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2010年6月

ネコのヘン顔コレクション

おひさしぶりのネコ写真。クワガタ以来かな。
映画の感想が続いたので、なんとなく。
チンチラゴールデンのラム9さい。とりとめもなく、ヘン顔ばかり集めてみました。

Rum2

さっきまでゴロゴロと喉を鳴らして甘えていたくせに、唐突に凶暴化して噛みついてくるラムさん。

Rum5

キバもツメも完全に私の手に刺さっておりとっても痛いのですが、ムリに引き離そうとすると余計に刺さるので、こんなときはなるべく抵抗せずされるがままにしています。

Rum3「おいしかったにゃ♡」

真の親バカ、ネコバカとは、ネコのブサ顔すらも愛おしくて仕方がないもの。

Rum7

なんじゃこの顔(笑)
そこらへんで摘んできた草でじゃれるのがなにより好きなラムさん。

Rum10

おおきなおくちがトトロみたい。

Rum4

なにかに必死になってるときの顔って、ヒトもネコも味わい深いものがある。
ちょっとコワくもある。

Rum8

近すぎてバケネコ化。

Rum1

おおあくび!
なにげにネコが口を開けている顔が好きです。
プロフ写真もそうだし。『ニャ夢ウェイ』を意識もしてますが。

Rum6

カメラのレンズを向け続ける人間を見つめる冷たい視線・・・
ブサ顔いっぱい撮ってごめんねsweat02

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ザ・ウォーカー

The_book_of_eli

デンゼル・ワシントン主演のSFアクション。
少なくとも今よりはテクノロジーが発達しているであろう未来のその先で、一人の男がひたすら歩き続ける。
男が運ぶのは一冊の本。徒歩と本!そのアナログさに惹かれます。
まあ未来っつっても『マッドマックス』的な、人間の愚かな行為によってテクノロジーが失われてしまった方の未来ゆえだけど。

<あらすじ>

戦争により文明が失われてしまった未来。
男(デンゼル・ワシントン)は一冊の本をある場所に届けるため、30年間歩き続けていた。
あるとき男は独裁者カーネギー(ゲイリー・オールドマン)が支配する町に立ち寄り、その手下と一悶着おこしてしまう。
カーネギーは男の強さと知性を買い、自分に仕えることを望むが応じない。
カーネギーはある本を探しており、ふとしたことから男が持っている本こそが自分が探し求めている本であると確信する。

ザ・ウォーカー 公式サイト


danger以下ネタバレdanger

近い将来、紙媒体としての読み物はなくなるかもしれないと言われていたりする昨今なので(個人的にはいつまでも紙をめくっていたいけど)、本というものが存在しない時代のお話なのかと思ったら微妙に違ってました。

人肉を主食にしている人間もいる世界では生きるか死ぬかが一番で、文字を読める人はほとんどいないし、文化的知識としての本はもはや無価値ではあるものの、それ自体が消えてなくなったわけじゃない。
ただしウォーカーことイーライが持っている「ある本」は、わけあってこの世に一冊しか存在しない。という設定なんですね。

使い方によっては世界の支配者にもなれるというその本を、ゲイリー・オールドマン演じるカーネギーは探し続けている。
知らない人はまずいないであろうそのタイトルとは何か?というのが最初のナゾだったりしますが、これについては序盤に分かりやすいヒントをくれるので、すぐに察しがつきます。
うーん・・・やっぱりそれをめぐっての戦いには感情移入しにくいというか、それだと分かったとたん、一歩引いて冷めた目で観てしまいました。残念ながら。

しかしこの映画の最大の仕掛けに関してはまったくもって盲点で、最終的には気持ちのいいオドロキをじゅうぶん堪能することができました。
紫外線対策のグラサンはみんな掛けてるし、やたら鼻はきくし、ソードアクションはまるで日本のアレ・・・
振りかえれば腑に落ちることばかりですが、ぜーんぜん、気がつかなかったもんね。

ひたすら西を目指すイーライ。
いくら険しい道のりを徒歩とはいえ、30年もあればとっくに目的地に到着しそうなもんだけど・・・いったいどこをほっつき歩いてたの?というツッコミは置いといて。
30年間、毎日その本を読み歩き続けるという行為自体が、神がヒトに託した試練であり希望だったのかもしれません。

神懸かり的に強いデンゼル・ワシントンのアクションはなかなかキマってたし、ゲイリー・オールドマンの単なるワルじゃない悪役もよかった。
念願かなってようやく手に入れた本がまさか読めないなんて、ちょっと気の毒でもありました。

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アウトレイジ

Outrage

キタノ映画を熱心に追ってはいませんが、やたらめったら怒っている男たちが気になって。

<あらすじ>

関内(北村総一朗)を会長とする暴力団組織・山王会の若頭である加藤(三浦友和)は、傘下の池元組と村瀬組の接近を警戒し、組長の池元(國村隼)に村瀬組を締めるよう命じる。
しかし池元と村瀬(石橋蓮司)は兄弟分。池本は配下の大友組にそれを押しつける。
さっそく村瀬組を締め上げにかかる大友組だったが・・・

アウトレイジ 公式サイト

むかしながらの任侠とかは一切ない、キタノ流ヤクザ映画。
女は添え物ですらない、暴力の世界で遊ぶ男たちの映画です。

思わず目を背けたくなるような暴力描写は久しぶり!
カッターナイフで指を詰めようとしたり、歯医者さんのアレで口の中かきまわしたり、
菜箸で・・・以下自粛sweat02
イマドキの節操ある映画ならうまいことオブラートに包むのだろうけど、本作においてはぜーんぶそのまんま、ストレートに見せつけてくれます。
劇場内からは悲鳴も聞こえてきましたけども、あまりに突拍子もない暴力描写は時にユーモラスで、なぜか笑いがこみ上げてきたりもするのでした。

