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2010年2月

女子フィギュア!

感動!!!

男子フィギュアに続き、女子フィギュアもがっつり観ました。
ちょっと異様なくらいの盛り上がりでしたね。

なにはともあれ浅田真央選手!銀メダルおめでとう!!crown

Mao_asada2Mao_asada

オリンピックにおける、女子フィギュアショートプログラムで初のトリプルアクセル成功!!
フリーでもトリプルアクセルを2回ともばっちりキメてくれちゃって、真央ちゃんは本当に誰よりもかっこよくて美しくて素晴らしかった!!
SPを滑り終わったあとのぴょんぴょん跳ぶ仕草や笑顔。よかったなぁconfident

いちファンとしては、ぶっちゃけメダルは何色でもいい。
真央ちゃんが自分で納得のいく演技ができれば、表彰台でSPの時のような笑顔が見られれば、それでいいと思ってました。
でもそうはならなかった。くやしかったでしょうね。
演技直後のインタビューでの涙や、表彰台での暗い表情は見ていて辛かったですが、けして泣き崩れたり取り乱したりせず、結果をなんとか受け止めようとしているのが伝わってきて心を打たれました。
時間が経ってからのNHKのインタビューには落ち着いて答えていて、
「オリンピックで凄い経験をすることができたので、またこの凄いオリンピックに戻ってきたい」
と言っていた真央ちゃん。けなげweep

8位入賞の鈴木明子選手、そして5位の安藤美姫選手も素晴らしかったです!

Miki_andoAkiko_suzuki

鈴木選手は、SPで真央ちゃんキムヨナの直後というアンラッキーな順番にもかかわらず見事に滑りきったし、フリーの『ウエストサイドストーリー』は圧巻でした!
安藤ミキティのクレオパトラもよかった!誰よりも個性的なプログラムでした。
男子も女子も全員8位以内に入賞するなんて、すごいぞニッポン!

銅メダルは地元カナダのロシェット選手!

Joannie_rochette

直前にお母さんが亡くなるという悲劇を乗り越えての演技、感動しました。
女性らしい強さに満ちていて、とても美しかったです。
フリーが終わった直後に、天国のお母さんにキスを送る仕草をしていたのが印象的。

そして金メダルはキム・ヨナ。
いやー、SPもフリーもミスなく完璧でしたね。すごかったです。
というかSPの例のボンドガール、とっても魅力的なのだけど、真央ちゃんとの点差がちょっと開きすぎに思えました。
だって真央ちゃんは誰も跳べないトリプルアクセルを跳んだうえ全体的にもあんなに素晴らしかったのに・・・と、にわか知識でギモンに思ってしまうsweat02
さらにフリーの得点を合わせたキムヨナの228.56というトータルスコアには、ド素人の私でもさすがに目がテン。
そのあと真央ちゃんなのに、しばらくボーゼンとしてしまいましたよ。
これっていったいどういうこと?
どうやら最近のフィギュアの採点ってとってもおかしなことになってるみたいで・・・
<フィギュア 採点>などのキーワードで検索すると、現行の採点方法に抗議しているサイトがいくらでも出てきて、つい読みふけってしまいました。
こんなことで、アスリートとして真っ当にチャレンジしている選手がきちんと評価されなかったり、不当に貶められたりするのはやだな。
これからもフィギュアスケートを楽しみたいので、なんとか改善してほしいです。

気を取り直しまして・・・
男子に続き、お気に入り姫の写真を貼り貼り♪

Sarah_hecken サラ・ヘッケン(ドイツ)

ハツラツとしていて好印象!
技がきまったとき、きまらなかったときの表情が、16歳の少女らしくとても素直に出る演技に思わず微笑みました。

Ksenia_makarova クセーニャ・マカロワ(ロシア)

この方はもう完全にマイタイプ!!って感じ(笑)
とにかくかわいいんです!ホクロがチャームポイントです♪やっぱロシアの選手はいいなぁ。

Rachael_flatt レイチェル・フラット(アメリカ)

キュート!SPのコミカルなステップがお気に入り。
受験生やりながらの五輪なんだそうです。
大変だったろうに、すごく楽しそうで素敵でした。

んもー みんなカワイイんだからheart

男子より長くなっちゃいました。28日のエキシビジョンも楽しみです!

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アラビアのロレンス(午前十時の映画祭)

Lawrence_of_arabia

全国のTOHO系のシネコンで行われている『午前十時の映画祭
毎朝10時から名作50本を上映するという企画です。週がわりで、1年がかり!
そのラインナップたるや、映画史に燦然と輝くキラ星のごとき真の名作ばかり。

詳しくはコチラ → 午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本

本当に素晴らしい映画ばかりですが、なんせわたくしこの世に生まれてせいぜい30余年ですので、映画館では観たことない作品がほとんど。(てゆーか未見のもけっこうあるし)
ビデオやDVDじゃなく、シネコンの大きなスクリーンで観ることができるなんて幸せすぎます。
しかもお値段一律1000円。(学生は500円)
こんな素晴らしい企画、もちろん乗っかりますとも!
(こういうの町の小さな映画館もやったらいいと思うな)

地元では広島バルト11でやっていて、オープニング作品の『ベンハー』にはいきなり出遅れてしまったのですがsweat02、2本目の『アラビアのロレンス』に行ってきました。
お客さんは意外なほど多く、平均年齢は高め。

