新旧☆時かけ!!シネマ尾道
おもに大林宣彦監督作品のロケ地として知られる広島県尾道市の映画館<シネマ尾道>では、
2010年版・仲里依紗ちゃん主演『時をかける少女』と、
時かけ映像化作品としては最も有名な大林版・原田知世主演『時をかける少女』を同時に上映中!
ぶっちゃけ、新しい方の『時かけ』にはそんなに興味なかったんですが・・・
新旧合わせて、尾道で観られるとなれば話は別。
シネマ尾道は以前から行ってみたかった映画館でもあり、これはもう行くしかない!ってことで行ってきました。
ちなみにシネマ尾道ってこんなところ。
今回うっかりさんにもほどがあることにカメラを忘れてしまい、以前行ったときに撮った写真だけど。
レトロな雰囲気のとーってもステキな映画館。
HPも凝っててカワイイ☆ → シネマ尾道 公式サイト
映画の町として有名なのに長らく映画館がなかった尾道に、<尾道に映画館をつくる会>のみなさんが確か一昨年くらいだったかな?ようやく立ち上げたという映画館です。
大きなシネコンがなくても、こんな手作り感いっぱいの、1本1本の映画を大切に上映してくれそうな、映画愛に溢れた映画館が町に一軒あってくれたら嬉しい。
そしてそんな映画館で新旧『時かけ』を観ることができるのもとっても嬉しい!
というわけで・・・まずは1983年へタイムリープ!!
テレビ放送用にたぶん編集されたものは子供の頃に何度か観ましたが、こうして映画館でちゃんと観るのは初めて。
で、冒頭のモノクロのシーン・・・いきなり全く記憶にない
こんな始まりでしたっけ。斬新だなー。
子供心の印象は、「なんで原田知世の相手役がふたりともこんなトッチャン坊やなお兄ちゃん?特に尾美としのり」というものでした。
なんて失礼な。今や尾美さんは大好きな俳優さんですし、改めて観ると尾美さんは相手役っていうか完全に蚊帳の外なのに、インパクト強かったんでしょうね。
尾美としのり演じる吾朗ちゃんだって芳山和子のことを好きだったろうに、ちょっとかわいそう。
(2010年版ではもっとかわいそうな感じになってた)
言うまでもないけど、尾道ロケによる映像がとにかく文学的で叙情的。
原田知世が歌うテーマ曲はもちろん名曲で、劇中に流れる音楽も美しい。
すべては土曜日の実験室、ラベンダーの香りから始まり、クライマックス、アナログな特撮技法によるめくるめくタイムリープの盛り上がりといったらないです。
登場人物は多くありませんが、ちょっとしたエピソードや役者さんの繊細な演技により、出演シーンの少ない脇役でも人物に深みが感じられるのはさすが。
深町一夫の祖父母を演じた上原謙さん、入江たか子さんは素晴らしかった。
クラスメートの女の子もなんだか謎めいてました。
そしてなんといっても・・・原田知世の奇跡のキラメキっぷり!
夢と現の狭間にいるようなフワフワした感じが絶妙。
赤い鼻緒のゲタ履いて、石畳の町をかける少女にキュンキュンしました。
アニメ『時かけ』の芳山和子が「年頃の女の子にはよくあることよ」なんて言っていたけれど、やっぱりタイムリープって十代の女の子の特権なのかなと思う。
青春と初恋とタイムリープって、なんでこんなにマッチするんでしょうか。
極めつけはエンドロール。
本編の各シーンの原田知世が、カメラ目線で微笑みながら『時かけ』を歌う!
今やったら珍エンドロールとして取り上げられそうだけど、この時代の雰囲気があるからこそ、なんとも微笑ましくってステキです。
そのキラメキスマイルにノックアウト
続きましては、2010年版『時かけ』
大林宣彦監督でも尾道ロケでもない。
しかし主演がアニメ『時かけ』の紺野真琴を演じた仲里依紗であるところがポイント。
彼女の出演作を多くは観ていませんが、ドラマ『ハチワンダイバー』や『純喫茶磯辺』などで好感度大の若手女優さんです。
『時をかける少女』が映像化されるのは、なんとこれで8回目なんだそうな。
(内田有紀のテレビドラマはうっすらと観た記憶が)
仲里依紗が演じる芳山あかりは、芳山和子(安田成美)の娘という設定。
交通事故に遭い意識不明の母を救うため、母が開発した薬を使って70年代にタイムリープ!
目的は母の初恋の人・深町一夫に会い、母のメッセージを伝えること。
しかし1972年の4月に飛ばなきゃいけないのに、間違えて1974年の2月に飛んでしまうというおっちょこちょいぶりが、アニメ版主人公を彷彿とさせます。
しかも彼女は空から降ってくる!
空から降ってきた未来の美少女とプチ同棲・・・ロマンですなぁ。
※以下ネタバレ。これからご覧になる方はご遠慮ください。
これはアニメ版をかなり意識した映画?と思いきや、オープニングにはいきものがかりが歌う『時をかける少女』が流れるし、随所に大林版『時かけ』へのオマージュも見受けられる。
なんとなく、アニメ版と大林版のテイストがミックスした感じ?
仲里依紗ちゃんのコミカルな演技ってすっごく好き
1974年で出会う溝呂木涼太(中尾明慶)が、8ミリ映画のアマチュア映画監督というのもいいな。
アニメ版って<記憶が消されない>せいか、後味はけっこうサワヤカだったと思うんです。
けれど大林版も今回のも、記憶は消されてしまう。
でも心のどこかで覚えてる・・・というのがなんともいえず切なくて、しかも今回のは大林版よりもずっと悲しい結末。
あの日、彼がどうなったのか・・・はっきりとは言わないところが上手いと思いました。
ひとり時かけ祭り とっても長くなってしまいました。
♪とーきーをー かーけーるー少女ー♪ が、頭の中をぐるぐる。
(いつのまにか『セーラー服と機関銃』になってることもある)
シネマ尾道で新旧『時かけ』が観られるのは4月2日までです!
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コメント
シネマ尾道、いいですねえ。ウチの町にもこんなシアターできないかな(できてもすぐ潰れるかな・・・)
以前ウッチャンこと内村光良氏が尾道三部作を評して「尾美としのり・尾美としのり・尾美としのり」とおっしゃってました
そっかー。尾美さんはまさしく尾道三部作を象徴する存在なんだな・・・と思っていたのですが
「相手役っていうか完全に蚊帳の外」
話が違うよ! ウッチャン!
また全然関係ない話で恐縮ですが、サンドラ・ブロックの『幸せの隠れ場所』見ました。とてもよかったのでkenkoさんも余裕があったら見たってつかあさい
投稿: SGA屋伍一 | 2010年3月30日 (火) 07時40分
SGA屋伍一様
私が今住んでる町にもこんな映画館あったらなーと心から思います。
シネマ尾道のようなNPO法人による運営の映画館って
最近増えているんだとか?
私もウッチャンと同じく尾道三部作と言えば尾美としのり!というイメージありました。
しかし改めて観てみるとヒロインと尾美さんとの絡みはかなり少なく、
未来人である深町一夫との、時空を超えた恋の物語だったのでした。
でも3人の中で圧倒的に演技が上手いのは尾美さんだったり。
深町役の人(名前忘れた)の棒読みは大林監督の指示だったともちょっと聞きましたが。。。
「幸せの隠れ場所」よかったですか!
観たいけど、地元の映画館ではもうちょっと先になるのかも?
今日は「ビッグバグズパニック」を観ようかなーと思ってます♪
投稿: kenko | 2010年3月30日 (火) 12時29分