リアル・スティール
試写会で観させていただきました。
すごーーくよかった!おもしろかったです。
原作はリチャード・マシスンの短編小説、老若男女すべての層にオススメできるディズニームービー。
『ナイト・ミュージアム』のショーン・レヴィ監督、親子のドラマを描く手腕を買われての起用でしょうかね。
とてもベタなお話なのですが、テンポがよく語り口もうまい。
映画的なカタルシスに満ちています。
少し未来、人々はより暴力的な刺激を求め、ボクシングはロボット同士で行うのが主流となっていた。
元ボクサーのチャーリー(ヒュー・ジャックマン)はロボットボクシングの興行試合で各地をまわり、なんとか生計を立てていたが、借金は膨らむ一方。
そんなとき、11年前に別れた元妻の訃報が届く。元妻との間には息子がいた。
チャーリーは赤ん坊のとき以来会っていなかった、11歳になる息子マックス(ダコタ・ゴヨ)の面倒を見ることになる。
ロボットボクシングといっても、ロボットを操るのは人間。
ロボットが自らの意志で動くことはありません。
「ロボットもの」のパターンとして、人間的感情の芽生えを描いて生命とは何かを問いつつエモーショナルな展開に持っていく、というのがあると思うのですが、本作はそっち方面へは行かず、あくまでも父子の物語としてブレずに描いているところがいいなと思いました。
この世界では旧式の、ブリキのオモチャを思わせるクラシックなビジュアルのロボット、アトム。
もしかして感情あるんじゃない?と思わせるシーンもあったりしてドキッとさせるんだけど、そのあたり観る人の想像におまかせの範囲に留めています。
肉声に反応したり、人の動きを真似するシャドウ機能といった「最近のロボットにはない機能」をうまく物語に反映させ、アトムを他のロボットとは違う特別なロボとして感情移入させたりはするけれど、あくまでもメインは親子。
もしもロボットに感情がある設定だったら、人間に操作されて試合で腕や首がもげたり破壊されちゃうの、可哀想になってしまうと思うのですが、ギリギリそうはならない。
また11年間会うことのなかった親子、感動のご対面!みたいなノリじゃないとこもよかった。
お金が必要な父は息子を利用し、息子はロボ好きゆえ父の仕事に着いて行きたがる。
実の親子とはいえ初めて会うんだもの、最初は他人同然だよね。
旅を続けるうち徐々に、互いの距離を縮めていく。
父と子というよりは、男同士の友情っぽい対等な感じが爽やかというか、ある意味理想的な父子の関係にも見えてきます。
しかし父に父としての自覚が芽生えたとき、皮肉なことに父は息子との別れを決意する。
ボクシングの試合のシーンは、手に汗握るド派手な演出で超たのしい。
ボクシングというかプロレスっぽい世界観。プロレス知らんけど。
ロボットはそれぞれデザイン、キャラクターとも描き分けがきっちりしていて個性豊かで、そんなロボ同士の超ヘビー級のぶつかり合いはそりゃもう迫力で、観てるとつい前のめりになってしまいます。
試合のシーンだけでもおもしろい!
また光栄なことにロボに関しては何かと日本オマージュで、ノイジーボーイのビジュアルには笑ったし、設計者であるタグ・マシドはどうやら日本人という設定。
そもそもアトムだもの、日本人として悪い気はしないです。
とにかくかわいいと評判のダコダ・ゴヨくん演じるマックス、憧れのヒーローたちを目前にし素直にはしゃぐ様子が特にかわいかったです。
かわいいだけじゃなくとても賢い子で、大人の事情をちゃんと分かっている子供なのもリアルでした。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 2013年3月に観た映画(2013.09.06)
- 悪の法則(2013.11.21)
- 2014年劇場公開映画ベスト(2015.01.25)
- 2013年劇場公開映画ベスト(2014.01.26)
- マン・オブ・スティール(2013.09.15)
コメント
突然で申しわけありません。現在2011年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/19(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
なお、twitterも開設しましたので、フォローいただければ最新情報等配信する予定です(http://twitter.com/movieawards_jp)。
投稿: 日本インターネット映画大賞 | 2011年12月30日 (金) 04時40分
日本インターネット映画大賞様
コメントありがとうございます。
ぜひ、参加させてください。
よろしくお願いします!
投稿: kenko | 2011年12月30日 (金) 19時13分
こんばんは!
4日に観てたけどようやくアップしました~
すっごい楽しい,そして感動もする作品で
個人的にはヒューのやさぐれオヤジぶりにも萌えたし。
父と息子っていいなぁ~~,男同士だもんね。
親子というよりほんとに友達みたいなスタートだったのが
やっぱり男同士なのかな?それとも
幼稚な父としっかりものの息子の精神年齢が近かったのかしら?と
そこらへんも面白く観ました。
でもラストはしっかり親子になれたし。
ロボットの格闘シーンは私的にはどーでもよかったんだけど
アトムの操作法がどんどん変化していって
最後はヒューのシャドウボクシングで指示する・・・ってとこは
エキサイトしちゃったなぁ。
ところどころ日本びいき・・・のような設定も嬉しかった。
投稿: なな | 2012年1月16日 (月) 00時15分
なな様
こんばんは!
ねー、すっごい楽しい映画でしたね
ヒュー・ジャックマン、やさぐれダメオヤジもけっこう似合ってた(笑)
でもボクシングするときは手足が長くてさすがサマになってました!
父と息子のドラマを、あまり湿っぽくなく描いているのもいいなーと思いました。
初めて会うふたりなのに、やっぱり似たところが見受けられるのもおもしろかったし。
ロボットの格闘シーンも、私はかなり楽しめました!
いろんなステージがあって、ロボットのキャラクターもいろいろで
それこそ格闘ゲームみたいで(笑)
最後アトムのシャドウ機能で闘うところ、予告編などでも何度も観てたけど
やっぱり燃えましたね!!
日本びいきも素直に嬉しかったです
投稿: kenko | 2012年1月16日 (月) 19時47分
こちらにも
>もしもロボットに感情がある設定だったら、人間に操作されて試合で腕や首がもげたり破壊されちゃうの、可哀想になってしまうと思うのですが
大丈夫! すぐにジャムおじさんに新しい頭を作ってもらえばいいんだよ!
かわいそうといえば最初に出て来た牛にやられてたアイツ(アンブッシュだったかな?)はかわいそうでしたね。おヒューさんがわき見なんてしてるから・・・ 車もロボもわき見運転は厳禁だと思いました
それにしても、アトムはどこのゴミ捨て場にいけば見つかるのかなあ(ミラクル7号の時も同じことを言ってたような・・・)
投稿: SGA屋伍一 | 2012年1月17日 (火) 21時47分
SGA屋伍一様
こちらにもどうもです!
そか、ジャムおじさんに・・・(笑)
そう、最初に出てきたアイツ・・・いきなり首もげてましたもんねー
アンブッシュ(でしたっけ・・・)もノイジーボーイもメタメタにやられちゃったけど、
後でアトムにちゃんとそれぞれ機能が引き継がれてたのよかったです。
アトム見つかるシーンもよかったなー
どこに行けば見つかるんでしょうねぇ(笑)
そういや『ミラクル7号』観てないんだった!
投稿: kenko | 2012年1月19日 (木) 03時53分