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シャッターアイランド

Shutter_island

マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオのコンビによる4作目。
原作は『ミスティック・リバー』のデニス・ルヘイン。
特に楽しみにしていた映画じゃないのですが、図書館でたまたま目についたので事前に原作も読んでみました。
孤島の精神病院、密室から消えた女、残された暗号、さらには嵐。
本格ミステリど真ん中なキーワードがこれでもかと散りばめられていて、そのつもりで読み進めていくんだけど、次第に「この物語はなんなんだろう」という違和感がどんどん大きくなっていく。
そして終盤、世界はひっくりかえる。

<あらすじ>

連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)と相棒のチャック(マーク・ラファロ)は、ボストンの遥か沖に浮かぶ孤島<シャッターアイランド>へ向かっている。
目的は、島にある精神を病んだ犯罪者ばかりを収容する病院で、女性患者が行方不明になった事件を捜査することだった。
島に到着した二人はさっそく職員や患者へ聞き込みを始めるが、どうやら彼らを何かを隠している。
またテディには、表向きとは別の目的があった。

シャッターアイランド 公式サイト

既に指摘されまくっていることではありますが、映画の宣伝で<謎解き>をヘンに強調しすぎ。
目の錯覚テストみたいなのを出して、あなたは脳に騙されている!とか、映画が始まる直前にもしつこく「目線やセリフに注意してください」とかってどうなの?
いったいどんなドンデン返しで驚かせてくれるのかと過度に期待してしまい、結果ガッカリする人が多いんじゃないでしょうか。

原作を読んで思ったのは、これは本格ミステリというより悲劇のラブストーリーであるということ。
オチが予想の範囲内であることはどうでもよく、あまりに哀しすぎる真実に胸がしめつけられたのでした。

映画そのものは、原作を読んでて浮かぶ光景やテディが見る悪夢や幻視、妄想と現実が入り交じる感じが見事にビジュアル化されていて、すごくよかったです。
(よかっただけに・・・的外れな宣伝のやり方がますます残念sweat02
かぐわしいほどに残酷で美しい死のイメージ、容赦ない暴力描写もバッチリ。さすがスコセッシ!
真実を知る前と後では、まったく違う顔を見せる物語ですが、むしろ知ってから観る方が楽しめるのかも。
あちこちにヒントが仕掛けられているのが手に取るように分かっておもしろかった。
そして原作と違うラスト。なるほど・・・と思いました。こっちの方が好き。

キャスティングもすばらしく、熱演ディカプリオやマーク・ラファロ、ベン・キングスレーはもちろんのこと、『ウォッチメン』でロールシャッハを演じたジャッキー・アール・ヘイリー、『エクソシスト』メリン神父のマックス・フォン・シドー、『羊たちの沈黙』バファロービルことテッド・レヴィンなど、いい役者さんがなにげにいっぱい出てました。
なんていうか、狂気と暴力がよく似合う、怪しさ満点な人ばかりcoldsweats01
テッド・レヴィンなんて出演シーンちょっとなのに異様な存在感。

欲を言えばテディとドロレスの出会いのエピソードを、二人がいかに運命的に出会い恋に落ち愛し合ったかを、もう少し描いてほしかったです。

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映画」カテゴリの記事

コメント

こんばんは!

原作も読まれているのですね~
私が思いついた二つの解釈のうち
原作はどっちなんだろうと気になっていたのですが
デニス・ルへインさんの著書は
「ミスティック・リバー」でもう挫折してしまって(なんか難解)
なかなか読む気が起こらなかったんですよ~

>原作を読んで思ったのは、これは本格ミステリというより悲劇のラブストーリー・・・
おお,ということは,素直な感動解釈でいいんですね~!
なんかホッとしました。
二つ目の難解解釈の方が謎解きっぽいけど
感動はないですもん・・・
やっぱり切ないお話ですよね,これ。
スコセッシの映像化は100%成功していたと思います。
事実を知ってから,わたしももう一度観直したいです。

投稿: なな | 2010年4月27日 (火) 23時48分

なな様

お返事ありがとうございますhappy01

ぶっちゃけると映画にそんなに期待してなかっただけに原作読んでみた、って感じです。
オチが分かっちゃってもいーや、という投げやりな態度でsweat02
途中はあんまりノレなかったんだけど、最後まで読んでみて心に残る小説でした。
こういう悲劇的なお話って好みです。
「ミスティックリバー」の方が難しそう!