会長の盃をエサに踊らされ、小競り合いのあげく死に絶える男たちには、いったいなにやってんの?ツッコみたくなる。
ヤクザ社会のルールも建前も端から見ればバカバカしいものだし、しょせん同じことの繰り返しの戦争なんだけど、どうやら彼らはそれを楽しんでいるのでどうしようもありません。
みんな死んじゃったら札束を積む人がいなくなっちゃうよ?なんてどーでもいいことが気になったりもしましたが、後任のワルはいくらでもいるし、いちばんズル賢いヤツがちゃんと生き残るので心配ご無用。
最終的に誰が天下を穫るか、予想しながら観るのもいいかも。
へー、ヤクザってこんなことやってんだ・・・というシンプルなおもしろさは、外国のお客さんには特に興味深く観られるかもしれませんね。

若手代表から大御所まで、役者さんのキレっぷりはそりゃもう見もの。
なかでもインテリヤクザの加瀬亮さんが新鮮でよかったです。

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西遊奇伝大猿王 vol.2

よもや私の目の黒いうちに、続きを読める日が来ようとは。

Saiyukidendaienou2 寺田克也『西遊奇伝大猿王 vol.2』

1巻から12年!
世界中のファンが続刊を待ちこがれていた!!ことすら忘れていたことでしょう。
長らく絶版だった1巻もめでたく再版されたようです。

以下、1巻および2巻のネタをぼちぼちバラしております。
これから読む方はご遠慮ください。

みなさんご存知の『西遊記』を、寺田克也の圧倒的すぎる画ヂカラでもって暴力的にアレンジ。
お猿さん一行は天竺をめざす。
ありがたいお経を授かるためではなく・・・シャカの野郎をぶっ殺すために!!イェーイ!!
悟空史上もっとも凶悪な猿、河童は生首、豚は豚だけど、おっしょさまの女体はあまりにもエロい。
長さも太さもカタチも変幻自在な如意棒、まるで古代生物のような筋斗雲。
おぞましくもお茶目な魔物たち。
たいへん独創的かつバチ当たりな西遊記、それが『西遊奇伝大猿王』

お値段2000円とちとお高めですが、ひとたびページをめくれば納得の濃ゆーい内容。
カラーリングにもうっとり。
絵だけじゃなく、シンプルな語り口も冴えていて、1巻最終話で明かされる物語の構造的な仕掛けにはハッとする。
猿は永劫の時の回廊をさまよっている!囚われた猿は夢を視ている!・・・って最初から言ってるもんね。
猿は夢を視ていた。過去の夢、そして未来の夢を。
覚醒した猿は自らの運命を知る。いざゆかん、天竺へ!!・・・とゆーのが第1巻。

で、第2巻。
2巻に収録されているのは主に、平成11年に週刊ヤングジャンプ増刊・ウルトラジャンプで連載されたもの。
プラス、平成21年11月号のウルジャンに掲載された外伝も入ってます。

「出てくるやつは片っぱしからぶっ殺す」という方向で、お猿の旅は続く。
<第二武之弐界>童女とナラガの話が切ない。
さらりと描いているからこそ、彼らの物語を想像させます。
一話使い切りではないシャカの刺客、ナーガはもうひとりの悟空なのか。
沙悟浄・・・『富江』みたい(笑)
三蔵の容れ物・・・八戒にもいちおうオッパイあるし?(笑)
シャカは世界、世界はシャカ。猿は世界をブチ壊す!!

・・・てなわけで。(どんなわけだか)
てっきりわたくし、昨年の新作で物語が完結したからこそ、ようやっと2巻を出すことができたのだと思っていたんですが・・・
如意棒に出会う外伝もとってもおもしろいんですが・・・
願わくは、お猿とシャカのラストバトルをこの目で見たい!
また忘れたころに読めるといいな。

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アイアンマン2

Ironman2_2

待ってた!みんな大好きトニー・スタークheart

<あらすじ>

アイアンマンであることを公表したトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)。
しかしアイアンスーツは兵器としてあまりに強力すぎるため国際問題にもなり、軍はスーツを引き渡すようトニーに申し出るが、当然トニーは応じない。
一方、遠いロシアではある男が、トニーに対し恨みを募らせていた。
男はトニーが「自分以外には作ることができない」と自信を持って言い切るリアクターを密かに作り上げていた。
モナコでのレースにトニーが参加している最中、その男イワン(ミッキー・ローク)はリアクターを使いウィップラッシュとなり、トニーを襲う。

アイアンマン2 公式サイト

アイアンマンのなにが楽しいって、ヒーローの中の人が超天才、超お金持ちの不良オヤジであること、で、そのオヤジヒーローのノーテンキな悪ノリ、と思います。
ロバート・ダウニーJrが演じる、トニー・スタークはハマリ役。
前回のラストで我こそはアイアンマン!と宣言しちゃったので、今回はもう最初から開き直ってる(笑)
アイアンスーツなセクシーダンサーズを従え、エキスポオープニングにド派手に登場!沸きまくる観客!
そうそう、トニー・スタークはこうでなくちゃ!と思う。
プレイボーイでやることはハチャメチャ、たまに度が過ぎて美人秘書のペッパー・ポッツに叱られたりもするけど、基本的には憎めない愛されキャラなのです。

そんなトニーに対し新たな敵役として、不良オヤジとしてはど真ん中を極めるビジュアル、有無を言わせぬ存在感のミッキー・ロークを配役するなんて・・・大正解!