※<あらすじ>は下の方で詳しく書いてしまったので端折りまっす。

こんな映画ブログもどきをやっているくせに、このあまりに有名すぎる超大作を観るのは実は初めて。
そんな私が語るのもなんだかおこがましいですが(いまさら・・・)、語っちゃいますね!
名作に対し、失礼な発言があるかもしれませんがご容赦ください。

もっとノーテンキな冒険活劇かと思ってましたが、そういう部分もありつつも全体的にはシリアスで後味はけしてよろしくありませんでした。
まず主人公であるロレンスがバイク事故であっけなく死んでしまうオープニングが衝撃。
そこから誰が過去を振り返るでもないけど、ロレンスがアラビアで何を成し遂げたか、ロレンスとはどういう男であったかが語られていきます。

舞台は1916年。
イギリスはオスマン帝国からの独立戦争のただ中にあるアラビアを支援していた。
(このへんの歴史、とっても曖昧です。間違ってたらゴメンナサイ)
ピーター・オトゥール演じるロレンスは、およそ軍人らしくない繊細さと、人を惹きつける不思議な魅力を持った人物。
いわゆる変人で、ぶっちゃけとらえどころのないキャラクターです。
ロレンスは、一日に砂漠を100キロは移動するというアラビアのある民族の居場所を突き止め、リーダーであるアラブの王子フェイサルと接触し、その意図を探るという特殊な任務を受けアラビアへ渡る。
当初ロレンスと行動を共にしていたガイドの男は、他民族の井戸の水を勝手に飲んでしまい、井戸の持ち主である男アリにあっけなく殺されてしまう。
ロレンスは砂漠には砂漠の掟があることを知る。

砂漠の風景はとにかく雄大で、当然のことながら音楽も素晴らしい。
大画面で観るべき、これぞ映画的スペクタクル!
ラクダさんが思いのほか軽快に砂漠を走る姿にちょっと萌え。

ロレンスはなんとかアラブ人の基地に辿り着き、王子フェイサルに面会する。
イギリス側には、アラブがトルコに勝利した際には、アラブをイギリスの支配下に置きたいという思惑がある。
アラブは自由を手にしたいが、それにはイギリスからの武力提供が必要だ。
ロレンスはイギリスとアラブの間で悩んだ末、アラブの独立に協力することを決意し、アラブ人50人を率いてネフド砂漠を渡り、海側からの攻撃は困難とされる、トルコ軍が占拠する港アカバを陸から攻撃するという作戦を実行に移すのだった。

ここから延々、イマドキの映画ならざっくり編集されているかもしれない、熱帯地獄ネフド砂漠のシーンが続きます。
す、睡魔が・・・bearing なさけなし。
砂漠に取り残された男ガシムをロレンスが助けに戻り見事生還し、一躍ヒーローとなるシーンは、前半いちばんの盛り上がり。
地平線の遥か彼方の蜃気楼のような人影が少しずつ近付いてきて、それがロレンスであると分かるところは感動的。
ロレンスはアラブに受け入れられ、真っ白な首長の衣装を身に纏います。
「運命を支配するものこそ真の英雄だ」というアラブ人・アリの言葉は、少し前に観た『インビクタス』とかぶりました。
ロレンスたちはアカバ港の戦いで勝利しますが、この辺りから運命は狂っていきます。

思うにロレンスは、戦争の中に身を置くにはあまりに純粋すぎる人物だったのではないでしょうか。
だからこそ文化や考え方の異なるアラブの人々を導くことができたのかもしれないけど・・・戦争とは醜い殺し合いであることを目の当たりにしたロレンスの心は、少しずつ壊れていく。
自分を慕ってくれていた少年を失い、トルコの将軍の慰みものにされ(映画の中でははっきりとそのような描写はありませんが)、ロレンスはアラブを去ろうとするけれど、周囲がそれを認めない。
自らの行為に誇りを持てないのに、階級だけは上がっていく。
そしてついに、ロレンスの部隊は大量虐殺を行ってしまう。

しかし結果として、皮肉にもロレンスの行いはアラブに勝利をもたらしました。
イギリスの支配下に置かれることなく、アラブはアラブのものになった。
そのことを知らないままロレンスは去りますが、知ったところでロレンスの心を占める虚しさはきっと消えないのでしょう。
思いのほかあっけないラストシーン。
『アラビアのロレンス』って、こんな映画だったのですね・・・
いろいろ考えさせられました。

Lawrence_of_arabia_2

今後も観たい映画がいっぱい!
朝10時は夜型人間にはキツイけど、頑張ってなるべく観に行きたいです。

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インビクタス/負けざる者たち

Invictus

『チェンジリング』『グラントリノ』のような胸に深く突き刺さる痛みはなく、爽やかな感動。
イーストウッドのシンプルなメッセージは力強く心に届きます。

<あらすじ>

1990年、南アフリカ。
アパルトヘイト政策に反対し27年間投獄されていたネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)が釈放され、全人種参加による選挙で初の黒人大統領に選ばれる。
アパルトヘイト廃止後も白人と黒人の対立は続いており、マンデラの大統領就任により白人は黒人側からの報復を恐れていたが、マンデラは白人を追いやることはせず、ボディガードにもあえて黒人と白人両方を採用する。
南アではラグビーのワールドカップが開催されることになっていたが、南アのラグビーチーム・スプリングボクスの成績はパッとせず、アパルトヘイト時代を象徴するグリーンとゴールドのチームカラーを変更しようという動きが持ち上がっていた。
しかしマンデラはそれを止め、国民をまとめるためにラグビーを利用しようと考える。

