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トイレット

Toilet

『かもめ食堂』にハマって、荻上直子監督の『バーバー吉野』『恋は五・七・五!』などDVDで観て、『めがね』は劇場で観て・・・待ちに待ってた新作です。
かもめはオールフィンランドロケだったけれど、トイレットはオールカナダロケ。(舞台はアメリカ)
セリフはすべて英語ですが、れっきとした日本映画であり、やっぱり美味しそうなゴハン、そしてエアギターなのであります。

<あらすじ>

ロボットプラモオタクのレイ(アレックス・ハウス)は、母が死にアパートは火事で焼け、引きこもりの兄モーリー(デイビッド・レンドル)と勝ち気な妹リサ(タチアナ・マズラニー)、それから母が死ぬ前に呼び寄せた日本人の祖母(もたいまさこ)と一緒に暮らさなくてはならなくなった。
バーチャンが毎朝、トイレから出てくるたび溜め息をつくことが気になってしかたないレイ。
モーリーやリサに振り回されて腹を立てるレイだが、バーチャンの不思議な優しさにだんだんと心を開いていく。

トイレット 公式サイト

兄モーリーは引きこもり、次男レイはロボットプラモオタク、勝ち気な妹リサはいつもどこか他人をバカにしている。
それぞれに問題を抱えるガイジン三兄妹。そして彼らの“バーチャン”はなぜか、もたいまさこ。
というキテレツな設定だけでもう、たのしすぎます。

家族というにはあまりに違和感のあるメンツだし、兄妹はバーチャンの故郷である日本とはこれまで無縁の生活を送ってきたのでしょうが、それでも日本的なものは確かに、ママから息子たちへと受け継がれている。
レイはどうやら日本アニメオタクだし、リサはお寿司のイクラが好き。
端切れをつなげた綾取りだってきっと、ママから教えてもらったのでしょう。
なにより彼らは、祖母のことをグランマではなくバーチャンと呼ぶ。
彼らがカタコトな日本語で、もたいさんのことを「バーチャン」と呼ぶだけで、なーんか楽しくなっちゃうんだよね。
荻上監督の映画に出てくる、どこか日本人的性質を持った外国人キャラって不思議な魅力。

ママが死ぬ前に日本から呼び寄せたバーチャン。
英語は通じないし、毎朝トイレから出るたび長い溜め息をつくし・・・とっても謎めいた存在。
『かもめ食堂』でも『めがね』でも、荻上映画におけるもたいさんはいつだって謎めいているけれど、バーチャンはとびっきり。
これまでのキャラとじゃっかん違うのは、『かもめ』や『めがね』のもたいさんの役は登場したときから既に完成され悟ったような人物だったけど、何十年も前に生き別れ、ようやく再会した娘を失ったバーチャンは深い悲しみの底にいて、孫に対しても最初は心を閉じている。
けれど前に進もうとしているモーリーの姿を見て、おそらくバーチャンも「自分も変わらねば」と思ったんじゃないかな。
だからひとりでセンセーのエサを買いに行き、ついでにギョーザの材料も買ってきた。
バス停ではおともだちもできたりして。
バーチャンが孫たちに対し一方的に何か与えるのではなく、お互いの存在が少しずつ影響しあい、やがてほんとの家族になっていく。
その過程がなんとも心地良く、ときにおかしく、ほっこりするのです。
なぜスカートを履くのか、なぜタバコを吸うのか、余計な説明をしないところもいい。
バーチャンの溜め息のナゾも・・・解けたのか解けなかったのかどちらともとれるんだけど、きっとバーチャンはレイのバーチャン孝行を喜んでくれたと思うな。
オチには絶句・・・でしたけども(笑)

それから忘れちゃいけないネコのセンセー。
『動物のお医者さん』で、外国人夫婦が飼い犬に「小さくてかわいい」という意味で「スコシ」と名付けてたネーミングセンスと似てますかね。
センセーかわゆし!
死ぬ前に飼い猫の匂いをかぎたい・・・その気持ち、めっちゃくちゃよく分かります。
それだけでもう、この映画好きshineと思ったわたしです。

Sense

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