。
兄から「読め」と手渡され、すっかりハマっちゃいましたー。
「重力ピエロ」は2番目に読んだ本で私も思い入れはかなりあるんですが
素晴らしい映画に仕上がってましたね。
そうそう!展開を知ってるだけに、そして映画が原作の雰囲気をあんなにも湛えていただけに
最初っから涙出まくっちゃいましたweep
春を演じた岡田くん・・・良かったですねぇlovely
あのね、実は全くの偶然なんですが、私も「天然コケッコー」をつい最近観たばかりなんです。
岡田くんが出てると知らずにsweat02
映画もむちゃくちゃ気に入りましたし、ウブな中学生役の岡田くんにはますます惚れました♪

投稿: kenko | 2009年6月 9日 (火) 00時46分

実は一昨日原作を読み終わりました。原作読んじゃったので、映画はいいかな、なんて思ってます(笑)

kenkoさん、伊坂幸太郎もお好きだったんですね。わたしは昨年秋くらいからやはり人にすすめられて読み始めました

今のところは

1.『死神の精度』
2.『アヒルと鴨のコインロッカー』
3.『オーデュポンの祈り』『重力ピエロ』
4.『チルドレン』

の順番でよかったです。『チルドレン』も悪かったというわけではなく。というか、ハズレのない方ですね

で、今は『ラッシュライフ』を読んでます

投稿: SGA屋伍一 | 2009年6月 9日 (火) 20時07分

SGA屋伍一様

伊坂幸太郎好きなんですよー。ってSGAさんにもうお話したつもりになってたけど
言ってなかったんですね、私。

兄は自分が読んだ本をテキトーに私にくれたりするんですが
確か「アヒルと鴨」といっしょに、歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」も渡されたような記憶があります。
圧倒的に気に入ったのは「アヒルと鴨」のほう。
初めての伊坂作品だったから、やっぱり「アヒルと鴨」が一番好きかなぁ。
でもほんと伊坂さんの本ってハズレがないから、順位をつけるのは難しいですー
が、あえてつけると、

1アヒルと鴨
2重力ピエロ
3オーデュボンの祈り
4ラッシュライフ
5終末のフール

・・・かなぁ。うーん。実はSGAさん一位の「死神の精度」は読んでなくて。
あと「モダンタイムス」とか、最近のやつはまだsweat02
「チルドレン」ももちろん好きですよ♪

投稿: kenko | 2009年6月10日 (水) 20時29分

kenkoさん、
こんにちは♪ちょこっとお久しぶりです!

伊坂作品、お好きなんですね〜☆
わたしはお初でしたけど この作品、良かったです
キャストも皆良かったですよね!

投稿: mig | 2009年6月11日 (木) 13時38分

mig様

お久しぶりです!
「グラントリノ」以来かも?
最近あまり映画を観に行けてなくて、ヒマなくせにブログの更新もサボりがちです〜

伊坂作品、好きです♪
migさんが記事をUPされてるのを見て飛びついちゃいましたcoldsweats01
キャストも良かったですねshine

投稿: kenko | 2009年6月11日 (木) 20時30分

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