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なくもんか

Nakumonka

『舞妓Haaaan!!!』の水田伸生監督、宮藤官九郎脚本、阿部サダヲ主演の下町人情コメディ。
この冬楽しみにしていた映画の中の一本だけど、ちょっと期待したものとは違ってました。
『舞妓Haaaan!!!』のような派手な笑いはあまりなく、思いのほかシリアスな話。
劇中で塚本高史が語る笑いの7要素のひとつが<不幸>って分かるんだけど、この映画に限っては不幸をそのまんま不幸として受け止めてしまい、眉間にしわを寄せながらけっこう真剣に観てしまった。
面白くなかったわけじゃないけど、あんまり笑えなかったです。

<あらすじ>

幼いころ両親の離婚で生き別れてしまった兄弟、裕太(阿部サダヲ)と祐介(瑛太)。
裕太は東京下町で<デリカの山ちゃん>を営む夫婦に育てられ店を継ぎ、二代目<山ちゃん>として下町の人々から親しまれていた。
お世話になった人達に恩返しするため、山ちゃんはいつも笑顔で頼まれたことはけして断らない。
祐介は施設や里親を転々とし、いじめられないために<面白いことをして人を笑わせる>という術を身につけ、やがてお笑い芸人に。
金城大介(塚本高史)に出会った祐介はコンビを組み、兄弟漫才<金城ブラザーズ>として人気を博す。
ある日、デリカの山ちゃん初代当主の一人娘で、10年間音信不通だった徹子(竹内結子)が帰ってくる。
デブでブスだった徹子は、激やせとプチ整形で見違えるような美女に変貌していた。
初代の遺言がよぎる山ちゃん。山ちゃんは徹子に結婚を申し込む。
やがてふとしたことから、山ちゃんは生き別れた弟が金城ブラザーズの祐介であることを知る。

なくもんか 公式サイト

不幸をネタにした作品というと『自虐の詩』とか、先月観た松尾スズキの芝居『サッちゃんの明日』もそういえばそうでした。
『サッちゃんの明日』なんて下町が舞台ってところも似てる。そば屋とハムカツ屋だし。
たまたまでしょうけど。
どっちも主人公の不幸っぷりは突き抜けてて、本来なら笑うべきでないシチュエーションでも思わず笑ってしまう。
でもこの映画にはそういう笑いがあまりなくて、不幸にまつわるエピソードはとことん不幸な印象。
まあ阿部サダヲの力技で、いつものノリでハイテンションにやられるとやっぱり笑っちゃったりもするんですけどもcoldsweats01
シリアスなドラマにしたいのか、笑いをとりたいのか。
どっちつかずで作り手の意図がちょっと分かりにくかったかも。
ラストもイマイチ盛り上がりにかけるというか・・・
兄弟漫才がウケたからって、あっさり大団円!みたいにしたくなかったのかな。

金城ブラザーズは大して面白いとも思えないのになぜかアイドル並みに大人気のお笑い芸人で、コンビでどっちかがドラマに出たり、自伝を出したりそれが映画になったり・・・今の芸能界のお笑い事情を皮肉ってるのかなーとちょっと思いました。
皮肉ってると言えば、エコも。
いつもエコエコ言ってるのって日テレでしたっけ?
エコを強引に絡めてくるのはテレビ的なアレでしょうか。
最後は結局ラードでハムカツ揚げてたし、エコ推奨映画ではないと思うけどあまりしっくりこなかった。
夜な夜な出掛けていく山ちゃんにどんな秘密が・・・と竹内結子が妄想するシーンの携帯充電機も?って感じだったし。

結局のところ、徹子役の竹内結子さんがいちばん良かったかも。
なんでも冷静にきっぱり言うキャラで、瑛太を蹴っ飛ばしてタンカ切るシーンとかカッコよかったです。
実はこれまで演じてるところをちゃんと観たことなかったんだけど、いい女優さんなんですねぇ。今更ながら。
あと出番もセリフも少ないのに、石田あゆみさんはさすがの存在感。
阿部サダヲとしては今回異色の役だったのかもしれないけど、心は笑ってないのに顔には笑顔が張り付いていて、息抜きをするために・・・という山ちゃんのキャラはどこか最近の阿部さん自身とかぶるところもあるように思えて(勝手なイメージですが)、もしかしたらそういう阿部さんの新たな一面を引き出したい脚本だったのかもしれないなと思いました。

