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2010年3月

バベットの晩餐会(午前十時の映画祭)

Babettes_feast

1987年に公開されたデンマーク映画で、その年の米アカデミー外国語映画賞を受賞した作品。
<午前十時の映画祭>のラインナップの中ではスルーの予定でしたが、母に強く誘われて観に行ってみました。

午前十時の映画祭 公式サイト

なんてステキな映画!すごーくおもしろかったshine
美味しい料理は人を幸せにする。そしてすばらしい映画も人を幸せにします。

この映画について何の知識もないまま、フランスとデンマークの合作映画?とか思いながら観ていたのだけど、これはデンマーク映画。
若い頃パリで育ったという監督がデンマークに戻って演技を学び、そののち役者ではなく監督として活躍するようになり撮った作品なんだそうです。
なんとなくの印象は地味な文芸作品?って感じだけど、ユーモアたっぷりで思わず声を出して笑っちゃうようなシーンもたくさんある、心晴れやかな人生讃歌。

時代は19世紀。舞台はユトランドの貧しい漁村。
敬虔なカトリック信者の老姉妹・マーチーネとフィリパ、そして二人に雇われているフランス人の召使いバベット。
若い頃から牧師である父に仕え、結婚もせず貧しく清廉な生活を送ってきた姉妹に召使いがいるのは奇妙なこと。
これには深ーい理由がある。彼女たちには秘密があるのです。
物語は、秘密の発端となる過去へ。
淡々としているけれど、ミステリアスで引き込まれるオープニング。

とにかく脚本が見事!
前半は若き日の姉妹に想いを寄せた二人の男性とのエピソードが描かれ、これは姉妹の恋の物語?と思わせますが、実はラストに向けての伏線に過ぎません。
美しく才能もあった姉妹が、村を出て華やかな生活を手に入れるチャンスを見送ったのは、厳格な父が姉妹を手放さなかっただけではなく、彼女たち自身の選択でもありました。
父が亡くなり姉妹も年老いて、若い頃の選択を全く後悔しないわけじゃなかったろう・・・と思います。

そんなある日、姉妹の家を訪れたフランス人女性・バベット。
彼女はかつてフィリパの歌声に惚れ込んだオペラ歌手アシール・パパンのもとからやってきた。
身よりのないバベットを姉妹は受け入れる。
料理の名人であるバベットは、少ないお金でやりくりし、工夫を凝らして質素でも美味しい料理を作った。
年月が過ぎ、バベットは村にとって欠かせない存在となる。
ある日、バベットのためにパリの友人が買っていた宝くじが当たったという知らせがくる。
それは1万フランという大金だった。
姉妹はついにバベットが村を去る日が来たと覚悟するが、バベットは意外な申し出をする。
バベットは牧師の生誕100周年の日に、フランス料理による晩餐会を開きたいと言うのだった。

姉妹の若いころの出会いと選択は、この晩餐会の奇跡へとつながっていきます。
バベットが仕入れてきた見たこともない食材(生きたウミガメやウズラちゃん)に恐怖を感じていた姉妹と村人たちだけど(笑いどころ)、美味しいお酒と美味しい料理、最高のもてなしは彼らの心を自然と解きほぐしていく。
かつてマーチーネを愛した将軍の、お料理への賛辞と解説も効いてます。(晩餐会のあとの愛の言葉にクラクラ)

バベットは実は、パリの高級レストラン<カフェ・アングレ>の伝説の女料理長だった。
彼女は1万フランをすべて使って村人を幸せにしたが、それは芸術家である彼女自身のためでもありました。
すべての出来事はつながっている。
人生は虚しくなんてないし、間違った選択なんてひとつもないのだ。

マーチーネが見る悪夢や、朴訥な村人たちのキャラクターはほのぼのとしていて笑えます。
耳が遠くて「ハレルヤ!」としか言わないおじいちゃんがお気に入り♪

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新旧☆時かけ!!シネマ尾道

おもに大林宣彦監督作品のロケ地として知られる広島県尾道市の映画館<シネマ尾道>では、
2010年版・仲里依紗ちゃん主演『時をかける少女』と、
時かけ映像化作品としては最も有名な大林版・原田知世主演『時をかける少女』を同時に上映中!


Tokikake1983Tokikake2010_2

ぶっちゃけ、新しい方の『時かけ』にはそんなに興味なかったんですが・・・
新旧合わせて、尾道で観られるとなれば話は別。
シネマ尾道は以前から行ってみたかった映画館でもあり、これはもう行くしかない!ってことで行ってきました。

ちなみにシネマ尾道ってこんなところ。

Cienmaonomichi

今回うっかりさんにもほどがあることにカメラを忘れてしまい、以前行ったときに撮った写真だけど。
レトロな雰囲気のとーってもステキな映画館。
HPも凝っててカワイイ☆ → シネマ尾道 公式サイト

映画の町として有名なのに長らく映画館がなかった尾道に、<尾道に映画館をつくる会>のみなさんが確か一昨年くらいだったかな?ようやく立ち上げたという映画館です。
大きなシネコンがなくても、こんな手作り感いっぱいの、1本1本の映画を大切に上映してくれそうな、映画愛に溢れた映画館が町に一軒あってくれたら嬉しい。
そしてそんな映画館で新旧『時かけ』を観ることができるのもとっても嬉しい!

というわけで・・・まずは1983年へタイムリープ!!

