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ハウスメイド

Housemaid

1960年の韓国映画『下女』のリメイクだそうですが、そちらは未見。
アンニュイな予告篇がなんともかっこよくて、そそられました。
女の欲望うずまく物語には目がないです。

ハウスメイド 公式サイト

予告で使われてる曲、ずっと椎名林檎だと思ってたのですが、調べてみたらぜんぜん違う外国の人だったsweat02
映画の雰囲気に合ってるすごくいい曲なのですが、本編でもエンドロールでも流れなくて残念。

冒頭、カメラは街にたむろするさまざまな女たちを映します。老いも若きも女。
やがてひとりの女が飛び降り自殺する。
彼女に何があったのか分からないけれど、チャン・ドヨン演じるヒロイン、ウニの未来を予感させます。
てか『恋の罪』でも似たようなことを言ったけど、女である限り、あるとき日常から堕ちて、白いチョークで人型をとられる可能性を秘めている。
そういうことを考えてしまう映画。好きなジャンルです。

年齢のわりに、どこか子供っぽいところがあるウニですが、大金持ちの邸宅でメイドとして働くことになります。
『シークレット・サンシャイン』チャン・ドヨンの、どこまで天然なのか分からない演技が絶妙。
ウニは本当にピュアなだけなのか、しかし若奥様に初めて挨拶したときの表情とかなんか隠してそうな顔にも見えるし、どっちなのか分からない。

思うに・・・天真爛漫に見えるウニだってそれなりに、過去にさまざまな傷、悲しみを経験している。
離婚してるらしいし、なんせいい年だしね。
(ウニの太ももに一瞬、大きな傷があるように見えたシーンがあったのだけど気のせい?)
「世界は自分に優しくない」ことをほんとうはとっくに知っていたのに、知らないふりをして、無邪気にふるまって生きてきたのではないか。それもまた処世術だと思う。
それが一家と関わったことで、理不尽で不公平な世界を無視できなくなってしまった。
金持ちの女に突き落とされる私。人として扱われない、それが私の人生。
そんな自分が世界に復讐するには、方法はひとつしかない。

一家のひとり娘ナミ。
すごくかわいい子でウニにもなつくのですが、「おばさんは優しくて可哀想」だなんてなにげに上から目線。
おばさんを好きだったかもしれないが、やはりこの子も一家の子だなと。
ナミはウニのことをけして忘れないでしょう。
そしてナミこそが、真の女王になる素質を秘めているような気がしてなりません。

先輩メイドのジョンシクを演じた女優さんもすばらしくて、これは助演女優賞!と思ったらやはりアジアフィルムアワードで受賞してらっしゃいました。
ジョンシク=女史いわく、この仕事は汚らわしくて最低だと。
そんな風に認識しながらも長く務めているのは、そりゃお金のためで、息子のため。
彼女は一流の料理人でもあって、いつも完璧な料理を一家の食卓に提供します。
感情を押し殺し、とにかく仕事を完璧にこなすことで、なんとかモチベーションを保ってきたんだろうな。
でもほんとは女史だって、復讐したかった。
忘れていた本当の気持ちに、ウニを通じて気付いたのでしょう。

てっきりどこかの本当のお金持ちの邸宅を借りて撮影したのかと思いきや、なんとセットなんだそうでオドロキ。
韓国ドラマとかたまに観ると、お金持ちの家のインテリアがあまりにセンス悪くてびっくりするけど、この映画のインテリアはまるで美術館のようにモダンで、おしゃれです。
夫婦のバスルームとかね、雑誌に出てきそう。
ほんとの金持ちってこんなんかと、それこそ家政婦は見た!的な感覚で覗き見ているおもしろさもあります。

基本シリアスなドラマですが、ときどき笑っちゃうシーンも。
ダンナ様のポージングとか、なんで今つまづいた?とか、ネタが細かいです。

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