インビクタス/負けざる者たち 公式サイト

反政府運動により27年間投獄されていたマンデラが釈放され、全人種参加による選挙が行われてマンデラが大統領に就任するところから物語は始まります。
恥ずかしながらマンデラ大統領についてはほとんど知りませんでした。

南アでは英国発祥のスポーツであるラグビーは白人のもので、黒人選手がひとりしかいないラグビーチーム・スプリングボクスを応援する黒人なんていない、という部分はしっかり描かれますが、アパルトヘイトがいかなるものだったかとか、マンデラが過去にどういう活動をして投獄中にどんな辛い目にあったかとか、どうやら疎遠らしい妻や娘とはいったい何が?とか、そのあたり掘り下げたらいくらでもドラマチックな展開になりそうだけど、あえてそうしないところがイーストウッドらしいと思いました。
その潔さがカッコイイshine気になったことは後でネット検索しますから!

どちらかというと淡々と進んでいく物語。
マンデラ大統領の人柄の良さ、政治家としての類い稀なる能力の高さを示すエピソードは、どれもさりげないのに的確。
ボディガードの家族を気にかける、たったそれだけで「ああ、この人は心ある人物なんだな」って分かるもん。
<国をひとつにするために、ラグビーを利用したい>という思惑を伝えるために、スプリングボクスのキャプテンであるフランソワ(マット・デイモン)をお茶に呼ぶシーンでは、マンデラってばなにひとつハッキリとは言わないのですよ。
でもフランソワには怖いぐらい完璧に伝わっているの。
(鈍感な自分なら、いったいなんだったの?で終わるかもsweat02
しかもすっかりその気になってるフランソワ・・・マンデラおそるべし!
ボクスの選手ひとりひとりを励ますために名前を覚えるのだって計算づくだし、ただ正義感に満ち溢れているだけのイイ人では、国を変えることはできない。
指導者とはこうあるべきだと思いましたです。

27年も投獄され虐げられていたマンデラの「復讐心に囚われてはいけない。大切なのは相手を赦すことだ」というメッセージには、とてつもない説得力があります。
相手を憎み続けていては真の自由は得られない。意志の力で運命を支配するのだ。
誰しもがそんな風に強くはなれないでしょうが、秘書に呆れられながらもマンデラの意志の力は弱小と言われたボクスを優勝へ導いたのだからすごい。
決勝戦の相手であったニュージーランドの強豪・オールブラックスが、試合前に必ず行う有名なハカだって、絶対に勝つ!という強固な意志を象徴するものだと思います。
計り知れない人間の意志の力。
憎み合うのは簡単だけど、そうならないことをみんなが強く心に思うことができたら、本当はなんだって成し遂げられるのかも。

黒人と白人の緩やかな歩み寄りのエピソードも、どれも良かったです。
対立していたボディガードたちがいつのまにか仲良くラグビーボール投げっこしてたり、フランソワが家政婦の黒人女性の分までチケット用意してたり、ボクスのユニフォームを嫌がってた少年と警察官など、さらりと描かれるんだけどじんわりあったかくなりました。

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オリンピック三昧!

というより、フィギュアスケート三昧。
そんなに観るほうじゃないのですが、なぜか今回、テレビの前にかじりついて観ています。

なんと言っても男子フィギュア!
高橋大輔選手!銅メダル、おめでとうございます!!happy02
すばらしい演技!日本男子フィギュア初のメダル!感動しました!

Daisuketakahashi3Daisuketakahashi2

織田信成選手は、フリー後半でスケートシューズの紐が切れるという信じられないアクシデントがありましたが、その後ちゃんと最後まで演じきって本当に立派でした。
小塚選手の4回転ジャンプ成功にも興奮!
ショートプログラムの音楽はジミ・ヘンドリクスで、フリーは布袋寅泰のギターコンチェルト。
小塚選手はギター好き?

フィギュアってやっぱ花は女子なのかもだけど、女子的立場では男子ですね。
美しい男子が美しく舞い踊る姿を観るのはいいものです。王子様がいっぱいheart(不純な動機)

金メダルのライサチェク(アメリカ)はSPもフリーもパーフェクトで鳥肌ものだったし、銀メダルのプルシェンコ(ロシア)の圧倒的なオーラ、堂々たる演技には魅了されました。

Evan_lysacek3Evgeni_plushenko2

映画音楽が使われていることが多いので、映画ファンとしても楽しいです。
今回良かったのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アメリ』『巴里のアメリカ人』など。
『ゴッドファーザー』や『007』もありました。
織田選手はチャップリンだったしね。

そのほか気になった王子の写真を貼り貼り♡

Adrian_schultheiss エイドリアン・シュルタイス(スウェーデン)

この写真、ちょっとヘンだけど(笑)
転倒続出のフリー第1組で、4回転ジャンプを成功させ初めて完璧な演技で会場を沸かせました。
彼のビジュアルにピッタリの近未来的な不思議な振り付け。とってもユニークで面白かった。

Artem_borodulin アルテム・ ボロデュリン(ロシア)

まさに王子!ロシアの選手ってどうしてこんなに美しいの。

Johnny_weir ジョニー・ウィアー(アメリカ)

なんていうか・・・エロス!
SPもフリーもすばらしかったのに、なぜか点数が伸びなくて会場からブーイングが起きてました。

女子も楽しみ♪

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阿佐ヶ谷スパイダース「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」

Anticlockwisewonderland_2

長塚圭史、ロンドン留学を経て再始動!
阿佐ヶ谷スパイダースの新作『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』
広島公演に行ってきました!