5 こう見えて鳥さん好きchick

敵として魅力的すぎでしょうよ。
予告でも流れてたけど、モナコ乱入シーンは燃えました。
とてもじゃないけど勝てる気しないし。

さらにちょい小物感はあるけど、2番手としていいかげんなオッサンっぽさがたまらないサム・ロックウェル。

7 記者のお姉さんもちゃんと出てる

キャスティングを考えた人、分かってらっしゃる。
不良オヤジの響宴!!祭りだワッショイ!!

オヤジ度UPに加え、スカーレット・ヨハンソン投入で美女度もUP。
不良オヤジにとびきりの美女という組み合わせ。これまた心得ているなと思います。
スカちゃんてばあいかわらず、ありえないほどのセクシーkissmark
なにあのスタイル。あれこそマンガだよ。
スカちゃんの役だけでスピンオフできそうなほど、アクションシーンもかっこよくホレボレしました。

4

また私の中の男の子が萌えたポイントとしましては、トニーんちのスーパーコンピューターが部屋全体に拡張されていたこと(ホログラムを丸めてくるくるポイッ!ってできたりするあれ。あれに触ってみたいんだよぅ)、アンアンスーツケース、シルバーボディがいかすマーク2大活躍、ドローンいっぱい・・・などなど。

残念だったのは、ローディ役がテレンス・ハワードからドン・チードルに代わっていたこと。
ドン・チードルは好きな役者さんだけど、これだけ前作のキャストが揃ってるんだから今回もテレンス・ハワードに演じてほしかったです。
なんていうか、ドン・チードルって知的で良識ある大人というイメージがどうしてもあって、いくらトニーがバカ騒ぎしたからってあんな強引なやり方でマーク2を奪ってしまうことになんだか違和感を覚えてしまったのでした。
これがテレンス・ハワードなら、なんとなくでも納得できたのかなと思う。
前作で、純粋に男の子としてスーツを着てみたそうなそぶりを見せてましたしね。

danger以下、一応ネタバレ警告danger

今回もエンドロール後にワンシーン有り。
彼はニューメキシコで「何か」を発見した。ふむふむ・・・・・・って、なにそれ???
いったい何をハッケンしたの??
あまりに気になるのでインターネットで調べてみましたところ、あれはアベンジャーズのメインキャラクターの一人、雷神ソーのハンマーなんだそーな。
前回は同時期に『ハルク』が公開されていたのでつながったけど、今回のはちょっと分かりにくかったですね。。。

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告白

Kokuhaku

湊かなえさんの小説は『告白』『贖罪』と読みましたが、どちらもイッキ読みせずにはいられないおもしろさ。
が、どちらも独白スタイルのやるせない話ってことで食傷気味にもなっちゃって、その後の新作はなんとなく手に取らないでいました。
そこへ本屋大賞にも選ばれた『告白』が、監督中島哲也で映画化のお知らせ。
中島監督のポップな映像のイメージと『告白』って、ちょっと意外な組み合わせだけど、魅力的でもある。

<あらすじ>

ある中学校の終業式の日。
1年B組の担任である森口悠子(松たか子)は、ホームルームで生徒に対し告白をはじめる。
数ヶ月前、シングルマザーの森口の一人娘である愛美が、学校のプールに落ち死亡した。
警察は事故死と判断したが、森口は「愛美はこのクラスの生徒に殺された」と言う。
森口は愛美が殺された経緯を語り、少年法で守られている犯人に復讐を宣言する。

告白 公式サイト

下妻以来、ついにきたーーー!!!これは傑作と言ってもいいのでは。
原作を読んでる人はとても多いと思いますが、これはきっと、読まずに観たほうがいい。
その方がより、この映画のセンセーショナルな衝撃を楽しむ(と言うと語弊があるかもしれませんが)ことができると思います。

danger以下ネタバレ!danger

実はすでに2回観てしまいました。
2回目は『アウトレイジ』を観るつもりでシネコンに行ったのに、気がついたら『告白』リピートしてた。
もういちど少年Aの真の絶望に、悠子先生の勝利の笑みに酔いしれたくて。

映画は、原作のスタイルをなぞりながらも無駄なく、巧みに構成されています。
原作は独白というスタイルゆえか、第一幕、二幕と語り部が代わるコンパクトな舞台劇のような印象もありまして、中島監督の手腕、相性の良さももちろんあるけど、そもそも映像向きだったのかもと思いました。

賛否まちがいなしの問題作ですが、賛の人が圧倒的に多いんじゃないかな。と思う。
なぜなら私たちは、どうしようもなく陰惨な現実の少年犯罪をいくつも知っているから。
いまやそんなニュースは珍しくもない。ああまたか、と暗い気持ちになるだけ。
でも実際に自分の周りの大切な人が、そうした事件に巻き込まれてしまったら?
悠子先生がもたらした、ほんとうの地獄。命の授業?そんな甘いもんではないでしょ。
原作にはない悠子先生の苦悩を描きつつも、原作以上に徹底した復讐劇に鳥肌が立ちました。
心の中で「やりすぎなんじゃ?」という声がほんの少し聞こえるけど、「法が彼らを裁かないなら、やってやれ!」という声の方が圧倒的に大きいのは事実。
えもえわれぬ爽快感を否定できない。

色味をおさえ、スローモーションを多用し、音楽を効果的に使ったドラマティックな映像表現は、さすが中島監督らしく凝っています。
13歳のリアルな日常を切り取りながらも、現実感がまるでなく夢の中の出来事のような・・・
それはもちろん悪夢で、おぞましいと同時にあまりにも美しく、恍惚としてしまう。
ミテクレだけじゃなく、よどみなく流れる映像の中でメインとなる3人以外の生徒のキャラクターもきちんと描いていて見事。
少年Aの前にいじめられていた子も、愛美ちゃんと遊んでくれていた子たちも、いかにも正義感溢れる優等生タイプの子も、全員もれなく邪悪な一面がある。
ほんとうにイヤなクラスです。

