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モールス

Let_me_in

スウェーデン製ホラー映画『ぼくのエリ 200歳の少女』をハリウッドでリメイク。
監督は『クローバーフィールド』のマット・リーヴス、エリことアビー役に『キック・アス』ヒットガール、我らがクロエ・グレース・モレッツ!
『ぼくエリ』が非常に繊細で美しい特別な作品だったので、当初ハリウッド版には懐疑的でしたが、クロエちゃんてことで俄然期待は高まり、公開されるやいなや絶賛の嵐、実際観てみてこれはどっちが優れているともいえない、どちらも稀にみる素晴らしい作品だと思いました。

モールス 公式サイト

てゆーかこれ、確かリメイクではなくて原作を再映画化したものだと制作側が言ってたような気がしてましたが、やっぱりリメイクなんですね。
『ぼくエリ』の特徴的な、フォーカスを絞ったフロスティカメラワーク再現されてるし。

あんまり比較するのもなんだなーと思いつつどうしても比較してしまいますが・・・『ぼくエリ』よりも原作のディティール(上巻の途中までしか読んでませんが)が細かく再現されているところもあれば、『ぼくエリ』ではなんとなく中途半端に感じた、町の人々(エリの餌食となる)の描写など、さっくり端折ってオーウェンとアビーに焦点を絞っているあたり、『ぼくエリ』よりも好感を持ったし、一本の映画として物語の完成度はこちらの方が高いようにも感じました。

『ぼくエリ』における「ぼかし問題」のシーンも、『モールス』ではもはや引っかかる余地もないほどの処理(しいていえばオーウェンの微妙な表情)なので、後で知って残念な気持ちになるということもないかと思います。(パンフレットになんぞ書いてあるらしいけど)

『ぼくエリ』の子役たちも素晴らしかったけど、『モールス』の主演ふたりも本当に素晴らしい。
ほんとにもうクロエちゃんて子は、どこまでも私たちのハートをワシヅカむ。
オーウェン役『ザ・ロード』のコディ・スミット=マクフィーくんの怯えた表情も絶品で、オスカー少年の北欧ならではの美しさには釘付けになったけど、感情移入はオーウェン少年の方がしやすかったです。
クラスメイトの暴力が『ぼくエリ』よりも過激に描写されていたせいもあるかな。
ホラー映画としての容赦ない残酷描写よりも、いじめのシーンの方が見ていられなかった。

そしてやっぱり、哀しいおじさん。演じるはリチャード・ジェンキンス。
おじさんよ・・・どうしてそんなにドジなのか。
ドジすぎて、うっかり笑いそうになってしまうよ。
でもおじさん言ってた、「もう捕まりたいのかもしれない」って。
おじさんの呪われた役割を引き継ぐことになるであろうオーウェン。
モールス信号で気持ちを確かめ合う二人の今は幸せだけど、おじさんの結末はおそらく、オーウェンの未来。
アビーと若かりしおじさんのツーショット写真は衝撃的で、やがて訪れるオーウェンの暗い未来をより強調していると思いました。

カークラッシュシーンとか、さすが『クローバーフィールド』マット・リーヴス!て感じでおもしろかったし、80年代な音楽、不穏な空気を醸す音楽もとてもよかったです。

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コメント

ぼくエリをレンタルで観たばかりで、少年少女の美しさと
雪に閉ざされた白い世界に圧倒されました。
プールサイドの殺戮も夢のように幻想的。
「おじさん」の描き方が違うのですね。
少年が歳をとっても少女は幼いまま。
同じ外見の恋人同士でいられるのはホンの短い間だけ。
しかも人間を狩り続けないといけない。
ハードル高すぎるやろ・・。
兄と妹、父と娘、祖父と孫娘と擬装して暮らすのも切ないなあ。

投稿: 奈良の亀母 | 2011年8月27日 (土) 19時53分

奈良の亀母様

おー、『ぼくエリ』ご覧になったばかりなんですね。
少年少女、白い世界、プールサイドの殺戮・・・うつくしいですよねぇ。
どっちのおじさんも悲哀を感じさせるけど、どっちかってーと『ぼくエリ』のおじさんの方が
より哀しげな印象です。
原作はまた違うらしく、いいかげん続きを読まねばなぁとcoldsweats01

そうですよね、ほんとハードル高すぎ(笑)
少年にはまだ、そこのところが正しく分かるはずもないけど
少女の方は完全に分かってて少年を選んでいるわけで
いったいこれまでに何人の少年がおじさんと同じ運命を辿ったのかと想像すると
切ないラブストーリーなんだけど、やっぱりゾッとします。

投稿: kenko | 2011年8月28日 (日) 15時10分

省略と再整理の上手さに、ハリウッドらしさを感じた作品で。切なさはアッサリ気味になった反面、恋愛物語の側面が強くなったようにも。テーマから大きくそれてギャースカ騒がれてしまったボカシの向こう側も、カルチャー・クラブを流す事でホンノリ匂わすやり方も好みでしたねぇ。これはこれで良かったなぁと。

投稿: たお | 2012年1月24日 (火) 20時17分

たお様

きゃー、お返事おくれましたbearing

省略と再整理のうまさ、確かにー
あっちはあっち、こっちはこっちの良さがあるなーと思いました。
なんせクロエちゃんだし、ポイント高くなっちゃいますねー
ぼかし問題、私もぎゃーすか言っちゃいましたがsweat02
カルチャークラブを流すことでぼんやり匂わしていたのか・・・気付かなかったです!

投稿: kenko | 2012年1月27日 (金) 19時04分

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監督 マット・リーヴス 主演 コディ・スミット=マクフィー 2010年 イギリス/アメリカ映画 116分 ラブロマンス 採点★★★★ 中学の時に初めて出来た彼女が年上だったこともあってか、しばらくの間は作る彼女全員年上って状態だった私。いいもんなんですよねぇ、…... [続きを読む]

受信: 2012年1月24日 (火) 20時19分

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