阿佐ヶ谷スパイダースとしては前作『失われた時間を求めて』以来2年ぶりの本公演、広島公演は『イヌの日』以来3年ぶりだそうです。
阿佐スパは以前定期的に広島公演があった頃、何度か観に行かせていただいてました。
(『十字架』『ポルノ』『はたらくおとこ』など)
小劇場系で地方公演してくれるのって貴重ですからね・・・
最近来てくれないなーと思ったら、ロンドンへ留学されてましたか。知らなかったcoldsweats01
帰国後すぐに常磐貴子さんと結婚されたのね。遅ればせながらおめでとうございます♪

1年半の充電期間は、長塚圭史をどのように進化させたのか。

作・演出 長塚圭史
キャスト 池田鉄洋 内田亜希子 加納幸和 小島聖 伊達暁 中山佑一朗 馬淵英俚可
     光石研  村岡希美  山内圭哉

長塚さんは役者として出演してません。今回に限っては「外側から見つめたかった」のだそう。
上のキャストは五十音順ですが、主人公は小説家を演じる光石研さんです。

<あらすじ>
作家である葛河梨池(光石研)はある朝、新聞で自分の新作『小夜更方棘奇譚(サヨフケガタオドロキタン)』が酷評されているのを目にする。
人形作りを趣味にしている妻・悦世(村岡希美)、家政婦の希緒(内田亜希子)が葛河を慰めるが、葛河の気持ちはおさまらず、家を飛び出す。
出版社の担当である野口(池田鉄洋)と行ったバーで、葛河は満智子(小島聖)という美しい女と出会う。満智子は葛河のファンらしい・・・
やがて気がつくと、葛河は警察の取り調べ室にいた。
二人の刑事・阿部と若山(中山佑一朗、山内圭哉)は、酒に酔った葛河が満智子を階段から突き落として殺したと言うが・・・

物語のさわりの部分をなるべく順序立てて書いてみたつもりですが・・・実際はどこまでか現実でどこまでが幻想なのか分からない、<さかい目>の曖昧さはデヴィット・リンチ以上!?
てゆーか、どっちが現実でどっちが幻想!?・・・そんなお芝居でした。
作家は本当に女を殺したのか。逃げまどう作家が出会う人々は、彼の小説の中の登場人物?
現実と虚構が複雑に絡み合い、時間も空間も超えてぐるぐる回る悪夢。
舞台セットも演出も照明も効果音も、すべてが洗練されていて芸術的。
確かに過去に観た阿佐ヶ谷スパイダースとは、ひと味もふた味も違ってました。

舞台の真ん中にぽっかりと空いた闇の入り口から、主人公である作家がゆっくりと歩いてくるところから、物語は始まります。
新聞の書評を読んで腹を立てた作家は新聞をぐしゃぐしゃに丸めて捨てるが、彼の手にはいつのまにか捨てたはずの新聞がある。何度捨てても、ある。
セリフ全くなしのミステリアスな導入部分で、一気に引き込まれます。
やがて闇の中に浮き上がるようにテーブルと椅子が現れ、作家はそこで何かを書き始める。
同じテーブルで妻は胎児の人形を作っているが、作家のいる空間と妻のいる空間はどうやら別物?
同時に存在するはずのない人物がひとつの空間を共有していて、基本的にはお互いに<そこにはいないもの>として振る舞うのですが、完全に無視ってわけでもなく時折なんとなく認識しあっているかのような素振りにドキッとさせられます。
妻は人形作りの教室?で胎児の人形を作っていたはずなのに、そこへやってきた葛河家の家政婦であるらしい若い女に胎児を渡して「もうすぐお夕飯だから、これオーブンに入れておいてね」なんて言うし、初っ端から混乱!bearing
説明的じゃないので、ぼーっとしてるとどんどん置いていかれます。

もともと長塚さんが見た夢を元ネタにしているらしく、主人公が作家だったり、彼が得意とする作風がホラーだったり、新作を酷評されて・・・とか(前作『失われた〜』はあんまり評判よくなかったとか。観てないのでなんとも言えませんが)、長塚圭史という劇作家の現在とパーソナルな部分を色濃く反映しつつ、かなり実験的な作品・・・という印象。
これは人によって評価が分かれそう。
個人的には・・・観た直後はぶっちゃけ?がいっぱいだったけど、後からけっこういろいろ考えちゃいました。

「俺たちには権利がある!」そう訴える謎の男および女は、『サヨフケガタオドロキタン』の登場人物なのか。
彼らの禅問答は、確かに新聞の書評の通りひとりよがりに感じられ、意味をなしているのかいないのか分からない。
バーで出会う女は、作家の過去の作品、もしくはこれから書く作品の登場人物?
刑事は真実に気付きはじめている。
客席から登場する刑事は叫ぶ、「誰かに見られている気がするんだ」
それってもしかして私たちのことですか。観客までも巻き込まれる。
しかし調書の内容はどんどん薄れていってしまう。