あとはもう、演じている人たちのすばらしさ。
悠子先生役の松たか子さんはそれはもう魂のこもった熱演で最後まで目が離せないし、木村佳乃さんのきれいな狂ったお母さんも鬼気迫るんだけど、びっくりしたのは子役たちです。
3人とも上手い!特に少年B役の子が気になりました。
フィルモグラフィを見ると、過去に『20世紀少年』でサダキヨを演じている・・・
こんな役ばっかやってて大丈夫?
少女役の子の近年稀に見る美少女っぷりにも惹き付けられました。

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パーマネント野ばら

Nobara

『女の子ものがたり』に続き、西原理恵子原作映画2本目の鑑賞。
例のごとく、原作は読んでおりません。
菅野美穂さんは『Dolls』以来8年ぶりの主演映画なんだそうで、『Dolls』のときもまービューティーでしたけども、8年経ってもあいかわらずの透明感で美しいshine
すっぴんにしか見えないもんなー

<あらすじ>

離婚し一人娘を連れて海辺の町に帰ってきたなおこ(菅野美穂)。
実家では、母・まさ子(夏木マリ)が“パーマネント野ばら”という小さな美容室を切り盛りしており、なおこも店を手伝いながら静かに暮らしていた。
店では町の女たちが男のグチを赤裸々に言い合う。
なおこの幼馴染みであるみっちゃん(小池栄子)ともちゃん(池脇千鶴)も男運は最悪。
なおこは高校教師のカシマ(江口洋介)と密かに愛を育んでいた。

パーマネント野ばら 公式サイト

danger以下ネタバレ!これから観る方はご遠慮くださいdanger

いやあ、そういうオチとは思いもよらずビックリ。
母親らしくないフワフワした少女っぽさ、みんなには内緒で付きあってるカシマとはまるで理想のカップルで、互いを想い合うとても親密な関係のようなのにどこか遠い。その違和感。
そういうことかと、すべてがすとんと腑に落ちました。
なるほどこれは菅野美穂さんハマリ役。
同時に、くわえこむだのはたきこむだの、あけすけな下ネタトーク炸裂のパンチパーマのおばちゃんたちはじめ、男運の悪い女友達や町のみんなが、どれだけ懐深くなおこを受け入れ包み込んでくれていたかが分かり、じんわりあったかい気持ちになりました。

原作を読んでないので分からないけど、短いエピソードをつないでる感じなのかな。
なおこの母、幼馴染みのみっちゃん、ともちゃん、山奥のあばら屋に住んでるおばあちゃんまで、それぞれの恋のカタチはシャレにならない悲惨な一面はありつつも、愛すべきおかしみに満ちています。
おばあちゃんですら現役だなんてアッパレすぎる。
あの草ボーボーの丘にはネコやコインだけじゃなく、町中の女たちの恋が埋まっているに違いない。

キャストは女も男もみんないいんだけど、特にみっちゃん役の小池栄子さんがすばらしかったです。
初登場シーンの衣装メイクはあまりにあんまりで衝撃でしたが(笑)すぐに野ばらさんでばっちりセットしてもらえたし。
みっちゃんのダンナは最低のヒモ。でもちゃんとみっちゃんのことを愛してた。
だからこそみっちゃんも全身全霊でダンナに恋したわけで。
それは他人がとやかく言うことじゃなく、二人にしか分からないことだけど、ムスッとしたみっちゃんの頬をつねって「なんちゅう顔や」とつぶやくシーンが切ないです。
チェーンソーで電柱切り倒しちゃうお父ちゃんも最高。

吉田大八監督の映画は『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』とか『クヒオ大佐』とか、観たいと思いつつ観てない作品ばかりで、とっとと観なきゃと思いました。

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息もできない

Breathless

各国映画祭、映画賞で25以上もの賞に輝いたという韓国インディペンデント発の話題作。
ようやっと地元でも公開されまして、『マーターズ』以来の横川シネマに駆けつけました。
横シネは少し前に『隣の家の少女』もやってて、超観たかったんだけど断念してしまった・・・
私の弱虫!!

<あらすじ>

借金の取り立てをしているサンフン(ヤン・イクチュン)は、誰彼かまわず暴力をふるう男。
母と妹を死なせた父(パク・チョンスン)を許すことができず、出所して自宅にいる父をいつも殴っては責めていた。
ある日、サンフンが道端で吐いたツバが女子高生ヨニ(キム・コッピ)の制服のネクタイについてしまう。
強面のサンフンを恐れもせずつっかかるヨニをサンフンは殴るが、それでもたじろかないヨニと奇妙な交流が始まる。

息もできない 公式サイト

またしても恐るべき韓国映画。問答無用の傑作でございます。
製作・監督・脚本・編集・主演ヤン・イクチュン。てのがまたオドロキ。

イチ観客としては、主人公サンフンを演じるヤン・イクチュンというよりも、サンフンという、暴力を誰よりも憎んでいるのに暴力をふるうことしかできない一人の男が、本当にそこに存在しているとしか思えない。
なのでサンフンが監督脚本その他までこなしているという事実に、観た直後かるく混乱してしまいました。のめり込みすぎだっつの。
とにかくそれくらい主人公サンフン、そして映画そのものに魂が宿っているということです。
なんでもイクチュンさん自身、家族との間に問題があって、それを吐き出すことで自らを救済するべく、やむにやまれぬ思いで書き上げた脚本なんだそうで。
物語として脚色している部分はあっても、これはイクチュンさん自身の極めて個人的な作品。
こういう映画は、映画だからとサラリと受け流せないし、かと言ってガッツリ受け止める器も持ち合わせてはおらず・・・いつまでも悶々と考え込んでしまいます。
悪態をつく、男を殴る、女も殴る。最低のチンピラなのに憎めない。
荒々しい感情をぶちまけながらも必死で生きる男サンフンの残像が、心から離れません。

danger以下ネタバレ!danger

観ているうち、女子高生ヨニも、その弟ヨンジェも、サンフンの甥ヒョンインも、それからサンフンのお父さん、ヨニのお父さんも、みんなサンフンの分身に思えてくる。
どん底の暮らしの中で、暴力に振り回されている人々。
サンフンが「なんでだ!」と叫びながらある人物をボコボコに殴るシーンがありますが、ほんとうにもう、なんで?どうして?と叫びたくなります。