Tokikake1

テレビ放送用にたぶん編集されたものは子供の頃に何度か観ましたが、こうして映画館でちゃんと観るのは初めて。
で、冒頭のモノクロのシーン・・・いきなり全く記憶にないsweat02
こんな始まりでしたっけ。斬新だなー。
子供心の印象は、「なんで原田知世の相手役がふたりともこんなトッチャン坊やなお兄ちゃん?特に尾美としのり」というものでした。
なんて失礼な。今や尾美さんは大好きな俳優さんですし、改めて観ると尾美さんは相手役っていうか完全に蚊帳の外なのに、インパクト強かったんでしょうね。
尾美としのり演じる吾朗ちゃんだって芳山和子のことを好きだったろうに、ちょっとかわいそう。
(2010年版ではもっとかわいそうな感じになってた)

言うまでもないけど、尾道ロケによる映像がとにかく文学的で叙情的。
原田知世が歌うテーマ曲はもちろん名曲で、劇中に流れる音楽も美しい。
すべては土曜日の実験室、ラベンダーの香りから始まり、クライマックス、アナログな特撮技法によるめくるめくタイムリープの盛り上がりといったらないです。
登場人物は多くありませんが、ちょっとしたエピソードや役者さんの繊細な演技により、出演シーンの少ない脇役でも人物に深みが感じられるのはさすが。
深町一夫の祖父母を演じた上原謙さん、入江たか子さんは素晴らしかった。
クラスメートの女の子もなんだか謎めいてました。

そしてなんといっても・・・原田知世の奇跡のキラメキっぷり!
夢と現の狭間にいるようなフワフワした感じが絶妙。
赤い鼻緒のゲタ履いて、石畳の町をかける少女にキュンキュンしました。
アニメ『時かけ』の芳山和子が「年頃の女の子にはよくあることよ」なんて言っていたけれど、やっぱりタイムリープって十代の女の子の特権なのかなと思う。
青春と初恋とタイムリープって、なんでこんなにマッチするんでしょうか。

極めつけはエンドロール。
本編の各シーンの原田知世が、カメラ目線で微笑みながら『時かけ』を歌う!
今やったら珍エンドロールとして取り上げられそうだけど、この時代の雰囲気があるからこそ、なんとも微笑ましくってステキです。
そのキラメキスマイルにノックアウトshine

Haradatomoyo

続きましては、2010年版『時かけ』

Nakariisa

大林宣彦監督でも尾道ロケでもない。
しかし主演がアニメ『時かけ』の紺野真琴を演じた仲里依紗であるところがポイント。
彼女の出演作を多くは観ていませんが、ドラマ『ハチワンダイバー』や『純喫茶磯辺』などで好感度大の若手女優さんです。
『時をかける少女』が映像化されるのは、なんとこれで8回目なんだそうな。
(内田有紀のテレビドラマはうっすらと観た記憶が)

仲里依紗が演じる芳山あかりは、芳山和子(安田成美)の娘という設定。
交通事故に遭い意識不明の母を救うため、母が開発した薬を使って70年代にタイムリープ!
目的は母の初恋の人・深町一夫に会い、母のメッセージを伝えること。
しかし1972年の4月に飛ばなきゃいけないのに、間違えて1974年の2月に飛んでしまうというおっちょこちょいぶりが、アニメ版主人公を彷彿とさせます。
しかも彼女は空から降ってくる!
空から降ってきた未来の美少女とプチ同棲・・・ロマンですなぁ。

※以下ネタバレ。これからご覧になる方はご遠慮ください。

これはアニメ版をかなり意識した映画?と思いきや、オープニングにはいきものがかりが歌う『時をかける少女』が流れるし、随所に大林版『時かけ』へのオマージュも見受けられる。
なんとなく、アニメ版と大林版のテイストがミックスした感じ?
仲里依紗ちゃんのコミカルな演技ってすっごく好きheart
1974年で出会う溝呂木涼太(中尾明慶)が、8ミリ映画のアマチュア映画監督というのもいいな。

アニメ版って<記憶が消されない>せいか、後味はけっこうサワヤカだったと思うんです。
けれど大林版も今回のも、記憶は消されてしまう。
でも心のどこかで覚えてる・・・というのがなんともいえず切なくて、しかも今回のは大林版よりもずっと悲しい結末。
あの日、彼がどうなったのか・・・はっきりとは言わないところが上手いと思いました。

Tokikake2

ひとり時かけ祭りshine とっても長くなってしまいました。
♪とーきーをー かーけーるー少女ー♪ が、頭の中をぐるぐる。
(いつのまにか『セーラー服と機関銃』になってることもあるcoldsweats01
シネマ尾道で新旧『時かけ』が観られるのは4月2日までです!

