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トロン:レガシー

Tron_legacy

1982年の『トロン』は、未見どころか存在すら知らなかった映画なのだけど、その続編である本作の予告編には強烈に惹かれるものがあり、公開されるのをひそかに楽しみにしておりました。
もーこれ、めっちゃ好きcatface
ひさびさに、私の中に歴然とある男の子のツボにがっつりハマった。

<あらすじ>

エンコム社のCEOとなったケヴィン・フリン(ジェフ・ブリッジス)が謎の失踪をとげてから20年。
ケヴィンの息子サム(ギャレット・ヘドランド)はある日、ケヴィンの親友で父親代わりでもあったアラン(ブルース・ボックスライトナー)から、20年間鳴らなかったポケベルにケヴィンの店フリンズの番号でメッセージが届いたことを知らされる。
サムはフリンズの地下で秘密の部屋を見つけ、そこにあったコンピューターを操作し、父が創り上げたゲームの世界へ迷い込む。

トロン:レガシー 公式サイト

『トロン:レガシー』の前に、世界で初めてコンピューターグラフィックスを全面的に取り入れたエポックメイキングな作品だという、ディズニー製SFムービー『トロン』を予習。
二次元のシンプルなピコピコビデオゲームの時代に、プログラムを擬人化した世界を描くという斬新すぎるアイデアにまず驚く。
黒ベースにブルー、オレンジ、グリーンなどのネオンカラーで構成された画面はシュールで、そこはかとなくキュートで、ヨーロッパのアートなアニメーションみたい。
実写と見紛うCG映像に慣れっこの私たちからすれば、そりゃもう物足りないビジュアルのはずなんだけど、古くささは全く感じないし、むしろ手作り感あふれる丁寧な職人仕事ゆえの新鮮さがある。
プログラム諸君にとっての神様、ジェフ・ブリッジス演じるフリンのポジティブかつおちゃめなキャラも楽しいし。
初めて観る映画なのに、どこか懐かしく、よく知っている世界のような気がするのは、この作品に少なからず影響されたに違いない映画やマンガを、そうとは知らず観たり読んだりしているからなのかもしれません。

てなカンジでいちおう予習完了、いざ!3D吹き替えにて『トロン:レガシー』

本編が始まる前に「2Dのシーンは2Dで撮影していますが、最後まで3Dメガネを外さぬよう」という注意事項を読まされる。はて。
観てみて納得、最初の実世界はあえて2Dで、主人公サムがデジタル世界に入ったとたん3Dになるんですね。
最初はおお!!と思うんだけど、3D映画の常ですぐに慣れてしまい・・・
3Dじゃなくてもじゅうぶん、まごうことなき最新技術でバージョンアップしたトロンワールドは全編、オドロキの連続でありました。

SF映画にもいろいろあって、近年はいかにもなSFっぽさを絵面で表現しないリアル路線のものが主流のような気がするけど、こういう作り込んだ世界観もめぐりめぐって新鮮。
もちろんかつての『トロン』の斬新なアイデアあってこそだけど、それでも胸を張ってこんなの初めて!と言える。
ライトサイクルバトルのシーンだけでも、大画面で体感する価値ありと思います。

個人的にはとにかく、あらゆるデザインがツボ。
とりあえず、いつまでも眺めていたいコンセプトアートなど貼っておく。

2

4

6

35

なんでそんなにピカピカのツルツルの流線型なのさ。そのヘルメット1個くれ!
バトルシーンのマンガチックなケレン味にも、いちいち悶絶。
本作のスタッフにこそ、弐瓶マンガの実写化をたくしたいです。
全編を彩るダフトパンクの音楽がまたすばらしく、新しいのにちゃんとレトロフューチャーな香りがしてゾクゾクしました。