家族というしがらみはサンフンを苦しめるけれど、ギリギリのところにいるサンフンを支えたのもまたある意味家族だったり、人とのつながりだったりする。
仏頂面のサンフンが、ヨニの前でだけ見せた笑顔と涙は、まるで奇跡。
そしてようやく人生をやり直す選択をしようとした矢先の悲劇。

親しい人たちは悲しみを乗り越え、それこそサンフンが夢見たような温かい絆で結ばれた。
と、悲劇のあとの救いを描きつつもそこでは終わらず、最後の最後に、暴力の連鎖が終わっていないことを示すシーンを持ってくるところがまた憎いです。
暴力をふるう弟の姿に、かつてのサンフンを見るヨニ。
彼らのこれからを思わずにはいられないラストでした。

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セックス・アンド・ザ・シティ2

Sexandthecity2

またまた4人が帰ってきたーーー!!!
キャリー、サマンサ、ミランダ、シャーロットheart4人が大好きー!!出遅れたけどー

<あらすじ>

キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)とビッグ(クリス・ノース)の結婚も2年目。
しかしロマンティックな関係であり続けたいキャリーの気持ちとは反対に、家ではテレビばかり見るビッグにキャリーは不満をぶつける。
さらにキャリーが以前住んでいたアパートで、週に二日どちらかが過ごすことを提案されキャリーは傷つく。
サマンサ(キム・キャトラル)は元彼スミス出演映画のプロデューサーから、中東アブダビ旅行に招待され、4人で行くことになる。
なにもかもゴージャスな旅に興奮する4人だったが・・・

セックス・アンド・ザ・シティ2 公式サイト

待ちに待った劇場版パート2shine ようやっと観てきました。
前回の感想はこちら → セックス・アンド・ザ・シティ

2年前の感想、われながら興奮しとるsweat02
前回はキャリーとビッグの結婚という一大イベントがあったから盛り上がったんだよね。
今回はアブダビ旅行が派手ではあるけど、なにか大きな事件が起きるわけでもないので、ぶっちゃけ前回ほどの盛り上がりはありません。
しいていえばサマンサの更年期?
でも4人にまたスクリーンで会えるってだけで超ハッピーheartなんだもん。
とーーーっても、楽しかったです♪

スタンフォードとアンソニーのゴージャスウェディングから景気よくスタート♡
男装のキャリー、すてきすてき!ハイヒールと黒ティアラ!crown
ここでビックリゲストのライザ・ミネリがビヨンセを歌って踊る!ひぇー
ミランダいわく「ゲイパワーが高まるとライザ・ミネリが生まれる」のだそうです。
ゲイウェディング、おそるべしcoldsweats02

2年前にそれぞれ最高のクライマックスを迎えた4人だけど、2年も経てば新たな問題が発生する。
ミランダは仕事。シャーロットは子育て(およびノーブラナニー問題)。サマンサは更年期。

で、キャリーの倦怠期問題。
ダンナ様が家でテレビばかり見るのはそりゃロマンチックじゃないですが、一般庶民としてはいーじゃんそれくらい・・・と思ってしまいましたです。
キャリーも妻になったならたまにはお料理したほうが・・・外食とデリバリーばっかじゃ、そりゃ飽きますぜ。
まー理想の結婚生活は人それぞれ、特にキャリーのそれを指摘するのはお門違いではありますが。
以前はあれほど憎たらしかったビッグが、今回はちょっと気の毒に思えた。
でも結婚生活週休二日を相手から言われるのは、それ自体が悪いこととはけして思わないけどやっぱりショックだなぁ。

サマンサは元彼スミス主演映画のプロデューサーから、アブダビ旅行に招待される。
もちろん4人で旅立つわけですが、ヒコーキからなにからとにかくすべてがありえないほどのゴージャス!
大はしゃぎの4人。あれ?こういうオバチャングループ観光地で見たことあるような・・・とか言っちゃだめーー!!
4人と一緒に旅行してる気分♪
さらにありえないことに、キャリーはアブダビで元彼エイダンに偶然再会する。

いやあ、あんなエキゾチックな場所で元彼に会っちゃったら、それが婚約までしたエイダンなら、そりゃトキめいちゃってもしょうがないと思います。
でも・・・キスしたことをいちいち報告せんでいいから!!んもーdash
ビッグがオトナでよかったね。

4人がカラオケするシーンや、市場でついにサマンサがやらかしちゃって現地の女性たちがかくまってくれるシーンには心がじんわりしたshine
そうそう、私たちはいつもこんな風に、4人に元気をもらってるんだよね・・・と思いましたconfident
あとシャーロットとミランダが子育てのグチをぶっちゃけるシーンもよかった。
なんとなくこの二人のこういうのってあんまり見たことなかったような。
女が4人もいるといろんな組み合わせがあって、どんな状況にも対応できてしまうのだ。
特に彼女たちは最強!!