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NINE

Nine

上半期ぜったいに見のがせない映画のうちの一本。
『シカゴ』のロブ・マーシャル監督の新作は、フェデリコ・フェリーニの名作『81/2』を元にしたブロードウェイミュージカル『NINE』の映画化。

<あらすじ>

イタリアの映画監督グイド・コンティーニ(ダニエル・デイ=ルイス)。
新作映画のタイトルは決まっており記者会見も開かれるが、実はまだ脚本は1ページも書けていなかった。
あまりのプレッシャーに逃げ出すグイド。
やがてグイドは、愛する女たちとの妄想の世界へ入り込む。

NINE 公式サイト

ちょっとありえないくらいの超豪華キャスト!
なんてったって、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ファーギー、ケイト・ハドソン、ニコール・キッドマン&ソフィア・ローレンcrown ですから。
美しい女優がきらびやかな衣装を身にまとい、歌って踊る。
圧倒的な魅力でスクリーンを支配する。
それがどれだけ観る側に夢と感動を与えるか。
マーシャル監督の映画はいつも、ミュージカルのすばらしさを再認識させてくれます。
ジュディ・デンチのパートがお気に入りなのだけど、「小難しいテーマなんていらない。映画は笑いと愛と夢!これぞエンターテイメント!」という歌詞(確かそんなんでしたよね?)が強烈に心に響きました。
ペネロペのなんというエロさ、かわいらしさ。
ファーギーはド迫力!ソフィア・ローレンのとてつもない存在感。
7人の女神を相手にする男、ダニエル・デイ=ルイスがまたかっこいーのなんのって。
生半可な男じゃ説得力ないけど、ダニエル・デイ=ルイスなら納得。

スランプに陥った天才映画監督の妄想と現実を行き来しながら進むストーリー。
それはグイド・コンティーニの心の旅でもある。
そもそも映画なんて監督の妄想なのに、勝手に期待され、期待に沿わなければ酷評され、本人の気分が乗ろうと乗るまいと次回作を求められるって大変ですね。
だけど・・・グイド!マーシャル!私たちはそんなあなたの妄想を愛してるんです!
映画は人生そのもので、監督は人生を背負い、人生をけずって映画を創る。

ケイト・ハドソンの曲をベースにした派手な予告編の印象が鮮烈で、全編あのテンションなのかと思ってたけど、なかなかどうしてしっとりほろ苦い大人の味わいだったりもしました。

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ハート・ロッカー

Hurtlocker

今年のアカデミーを征したキャサリン・ビグロー監督作品。
イラクにおける米軍爆発物処理班にスポットを当て、彼らの日常とギリギリの精神状態をつかず離れずのドキュメンタリー的作風で追う異色の戦争アクション。

<あらすじ>

2004年、イラク・バクダッド郊外。
米陸軍ブラボー中隊の爆発物処理班は、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)を新たなリーダーとして迎える。
ジェームズは爆弾処理を淡々とこなしてしまう優秀な男だったが、補佐役であるサンボーン(アンソニー・マッキー)とエルドリッジ(ブライアン・ジェラティ)からすればジェームズのやり方は常軌を逸していた。

ハート・ロッカー 公式サイト

タイトルは「アメリカ軍の隠語で<苦痛の極限地帯><棺桶>を意味する」らしいです。wikiより。

デヴィット・モースやレイフ・ファインズなど、主役級の俳優たちがあっさり退場してしまうのがおもしろい。
冒頭のシーンの緊張感といったらハンパなく、ガイ・ピアースは死なないだろう、というつまらない予測はすぐに裏切られます。
メインキャストは、ジェームズ軍曹役のジェレミー・レナーをはじめあまり有名ではない役者ばかり。

ウィリアム・ジェームズ二等軍曹は、爆弾処理のスリルに取り憑かれてしまった狂気の男。
自分が処理した爆弾の部品を記念品のように収集し、結婚指輪や我が子の写真と同じ箱に入れておくような人物です。
完全にあっち側へいっちゃってるわけだけど、イラクで仲良くなった少年の変わり果てた姿に涙を流したりもする。

それは彼にしかできない仕事だけど、応援する気持ちにはなれないし、かといって間違っているとも言えない。
戦争反対でも賛成でもない、ニュートラルな印象のフシギな映画だなぁ・・・なんて思うのは、日本人的なズレた感覚なのでしょうか。
ラストシーンで再び戦地に赴く男がガイ・ピアースだったら、もっとヒーロー扱いしてしまいそうな気がします。

忘れたころに挿入されるスローモーションの映像がハッとするほど美しい。
宇宙服のような防護服や遠隔ロボットなど(ジェームズ登場以降はほとんど出てこなかったけど)、爆弾処理ってこうするんだ・・・というシンプルなおもしろさもありますね。
爆弾の仕様もさまざま。それらを作った人間の残虐さにゾッとします。
何かとテンパリぎみなアメリカ兵と、無表情で何を考えているか分からない(という風に描かれている)冷静なイラク人との対比も興味深い。
爆弾に対してアメリカがどういう対応をするか、実験しているみたいで不気味。

2時間20分の上映時間はちょっと長いし、好きな映画という感じではないけど観てよかった、観ごたえのある作品でした。

いつもは行かない現場に行ってとんでもないことになってしまうケンブリッジ大佐が、どっかで見た顔と思ったら『デクスター』のお兄ちゃん、クリスチャン・カマルゴ!
ちょっと嬉しかったです。

Christian_camargo lovely

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シャーロック・ホームズ

Sherlock_holmes

ノリにノッてるオヤジの星、ロバート・ダウニーJrの新生ホームズ!

<あらすじ>

19世紀末のロンドン。
若い女性が次々と殺されるという事件が起きていたが、名探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニーJr)は犯行現場を突き止め、黒魔術を操ると噂される犯人・ブラックウッド卿(マーク・ストロング)を捕える。
ブラックウッド卿は絞首刑となるが、その後死んだはずの卿が目撃される。
ホームズは相棒ワトソン(ジュード・ロウ)と共に事件の謎に挑むのだが・・・

シャーロック・ホームズ 公式サイト

映像化されたシャーロック・ホームズと言えば、思い浮かぶのはまずこの人。

Homes1 しぶー

次にこの方が思い出されます。

Homes2 なんの実験?

