裏切りのサーカス
『ぼくのエリ 200歳の少女』のトーマス・アルフレッドソン監督で前評判も高く、楽しみにしていた作品なのですが迂闊でした。
いつもはなるべく前情報入れないんだけど、本作においては予習必須と聞いていたのに、原作未読で公式サイトなども見ずに映画館へ行き、劇場入り口で渡された「本作を解読するための重要機密」(人物相関図とか書いてある)を映画が始まる5分前に眺めたけど全く頭に入らず
スカルプハンターって言われても・・・スカルプケアしか思い浮かびませんし。
でもまああれでしょ、要するにゲイリー・オールドマンが二重スパイを見つける話なんでしょ。
集中して観ればなんとかなるっしょ!と思ったけど・・・甘かったー
かなり早い段階で置いてけぼり。はっきり言って、ほとんど理解できなかった・・・
誰が誰だか。その場にいない人の名前とか出てくると誰?って。
こんなにも話についていけなかった映画、過去にあったろうか・・・いやない!と断言できるほどですよ。
自分の頭の悪さを呪います・・・
もぐら=二重スパイが誰なのかは最終的にもちろんはっきり分かるのだけど、ゲイリー・オールドマン演じるスマイリーが内部調査していく過程のあれこれが真実とどう結びつくのかがよく分からないからモヤモヤする。
終盤、スマイリーさんの頭の中でピカーン!と何かひらめいたげなシーンがあって、レールが切り替わる映像などで分かりやすく表現されたりするのだけど、すいません、こちとら全くなんにもひらめいてません・・・
そんなわけで話が理解できないモヤモヤはがっつり残るのだけど、映画そのものに対する不満は不思議とあんまりなく。
とにかく渋い役者さんが揃っていて、色味を抑えた映像も音楽の使い方も素晴らしくて、常に画面に引きつけられる。
だからこそ余計に悔しい。
しっかり理解した上で、この上質なサスペンスを堪能したかった・・・というね。
また原作者のジョン・ル・カレさんは元英国諜報部員で、本作の製作総指揮もつとめてますし、リアルなスパイ描写としては相当なもんなのではと思うんですよ。
英国諜報部=サーカスの人たちが密談する部屋の感じとか、諜報部パーティでロシア国歌を歌ったりとか、分かんないけどたぶんそこかしこに細かい「諜報部あるある」が散りばめてあって、実際に諜報部の人が見たらもう「あるある〜!」と思わず手を打ちまくり!みたいなね。
そういう意味でも興味深い作品と思います。
あと話についていけないながらも気になったのが同性愛的描写。
スマイリーの助手ギラムには男性の恋人がいたようだし?
コリン・ファース演じるテイラー=ヘイドンと、人物相関図では「親友」となっているマーク・ストロング演じるブリドーのパーティでの視線の交わし方とかあれとかこれとか・・・友達以上にしか見えなくて。
『ぼくエリ』の監督だけにか。
けして明確には描かない、ほんのり匂わす程度なのが余計引っ掛かります。
実は秘めたる愛の物語だったのかなー
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コメント
この映画、絶対見たかったのにわが街には来なくてガッカリしてました。
やっぱり予習なしでは難しかったですか~(そうは聞いてたけど^^;)
私は、ジョン・ル・カレが大好きで、原作の「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」もず~っと昔に読んでましたが、
小説自体が難しくて、時間の経過とか心理描写とかがあっちこっちに飛んで、
1回読んだだけでは理解できなかった気がします。
でも、その難解さがまた心地よく、気がつけばル・カレにドップリです(笑)
スマイリー三部作では、記者のジョージ・ウェスタビーが主人公の、2作目の「スクールボーイ閣下」が大好きです^^
今回映画化ってことでまた原作読みなおしましたが、何回読んでも難しいです。
これを映画化って、ほんとに凄いと思う。DVDになるのが待ち遠しい映画です。
スマイリー三部作に比べたら「ナイロビの蜂」はわかり易かったですね!
投稿: ちー | 2012年8月 5日 (日) 21時09分
ちー様
うー、これは、むちゃくちゃ難しかったですー

原作読んでみようと思ってるけど、原作も難しいんですね・・・
ジョン・ル・カレさん、私は全く読んだことなくて
『ナイロビの蜂』の原作もそうだったんだ〜とこのたび
フィルモグラフィを見て初めて知りました。
ナイロビ〜は、すごく好きな映画なんですが・・・わかり易かったし
ちーさんは原作ファンなんですね。それならすっと理解できて楽しめるかも。
でもほんと、話についていけなくても、役者さんや映像や音楽が素晴らしくて
飽きることはありませんでした。
DVDが出たらぜひ♡
投稿: kenko | 2012年8月18日 (土) 17時31分