舞台の上では現実と虚構が交錯していて、最終的には現実であるはずの客席と虚構であるはずの舞台の境界線までもが曖昧になっていく・・・なるほど、そういう仕掛けですか。
めくるめく半時計回りのおとぎの国。
もしかしたら夢こそが現実で、現実は夢なのかもしれない。
誰もが一度は考えたことがあるかもしれない曖昧模糊としてとらえどころのない疑問を、こんな風な舞台劇でカタチにしようと試みる、長塚圭史はやっぱり天才かもしれない、と思いましたです。

とにかく抽象的かつ意味不明な長台詞が多いお芝居で、役者さんはさぞかしタイヘンだったろうなと思います。
<サヨフケガタオドロキタン>だけでも舌噛みそうsweat02
阿佐ヶ谷スパイダースではお馴染みの小島聖さんは大好きな女優さん。
相変わらずセクシーで素敵でした。
小島さんが発する生命力の強さ(そう感じるんです)みたいなものとは裏腹に、なぜかいつも幽霊っぽい怖さというか凄みがあって、ちょっと異様なくらいの存在感。

カーテンコールは2回あって、2回目には長塚さんも出てきてくださいました。
次回作では長塚さんにも出演してほしい!さらなる問題作を期待してます。

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ヨーロッパ企画「曲がれ!スプーン」

Magare

ヨーロッパ企画の第28回公演『曲がれ!スプーン』
広島公演に行ってきました!

昨年、本広克行監督、長澤まさみ主演で映画化された『冬のユリゲラー』の4回目の公演で(初演は2000年。2002年の東京初公演で再演、2007年の<バックトゥ2000シリーズ>で再々演)、タイトルも映画に合わせ『曲がれ!スプーン』に変更。
本広監督からの映画化オファーは、2007年の3回目の公演の時だったらしいです。

※ネタバレあります!名古屋、福岡、大阪公演に行かれる方はご遠慮ください※

ヨーロッパ企画という劇団の歴史と共にあった『冬のユリゲラー』改め『曲がれ!スプーン』
おんなじお芝居でも、毎回舞台セットも役者も違うし、セリフも演出も微妙に違います。
映画の要素も取り入れられているし、作・演出の上田誠さんはじめ、舞台を作り上げる皆さんそれぞれの経験や積み重ね、変化が垣間見えるところがおもしろい。
と言いつつ、全体的には<そのまんま>な印象もあり、そこがまたいいところでもあります。
あとやっぱり何度も上演しているお芝居だからか、いつにも増して役者さんが自由にのびのびと演じているようにも感じられました。
ものすごくどーでもいいネタをやたら引っ張ったりとか(それっていつも通り?)、サイコキネシス河岡がカメハメ破をやたら連発したりとか。
河岡を演じる諏訪さんは最高。大好きheart
カレーが似合うふとっちょキャラですが、もしかしてちょっと痩せた?
「殺しますよ!」というストレートにバイオレンスなセリフが似合わなすぎて笑えます。

2007年の公演では細男役は土佐さんでしたが、今回は永野さん。
もともと永野さんであて書きした役だったんだそうで、言われてみればハマリ役。
小柄で細身ってのもあるけど、みんなによってたかっていじめられるという立ち位置にものすごくハマるんですよね。
土佐さんは今回へっちゃら男で、へっちゃら男には実は妹がおり、それが西村直子さん。
オープニングとエンディングに登場するこのエスパー兄妹が、これまでの舞台とは大きく違うところです。(本筋とはほとんど関係ないけど)
桜井米に関するラストのしんみりしたオチも微妙にテイストが変わってて、そういうの映画で思いっきりやっちゃってるから、逆にそうじゃない方向にしたかったのかなと思いました。

カーテンコールには上田誠登場!
「始まって1時間くらいずっと登場人物の自己紹介で、しかも小山が出てきてからもう一回自己紹介なのに、最後まで観てくださってありがとうございます」
とかおっしゃってました。確かに(笑)でもそれがおもしろいの。
なんと4月からのフジテレビ深夜アニメ枠<ノイタミナ>で、『四畳半神話大系』シリーズの構成・脚本を担当されるそうで、これはみのがせない!
石田剛太さんは「DVDの宣伝もしちゃったし・・・来週は阿佐ヶ谷スパイダースさんの公演もあるらしいので、そちらも観に行ってください」なんて他劇団の告知までしててウケました。(行きますよん)

毎号買わせていただいてる諏訪編集長の<ヨロッパ通信>は、すみずみまで劇団員の皆さんの日常ネタで埋め尽くされていて、ファンにはたまらないおもしろさ。
なんと長澤まさみが出てる!米役・山脇唯さんとの対談!スゴイスゴイ!
<上田誠が語る失敗伏線集>は3つとも全く気付いてなかったなぁsweat02
しかも今回の公演、「言い訳し続けるインド人」「マスターの恩人のエスパーが実は細男だった」さらには「へっちゃら男」まで、メインと言ってもいい伏線の回収が会場の空気からしてあんまり伝わってない気がしたのは気のせい?
他ではむちゃくちゃウケてましたけども。

元秀康のカバーイラストも毎号楽しみで、今回これがツボ↓

Honda テレポーテーション中の小山こと本多力

そっくり!そしてカワイイ!!