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映画」カテゴリの記事

コメント

kenkoさん、こんばんは
この映画、観てみようかと「ちらっ」とだけ思ったけど、kenkoさんの記事を読んで、気持ちよくスルーすることにしました・・・ そのうちテレビでやったら見るかも・・・

弟役、エイタくんだったんですね。予告でなんべんも観ているにもかかわらず、ずっと筒井道隆だと思い込んでいました。いよいよもうろくしてきた・・・

クドカンは今年も大活躍だったけど、やっぱり『メリケンサック』が一番いい仕事だったかな。ちなみに阿部さんと宮藤さんは、とある雑誌で「泣ける映画」に『ウォーターボーイズ』や『フル・モンティ』をあげておられました

投稿: SGA屋伍一 | 2009年12月 1日 (火) 20時43分

SGA屋伍一様

クドカンも阿部サダヲも大好きなのに、なんか酷評みたいになっちゃってちょっと後悔してますsweat02
でも正直あんましオススメできない・・・むしろSGAさんには「曲がれ!スプーン」の方を観てみてほしいです。

弟役、瑛太くんなんですよー。
筒井道隆?懐かしい名前ですねぇ。似てるかなぁ?coldsweats01

私も今年のクドカン関係の映画では断然「メリケンサック」がお気に入りです!
泣ける映画で「ウォーターボーイズ」と「フルモンティ」とはちょっと意外な気も。

投稿: kenko | 2009年12月 2日 (水) 18時16分

kenkoさん

あっちょっとホっとしましたよ。kenkoさんもダメだったんですねー。
舞妓はんはまだ突き抜けた面白さがかなりありましたけど、こっちは
さらにテレビノリが悪い方向にいってしまってる感じがしました。
特に沖縄のくだりはさらに映画をダメにしちゃってる感じで
(唐突に陣内さん出てくるし)
阿部サダヲは正直、脇にいてうざいくらい目立ってしまうのが好きな
ほうなんですが、また作るなら(ヒットしてるようですし)今度は
期待したいですね。

投稿: kazupon | 2009年12月 7日 (月) 15時39分

kazupon様

全く面白くなかったわけじゃないんですが、ダメかダメじゃないかで言えば
やっぱダメかな(笑)
「曲がれ!スプーン」のあとに観て、曲がれ!が良かっただけに余計イマイチ・・・って思ってしまいましたsweat02

沖縄のくだりはかなり唐突でしたよね。
そちらでいただいたお返事で「泣ける映画に対するアンチテーゼ」ってなるほどなーと思いました。

しかしヒットしてるんですね〜
サダヲちゃんは好きだし、次回があるなら張り切って観に行きます!
曲がれ!の方はどうやらコケてるようで、ちょっと心配。。。

投稿: kenko | 2009年12月 7日 (月) 20時46分

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宮藤官九郎脚本、水田伸生監督、阿部サダヲ主演の 「舞妓Haaaan!」トリオによる新作。 うぅむ、観てる間はもちろん楽しめるんですけど、、 残念ながら映画としてはいまひとつの仕上がりだったかも。 幼い頃に父に捨てられ、生き別れてしまった兄弟。 兄・祐太(阿部サダヲ)は、下町の商店街で惣菜店「山ちゃん」 を営む夫婦に育てられた。主人亡き後店を継ぎ、 ハムカツを名物に山ちゃんは人気店に。 弟・祐介(瑛太)は苦難の人生の末、赤の他人の金城大介とコンビを組み、 兄弟漫才師として... [続きを読む]

受信: 2009年12月 7日 (月) 19時11分

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受信: 2009年12月13日 (日) 06時48分

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◆阿部サダヲさん(のつもり) 映画『舞妓Haaaan!!!』の水田伸生監督、脚本の宮藤官九郎さん、そして主演の阿部サダヲさんが再結集して作り上げた映画『なくもんか』に、阿部サダヲさんは、祐太 役で出演しています。先日、劇場に観に行きました。●導入部のあらすじと感想... [続きを読む]

受信: 2009年12月17日 (木) 00時22分

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