今回も字幕で観てしまったので、2回目は大好きな日本語吹き替えで観たいと思いますheart

5

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ルドandクルシ

Rudoandcursi

アルフォンソ・キュアロン、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロのスリーアミーゴスが立ち上げた映画会社“CHA CHA CHA FILMS”の第1回作品。
監督はアルフォンソ・キュアロンの弟カルロス・キュアロンで、主演は『天国の口、終わりの楽園』のディエゴ・ルナとガエル・ガルシア・ベルナル。カタカナいっぱい。
ギレルモファンでひそかにガエルくんファンでもあるので外せない。

<あらすじ>

メキシコの田舎のバナナ農場で働く兄弟ベト(ディエゴ・ルナ)とタト(ガエル・ガルシア・ベルナル)。
草サッカーではゴールキーパーとストライカーで活躍する二人。
ある日スカウトマン・パトゥータ(ギレルモ・フランセーヤ)の目に止まりメキシコシティでタトだけプロチームのテストを受けることになる。
タトは合格し、やがてタトの口添えでベトもテストを受けることに。
プロの選手として二人は頭角をあらわすが、やがてギャンブルと女にはまり転落していく。

ルドandクルシ 公式サイト

人生をサッカーになぞらえて語る一風変わったコメディで、サッカー率かなり高いけど『ゴール!』みたいなサッカー映画ではないのね。
ディエゴ・ルナ演じる“ルド(タフな乱暴者)”ことベトと、ガエルくん演じる“クルシ(軟弱な自惚れ屋)”ことタトは、バカ兄弟ながらサッカーの才能があり、草サッカーでスカウトされプロデビューしますが、ここぞというキメのプレイはけして映しません。
ディエゴもガエルくんもほんとのサッカー選手じゃないんだから、説得力あるプレイを見せるのはムリ、という割り切りは正解と思います。

サッカーには疎いし、この映画はあくまでコメディみたいなので、ここで描かれているメキシコサッカー事情がどれくらいホントなのか分からないけど、草サッカーからサッカーセレブへとのし上がっていくトントン拍子っぷりは、笑ってばかりいられない凄まじいものがあります。
ファンが「いいプレイをしなかったら殺す」とタトを脅しながらサインを求めるシーンはまだ笑えるものの、サッカー賭博の八百長に加担したあげくのベトの顛末には、コロンビアの選手がアメリカ大会でオウンゴールして射殺されたという実際の事件を思い出しました。
ラテン系の軽いノリに彩られてはいるけど、なんにも考えてなさすぎる兄弟があれよあれよという間に裏社会に絡めとられ転落していくさまは悲惨。
ギャンブルと麻薬と女。あげくネズミ講まで。キミたち、甘い罠にひっかかりすぎ!
スカウトマンは神か悪魔か。どっちかってーと悪魔でしょう。

で、いろいろあっても兄弟は兄弟で変わらず。少しは懲りたんかいな。
ガエルくんのダサい歌もおもしろかったです。

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ブルーノ

Bruno

もう何週間も前のやつなんですが・・・
劇場公開時に観なかった『ボラット 栄光なる国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』を先日ようやくDVDで観まして、とってもおもしろかったので『ブルーノ』は絶対観る!と張り切って劇場へ。

<あらすじ>

オーストリア人のゲイで、ファッションレポーターのブルーノ(サシャ・バロン・コーエン)。
ある日ミラノコレクションでショーをめちゃくちゃにし、ブラックリストに載ってしまう。
ブルーノはセレブになって見返すべくアメリカ・ハリウッドへ。
有名人とスキャンダル、養子をもらう、中東で和平を成立させる・・・ブルーノなりに考えたセレブになる方法を実践するも、周囲を怒らすばかりでどれも失敗。
果たしてブルーノはセレブになれるのか。

ブルーノ 公式サイト

いやあ、これは前作に輪をかけてヒドイ。そしてスゴイ。
悪ふざけもここまで徹底してればアッパレ!

撮影は『ボラット』と同じドッキリ方式。
サシャ・バロン・コーエンはイギリスのコメディアンで、前作ではカザフスタン人のテレビリポーターのキャラクター“ボラット”でアメリカ人の差別意識や偽善を浮き彫りにしましたが、今回はオーストリア人のゲイのキャラ“ブルーノ”でアメリカに留まらずワールドワイドにケンカをふっかけています。
ますます過激に、命の危険に関わるところへも踏み込んでいるのが凄すぎる。
中東方面、ハンティング、軍隊あたりは、ほんとうにハラハラしました。
前作でサシャ・バロン・コーエンは世界的にかなり有名になったんじゃないかと思うのに、まだ騙される人がいるんですねぇ。
いくら違うキャラとはいえ、あの特徴的な体格と顔立ち、気付きそうなもんだけど。
知らない人は知らないか。
サシャバロン以外の仕掛人を雇っている部分も前作同様あるのかな。
どこまでがオールドッキリなのか気になります。
スワッピングパーティーの爆乳女王様は役者さんであってほしい。怖すぎるもん。

とにかく凄まじい下ネタオンパレードなのですが、占いのシーンのサシャバロンは特に酷く、さすがに占い師の人が気の毒になりました。
よくぞあれを黙って見ていられる。
ブルーノをあくまでお客さんとして尊重しているのなら立派です。

でもそんなブルーノよりもっとヒドイと思ったのが、赤ちゃんの撮影のオーディションで合格するためならなんでもOKする親たち。
あれってマジ!?マジなんでしょうねぇ・・・狂ってるわsweat02

映画としては『ボラット』の方が好き。
でもこれはサシャ・バロン・コーエンにしかできないチャレンジなので、今後も続けてほしい。
いつか本当にヤバイことにならないか心配ではありますが。

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フォロー・ミー(午前十時の映画祭)

Followme

初めて観る映画です。前知識まったくナシ。
シリアスな恋愛もの?と思ってたら、コメディタッチのキュートなラブストーリーでした。
不思議ちゃんヒロイン・ベリンダを演じる、やせっぽちの少女のようなミア・ファローがとっても魅力的で、白いレインコートがトレードマークの私立探偵クリストフォルー(トポル)との付かず離れずのロンドンデートはめちゃ楽しい。
ホラー映画ばかり観るベリンダに親近感なのですcatface

で、終盤になってようやく気がついたのですが、クリストフォルーはいわゆる守護天使的な存在だったのね。
羽根は生えてないけど全身白ファッションだし、これは『ベルリン天使の詩』や『天使がくれた時間』的な映画・・・ですよね?

