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パピヨン(午前十時の映画祭)

Papillon

今年の映画は今年のうちに。

<午前十時の映画祭 何度観てもすごい50本>
けっこう通ったつもりだったけど、数えてみたらたったの10本sweat02
たいして観てないじゃんー
世の中には制覇しちゃった人などもおられるようで。すごいなぁ。
午前十時は好評につき来年も開催されるみたいなので、頑張ってもちょっと通いたいと思います。

午前十時の映画祭 公式サイト

この映画を初めて観たのは、確か10年くらいまえにテレビで。
『荒野の七人』や『大脱走』のスティーブ・マックイーンがちょっと好き、くらいの軽い気持ちで、大まかなあらすじすら知らずなんとなく観はじめて・・・マックイーン演じるパピヨンという男の、真の自由を求める途方もない物語に打ちのめされたのでした。

なにがスゴイってまず、独房シーンのマックイーン。まさに鬼気迫る。
所長が堂々と宣言する通り、そこは囚人を更正させるための施設なんかじゃなく、人間性を破壊するための場所。
天井から差し込む僅かな光すら遮断され、強靭だったパピヨンの精神と肉体は見る間に暗黒に蝕まれてゆく。
その有様といったら、あまりに壮絶すぎて言葉を失うほどです。
狭い独房内を行ったり来たりするパピヨン主観カメラも効いてるし、ほぼ狂気の中にありながらそれでも誘惑に打ち勝ったパピヨンが見るシュールな夢もいい。
序盤に死んでしまった囚人仲間が白塗りの顔で出てきたり、カメラがぐるんと回転したり、ここだけちょっと、ターセム作品的アート風味で異色。

で、パピヨンという人物のさらに驚くべきは、奇跡的に独房での2年間を生き延びて、二度目の脱獄はさらに5年間の独房、三度目は死刑というサンローラン刑務所のルールを知っているにもかかわらず・・・
それでもまったく迷いなく、自由を求めてやまない男であるということ。
ふつうはこれだけヒドイ目にあったら、もう脱獄とか考えるのもやめようってことになりそうなもんだど・・・呆れるほどの不屈の精神なのです。

2回目の脱獄はえらくアドベンチャーで、ハンセン病の集落の人たちに助けられたり、ハダカの娘と仲良くなったり、ちょっとフシギな展開。
これはこれでおもしろいんだけど、やはり前半の独房マックイーンのインパクトが強烈すぎる。
今度こそ成功したかに思われた脱獄が、欲深いシスターの密告によりまたしても失敗・・・の次のシーンで、いきなり独房での5年が過ぎてて髪の毛真っ白の老いたパピヨン。には唖然。

そして物語はクライマックスへ。
独房を出たパピヨンは、周囲を切り立った崖に囲まれた島に小さな土地と家を与えられる。
そこには懐かしい友もいた。
これまでの過酷な囚人生活に比べたら、畑があり家畜もいて、質素だけど満ち足りた、人間らしい暮らしのように思えるが、それはまやかし。
パピヨンが求める自由はそこにはなかった。
パピヨンは遥か水平線を眺め、崖に打ち寄せる荒波を見下ろし、ある決断する。

そしてついに、その名の通りパピヨンは跳ぶ。
もはやボートですらない、ヤシの実を浮きがわりに詰めただけのズタ袋を抱えて。
沖へ漕ぎ出せただけでも奇跡だし、陸地に辿り着けないばかりか死が待っていたとしても、パピヨンはこのときようやく、ほんとうの自由を手に入れたのだと思う。

運命的に出会ったふたり、パピヨンとドガの友情には胸が熱くなる。
精悍なマックイーンとなで肩メガネ男子ホフマンという、デコボココンビが織りなすコミカルなシーンも序盤はけっこうあって、二人がほんとに巨大なワニと格闘してる?ようにしか見えない、ワニさん捕獲シーンがお気に入りです。

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受信: 2010年12月30日 (木) 00時07分

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