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イリュージョニスト/メアリー&マックス

IllusionnisteMary_and_max

勝手に同時上映で観た、良質アニメーション二本。
どっちもすごくよかったのに、感想放置で今頃sweat02
合わせ技にさせてくださいな。

まずは『イリュージョニスト

イリュージョニスト 公式サイト

フランスの喜劇王ジャック・タチが娘のために書き残したという幻の脚本を、『ベルヴィル・ランデブー』のシルヴァン・ショメが映画化。
フランスで大ヒット、米アカデミーアニメ部門にもノミネートされたアート系アニメーション。

まるで絵画のような美しい背景、キャラクターの繊細かつ味わい深い動きを眺めているだけでうっとり。
まさしくイリュージョンのような夢のひととき。
セリフを極力排した作風も粋で、デフォルメされた絵がコミカルに動く楽しさを、シンプルに味わえます。

しかしながら、期待したほどにはこの世界にハマれず・・・
というのも、物語の基本的な設定の部分で少し分かり難いところがあって・・・
たぶん私の理解不足、勉強不足によるところが大きくて、たとえばタチシェフがアリスに生き別れた娘の面影を見ていたとかそういうの、あとで公式サイトやチラシを読むまで分からなかったんですよsweat02
それってわりと重要な部分じゃない?
ジャックタチのファンなら彼自身の人生と照らし合わせ、すんなり想像できるのかもしれないけど。

しかし良質なアニメーションであることは間違いなく、好きか嫌いかでいえば好きな作品。
タチシェフの最後の手品、誰もいなくなった部屋に窓から風が吹き込むシーンとか、まるでほんとに魔法だし。
言葉が通じない二人の物語なのだし、こんな感じでいいのだろうと後で思ったりしました。

続いて『メアリー&マックス

メアリー&マックス 公式サイト

ぱっと見かわいらしいクレイアニメだけど、とんでもない。
始まってすぐに思いました・・・よく見ればお人形の造型としては、お世辞にもかわいいとは言えないなと。
しかしながら観終わるころには、すべての登場キャラクターがかわいくて愛しくて、たまらなくなっていました。

茶色と灰色、セピアとモノクロの出会い。
オーストラリアの女の子メアリーと、ニューヨークの中年男マックスとのあいだで、ひょんなことから始まる文通。
それは20年に渡る壮絶な物語。文通なのに、壮絶。
クレイアニメという牧歌的な見た目に完全に油断してましたが、けして誇張でなく壮絶という言葉がぴったりで、この作品で描かれる人生の悲しみや絶望、救いのない現実はむしろ、キュートなクレイアニメでなければ見ていられないかもしれないです。

メアリーからマックスへ届く茶色のもの、マックスからメアリーへ届く灰色のもの、それぞれの世界でそれらの色の違いは明確で、けして溶け込むことはないのだけど、不思議なことにラストシーンで並んだ二人の色に違和感は全くなく、二人の世界はついにひとつになったのだと思いました。

音楽もすばらしくて、マックスがメアリーにタイプライターで初めて返事を書くシーンや、メアリーが絶望の末ある行動に出るときの音楽など、ある意味ベタな選曲をミュージカル風に使っているのがおもしろかったです。

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コメント

kenkoさん、こんばんは。こちらでは今年初お邪魔です
『メアリー&マックス』、もはやいうまでもありませんが、わたしの昨年のマイベストです。二人がついぞご対面することはなかった・・・というのはちょい切なくもありますが、もうメアリーとマックスにはそんなことは関係なかったのでしょうね。
あと金魚やニワトリや広場と戦ってるじいさんなど、おっしゃるようにすべてのキャラクターがとてもいとおしかったです

『イリュージョニスト』もよい映画でしたね。わたしの周りでは女性がヒロインのことを「嫌い!」というのに対し、男性は「まあまあ、ああいうのもかわいいじゃん」という人が多かったですw

投稿: SGA屋伍一 | 2012年1月 6日 (金) 23時01分

SGA屋伍一様

あうbearingまたしても、コメントありがとうです。

『メアリー&マックス』ベストに挙げる人おおいでしょうね、傑作だもの。
前情報ほとんどなしで観たので、見た目とはうらはらに悲惨な内容におどろきました。
そうそう、広場と戦ってるおじさんも愛おしかったです、あとマックスの見えないおともだちとか。

『イリュージョニスト』もね、よかったんだけど、思ったほどにはハマれずで・・・
これも人によってはベストムービーなんだろうなーと思うんですけどね。
私的には昨年のアニメーションではファンタスティックなお父さんかなぁ。

投稿: kenko | 2012年1月 7日 (土) 02時03分

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受信: 2012年1月 6日 (金) 23時03分

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あああああ・・・・ これ、もう一ヶ月も前に見たヤツだよ[E:coldsweats [続きを読む]

受信: 2012年1月 6日 (金) 23時04分

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