会計士チャールズ(マイケル・ジェイストン)とベリンダの出会いは、正反対な二人だからこそロマンチックで特別なものだった。
ベリンダのキュートな発想に魅了されるチャールズ。
チャールズはベリンダの知らない世界をたくさん知っている。与えあえる二人。
でも結婚したとたんなぜか恋人同士ではなくなってしまい、心は離れてしまう。
朝から晩まで出かけたっきり帰ってこない妻の浮気を疑い、私立探偵に調査を依頼する夫。
やがて妻は自分についてくる妙ちくりんな男=私立探偵クリストフォルーのことが気になりはじめ・・・

ベリンダとクリストフォルーがあまりにいい感じなので、もうこのまま堅物チャールズとは別れてクリストフォルーとくっついちゃえばいいじゃん!とつい思ってしまうのですが、そういう話じゃなかった。
結婚には、良いときもあれば悪いときもある。
でも想う気持ちがまだあるなら、ちゃんと相手と向き合うべきなのです。
そうすればまた始められる。ということを、守護天使は教えてくれたのでした。

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月に囚われた男

Moon

監督ダンカン・ジョーンズはデヴィッド・ボウイの息子で、長編映画デビューにして英国アカデミー新人監督賞ほか多くの賞を受賞したんだとか。
ムーンベースでひとりぼっちの男はサム・ロックウェル。
コンピューターの中の人はケヴィン・スペイシー。というだけでそりゃもう惹かれる。

<あらすじ>

近未来。地球のエネルギーは枯渇したが、月に新たなエネルギーが存在することが分かり、ルナ産業は採掘のため一人の男を月に派遣した。
サム・ベル(サム・ロックウェル)とルナ産業の契約は3年。
リアルタイムで地球と交信する機能は故障しており、話し相手はAIを搭載したコンピューター・ガーディ(ケヴィン・スペイシー)のみの孤独な日々だった。
契約終了まで2週間となったある日、サムは作業中に幻覚を見て事故を起こしてしまう。
目覚めると基地内の診療室だった。事故のことは覚えていない。
サムは事故があった採掘ポイントに行き、作業車の中で自分とそっくりの男を見つける。

月に囚われた男 公式サイト

danger以下ネタバレ!これから観る方はご遠慮くださいdanger

手塚治虫のマンガで読んだような話。
いかにも未来的な洗練されたビジュアルじゃなく、どこか懐かしさを感じる敢えて無骨なデザインの月面基地や、『2001年宇宙の旅』のハル的存在であるガーディなど、好きな人にはきっとたまらないセンス。
舞台が月ってのがまたありそでない感じで新鮮です。

サム・ロックウェルありきで書かれた脚本だけあって、サム演じるサムはハマリ役。
元のサムの記憶を移植されているとはいえ彼らは3年が寿命のクローンであり、妻と娘を愛する大人の男であると同時に、この世に生まれたばかりであるがゆえの赤ん坊のような無垢な心も持っている。
最初のサムより後のサムの方が怒りっぽくて乱暴なのは、個体差もあるけど単に生まれたてだからではと思います。
二人のケンカはまるで子供のケンカだし。
いいかげんなオッサンぽくも少年ぽくもあるキャラクターはサム・ロックウェルにぴったりで、一人芝居ならぬ二人芝居は見応え満点。
クローンに出会ってしまう、もしかしたら自分もクローンかも・・・それは自分という存在を根底から覆す恐ろしい真実だけど、過剰に苦悩したりはせず、やがて同じ記憶を持っているからこその不思議な友情が芽生える。

おもしろかったしこういうの好きなんだけど、ちょっと話の展開が予想通りすぎる気もしました。
ガーディが本当にAIらしい良心を持った相棒だったこととか、サムの計画が本当に成功しちゃったりとか、意外といえば意外でしたけども。もっとイジワルな結末を想像してただけに。
そういえば最初のサムが見た幻覚は誰だったのか。
あとから思えば成長した娘にも見えたけど、単なるバグってことで内容はどうでもいいんでしょうか。

『銀河ヒッチハイクガイド』や『サンシャイン2057』など、イギリス産のSF映画にはシュールで味わい深いものが多いです。

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レギオン

Legion

あちらのサイトで予告をチラ見したときから、うっすら気になってた映画。
DVDスルーかもと思ってたら、地味~にシネコンで上映されてるし。

<あらすじ>

ボブ(デニス・クエイド)とその息子ジープ(ルーカス・ブラック)が経営する、砂漠の真ん中の寂れたダイナー。
にこやかな老婆がやってきてステーキを注文するが、突然人間とは思えない動きで暴れだし、店内の人間を襲う。
客としてたまたまそこにいたカイル(タイリース・ギブソン)が持っていた銃で老婆を殺し、負傷したハワード(ジョン・テニー)を病院へ運ぶため連れ出すが、店の外にはハエの大群が迫っており移動することはできなかった。
そこへ一台のパトカーがやってくる。警察がやってきたことに安心するダイナーの人々。
しかし乗っていたのは、大量の銃器を持った謎の男。
彼は大天使ミカエル(ポール・ペダニー)で、神が人間を滅ぼすのに遣わした天使軍団レギオンと戦うため地上へ降りてきたのだった。
ミカエルは、ダイナーのウエイトレス・チャーリー(エイドリアンヌ・パリッキ)のお腹の子こそ人類の希望となる救世主であることを告げ、チャーリーを守るためダイナーに立てこもりレギオンに立ち向かう。

レギオン 公式サイト

意外なひろいもんであってくれることを期待しつつの観賞でしたが・・・
基本的にはこういうB級感好きなんだけど、あまりに多くあるツッコミポイントやおバカエピソードのすべてに目をつぶってしまえない何かがある(笑)そんな映画です。

ある日、神はとうとう愚かな人間に愛想を尽かし、天罰を下すため天使軍団レギオンを地上に送り込む。
しかし大天使ミカエルだけは神の命令に背き、自ら天使の羽根を切り落とし人間側につく。
天使軍団VSチームミカエル、人類の存続をかけたガチンコバトル!!