次回公演も8月に決まってて、タイトルは『サーフィンUSB(仮)』だそうです。楽しみshine

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ミスター味っ子

またしても懐かしマンガ。

先日夫婦でお好み焼き(もち広島風)を食べていたときのこと。
ふと私の脳裏をよぎったことがありました。
『ミスター味っ子』のお好み焼き対決が広島風だったことは覚えてるんだけど、陽一くんが結局どんなお好み焼きを作ったのか思い出せない
夫婦というのは不思議なもので、相手にとってはどーでもいいに違いないしょーもない事柄でも、唐突に口にすることが許されます。(ようするに思いついたままを言いたい放題)

陽一くんがあの時どんなお好み焼きを作ったか・・・はたしてダンナも覚えていないと言う。
てゆーかダンナがちょっと嬉しそう?もしや味っ子トークを楽しんでいる?
実はダンナも子供の頃、『ミスター味っ子』をけっこう読んでいたらしい。
へぇー『クッキングパパ』だけじゃなかったんだ。ケッコン5年目の新事実。
マンガの話で盛り上がる私たち。これって我が家では稀なことです。
なんだか久々に『味っ子』読みたくなってきたぞ!
実家に行けばどこかにあるかもしれないけど・・・
せっかくなのでネットカフェに行って読んじゃうことにしました。

5

いやー懐かしー。
ほんっとに大好きだったですよ、味っ子。
味王様がはっちゃけていたアニメも好きでした。
味っ子で初めて知ったお料理豆知識や斬新な食材、たくさんあります。
スパゲティはアルデンテ!とか。重層でお肉を柔らかくするとか。根昆布とか。冬虫夏草とか。
飴細工とタピオカのキラキラデコレーションのケーキとか、黒粒胡椒をまぶしたハンバーグがあんまり美味しくなさそうだったとか、ディティールまで鮮明に覚えてるし。(でもお好み焼きは忘れてる)

しかしこうして改めて読んでみて判明したことがありまして。
なんと私・・・10巻までしか読んでなかった!!Σ( ̄ロ ̄lll)(『味っ子』は全19巻)
中国に行ってからの劉虎峰との中華メン対決、途中で放り出してるっ!!なんたること・・・
現在の自分に繋がる子供時代の自分の飽きっぽさを、まざまざとかいま見たのでありました。
たぶん味っ子が嫌いになったとかじゃなくて、何か他のものに夢中になって味っ子とは自然消滅・・・とか、そういう感じだと思います。子供ってそんなもんでしょうよ。(ひらきなおり)

そんなわけでこれを機に、最終巻までイッキヨミさせていただきました。
最後は味王さまと戦ったのね。そうだったのね(ρ_;)
あ、お好み焼きは、生地にヤマイモ使ったり、ソースにふりかけ混ぜたり、具におもちを入れたりしたんでした。
たぶん身近な料理なだけにインパクトがなくて忘れてたんでしょう。

『ミスター味っ子』以降、『将太の寿司』『喰いタン』など料理マンガというジャンルでヒット作を描き続けてきた寺沢大介氏。
現在はイブニングで『ミスター味っ子Ⅱ』を連載中とのこと。

4

実は今回こちらの記事を書くにあたり、Ⅱがあるって初めて知りました。
陽一くんの息子・陽太が主人公なんだとか・・・
てゆーかケッコンしたのね!陽一くん!遅ればせながらおめでとう!
もしやうしろのひょろっとしたのが陽一くんか。大人になったのう・・・

子供のころ夢中になったマンガを読むのも悪くないです。
今度は『鉄拳チンミ』とか読みたいなぁー

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ストップ!!ひばりくん(コンプリート・エディション)

ひさびさのマンガネタは懐かしいタイトル。
とびきりの美少女!!だけど彼女は男の子!!
江口寿史『ストップ!!ひばりくん

Stophibarikun1Stophibarikun2

アニメは子供の頃よく観てましたが、マンガはたぶん一度も読んだことがなく。
というか江口寿史氏のマンガ自体、『すすめ!!パイレーツ』も読んだことないですし、初めて。
完全にアニメひばりくんへの懐かしさと、新たに描き下ろされた表紙のイラストに惹かれて購入しました。
2巻オビの江口氏のコメントによれば、なんでも『ひばりくん』の単行本化は今回で6回目なんだそうで、これまで出来がよくないという理由で頑なに収録してこなかったというエピソードも、ほとんど描き直してあるようではありますが収録されています。(個人的にはそのことへのありがたみは特にないんだけどsweat02

1巻オビには<彼女!?が元祖。>なんて書いてあるけど、まさにそう。
今では性別は男の子だけど見た目も心も女の子、なんて珍しくないし、マンガ界でも女装マンガ?女装っ娘?っていうの?ぜんぜん詳しくないですが、そういうジャンルも存在しているようで。
まったくもって『ひばりくん』は元祖と言えます。

当時としては非常に革新的な設定だったであろう『ひばりくん』(しかもジャンプだったなんてオドロキ)
子供の頃の私は、美少女にしか見えないひばりくんが実は男の子であることを、なぜかものすごくすんなりと受け入れていたような記憶があるのですが、大人になりこうしてマンガを読み、今更ながら「江口寿史すげー!!時代先取り!!」と感嘆せざるをえないのでした。
ギャグマンガとしての色褪せない面白さ、ひばりくんのありえないかわいらしさ、当時もオシャレ最前線だったと思うけど、今見てもめちゃくちゃオシャレなイラストの数々にも。

ひばりくんほど完璧なヒロインが他にいるだろうか。まさに理想の女の子です。男の子だけど。
ひばりくんの魅力は、あくまでナチュラルであること。
無理に女の子になろうとしているんじゃない。
男の子だけど女の子な自分を受け入れて、自由に生きている感じがいいんです。
もしかしたら、心の葛藤とか複雑な思いとかほんとはあるのかもしれないけど、イマドキのマンガならそういうのも描いてしまうのかもだけど、そこはあえてスルーして、キュートで頭が良くてセクシーでスポーツ万能でケンカも強い!小悪魔なひばりくんであり続けるところがいい。
いいぞ!ひばりくん!