どっちも大好きheart

ロバートダウニーのホームズは、英国紳士なホームズのイメージを打ち破るヤンチャで現代的なホームズ。
しかもワトソン役にジュード・ロウのようなイケメンをもってくるという斬新なキャスティング。
予告篇を観るだけでもワクワクして、ずいぶん前から楽しみにしておりました。

で、観てみてどうだったか・・・うーん、ちょっと期待値たかすぎたかもsweat02
ホームズという圧倒的な魅力に溢れた世界、そしてせっかくのキャストを生かしきれてない気がしましたです。

ロバートダウニーとジュードの組み合わせは間違いなくステキだし、不二子ちゃん的ヒロイン、レイチェル・マクアダムスもキュートで良かったんだけどなぁ。
アクションに次ぐアクション!なのも別にいいんだけど、やっぱりホームズなので、もうちょっと謎解きのおもしろさがあってくれてもいいんじゃないかと思いました。
フリーメイスン的秘密結社や黒魔術は、もっと怪しくいかがわしくあってほしかった。
ブラックウッド卿は敵としていまいちインパクト不足。
死んだ人間が生き返るなんて、魅惑的なナゾなのにね。

などと文句を並べてみましたが、このキャストはとってもお気に入り♪
モリアーティ教授の名前も出てきたし、続編作る気満々みたいなので次回にまた期待したいです。
ワンコにももっと活躍してほしい!

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コララインとボタンの魔女

Coraline

上映終了ギリギリになんとか観てきました。が、なんで3D吹き替えしかやってないの?
ずいぶん慣れてはきたものの、いまだ2D派のお年寄りなのでちょっぴり不満。
映画館で観る映画はなるべく字幕がいいし・・・
などと文句を言いつつ、今回の3D、これまでで一番しっくりきた!
ストップモーションアニメと3Dって相性いいんでしょうか。
あっという間にメガネの違和感を忘れ、小さな扉の向こうのへんちくりんな世界へ。

<あらすじ>

古いアパートに越してきたばかりのコラライン。
忙しい両親が自分をまったくかまってくれないことがコララインは不満だ。
パパに言われて家中のドアと窓の数を調べているとき、コララインは壁に小さな扉があるのを見つける。
ドアを開くとレンガの壁しかなかったが、夜になるとそこはトンネルになっており、向こう側にはこちら側とまったく同じ空間が広がっていた。
しかし何かが少しずつ違う。
向こう側のママは料理上手で優しい。でも目がボタンなのだった。

コララインとボタンの魔女 公式サイト

原作は『スターダスト』ニール・ゲイマンの児童文学、監督は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック。
『ナイトメア〜』の時はもっとお人形っぽさというか、コマ撮りっぽさがあったと思うのですが、今回のはCGアニメと見紛うほどのすべらかさ。
いったいどれだけストップモーションしたのか。想像するだけで気が遠くなります。
キャラクターの表情や動きはもちろんのこと、リアルな質感やポップな造型など、すみずみにまで匠の技が完璧に行き届いてる。
ちっちゃなライダー・ワイビーがかぶってるマスクがステキすぎて、それだけでもうこの映画好きだ!と確信しましたが、壁の小さな扉には、マイベストムービーのひとつ『パンズ・ラビリンス』を思い出し胸が高鳴りました。
そこに扉がある限り、女の子はそれをくぐるのです。

扉の向こうのもうひとつの世界は、コララインにとっての理想の世界。
トビネズミのサーカスも姉妹のショーも最高に楽しいけど、禍々しい光を放つ極彩色のあの庭!
あれはたまりません。
かわいくってドリーミーで圧倒的にダークネス!
魔女の罠だと知ってても、あの庭の誘惑には勝てないなぁ。
パパのカマキリもステキ。

そんな完璧な世界の唯一の違和感は、別のママはじめみんなの目がボタンであること。
目がボタンって、とんでもなくシュールなアイデアですね。
本来素朴なアイテムであるはずのボタンが、目があるはずの位置にくっついているのって思った以上に不気味。
もしも目がボタンのパパやママに遭遇してしまったら・・・自分だったら泣く!
その点コララインは度胸があるというか適応能力が高いというか、最初はぎょっとしてもそれなりにやり過ごして受け入れてしまうサバサバしたキャラクターで好感が持てました。
そのほか、色といいカタチといい動きといい完全にクリーチャーなボビンスキーさん、あっちとこっちを自由に行き来できる黒猫くんもお気に入りです。ネコのなかでも黒猫は特別。
魔女の世界が崩壊していくときのデジタルな処理もカッコよかったshine

ひとつ気になったのは、壁にかかっていた<つまんなそうな男の子の絵>
魔女が子供をほしがる理由に関係しているのかなと思ってたんだけど、関係なかったみたいsweat02

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フィリップ、きみを愛してる

I_love_you_phillip_morris

「これは本当の話。本当だってば!」
と言われてもやっぱり「本当?」と聞き返したくなる驚愕のトゥルーラヴストーリーheart
<事実は小説よりも奇なり>とは正にこのことなり。
最近『恋するベーカリー』『500日のサマー』と立て続けに恋愛もの(一応)を観てますが、どれも異色。
なかでもこちらは群を抜いてます。

