ロシアン・ルーレット
ロ・シ・アン!ロシアンルーレット♪アタシ危険なロシアンルーレーー♪っと。
(誰が分かってくれるのか)
予告篇観たとき、うわーなにこれ超カイジ!ミッキー!ステイサム!観てぇー!・・・てなノリで、観たいリストに入れてました。
ぜんぜん知らずに観てしまったのですが、こちら2005年『13/ザメッティ』のセルフリメイクなんですってね。
ハネケの『ファニーゲームUSA』みたいな感じか。
森の奥に佇む洋館で、夜な夜な繰り広げられる死のゲーム。
各地から集められてきた17人の男たちはプレーヤーと呼ばれる。
それぞれの手には銃。込める弾は1発。
ギャラリーが見守る中プレーヤーは円形に並び、目の前の男の後頭部を狙い、合図と共に引き金を引く。(スパイダーの電球、ちょっとほしい・・・)
勝負は一瞬。殺されるか、殺してしまうか、どの男が生き残るか?大金を賭けるお金持ちの皆さん。
ラウンドごとに人数は減ってゆき、弾の数は増えてゆく。
最後まで生き残り、100万ドルを手にする強運の持ち主はいったい誰か。
そんな感じのお話で、そりゃもうハラハラドキドキワナワナして当然のシチュエーションなのですが、不思議なことにちっともドキドキしなかった。
なんでかなーと考えてみましたところ、17人いるプレーヤーのうち、主人公ヴィンスを演じるサム・ライリー、ミッキー・ローク、レイ・ウィンストンなど、主要な登場人物であることが明白である人たちはきっと、ある程度までは生き残るであろうことが分かりきっているからだと思いました。
それってミステリ小説の犯人を、論理でなくパターンで読むのと同じことで、そんな見方をしてしまう自分が悪いんだろうけど、そこはやはり誰が死ぬか予測がつかない状態であってくれた方が、映画的にはおもしろかったろうと思います。
なんて書くと、まるで映画がつまんなかったみたいだけどそうじゃない。
なかなかステキな映画だったです。
なんというか、ひとむかし前のスリラー映画のような渋い雰囲気がとてもいい。
登場人物の心理描写や状況説明は必要最低限でセリフはとても少なく、BGMもここぞというときしかかからないし、お色気はゼロ、悪党ヅラのオッサンどもが狭い部屋にひしめく、なかなかのオッサン祭り。
賭けてた「馬」が死んでしまったあとの、オッサン同士の地味な取り引きもなんかおもしろいし、イマドキのこの手の映画ならば、もっと派手に演出しておおげさに盛り上げたりしそうなもんだけど、この映画はそれがなくて淡々としてる、そこがいいと思いました。
それに、肝心なのは実はゲームが終わってからだったりする。
家族思いの青年ヴィンスは、あまりにも非日常的な時間を生き延びてしまったことで人格が変わってしまい、大金を持って家族のもとへ帰ることができても、以前の彼とは別人になってしまっているのでは・・・などと思っていた。
平穏な日常では物足りず、ひりつく極限状態をドラッグ的に求めるようになっちゃったり・・・とかね。
てゆーか、いちおう主人公である彼がほんとのところどういう人物なのか、何も知らずにやってきて、突然こんなとんでもないゲームに参加するハメになり、なんだかんだでやってのけちゃう彼ってもしかして、真面目そうに見えて実は危ない資質の持ち主だったのかも・・・とすら思ったり。
しかし最後の最後で分かる。
ヴィンスはほんとうに頭がよくて、自分はさておきとにかくいちばんに家族のためを思って行動する、すばらしい青年だったのです!
ゆえにステイサムよ・・・いったいなんてことをしてくれたのかと。
上のポスターのセンターがステイサムであることが、なんだかとっても気に入らねーです
結局、もっとも強運だったのはミッキー・ロークってことかなあ。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 2014年劇場公開映画ベスト(2015.01.25)
- 2013年劇場公開映画ベスト(2014.01.26)
- 悪の法則(2013.11.21)
- マン・オブ・スティール(2013.09.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ミッキーさんにステイサム、ドン・フライと肉々しい顔ぶれを揃えておきながら、その身体を一切使わせないなんとも贅沢な一本で。無駄遣いとも言えますがw
まぁ、内容的にはまんま『ザメッティ』なんで、二度目になればインパクトもそれなりに^^;
投稿: たお | 2011年11月23日 (水) 15時15分
たお様
たしかにね(笑)贅沢な使い方でしたねー。
『ザメッティ』観たことなかったので、新鮮な気持ちで楽しめました。
そういやサム・ライリーって、ハリウッド実写版『AKIRA』鉄雄役のウワサありますね!
いいかも!と、ちょっと思った。
投稿: kenko | 2011年11月25日 (金) 21時21分