ギャグの合間にある胸キュンなエピソードがまたよくて、例えば耕作がボクシング部のマネージャー可愛さんに一目惚れしてしまう。
勘の鋭いひばりくんは「ぼくというものがありながら〜」とちょっとヤキモチ。(この「ぼく」っていうのがまた萌えcatface
そしてひばりくんは耕作にズバリ聞きます。「可愛さんのことが好きなの?」
ちょっと照れながら耕作は「うん」と頷く。
ひばりくんがほんとの女の子なら、耕作は迷いなく「うん」なんて言わないと思うんです。
自分にちょっかい出してくるひばりくんの気持ちを知ってても、ひばりくんが男の子だから、耕作は遠慮なく「うん」と言ってしまう。この時のひばりくんの気持ちを思うと胸がちくっとする。
そして結局は可愛さんにふられてしまう耕作を、お決まりのお色気攻撃で励ますひばりくん。
なんて言うか、ひばりくんってオトナだなぁーと思うことが多々あります。

ひばりくんの一番下の妹・すずめちゃんのボーイフレンドが大空家にやってくる話や(すずめのボーイフレンド)、一番上のお姉さん・つぐみさんの彼氏の話(ロミオとジュリエット極道版)も良いです。女心が絶妙。
「ふっちゃったもん。あんなやつ」なんて、すずめちゃんもいっぱしの女なんだなぁ。

ほんとは3巻が出てからなんやかんや書こうと思ってたんだけど、どうやら当初の予定より発売が遅れているようで・・・なぜ?
3巻にはいよいよ!?<今まで作者によってなかったものにされてきた未収録作品>がお目見えするそうです。楽しみheart

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ラブリーボーン

Thelovelybones

ピーター・ジャクソンの映画は上映時間が長め。でも飽きさせません。
直前に観た『パルナサス』とは全然違うタイプの映画なのに、鏡の世界と死後の世界、どちらも想像力に満ち溢れた不思議な映像がいっぱいなところはちょっと似てると思いました。
あちらは時に笑っちゃうほどナンセンス(褒めてます)、こちらはとことん美しくて神秘的shine

<あらすじ>

スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は14歳の女の子。
優しい両親と妹弟の5人家族で幸せに暮らしていた。
スージーには好きな男の子がおり、彼とのファーストキスを夢見ていたが、ある日、近所に暮らす男に殺されてしまう。
霊魂となったスージーはやがて自分が死んだことに気が付き、この世とあの世のはざまの世界から、自分の死を嘆く家族を見守るが・・・

ラブリーボーン 公式サイト

変態野郎による殺人事件を描いたサイコホラーは数あれど、殺された女の子の視点で語られるというのは、ちょっとこれまでなかったかも。
犯人の正体は、スージーと映画を観ている私たちだけが知っており、そいつは劇中の人達の身近にいるのにみんななかなか気付かない。というサスペンス。

で、てっきりスージーが何らかのスピリチュアルな方法で・・・例えば、なんとか穴のそばに住んでいる霊感の強い女の子が『ゴースト ニューヨークの幻』のウーピー・ゴールドバーグ的な活躍をして、家族に真実を伝えることにより事件解決!とか、そういう展開になるもんだとばかり思ってましたが、落としどころは微妙に違ってました。

どちらかというとこれは、事件の犠牲者とその家族の物語なのね。
幸せを絵に描いたようなごく普通の家族に、とつぜん訪れる悲劇。
スージー・サーモンがどんなに良い子だろうと、ファーストキスがまだだろうと、平凡な日常は突如として血みどろの犯罪に巻き込まれるのです。
物語の描き方はとてもファンタジックだけど、現実にも多くあるこうした犯罪の被害者の代表として、スージー・サーモンはとてもリアル。
家族の描かれ方もそう。
いくらパパがマーク・ウォールバーグだからって、『極大射程』のボブ・リー・スワガーみたいに、悪いやつをこてんぱんにやっつけてはくれません。
娘を愛する優しいパパは、復讐心にかられて愚かな行動に出てしまう。
ママ(レイチェル・ワイズ)は子供二人を置いて遠くへ行ってしまうし。
スージーの事件をきっかけに家族は崩壊寸前。でもそれが現実なのかも・・・とか思ったりする。
そんな中、スーザン・サランドン演じるおばあちゃんがちょっとした救いで、はっきり言って映画の中ではじゃっかん浮いた存在ではありますがsweat02、面白かったのでまあよしとします。
洗剤入れすぎで洗濯機が泡だらけってそんなベタな失敗、久々に見たわ(笑)

