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ヘヴンズストーリー

Heavensstory

4時間38分という、気合いの入った上映時間の映画。気合い入れて観てきました。
映画をハシゴして一日が終わるなんてことはよくあるから、ずっと座っているのには慣れっこだけど、ひとつの物語に5時間弱向き合うというのはまたちょっと違う。
分厚いハードカバーの小説に腰を据えて取りかかる、そんな気持ちです。

途中休憩が入るほどの長尺の日本映画と言えば、まっさきに思い浮かぶ『愛のむきだし』
DVDで観て、劇場鑑賞しなかったことを心底後悔しましたし、長い映画にはきっと「なにか」ある、てゆーか、そんなにも長くならざるをえなかった「なにか」を、今度こそ映画館で受け止めたいじゃん!ってことで。

ヘヴンズストーリー 公式サイト

うーん・・・。
結論としては、引き込まれたし、飽きることもなかったけど、ちょっと期待が過ぎたかも・・・とゆう感じです。
真摯な思いはじゅうぶん過ぎるほど伝わってきたけれど。
通常の上映時間を大幅に逸脱した映画として、『愛のむきだし』を観たあとのおさえきれない昂揚感のようなものを得ることはできなかった・・・かなぁ。
役者さんはみなさん本当にすばらしかったし、ロケーションはそれはもう圧倒的で、特に第2章と第7章に登場する廃墟というより遺跡と呼ぶのがふさわしい鉱山団地のぞくぞくするようなメガストラクチャーっぷりは、いつまでも眺めていたいくらいだったんだけど、結論としては『キャシャーン』を連想してしまったんですよねぇ。(あと『バベル』もちょっと)
いや、『キャシャーン』は好きな映画なんですけどね。
つまり、「僕たちは赦しあうべきだったんだ」ということ。
普遍的といえば普遍的で、ありがちといえばありがちなメッセージ。
なにかもっと映画として、全9章、4時間38分の果てに辿り着いたなにかを期待していたし、誰にでも起こりうる私たちみんなの悲劇として伝えたい物語なのだとしたら、やはりもう少し短くしてハードルを下げるべきだったのでは・・・とか思ってしまったのでした。

監督の瀬々敬久って何の映画の人だっけ・・・と後で調べてみたところ、ここ数年のマイワーストムービー『感染列島』の人でびっくり。
同じ人が監督してるとは思えない、こちら『感染列島』とは比べようもなく良い作品と思いましたが、確かにときどき、あやうく拒否反応を起こしかけたセリフだったり登場人物の行動だったり・・・も、あったかな。
人間の身勝手さを描いているのだ、ということで処理したけれど、難聴の少女、タエのエキセントリックなキャラクターがちょっと苦手だった。
あきらかにファンタジーなシーンは別として、リアルな人間ドラマのつもりで観ているところへそれはちょっとさすがにありえないんじゃない?とツッコミたくなるシーンが出てくるとやっぱ引くし。
動物園のシーンとか・・・、突然の接吻も意味不明・・・なにかとムラジュン絡みです。

なにはともあれ、しつこいようですがすばらしいロケーション。
広大な自然の中で静かに朽ちゆく、かつて栄えた鉱山の町。
そこだけ見ると、過去か未来かも分からない。この世ならざるこの世の果て。
第2章「桜と雪だるま」で、村上淳扮するカイジマがまだ何の仕事をしている人物なのかもはっきり分かっていない状態で、ユーモラスに始まる殺し合いのシーンが印象深いです。
第7章では同じ場所で、家族を殺された男トモキが、殺した男ミツオを殺そうとする。
今も昔も絶えることのない、憎しみの連鎖。
いつか世界中がこの町のような廃墟になっても、人はやっぱり殺し合うのでしょうか。

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