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危険なメソッド

Adangerousmethod

今年最後のファスベンダー。

危険なメソッド 公式サイト

『つぐない』の脚本家による舞台劇を、デヴィッド・クローネンバーグ監督で映画化。
ユングがマイケル・ファスベンダーで、フロイトがヴィゴ・モーテンセン。
ユングの患者であり愛人、真性のマゾヒストであるザビーナをキーラ・ナイトレイが演じています。

キャストがいい。
ファスベンダーとモーテンセンが向かい合って何かしゃべってるだけでわくわくしますし(たとえ話の内容がさっぱり分からなくても)、ファスベンダーにお尻をひっぱたかれて絶頂に達するナイトレイが見たけりゃ観るといいよ。

実際に残されている三人の書簡を元に書かれた脚本ぽいですが、「ユングとフロイトの蜜月と決別までを描く」というよりも、メインはユングとザビーナの話。

で、ザビーナを演じたキーラ・ナイトレイに釘付け。大袈裟なだけの演技とは違う。
こういう極端に繊細な役がハマるのね。
実はあまり好きな女優さんではなかったんだけど初めていいと思いました。
特にユングとの対話療法で幼少時の性的トラウマが明らかになるあたり、見入ってしまった。
どうにもできない性衝動を抱えて、美しい顔を歪め、身体中の筋肉を引き攣らせるほど苦しんでいたザビーナ。

その後どのようにしてザビーナが自らを開放し大学に通えるほどになったのかをもっと見たかった気もするけれど、物語は数年後に飛び、とにかくユングとの対話、またはユングの研究を手伝うことによってか?ザビーナは普通に生活できるようになった。
そしてまあ、ほぼ必然的流れで、ザビーナはユングを誘惑する。
またタイミングよくユングの元へ現れた快楽主義者グロスの「つまみぐいしちゃいなよー」という悪魔のささやきに心が揺らいだユングは、誘惑を受け入れてしまうのだった・・・ってダメでしょ!ユング先生!
・・・ツッコミたくなりますが、冷静沈着なユングも男だったということか。

ザビーナにとっては、自分のことを知り尽くしているうえ父のような存在でもあるユングは、最も理想的で唯一無二の相手だよね。
処女喪失の証をあのように生々しく映しとるあたり、さすがクローネンバーグ。
前のシーンで、フロイトとユングがザビーナのこと話してて、フロイト「彼女は処女か?」という問いにユング「処女です。いや、うん、たぶん・・・処女だと思う・・・うん!間違いなく処女ですよ!」とアタフタ答えていたのが思い起こされました。

師弟であり、父子のような関係でもあるフロイトとユング。
精神医学に対する考え方の違いが決別の主な理由なのでしょうが、この映画観てるとほんとうの原因はもっと些細なことなのではと思ってしまいます。
なんせフロイト師匠が嫉妬深い。てかプライドが高すぎる。
自分より金持ちであるユングさんちが豪華すぎてショック受けて帰っちゃっただの、二人で渡米するときもユングだけ客室が一等であからさまな嫉妬。
ユングもフロイト師匠のそうした一面を重々承知で、嫌味っぽくアピールするし。
ユングの夢の話をさんざん聞いて好き勝手診断しておいて、いざ自分の夢は話したくないとか子供か。
そりゃユングもカチンとくるわ。
心の問題に関してはエキスパートであるはずの二人でも、自身のこととなると別ということでしょうか。
ある意味、親近感でした。

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