以下、ちょいネタバレdanger

『トロン』の敵ボス、マスターコントロール的立ち位置にいるのは、創造主であるフリンと同じ顔をしたプログラムのクルー。
クルーは「完璧な世界を作る」というフリンの指示に従って行動してきただけなのだけど、プログラムゆえの融通のきかない純粋さは、物語に前作にはない哀しみを漂わせる。
いかにクルーたちプログラム諸君が好戦的だとて、大挙して実世界に押し寄せたところでユーザー様の圧倒的なずる賢さにはきっとかなわない気がして、終盤の展開の危機感はあまり感じられず・・・
むしろ実世界はおそろしいところだよ、とクルーに教えてあげたかった。
クルーだってフリンの息子みたいなもので、彼の目の前でフリンが「いちばん大事なもの」を守ってみせたとき、サムに対する父としての行動に涙腺がゆるみつつも、クルーの気持ちを思うと切なくもあったんですよね。
なんでこんなにクルーに感情移入しちゃったのか自分でもよく分かりませんが、デジタル世界で自然発生した命だけじゃなく、クルーたちにもある種の命が宿っていたと思う。

サム役ギャレット・ヘドランドは初めて見る顔だけど、80年代ロックスター風の面構えが映画の雰囲気に合っている気がして好印象。
若きジェフ・ブリッジスに似てなくもない反逆児顔とでもいうか。
ディリンジャー息子役でキリアン・マーフィが出てて活躍を期待したけど、カメオ出演だったらしくその後のシーンがなかったのはちょい残念でしたです。
代わりといっちゃなんだけど、白塗りマイケル・シーンの怪演はたっぷり。
クオラはじめアンドロイド風スペーシーなガールたちはみなさんとってもキュートでした。

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コメント

未見どころか存在を知らなかったんですか…同世代だと思っていたのが勘違いだと分かりました(苦笑)
みどころはたくさんあるんですけど、なにしろマシンがカッコいい。あのバイクを見るだけで、ワクワクしてきます。鳥山明氏もトロンのマシンのカッコよさに惚れたようで、当時のDr.スランプには「トロンのまね」というバイクが登場します。探してみてください。あ、もし我が家にまだ残っていたらお貸しします。
DVD化されるなら、マイ3D眼鏡に対応してもらいたいなあ。自宅でいつでもトロンワールド。想像するだけでよだれが出ます。

投稿: かげさん | 2010年12月22日 (水) 18時59分

かげさん様

あら!かげさんではないですか。先日はどうもでしたshine

そうなんです、未見どころか知らなかったのです。私としたことが。
映画館には行ってないにしろ、テレビとかで出会ってそうなもんなのにね。
かげさんはうちの兄と同世代くらい?
兄に影響されて育った私も、まあ大体、同世代ってことでcatface

鳥山明がトロンのマシンに惚れたの分かるー
だってあのころんとした、ポップでかわいいデザイン。鳥山明っぽいもん。
アラレちゃんはアニメが大好きで、マンガも子供のころ読みましたが
オトナになってからは手に取ってないです。貸してくだされm(_ _)mコニカミルタ君経由でも。

3Dメガネの違和感にはだいぶ慣れてきたものの、観たあとくっきりとついてしまう跡が
なかなかとれないのが悲しいsweat02
自分としては3Dじゃなくてもじゅうぶんカッコよすぎるトロンワールドだったんですけど
マイ3Dメガネはほしいですね。あとIMAXで観てみたい。

投稿: kenko | 2010年12月22日 (水) 21時10分

>大挙して実世界に押し寄せたところでユーザー様の圧倒的なずる賢さにはきっとかなわない気がして、終盤の展開の危機感はあまり感じられず・・・

うわわわ!それを聞いたら一気に哀しい映画に思えてきちゃいましたよkenkoさん!
哀愁のあるプログラム・・・いいですね。その路線で人物描写をもっと掘り下げてほしかったです。自己懐疑するプログラムって自分の漫画でも試みたんですけど、せつないですもんね。

投稿: ゴーダイ | 2011年1月 1日 (土) 20時02分

ゴーダイ様

あけましておめでとうございますhappy01
昨年はたいへんお世話になりました!今年もどうぞよろしくね☆

けっこう哀しい映画として受け止めてしまったんですけど、
人物描写はちょっと雑でしたねぇ。
特にトロンの扱いとか、前作観てないと意味不明だったのではないかと。。。
なにはともあれ、もろもろのデザインが好きすぎたので満足ですshine

