エアベンダー
シャマラニアン(シャマラニスト?)ってほどじゃないけど、『シックスセンス』以降劇場鑑賞は欠かしてないですし、一般的に評価の低いシャマラン映画ものきなみ気に入っているので、まあ好きなほうかと思います。
シャマランと言えばドンデン返し、オバケや宇宙人、それからマンガやゲームなものへの愛。
リアルな世界とファンタジックな世界との混じり具合が奇妙に味わい深く、その独特の作風がクセになっちゃうわけだけど、今回はそのものずばり、どストレートにファンタジー。
シャマランめ・・・ついに本性あらわしたな!というのが、初めて予告を観たときの感想。
あとで知りましたが子供向けアニメの映画化なのね。
オリジナルでやってきたシャマランが原作付きってのも意外ですね。
<あらすじ>
気、水、土、火、世界には4つのエレメントが存在し、それぞれの国があった。
エレメントを操る不思議な力を持つ者をベンダーといい、また4つすべてのエレメントを操る者をアバターという。
アバターは世界に調和をもたらす存在であり、気の国で生まれたアバターが姿を消して100年、世界で争いが絶えることはなかった。
水の国のベンダー、カタラ(ニコラ・ペルツ)とカタラの兄サカ(ジャクソン・ラスボーン)はある日、氷の中に閉じ込められていた少年を見つける。
少年の名はアン(ノア・リンガー)。彼こそは、100年間行方不明だったアバターだった。
表面的にはこれまでの映画とは毛色が違うように見えても、シャマランはどうしたってシャマラン。
今回もやっぱり評価は低そうですが、凡庸になりがちなファンタジーバトルというジャンルにおいてもシャマラン節は健在で、ちゃんとヘンな映画になっていて、やっぱり気に入ってしまいました。
もとのアニメってこんなの。
キャラクターのビジュアルなど、そこそこ忠実に再現している風ではありますね。
さまざまな文化がミックスした世界は、結果としてこれまで見たこともない世界になっていて新鮮。
といってもアジアンテイストが主で、ベンダーがエレメントを操るアクションだけ見てるとカンフー?太極拳?少林寺?って感じ。
精霊の存在を無視して世界を支配しようとするいちおう悪役、火の国の人々はインド系で、シャマランならではの顔ぶれだったりしつつ、食べてるゴハンは日本食っぽかったり。
日本といえば土の国がジャパン風味で、エレメントのVFXも絵的にいちばんおもしろい。
ILMが手掛けたというVFXはさすが一級品。
4つのエレメントを操ることのできるベンダーは世界にひとりしか存在しない。
その者を人はアバターと呼ぶ。またしてもアバター。
青くはないですが、クリリンぽいです。
4つのエレメントを操ることができるのに、なぜ “エア” ベンダーなの?という素朴な疑問。
それは彼が気の国で生まれたから。
アバターは気、水、土、火の順で、輪廻転生を繰り返す。
つまり前回はファイアベンダーだったということ。
もしもクリリン・・・アンが死んでしまったら、次回は水の国でアバターが生まれる。
100年間アバターが行方不明だったのは、アバターとしての重責に子供であるアンが耐えられず、修行から逃げ出し、事故で氷の中に閉じ込められていたから。
アンは4つのエレメントを操るという特性を潜在的に持ってはいるものの、修行を途中でほっぽり出したため、まだ気のエレメントしか操ることができない。
アバターとして世界の調和を取り戻すために、アンはまず水の国へ行き、水のエレメントを操る修行をする。
なるほど、二作目は土、三作目は火と順にマスターしていくという三部作なわけね。
土はたのしみ。火は無から生み出すことのできるあの人か、スラムドッグのあの人に教わるんだろな。
アン役のノア・リンガーがいい。
ぷっくりほっぺは子供らしくてかわいいんだけど、どこかオッサンぽくもある個性的な顔立ち。
アクションはケレン味たっぷりでキマってる。
強い子供が大人を蹴散らすというのはやっぱり快感で、頭頂部の刺青と瞳が白く光るいかにもマンガ的な表現もなんだかカッコよかったです。
アバターは家族を持ってはいけない・・・それが具体的にどういうことなのかは、最後の最後ではっきりする。
大いなる力を持つものは孤独。人々と同じ立場でいることはできないのだ。
アバターとして生き、世界を救うことを決心したアンの、哀しみをたたえつつも力強い表情が印象的。
アクションシーンがときどき間抜けに見えたりとか、ツッコミどころは随所にありますが、シャマランらしいユーモアも含めいろいろ込みでたのしめました。
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