スージーは本来ならば天国へ行くべきなのだけど、いろいろ心残りがあって、この世と天国のはざまの世界に留まっており、そこからこの世を見守っています。
この世とスージーのいる世界とは、どうやら心の繋がりによって影響し合う関係にあり、お互いが強い意志を持って思い合えば、僅かに通じる瞬間もある・・・そんな感じ。
犯人はアイツだよ!とか、私の遺体はココにあるよ!とか、明確に伝えられるほどではないんですね。
だから事件の顛末としては、スッキリしない終わり方だったりするんだけど、ああいう100回殺しても殺し足りないような憎むべき鬼畜野郎が、結局罰せられることのないまま逃げのびている例も多くあるわけで、それならばせめて天罰を食らわしてやりたい。
そして犠牲者たちが死後に辿り着く場所があるなら、そこは美しいところであってほしいし、犯人への憎しみに囚われ続けることなく、穏やかに暮らしてほしい。
ひとりぼっちじゃなく、ともだちだっていてほしい。
少女たちの残酷な運命を嘆き、映画的なファンタジーで願いを込める・・・そういう映画だったのかなと思いました。

見どころとしてはやはり、あちらの世界のビジュアル。
ロビン・ウィリアムズが出てた『奇跡の輝き』とか、ルネ・マグリットの絵とか思い出しました。
途中さらっと観ちゃってたけど、もしかして殺された人それぞれの心が反映された世界になってたのかな。
あとスージー役のシアーシャ・ローナンも、評判通りの名演技で素晴らしかったです。

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Dr.パルナサスの鏡

Imaginariumofdoctorparnassus

撮影半ばでヒース・レジャーが急逝し、一時は完成が危ぶまれたものの、ヒースの役をジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが引き継ぐことで完成に漕ぎ着けたという話題作。
テリー・ギリアムの新作だし、イケメン4人の豪華競演!ってことでとっても楽しみにしていた作品です。
でも、ひとつの役を4人が演じるって、一体どういうこと!?
あらすじも全く知らないまま観てきました。

<あらすじ>

2007年ロンドン。パルナサス博士(クリストファー・ブラマー)率いる旅芸人一座は、<イマジナリウム>という古めかしい装置を使った出し物で客を呼ぼうとしているが、誰も感心を示さない。
実はイマジナリウムは、中に入った人間の欲望の世界を鏡の中に本当に創り出すことのできる、不思議な装置だった。
パルナサス博士はかつて悪魔ニック(トム・ウェイツ)とある賭けをし永遠の命を得たが、今は貧しく虚しい毎日。
悪魔との因縁は今も続いており、博士の美しい娘バレンティナ(リリー・コール)を、悪魔に引き渡さなければならない日が迫っていた。
ある日一行は、橋の下で首を吊った男を発見し助ける。
記憶喪失だが魅力的な男トニー(ヒース・レジャー)にバレンティナは恋をし、やがてトニーのアイデアで客も増えるが・・・

Dr.パルナサスの鏡 公式サイト

なるほどこれは・・・パルナサス博士の鏡というか、ギリアム監督の鏡!ですね?
『未来世紀ブラジル』を彷彿とさせる、ギリアム的へんてこイマジネーションてんこもり!
現代のロンドンが舞台といいつつ、時代も国もボーダレスな摩訶不思議な異世界に、ハマる人はきっとハマる!そんな映画。

見た目より奥行きのある鏡の世界はどうやら、中に入った人の欲望もしくは想像力?で変化するらしい・・・というのが、二番目に入る男の子のシーンで分かりました。
イマジナリウムのレトロな美術も、狂気と悪夢に彩られた鏡の世界も、見事なまでのギリアムワールドでめちゃ楽しいshine
ストーリー的にはちょっと中だるみというか、しばらく話が進まないところもあるんだけど、それも含めてギリアムっぽい?(笑)とか思ったり。

憎めないKY君アントンがイマジナリウムをぐちゃぐちゃにしたあと、ヒース演じるトニーがビジュアル一新でセレブな御夫人方を呼び込むあたりから、物語は一気に盛り上がります。
トニーの顔がどんどん変わる!
鏡の世界は、入っている人の欲望が具現化した世界なので、その人の理想の姿に変わるのです。
で、その鏡の世界のトニー1、トニー2、トニー3が、それぞれジョニー・デップだったり、ジュード・ロウだったり、コリン・ファレルだったりするわけ。
もともとこういう設定だったのか、ひとつの役を4人が演じることによる後付けなのか分からないけど、後者だとしたらうまいこと考えたもんです。ナイスアイデア!
てゆーかみんなハンサムすぎるでしょheart私も入れて!

特にジュード・ロウの世界がお気に入り♪
ママンのスカートの中でドカン!とか、首がポコッと取れて中からちっちゃいトム・ウェイツが出てきたり、全体的に悪趣味でなんか笑ってしまいましたcatface

ヒロイン役の女優さんは、お顔もスタイルもスーパーモデルっぽいなと思ったらやっぱりスーパーモデル。
現代的な美人だけど、クラシカルな仕掛けの中にもしっくりハマってイイ感じ。

パルナサス博士と悪魔ニックの長年にわたるアレコレや、トニーの過去や、物語的にもけっこう二転三転あるんだけど、そういうのなぜかだんだんどーでもよくなってくるっていうかsweat02
とにかく、ギリアムワールドをこれだけ堪能させてもらえれば満足。

トニーはヒース他イケメンが演じてるってだけで勝手に良いヤツだと思い込んで観てましたが、結局のところ悪もんだったってこと?(気付くの遅い?)とかボンヤリ考えながらエンドロールをながめてたら・・・ん?携帯電話が鳴ってますよ?この着信音はもしや・・・復活の予感。

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