<あらすじ>

妻子ある元警察官スティーブン・ラッセル(ジム・キャリー)は、ある日交通事故に遭い死にかけたのをきっかけに自分に正直に生きることを決意。
ゲイであることをカミングアウトし、妻と別れ新しい恋人を得、充実したゲイライフを送っていた。
しかしゲイはお金がかかることを知り、スティーブンはやがて保険金詐欺に手を染めるようになる。
詐欺は発覚し刑務所行きとなるが、そこでスティーブンはフィリップ・モリス(ユアン・マクレガー)というゲイの青年に一目惚れ。
二人は愛し合い出所後ともに暮らし始めるが、フィリップに不自由なく暮らしてほしいスティーブンはまたしても詐欺を繰り返してしまう。

フィリップ、きみを愛してる 公式サイト

ジム・キャリー主演でアメリカ映画と思ったら、フランス映画なのね。
リュック・ベッソン製作総指揮!・・・意外です。

主人公の天才詐欺師、IQ169とも言われるスティーブン・ラッセルは、今も懲役167年の刑で服役中の実在の人物。
この映画で描かれるオドロキのエピソードは、しつこいようですがすべて本当に本当のことなんだそうです。いやーすごすぎる。
すべては最愛の人、フィリップ・モリスのため。
男が好きなのもサガなら、嘘をつくのもサガ。
嘘で塗り固められた詐欺師人生。
けれどフィリップへの愛だけは、まごうことなき真実なのだ。

フィリップに出会うまでのスティーブンの人生もじゅうぶん凄まじいのだけど、詐欺が発覚しフィリップに愛想を尽かされてからが、スティーブン・ラッセルのレジェンドたる所以ですね。
フィリップにたったひとこと「愛してる」と伝えるため、よくもまあ次から次へと新たな脱獄方法を思いつく。
ネタバレになるのであんまり言えないけど、完全に常軌を逸してます。私の涙を返せ!
この人いったい人生で何度死にかけてるの。

なんど捕まってもけしてめげない不屈の精神。その根底にあるのはズバリ愛。
たとえ社会的には罪であろうとも、唯一無二の愛に全身全霊、全知能をかけるスティーブンの行動力、迷いのなさはアッパレとしか言いようがありません。
ラストシーンも最高!大好きshine

ジム・キャリーとユアン・マクレガーがゲイカップルだなんて最初は笑っちゃったけど、二人ともラブラブぶりがあまりにナチュラルすぎて、すぐに慣れちゃいましたcoldsweats01
上手いわぁ、ふたりとも。
特にユアン・マクレガーの守ってあげたくなる可愛らしさは必見です。
ジムなんてけっこうハードなシーンがあってビックリ。それでR15か。。。
スティーブンの元妻がまたいいキャラ。
しかしダンナがカミングアウトしてあんなにサバサバしていられるもん!?(笑)

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猫毛フェルトの本

先日、本屋さんでふと目に止まり、衝撃を受けた猫本(手芸本か)

Nekokefert 蔦谷香理『猫毛フェルトの本』

羊毛フェルトがあるなら、猫毛フェルトがあったっていいじゃない!
愛猫をブラッシングしてとれた毛を使って、フェルトのお人形や雑貨を作っちゃうなんて。
その発想、ジーニアス!すばらしいです!!happy02

すっかり興奮した私、もう絶対うちのネコの毛で作る!と決心し、さっそく作ってみました。

R0011969

いかがでしょうか!
うちのネコさんに似て、ずんどうな猫毛人形になりました。
いろんな色の毛が混じり合ってミルクティー色。
気を利かせたつもりで結んだリボンがちょっと微妙?sweat02

いちおう作り方を簡単に書いてみる。

材料と用具:
 猫毛 開いて乾かした牛乳パック 鉛筆またはペン はさみ 弱アルカリ性の洗濯石鹸
 水切り用の穴開きビニール袋 カップ 洗面器 タオル アイロン・アイロン台
 手ぬぐいなどの当て布 手芸用フェルト つまようじ ビーズ(猫の目用) ボンド

①ネコの毛を採取する。(両手にこんもりくらい)
②牛乳パックで猫の形の型紙を作り、薄く広げた猫毛を幾重にも巻きつける。
③それを穴開きビニール袋でぴったり包み、洗濯石鹸を溶かした熱いお湯に浸す。
④毛に石鹸液をしっかりしみ込ませ、ビニール袋の上からこすり、
 耳の部分は袋から取り出してこする。
⑤猫毛がほつれないように優しく水の中で洗い、タオルに挟んで水気を取る。
⑥手ぬぐいで挟んだ上からアイロンを当てて乾かす。
⑦下部を切り、型紙をそっと取り出す。
⑧袋状にフェルト化している中に猫毛を入れ、底にボンドでフェルトを貼る。
⑨目を付け、形を整えて出来上がり!!

うちのネコさんに見せてみました。

R0011947 ナニコレ?

R0011983 似てるかな?

猫毛フェルトは、毛が生え変わる今の時期が作りどきです!

