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これも合わせ技で今頃・・・すんまそんbearing

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『松ヶ根乱射事件』『天然コケッコー』の山下敦弘監督、主演はブッキー&マツケン。
映画でも舞台でもマンガでも、震災前と後とでは感じ方が違う、そう思うことが増えました。

脇を固める舞台出身の役者さんやエキストラにいたるまで、味わい深い面構えのキャストが揃った作品。
配役において何より「昭和顔」にこだわったという監督のコメントを読み納得。
長塚圭史さん、山内圭哉さん、古館寛治さんなど、圧倒的なクセモノ感を放つ「顔」が次から次へと登場し、飽きることがありません。
特に関西弁で「闘争なんて娯楽や」と言い放つ山内さんにはシビれた。
冒頭、ブッキー演じる沢田が潜入取材するドヤ街の住人からしてそうだし、このいい顔そろってる感じ、見応えある韓国映画に共通する「いい顔」にも通じるものがあります。

その点、松ケンはいい線いってるんだけど、ブッキーだけが現代的スウィートな男前。
しかしながら彼の泣きの演技が、『悪人』を彷彿とさせる名演でラストを見事に締めていて、なるほどこれはブッキーでなきゃねと思いました。

松ケン演じる赤邦軍リーダー梅山は結局、先陣たちの後を追い、英雄になりたかっただけの男だった。
彼の中には確かに熱い何かがあるのだけど、それが実は薄っぺらなものであることを自覚すらしていなくて、そんな自分を彼自身が誰よりも信じてしまっている感じ。
だからこそ沢田も信じてしまったのではと思いました。
てか、赤邦軍のアジトで沢田がファインダー越しに見た梅山の目、あんなの見たら信じちゃうね。

学生運動が盛んに行われていたこの時代って、感覚的にどうしても掴みづらい、遠く感じる時代だったんだけど、今この状況を生きる私たちの時代と照らし合わせて、これまでとは違う感覚で受け止めている自分がいます。
それでもやっぱり残るもやもやした感じを、物語終盤ヒロインのあるセリフや、ラストの沢田の涙が、すっと整理してくれるような気もしました。

奇跡

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『誰も知らない』『空気人形』是枝裕和監督。
ちびっ子兄弟漫才師、まえだまえだが主演。

『スーパーエイト』に続きスタンドバイミー的な、子供たちのナチュラルな魅力がキラキラと輝く宝物みたいな映画。
丹念に積み重ねられたなにげない日常がクライマックスへとつながる。

まえだまえだ、ふたりとも演技が上手でビックリ。
お兄ちゃんの方は朝ドラにも出てたみたいだけど見てないしなあ。
オーディションで初めてまえだまえだを知ったという是枝監督、彼らを気に入り脚本もふたりのキャラクターをふまえたものに書きかえたんだとか。
一応JR九州の企画ものだったりするようですが、そういうノリはほとんど感じさせません。

親の事情で、九州と大阪、離ればなれに暮らす兄弟。そんな生活も半年経つ。
子供にとっては九州と大阪ってありえないくらい遠いだろうし、半年は大人の感覚よりずっと長いだろう。
子供は半年もあれば毎日の生活からさまざまなことを学ぶし成長する。
同じ日常を過ごしていたときとは違い、兄弟の経験は大きくズレていく。

大人としてはどうしても、子供を心配しすぎてしまうけど、いつだって子供は大人が思う以上に逞しい。
わけわからん現実を子供なりに消化吸収しながら、きちんと未来へ進んでいるんですね。

子供たちがそれぞれの夢と、彼らが望む奇跡を話すシーンがすばらしい。
子供にただセリフをなぞらせるのでなく、アドリブと思われる子供たち自身の言葉で語らせて、自然な表情をそのまま切り取って物語にのせていく手法が見事。
演技でなく、気恥ずかしそうに話す子供たちの姿に、つい微笑んでしまいます。


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コメント

>学生運動が盛んに行われていたこの時代って、感覚的にどうしても掴みづらい、遠く感じる時代だったんだけど、今この状況を生きる私たちの時代と照らし合わせて、これまでとは違う感覚で受け止めている自分がいます。
それでもやっぱり残るもやもやした感じを、物語終盤ヒロインのあるセリフや、ラストの沢田の涙が、すっと整理してくれるような気もしました。

ワタシも?です。
昔は学生運動って全然理解も共感もできなかった。でも、声をあげよう!と思った結果、ああなってしまっただけで、結果的に間違った方向?だったとしても、それも当時だったらそうするしかなかったのかな、とか、ぼんやり思えるようになりました。

その後「実録・連合赤軍_あさま山荘への道程」とかも観ちゃったしなあ。

もっといろいろ怒ってもいいんだろうけどなあ、日本人。

>特に関西弁で「闘争なんて娯楽や」と言い放つ山内さんにはシビれた。

これ禿同!!この映画で一番シビれました♪

投稿: とも@山猫軒 | 2011年12月26日 (月) 20時58分

とも@山猫軒様

『実録・連合赤軍』は震災前に観ましたが、映画としてすごく面白かったけど
やっぱり感覚的には「遠い」ものでした。
なんていうか、戦争中の日本とかよりも遠く感じる時代。
あさま山荘のイメージが強すぎるんですよね。
まあ基本的に、勉強不足だったりもするのですが・・・
『マイバックページ』は公開時期も絶妙で、以前とは確実に違う距離感で
いろいろ考えさせられました。
『実録〜』も今観たら、また違うんだろな。

禿同ありがとうございます!
山内さん、かっこよかったーー!!

投稿: kenko | 2011年12月26日 (月) 23時15分

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