基本的には素直な解釈でいいと思うのですが
ななさんの2つ目の解釈もあるかも!と思いましたよ。
ラストが原作とは違っていて、現実を受け入れたかに思えたテディは結局もとに戻ってしまいロボトミー決定、
というところで終わっているのですが
映画では自らの意志で・・・という風になっているのがいいなと思いました。

映像としては本当に原作のイメージ通りというかそれ以上で、すごくよかったです!

投稿: kenko | 2010年4月28日 (水) 23時38分

先に原作を読んでるのに映画も見に行っちゃうって、すごいですね~ わたしは(特にミステリーの場合は)、片方で済ませることがほとんどです
でもこちらは原作を読むと映画がさらに見たくなるような作品のようで。結末も微妙に違うんだ
キャスト見るとさながらサイコ系オールスター大集合って感じですね(笑)ロールシャッハの人は誰をやってたんでしたっけ? マスクは覚えているけど素顔が思い出せない・・・

それにしても孤島が舞台で精神病がテーマ、ほんでどんでん返しありって、なんだか綾辻行人さんが書きそうな話ですなあ

投稿: SGA屋伍一 | 2010年4月30日 (金) 07時45分

SGA屋伍一様

先に原作読んだのは思いつきで、それも映画にあんまり期待してなかったからだったりしますsweat02
確かにミステリものだと先にオチが分かっちゃうわけだし、原作と映画をどうしても
比べてがちだし、あんまりいいことないですよね。
今回に限っては良かったかなと思ってますが。。。

そうなんですよ、なにげにサイコ系オールスター大集合で(笑)
ロールシャッハの人は、ディカプリオが台風後の混乱に乗じて
特に危ない人ばかり収容しているC棟に侵入したときに重要な会話をする
ノイスという人物を演じてました。

孤島や精神病や嵐や、まるで懐かしの館シリーズのようなお膳立てですよね。
そういえば「暗黒館の殺人」上巻だけ読んでまだ下巻読んでないやcoldsweats01

投稿: kenko | 2010年4月30日 (金) 15時18分

こんにちは~♪
お邪魔するのが物凄い勢いで遅れました。どうもスミマセン!!

kenkoさんも原作をお読みでしたか~
この物語はネタばれ厳禁なはずなのに、オチを知っていて映画を観ると、かなり面白く感じましたよね?スコセッシの手腕でしょうか?
実は私、原作をそんなに面白いとは思わなかったのですが、映画の方が哀しさがあって好きでしたね。レオの演技も凄く良かったし。

だからこそ宣伝のトンチンカンさが残念ですよね~
フツウに観たら、もう一度観てみたくなるような映画になったと思うんだけど、、、
私はDVDでもう一度観たいです♪

投稿: 由香 | 2010年5月 6日 (木) 14時09分

由香様

いえいえ!お気になさらずに。
お忙しくされてたみたいだけど落ち着かれましたか?

原作はたまたま図書館で目にとまり「ディカプリオの映画の原作か。読んでみよ」という
軽いノリで手に取ってみたのでした。
読んだ直後は私もそこまで面白いとは思ってなかったんだけど
なぜかいつまでも心に残ってて。
映画はオチを知ってる方が楽しめましたよね。
ディカプリオはテディ役にピッタリで熱演でした。

私も、映画館でリピートするほどじゃないけど
DVDが出たらもう一度観てもいいかな〜と思います♪

投稿: kenko | 2010年5月 6日 (木) 19時44分

こんにちはー♪
家族の描写をもっと尺を割いて描いてれば随分と印象が変わったでしょうねぇ。ド下手な宣伝の煽りで、中途半端な印象に終わった感じも。。。

投稿: たお | 2010年9月18日 (土) 11時41分

たお様

ド派手な宣伝はセンスなかったですねぇ。。。
おかげで散々な言われよう。
そうそう、家族との描写はもうちょっとあってもよかったのにーと思います。

投稿: kenko | 2010年9月20日 (月) 18時23分

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