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(500)日のサマー

500_days_of_summer

アカデミー作品賞は『ハート・ロッカー』か。
早く観たい!けど、その前にこちら。

小規模公開ながら口コミで上映館を広げ、全米トップ10入りを果たしたという話題作。
ようやっと地元でも公開されました。
運命の恋を信じるロマンチック男子トム君が、現実主義の女の子サマーに恋をした。

<あらすじ>

グリーティングカードの会社に勤める建築家志望のトム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。
運命の出会いを信じるトムはある日、社長のアシスタントとして入社してきたサマー(ゾーイ・デシャネル)に一目惚れ。
それから数日後、エレベーターの中で二人は初めて会話を交わすが、奥手なトムはなかなかそれ以上のアプローチができない。
ある晩、社員全員でカラオケバーに行き、トムはサマーに彼氏がいないこと、愛を信じていないことを知る。
その後、急激に距離を縮めていく二人。
「真剣に付き合うつもりはない」というサマーをトムは受け入れるが・・・

(500)日のサマー 公式サイト

監督のマーク・ウェブはPV界の人で、これが劇場長編映画デビューとのこと。
なるほど、全体的にテンポがよくて粋でオシャレなところは、さすがPV出身って感じ。
時系列通りではなく、500日間を行ったりきたりしながら描くという構成が斬新で、恋愛期間における幸せなときとそうじゃないとき、その落差がとても分かりやすくておもしろかったです。
ミュージカル風に歌って踊り出しちゃうほど最高にハッピー♪かと思うと、次の瞬間この世の終わりか?ってなくらいどん底だったりするんだから、恋の一喜一憂はタイヘンなのだ。

500_days_of_summer2

小悪魔なサマーに振り回されて、ちょっと気の毒なトム君。
しかしキミ・・・ぶっちゃけめんどくさいぞ!とダメ出ししたくなる場面も多数。
運命の恋を信じるのは別にいいんだけど、ここぞというときにヘンにカッコつけたり、人の良さそうな社長にプライベートのことで気を使わせたり、人のプレゼンに八つ当たりしたり・・・
それでも社会人か!
などと憤慨しつつ、サマーを想うあまり自分をコントロールできなくなってしまったトム君のにっちもさっちも行かない状態・・・心当たりがなくもない。
同時に、トム君からすればビッチ!以外のなにものでもないサマーの言動、恋愛観も理解できます。
いちいち本気になって傷つくのは嫌だし、気持ちは移り変わるものだから約束なんてできない。
でもサマーだってちゃんとトムを好きで、一緒に過ごす時間を楽しんでいたわけだけど、トムはそれだけでは満足できなかった。
そんなトムからサマーの気持ちは離れていった。それだけの話。

はっきり言って恋愛のカタチとしては、よくあるパターンだと思うんです。
だからこそ共感できるシーンがいっぱい。
一夏の恋とはよく言ったもので、恋って儚いもの。
多くの人が一生の間にいくつか恋をすると思いますが、そのほとんどは終わっていく運命にあるのだもの。
本当に純粋に、幸せなときなんて一瞬。トムとサマーのIKEAデートみたいに。

自分のときはどうしたってダメだったのに誰かがあっさり・・・なんて知りたくもないでしょうが、寝ても覚めてもサマーな日々はけして無駄だったわけではないのだ。
次の季節はもうすこしうまくやれるはず。がんばれトム君!

トム役ジョセフ・ゴードン=レヴィットも、サマー役ゾーイ・デシャネルもよかったけど、ツボだったのはトムの妹レイチェルを演じたクロエ・グレース・モレッツちゃん。

個人的にとっても観たいと思っている映画『キック・アス』ヒットガールの子じゃんか。
出てるって知らなかったから得した気分♪

Chloe_grace_moretz

こういう<大人顔負けな子供>担当なの?要注目の子役さんです。
「キュートな女はヘンな男が好きなのよ」なんて、10歳とは思えぬ的確すぎる恋のアドバイスがステキでした。

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恋するベーカリー

Its_complicated

大人の恋愛映画と言えばナンシー・マイヤーズ。
恋愛映画ってあまり熱心に観るほうじゃないですが、マイヤーズ監督のはぜんぶ観てるしぜんぶ好き。
ちょっとセレブでオシャレな女性の日常に起きる非日常。
多くの女性が共感できるであろうリアルと、映画的非リアルのバランスがちょうどいい。
なんというか色でいうとホワイト&ベージュなイメージです。あとリネン素材。

<あらすじ>

10年前に離婚したジェーン(メリル・ストリープ)。
経営するベーカリーは順調で、3人の子供たちも成長し充実した人生を送っていた。
ある日ジェーンは息子の大学の卒業式に出席するためNYへ行き、ホテルのバーで元夫のジェイク(アレック・ボールドウィン)とはち合わせてしまい、酔った勢いもありベッドを共にしてしまう。
現在の妻とうまくいっていないジェイクは、すっかりその気になるのだが・・・

恋するベーカリー 公式サイト

元夫&その若妻に友人のパーティーで遭遇しても、感じよく大人の対応ができる。
「ふるまい方を学んだの」なんてなかなか言えませんよ。カッコイイ!

夫の浮気が原因で10年前に離婚したジェーンだけど、今や元夫ジェイクとの関係は気の合う友人といった感じだし、経営するベーカリーも順調、子供たちも立派に成長して、傍目には理想的な人生を送っているように見えます。
3人の子供はみんなほんとに良い子で、長女のフィアンセがこれまたいいヤツ。
でも心の奥はやっぱりちょっと孤独なジェーン。
だからといって、偶然ホテルのバーで会った元夫と楽しく飲んで踊っておしゃべりしたあげく、盛り上がったイキオイで・・・ってオイ!!
元夫と不倫。ややこしいですね。まあ大人だし、そんなこともあるかも!?