・・・という、非常にスケールの大きなお話なのですが、決戦の舞台はなぜか砂漠のダイナーでこじんまり。
天使軍団は天使のままで人間を攻撃した方が効率よさそうなのに、なぜかいちいち人間に乗り移りゾンビ化してちまちまとダイナーを襲う。
てゆーか神様、いつぞやのように洪水起こした方が手っ取り早いでしょうよ。
ミカエルも翼を切り落としちゃったとはいえ、ふつーに銃で応戦するばかり。
ダイナーの人たちは、おバカ発言やマヌケな行動がやたら目につく。
歯を見せろ!とか、居眠りしちゃったりとかさぁ。あ、主にデニス・クエイドか。

エクソシストばーちゃん登場シーンまではカンペキだったと思うので、全編そのイキオイでいっちゃってくれてればB級おバカホラーの傑作になったかもしれないけど、微妙~なマジメっぽさが中途半端な印象を残します。

人間の弱い部分をついてくる天使のやり口がまるで悪魔のようだったり、生まれてしまった救世主にはなんにもできなくなっちゃうゾンビな天使さんたちの様子がちょっとおもしろかったり、いいところがいっぱいあるだけにもったいない。
剛鉄の翼、トゲトゲ付き棍棒で攻撃してくる武闘派ガブリエル(ケヴィン・デュランド)もなかなかの迫力でかっこよかったし。
憂いを帯びた表情がまたよくて。

妻の反対にあいながらもなぜか砂漠のど真ん中のダイナーを買ったボブ、チャーリーを守らなければいけないという強い衝動にかられるジープは、その想いのワケを説明することはできないけれど予知夢的な悪夢を見ていたようだし、客のBMWを修理するよりベビーベッドを優先させてしまったりとか、まるで赤ん坊を守るという運命に導かれて行動している風なんですよね、分かりづらいけど。
彼らがその日その時、ダイナーにいたことは偶然のようで実は運命だった、という設定をもっとうまく強調すれば、よりおもしろいお話になったかもしれないと思います。

ちょっと嬉しかったのは、ギレルモ・デル・トロ作品でお馴染みのスーツアクター、ダグ・ジョーンズがアイスクリームマンの役で珍しく顔出しで出演していたこと。
ただでさえながーい手足が登場するなりニョキニョキ伸びるやいなや、あっというまに退場しちゃったけどね。

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蘇りの血

Yomigaeri

『フローズンリバー』『ルド&クルシ』二本立てのはずが、上映時間に遅れてしまい急遽ノーマークだったこちらに変更。
豊田利晃監督の映画は初めて。異色時代劇?前情報ほぼゼロで観てきました。

<あらすじ>

按摩師オグリ(中村達也)は、重い病を患う大王(渋川清彦)に呼ばれやってきた。
大王はオグリの治療を気に入り仕えるよう命じるが、応じないオグリに腹を立て毒殺してしまう。
あの世に行ったオグリは門番(板尾創路)に現世に戻ることを申し出て蘇生したものの、身体を自由に動かすことができない状態だった。
大王のもとから逃げてきたテルテ姫(草刈麻有)は偶然オグリを見つけ、彼を蘇生の湯へ運ぼうとする。

蘇りの血 公式サイト

なんじゃこりゃあ。ヘーンな映画sweat02
豊田監督の他の映画を観たことがないので比べられないけど、正真正銘、異色作なのではないでしょうか。
マジメなのかフザけてるのか・・・
二か所ほど声出して笑っちゃったシーンがありまして、板尾創路演じるあの世の番人のシーンと、オグリと大王の生首が煮え滾る薬湯?の中で闘ったあげくしゃれこうべになっちゃうシーン。
とくに板尾さんのシーンは素晴らしく、『マインドゲーム』の神様を思い出しました。

あとはねぇ・・・うーん。。。
いつの時代、どこの国ともしれぬ(まあ日本でしょうが)設定が、前衛的な舞台劇のようでおもしろいし、パワフルな音楽もカッコイイんだけど、映画としておもしろかったかというと・・・ぶっちゃけ微妙です。
オグリを延々ひっぱって運ぶシーンとか、蘇りの湯にオグリが浸かるシーンとか、復活したあとの雄叫びとか・・・長すぎると思うしsweat02
お話はあってないようなもので、まるでミュージックビデオみたいな雰囲気。

主人公オグリ、草刈正雄の娘さんである草刈麻有ちゃん演じるテルテ姫、それから新井浩文さんのインチキ薬売り?もよかったけど、強烈だったのは大王様。
できればお近付きになりたくないめちゃヤなヤツで、人としての心が完全に欠けてる感じが絶妙。
お魚をぶった切るシーンとか異様な迫力で超コワイんだけど、大王と言いつつそこらのチンピラのようでもあり、家来にも恐れられてるんだかバカにされてるんだか・・・そこはかとなく間抜けなのが笑える。
大王様はまちがいなく地獄行きだろなー
板尾さんとどんなやりとりしたのか気になります。

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