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ミッション:8ミニッツ

Sourcecode

『月に囚われた男』ダンカン・ジョーンズ監督の2作目。
「映画通ほどダマされる」というキャッチコピーが使われてましたが、ラストにビックリするとか、そういうんではなかったです。
『バタフライ・エフェクト』とか、『恋はデジャブ』みたいな・・・真実はじわじわと明かされていく。

ミッション:8ミニッツ 公式サイト

主人公がふと気がつくと、シカゴ行きの列車の中。向かいの席には美人さん。
「あなたのアドバイス、参考になったわ」とか言ってゴキゲンで、ニコニコしている。
美人さんはクリスティーナと名乗り、主人公を「ショーン」と呼ぶが、自分はショーンじゃない。
彼はコルター・スティーブンス、軍人。最後の記憶ではヘリを操縦していたはず・・・
トイレで鏡を見ると、そこにいるのは見知らぬ男。パニックに陥るコルター。
そこで列車が大爆発!!

次に気がつくと、コルターは薄暗いポッドの中にいて、目の前の小さなモニターには軍服姿の女性が映っている。
女性=グッドウィン大尉が言うには、ポッド内で行われているのはある重要なミッションで・・・
画期的なシステムを使って、今朝方起きた列車爆破テロで亡くなった男性が死ぬ8分前の意識の残像のようなもの?の中にコルターの意識を飛ばすので、爆弾の在処および犯人を突き止めろという。
犯人は爆破テロのあと次の犯行予告をしていて、今度はシカゴの街全体をターゲットにしてどこかに爆弾を仕掛けたらしい。
既に起きた悲劇を防ぐことはできないが、過去の出来事から犯人を突き止め、未来の惨事を阻止する・・・そういうシステムでそういうミッション、なんだとか。
記憶が徐々に戻りはじめるコルター。
そしてコルターは何度も、爆破される数分前の列車の中へ。
行くたび少しずつ様子の違う車内で、なんせ8分しかないのでけっこう強引に手がかりを捜します。

現実に引き戻されるたび、ポッドの中も奇妙に様子が違っている。
なにかの液が漏れていたり、凍え死にそうなほど寒かったり。
グッドウィンのコルターに対する態度も、最初からなにかヘンで、過去の8分間だけでなく、現実側にも秘密がありそうと思わせる。

danger以下、ネタバレdanger

いろいろあって、ついに犯人を突き止めるコルター。
ミッションコンプリートなわけですが、コルターにはどうしてもやり遂げたいことがあった。
それはもういちど8分間へ戻り列車の爆破を防ぎ、車内の人々を救うこと。
未来につながるわけじゃない無意味な行為だとしても、最後の8分間やるべきことをすべてやる。
そして奇跡は起こる。
列車はシカゴに到着する。クリスティーナと街を歩き、コルターが目にする光景。
それは8分間の旅から帰還するたびに、走馬灯のように何度も見た光景ではなかったか?

誰も想定し得なかった、創造された新しい世界は、ふたりがシカゴで見た銀色のオブジェに映る世界のようにネジれて歪んでいる。
しかし同時に、奇妙に調和している。
コルターがシステムにつながれて、人々を惨事から救うのも運命なら、その過程でクリスティーナに出会うことも運命だったってこと?
随分とややこしい話で・・・どこが始点か(そもそも始点なんてないのか)ぜんぜん整理できないのですが、消化できない気持ち悪さはなくキレイにまとまっている不思議な映画。
ひとつだけ、もともとのショーンさんはどうなるんか、というのがひっかかるのですが・・・
ショーンさんにも家族や友人がいるだろうし。でも中身はもはやショーンさんじゃないしなあ。

セットを組んだという二階建ての列車、ポッド内や、軍の研究所?などの無骨な雰囲気は、『月に囚われた男』でレトロ風味のSF感を演出した、ダンカン・ジョーンズ監督らしい。
列車が二階建てっての、すごくよかったです。
限られた空間で、横移動だけでなく、縦にも動けるという広がりがおもしろく飽きさせないです。

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コメント

設定の面倒臭さに縛られず、語りたい物語を巧みな話術で描き出した、非常にダンカン・ジョーンズらしい良い作品だしたねぇ。『月に囚われた男』はマグレ当たりなのかなぁと半分思ってたんですが、本作を以て本当の才人だったと確信しましたよ。
私も本来のショーンについて考えさせられましたが、たぶん双方の記憶とか性質とかが頃合いの良い融合を後々果たすんじゃないのかなぁと。100%のショーンじゃないけど、100%のコルターでもないみたいな。まぁ、憶測ですが。

投稿: たお | 2011年12月18日 (日) 07時01分

お父さんに電話した時点で、コルターは自分の人生は捨てて
ショーンとして生きることを選んだんだと
あっさりと、結末を受け入れて感動しちゃいました。
単純なワタクシでございます。

>列車が二階建てっての、すごくよかったです。
なるほど~、確かに閉塞感みたいのをあんまり感じませんでした。

 

投稿: ほし★ママ。 | 2011年12月18日 (日) 13時07分

たお様

確かに、設定のややこしさに振り回されることなく
最後キレイにまとまってました。見事な着地。
ダンカン・ジョーンズ監督の次の作品もまた楽しみですね。

>100%のショーンじゃないけど100%のコルターでもない

なるほど!!
そうあってほしいなー

投稿: kenko | 2011年12月18日 (日) 15時25分

ほし★ママ様

私も、観てるときは超感動してたんですけどね、
後でぐるぐる考えて、そういえば元のショーンさんは・・・とか思ったり。
でも評判通りよくできたすごくおもしろい作品でした。何度も観たくなるような。
二階建てもよかったしhappy01

投稿: kenko | 2011年12月18日 (日) 15時29分

こちらではちょいとご無沙汰・・・してるうちにずいぶん更新が進んでいるなあ。またぼちぼち追いつきます
「映画通ほどだまされる」か。だまされるとするならコルターが実は植物状態だったってことくらいじゃないですかねえ。でもそれくらい、映画通だったら途中で容易に気がつきますよね
わたしが考えてたのは「実は犯人はコルターだった」という真相。でもまあこれもありがちですな。そしてはずれて本当によかったです
宣伝さんはこういうコピーでお客さんを呼びたかったんでしょうね~ 

あ、消滅するかと思いきや、そのあとも普通に存在してたのはだまされたというか驚いたけど

投稿: SGA屋伍一 | 2011年12月29日 (木) 22時53分

SGA屋伍一様

進んでるでしょー
サボってたぶん、更新しまくってます。
こちらからお邪魔しようしようと思いつつ、なかなかできずでごめんなさいbearing

コルターが植物状態だったとこがサプライズだったのかなぁー
私もコルターが実は犯人、うっすら考えました。
そして最後、列車の中のシーンで終わりと思って
そのあとも続いたのは同じく驚いたsweat02

しかし騙されるのが快感みたいな映画ではぜんぜんなかったですよね。
てかもうこの手のキャッチコピーに期待すること自体なくなったから
コピーと内容が一致しないからって腹も立たないんですけどねcoldsweats01

まあ、おもしろければOKshine

投稿: kenko | 2011年12月30日 (金) 01時34分

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