深く反省するジェーンですが、今の奥さんとうまくいっているとは言えないジェイクは本気になってしまう。
強引に家に押しかけ、強引に元妻を口説くジェイク。
しかしジェーンの家の改築を手掛けている建築家のアダム(スティーブ・マーティン)もひそかにジェーンに気があったりして、事態はますます複雑になってゆくのだった・・・

ヒロインの相手役がキアヌ・リーブスやジュード・ロウである場合のようなトキメキは残念ながらないけれど、今回もとってもおもしろかったです。

よく笑うメリル・ストリープが可愛らしくて魅力的。
料理が上手い女性っていいですよね。(当たり前か)
とくにスイーツをちょちょいっと作れちゃう女性は最強!と思います。
焼き立てのチョコクロワッサン食べたいわぁheart(てゆーか作れ!作ってみろ私)

アレック・ボールドウィンだって昔はキアヌやジュードに負けないイケメンだったはずなのに、今や正真正銘メタボオヤジになっちゃいましたね。
とあるシーンでは劇場内に「キャー!」「いやー!」という本気の悲鳴が響き渡りました。
しかしマイヤーズ監督の映画では、大人の女性がとってもキュートに描かれているのと同じくらい、オヤジもキュート。
熊さんみたいなボールドウィンがかわいくって憎めない。
スティーブ・マーティンは恋に不器用なマジメな男性を演じており、前半おとなしめなのだけど後半<ぶっ飛ぶ>あたりから笑わせてくれました。

NYで家族が久々に集まったとき、次女が「こんな風に家族が揃って食事するなんて初めて!」と嬉しそうに話すシーンがあるけど、だからと言って別れた両親が再びくっつくというのは、歓迎すべきことではないんですね。
ジェーンが10年かけて<ふるまい方を学んだ>ように、親の離婚で傷ついた子供たちだってふるまい方を学んできたわけだし、「ふたりとも身勝手すぎる!」という次女の言葉は、もっともだと思いました。
なんか最初、この家族ちょっと理想的すぎるなぁ・・・なんて思っていたのだけど、終盤になってその辺きちんとフォローしてくれるところはさすが。
ジェイクの今の奥さんだってそれなりに夫を愛しているし、わがまま放題に見えるちびっ子もそれなりにジェイクを慕っている。
こっちはこっちで既にジェイクの人生の一部なのだ。とさりげなく思わせるシーンもちゃんとあったし。

今や違う道を歩んでいる元夫婦ではあるけど、これからもきっと二人の道は完全に離れることはない。
いろいろやらかしちゃったものの、明快な答えを出すことのできない現状を受け入れつつ・・・これからもよろしくね!的な終わり方もまた、ちょっぴりビターかつ爽やかな大人の味わいでございました。

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シドニアの騎士2巻

Sidonia2

遅ればせながら。
出ましたshine 弐瓶勉『シドニアの騎士』第2巻shine

表紙を飾るのは星白閑さん。
少し褪せたような赤の色合いが、そこはかとなく耽美で良いですね。
椎名誠さんの帯コメント↓
激しくてやさしくて 不思議な世界。ときめきとコーフンに満ちて 思考をふるわせた。
これまでの弐瓶作品のイメージからすれば?なコメントだけど、シドニアに限ってはなるほどそんな感じ。
2巻を読み終えたあとは特にそう思いました。

※以下、しょーもないコメントを挟みつつ、執拗にあらすじを追っています。
 ネタバレ全開ですので、これから読まれる方はご遠慮ください。

重力祭りの夜、シドニアに奇居子が接近。
討伐隊4人(赤井、百瀬、緑川、青木。ゴレンジャーって呼びたいのに黄色がいない)はそれぞれの衛人に乗り込み、奇居子本体を攻撃できる唯一の武器・カビザシを携え飛び立つ。
しかし討伐隊はあっけなく全滅。(百瀬さんをかばった緑川くん、かっこよかったですねweep

ヘイグス粒子というニューワードが登場しますが、どうやらこれはシドニア世界における主要なエネルギー源のことのようです。
衛人の頭部にはヘイグス粒子砲というド派手な武器も搭載されています。
衛人のお口がガキンと開いて、ドドーン!とヘイグス砲が発射されるシーンはスペクタクル。

シドニア艦長は奇居子の艦内への侵入をなんとしても避けるため、<左右の点火をずらして舵を取り、推力5で加速>を指示する。
それってどういうことかというと・・・シドニア内で生活している人にとっては、世界が大きく斜めに傾く。
地震どころの騒ぎじゃありません。
人間は宙に放り出され、あっという間にそこらじゅうスプラッタ。
「魚なんて放っておいて谷風くん。今は人間が先でしょ」と、星白さんに叱られる長道くん。
長道くんもしや・・・お魚を食べようとしていた?

