西遊奇伝大猿王 vol.2
よもや私の目の黒いうちに、続きを読める日が来ようとは。
1巻から12年!
世界中のファンが続刊を待ちこがれていた!!ことすら忘れていたことでしょう。
長らく絶版だった1巻もめでたく再版されたようです。
以下、1巻および2巻のネタをぼちぼちバラしております。
これから読む方はご遠慮ください。
みなさんご存知の『西遊記』を、寺田克也の圧倒的すぎる画ヂカラでもって暴力的にアレンジ。
お猿さん一行は天竺をめざす。
ありがたいお経を授かるためではなく・・・シャカの野郎をぶっ殺すために!!イェーイ!!
悟空史上もっとも凶悪な猿、河童は生首、豚は豚だけど、おっしょさまの女体はあまりにもエロい。
長さも太さもカタチも変幻自在な如意棒、まるで古代生物のような筋斗雲。
おぞましくもお茶目な魔物たち。
たいへん独創的かつバチ当たりな西遊記、それが『西遊奇伝大猿王』
お値段2000円とちとお高めですが、ひとたびページをめくれば納得の濃ゆーい内容。
カラーリングにもうっとり。
絵だけじゃなく、シンプルな語り口も冴えていて、1巻最終話で明かされる物語の構造的な仕掛けにはハッとする。
猿は永劫の時の回廊をさまよっている!囚われた猿は夢を視ている!・・・って最初から言ってるもんね。
猿は夢を視ていた。過去の夢、そして未来の夢を。
覚醒した猿は自らの運命を知る。いざゆかん、天竺へ!!・・・とゆーのが第1巻。
で、第2巻。
2巻に収録されているのは主に、平成11年に週刊ヤングジャンプ増刊・ウルトラジャンプで連載されたもの。
プラス、平成21年11月号のウルジャンに掲載された外伝も入ってます。
「出てくるやつは片っぱしからぶっ殺す」という方向で、お猿の旅は続く。
<第二武之弐界>童女とナラガの話が切ない。
さらりと描いているからこそ、彼らの物語を想像させます。
一話使い切りではないシャカの刺客、ナーガはもうひとりの悟空なのか。
沙悟浄・・・『富江』みたい(笑)
三蔵の容れ物・・・八戒にもいちおうオッパイあるし?(笑)
シャカは世界、世界はシャカ。猿は世界をブチ壊す!!
・・・てなわけで。(どんなわけだか)
てっきりわたくし、昨年の新作で物語が完結したからこそ、ようやっと2巻を出すことができたのだと思っていたんですが・・・
如意棒に出会う外伝もとってもおもしろいんですが・・・
願わくは、お猿とシャカのラストバトルをこの目で見たい!
また忘れたころに読めるといいな。
| 固定リンク
「マンガ」カテゴリの記事
- 2011年に出会ったマンガ(2012.01.07)
- マザー・コスモス(2011.06.07)
- シドニアの騎士 4巻と5巻(2011.06.02)
- 2010年に出会ったマンガ(2011.01.06)
- シドニアの騎士3巻(2010.07.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こちらにも。そう、この漫画どこへ行っても一巻しか見当たらず、「きっとわたしの知らないどこかに二巻・三巻が存在してるんだろうなー」なんて思っていました。そのうち一巻さえも見なくなり
でも、いまようやく疑問が解けました。ずっと一巻しか存在していなかったのね! そしてまだ完結していないのでしょうか!?
まあそれはともかく、本にせよ漫画にせよ「未完のまま消えてしまうのか・・・」と思っていた作品が、忘れたころに続きが出るのはなんとも嬉しいものですよね
投稿: SGA屋伍一 | 2010年6月29日 (火) 21時00分
SGA屋伍一様
こちらにもありがとうござります。
そうでしょう?なかったでしょう〜1巻しか
完結しているのかどうか・・・ですが、ふつうに考えたら完結していないと思われるのですが、
外伝のラストのコマに「続かない」みたいなことが書いてあったりもするので
これで終わりなのかも。
まあそれでもいいです、こうして12年ぶりに2巻が出ただけでも嬉しいし。
基本的には寺田克也さんの絵を眺めて楽しむマンガだとも思うし。
機会があったら読んでみてくだせい。
そういえば、いつまでたってもこっちに来ないと思ってた『渇き』が
いつのまにかシネコンで上映されていたので、今日観に行こうと思います。
投稿: kenko | 2010年6月30日 (水) 12時15分