投稿: kenko | 2011年1月 3日 (月) 12時47分

kenkoさん、こんばんばん。その後雪の方はいかがでしょう
コンセプトアートに、黒いサンレッドさんみたいな人がいる!
うとうとしてしまったわたしですが、この円を基調としたデザインはけっこう好きです。ちなみに『龍騎』の次の平成ライダー『555』もかなり似てます。もしかしたらこちらも初代『トロン』にインスパイアされらデザインだったのかも
http://d.hatena.ne.jp/oumagatetsu/20101222/1293029552?sid=3c55c83c5aed5879

サム役の青年は少し前の『トロイ』にも出てたそうで。似てますね。トロイ遺跡・・・トロン・レガシー・・・ 

投稿: SGA屋伍一 | 2011年1月16日 (日) 20時33分

SGA屋伍一様

こんばんわん。
雪は連日降ってて、毎朝まっしろなのですが
昨日今日と特によく降りまして久々に引きこもっておりました。
あーもう、映画観たいのに!bearing

あ、ほんとだ(笑)バイオメガみたいと思ったけど
サンレッドさんでもありますね(笑)
てゆーかこれコンセプトアートっていうか、ダフトパンクのアルバムのビジュアルアート?だったのでした。
タワレコ彷徨ってて知りましたsweat02
そうか〜、555にも似てますね!
結局、途中までしか観てないけど。
知らずに観てただけで、トロンのデザインに影響されたものっていっぱいありそう。

サムは『トロイ』にも出てたんだ。観てないです、トロイ。
トロイとかトロンとか、似たようなタイトルの映画にばっか出てるんですねぇー
なかなかいい面構えの青年だと思いました。

投稿: kenko | 2011年1月16日 (日) 22時31分

オリジナルのシド・ミードによるデザインを上手くアップデートした感じの、確かになかなかカッコ良いデザインでしたねぇ。
個人的にはなんかもう、生き神様みたいになってたジェフ・ブリッジスが、デジタルの中のアナログみたいな存在で面白かったんですが。デジタルをとことん追求したら、内宇宙に辿り着いちゃったみたいな。作品としては気持ちがさっぱり入っていかない映画だったんですが、そこは面白かったなぁと。

投稿: たお | 2011年9月12日 (月) 05時55分

たお様

はいー。このデザインとっても好きでした!
オリジナル知らなかったので予習しましたが、そっちそっちで好きなカンジで。

ジェフ・ブリッジス、生き神様化してましたねー(笑)
デジタル界でもちゃんと、生きてる人間の感じが出てた。
ジェフ・ブリッジスが住んでた部屋は、『2001年宇宙の旅』で
辿り着いちゃったあの部屋っぽくもあるなと。

投稿: kenko | 2011年9月12日 (月) 17時11分

予告編で見たときから、見たいなぁって思ってた映画だったんだけど、
「グリーンホーネット」通いをしちゃってスル~しちゃって(笑)
ようやく「トロン」で予習後、鑑賞しました!
デジタルな映像の魅了されまくりで、
人物から、ファンションから、マシンから、すべての空間にいたるまで、
そのセンスにワクワクっていうか、とってもカッコ良かった~^^
kenkoさんが言われた『2001年宇宙の旅』のあの部屋・・・
そうそう、思い出しました、あの不思議な部屋(笑)
いや~、これほんとに映画館で3Dで見たかったですね~。
「グリーン・ホーネット」をわざわざ遠出して IMAXで見てる場合じゃなかったわsweat01
ジェフ・ブリッジスも大のお気に入りの俳優さんです^^
若いお顔が見れて嬉しかったな(笑)

投稿: ちー | 2011年11月16日 (水) 23時45分

ちー様

そっか、グリホと同時期でしたっけね。
これあまりいい評判聞かなかったけど(『トロン』のファンは特にかなsweat02
私は大好きな映画でした!
去年のベストにも入れたし( ^ω^ )
2001年〜の部屋に似てましたね、あの部屋(笑)

グリホ遠出してIMAXでご覧になったりしてたのね〜さすが!
3D映画苦手なんだけど、最近は3Dしかやってくれなかったりするから
近くにIMAXシアターできてほしいです。
ごく稀に、3Dで観たいのもあるしなぁ。
私もジェフ・ブリッジス好き♡
CGの若いお顔もすごかったですよね〜

投稿: kenko | 2011年11月17日 (木) 17時34分

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