犠牲者は多く出たが、奇居子の侵入は回避された。
漂流している二本のカビザシを回収するため、岐神海苔夫、星白閑、仄焔、谷風長道の4人が招集される。
長道たちはカビザシ確保に成功するが、先ほどの奇居子に気付かれてしまう。
胞衣の形を変えた奇居子はなんと・・・ヘイグス粒子砲を発射!
これにより岐神機、仄機は行動不能。
暴走した星白機はシドニアとは逆方向のはるか彼方へ・・・星白さーん!
唯一無事だった谷風機は独断で奇居子に立ち向かい、見事撃破してしまいます。
すごいよ!長道くん!
そしてこれまた独断で星白閑救助に向かう。

星白は見つかったが、ヘイグス粒子を使い切ってしまった継衛の中で、長道くんは星白さんとふたりぼっち。
食料も水も尽き、光合成できない長道は体力を激しく消耗していた。
(水ガブ飲みするから・・・)
星白さんはついに・・・自分の尿を濾過して長道くんに飲ませるという決断をします。
(まあちょっと恥ずかしいかもしれませんが、非常事態ですから。それにちゃんと濾過してるんだし。星白さんのだしね。)
星白さん由来の水をそうとは知らず飲んじゃったあとで、「衛人の潤滑剤を濾過する」という方法をひらめく長道くん。もう飲んじゃったけどね。
11日間のランデブーを経て、なんとなくいい感じになってきた二人の元へ、巨大な光の輪が近付く。
それはなんと、二百五十六掌位した衛人だった。
長道の英雄的な行為をシドニアで見ていた守備隊全員が、船規違反をして長道たちを救助しにきたのだ。

帰還した長道くんは、いじめられっ子だった以前とはうって変わってみんなの英雄。
ロッカーには極重力米 大地10kgがみっちり。プレゼントですね。
長道くんがシドニアのコンピューターにアクセスするシーンで、ようやく奇居子およびシドニア世界に関するいろいろが判明します。

奇居子とは、2109年に人類が外宇宙で初めて遭遇した生命体で、衆合船とは、無数の奇居子の集合体。
2371年、それまで人類からの呼びかけに全く応じなかった衆合船から、地球に46体の奇居子が投下された。
それは人型で、海洋生物を補食し、地球を真っ二つに分断した。
太陽系を脱出した播種船は有人無人含め数百隻あったが、2691年、アポシムズからシドニアへの連絡が途絶えて以来、他船との交信はない。
現在シドニア歴1009年(共通紀元3394年)。

つまりシドニアは700年間ひとりぼっち。

岐神、星白、仄、谷風の4人は、正式に衛人操縦士に任命される。
そのお祝いパーティー?で、おでんをモリモリ食べる長道くん。
仄姉妹や岐神も、長道を認めてくれたようだ。
そして天ぷらをモリモリ食べる長道くんに声をかけてきたメイドさんな新キャラは、戦死した緑川の妹・纈(ゆはた)だった。
「兄の仇を取ってくれた谷風さんにお礼を言いたくて・・・何かお飲物をお持ちしましょうか?
 谷風さんは何を飲んでいらしたんですか?」
長道くん「つゆ!」!!!!!(≧∇≦)(≧∇≦)(≧∇≦)
・・・・・・久々に笑い死ぬかと思うくらい笑いました。腹筋やられました。

絶句した纈ちゃんをほっぽいて、長道は通りかかった艦長を呼び止め、なぜ自分にそんなによくしてくれるのかと問う。
「私が保護者になったのは、お前が不憫でならなかったからだ」そう言って長道をハグする艦長。
この言葉けっこう本心っぽいなと個人的には思うのですがどうでしょう。
いまのところ良いもんなのか悪もんなのか、謎めいている艦長さんですが。

纈ちゃんはとても積極的な子で、長道に猛烈アプローチ。
二人だけでヘイグス誘導海中浮遊槽(水族館みたいなもの)に乗りたかったが、結局、星白、イザナと4人で行くことになる。
イザナは自分をライバル視する纈にたじたじ。
諦めない纈はものすごく強引に長道と二人で乗ろうと試みるが失敗し、てんやわんやのあげく長道と星白が乗ってしまう。

巨大なイカを眺めつつ意識しあう二人。手なんか繋いじゃったりしてね。
奥手な長道くんのストレートな言動が星白さんの心を揺さぶります。
しかしタイミング悪く招集がかかる。奇居子が出現したのだった。

衛人操縦士として、初のミッションに臨む4人。
今度の敵は連結型奇居子です。27個つながっていて、全長830メートル。
まずは巨大な奇居子の胞衣の体積を減らすため、長道たちはある作戦のもとに戦いを進めていたが、長道に心を開いたと思われた狗神の卑劣な行いにより作戦は失敗してしまう。
気付いたとき長道はベッドの上だった。戦いはいったいどうなったのか。

なんだか全然まとめられなくてとっても長くなってしまいましたので、ここらでやめておきます。
奇居子っていったいなんなんでしょう。
ヘイグス砲は発射するし、地球に降りた奇居子は人型だったというし、星白さんは「人類の友人になりたがっているんじゃないかと思うことがある」なんて言ってましたが。
最後に出てきた奇居子のカタチは・・・衛人ってなんなんだ!?という疑問にもつながりますね。
今回ある程度分かったこともあるけれど、基本的にはナゾだらけ。

そして・・・儚き少年少女たち。
なんというか、どちらかというと生気を感じないつるんとしてお人形さんなビジュアルであるがゆえに、余計に命の儚さを感じます。
弐瓶勉らしいトンデモスケールのSFにギャグと切なさが散りばめられて、不思議な世界。
ますますおもしろくなってきたのではないでしょうか。

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