レ・ミゼラブル
舞台版のファンではないけどミュージカル映画は好きだし、キャストも豪華で予告を観る限りとってもエモーショナルで。
ずいぶん前から楽しみにしていて、もーわんわん泣くつもりでハンカチ握りしめて観に行きましたよ。
泣ければ良い映画なんてもちろん思ってませんが、感情を揺さぶられて思わず泣いてしまうことが気持ちいいことは知ってるし、レミゼはそれを期待してもいい映画な気がしたので。
ところがどっこい、何度もうるっとはきたけど、ハンカチの出番なし。
観た人は概ね泣いたと言ってるのにね・・・少数派だよね。
ミュージカル映画好きのつもりだったけど、実はそうでもないのかもとすら思えてきた。
ミュージカル映画って、セリフで芝居するシーンが普通にあって感情が高ぶったときに歌うというパターンが多いと思うんです。
舞台とは違って「映画」である場合、その方が見やすい。
本作はセリフも含め9割以上が歌で、メロディがついていないセリフは数えるほどしかありません。
絵面としては完全に映画的リアルなのに、心情も含めすべて歌うことに対する違和感を、最後まで完全には拭いきれなかった・・・のが原因かなあ。
でも考えたら『シェルブールの雨傘』や『オペラ座の怪人』や、すべてが歌で構成されたいわゆるミュージカルオペラスタイルの傑作は過去にもあって、それらは大好きな作品であるのに、本作に限っていまひとつハマれなかったのは単に私の心が乾いてしまっているからかも。
で、泣きたい私が泣けなかったから映画がイマイチとかそういうことではなく。
録音した歌を口パクにかぶせるのではなくて、役者さんが実際に演技をしながら歌うというのがこの映画の最大の特徴。
なので感情の高ぶりがそのまま歌となって表現されるという。
舞台ではそれが普通だけど、映画としてはすごいチャレンジだよね。
役者さんがノーカットで一曲歌い上げるというシーンがいくつもあって、アン・ハサウェイ演じるフォンテーヌの「夢やぶれて」とか、それはもうものすごく見応え、聴き応えがあります。
思わず拍手をしたくなるほど。
皆さん上手いことは分かってたけど、改めてほんとに上手いんだ。
ジャン・バルジャンを演じるヒュー・ジャックマンはもちろんのこと、マリウス役のエディ・レッドメインなんて歌手かと思うくらい。
ピュアな恋人たちの愛のささやきに歌はぴったり・・・そして私はエポニーヌにいちばんグッときた。
コゼットの少女時代の子や、ガブローシュ役の少年もめっちゃいい。
革命は悲劇で終わるわけだけど、ガブローシュの賢さや逞しさに救われる。いや救われないんだけど・・・
近年では歌なし、なぜかジャベールの身投げで終わるリーアム・ニーソン主演の映画もあるけど、舞台版の映画化としては本作が最も忠実で世界中のファンも納得の出来なのではと思います。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 2014年劇場公開映画ベスト(2015.01.25)
- 2013年劇場公開映画ベスト(2014.01.26)
- 悪の法則(2013.11.21)
- マン・オブ・スティール(2013.09.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
突然で申しわけありません。現在2012年の映画ベストテンを選ぶ企画「日本インターネット映画大賞」を開催中です。投票は1/17(木)締切です。ふるってご参加いただくようよろしくお願いいたします。
日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
なお、twitterも開設しましたので、フォローいただければ最新情報等配信する予定です(http://twitter.com/movieawards_jp)。
投稿: 日本インターネット映画大賞 | 2012年12月24日 (月) 18時25分
kenkoさん、号泣しませんでしたか。
実は私もですf^_^;)
ジャックマンやハサウェイが歌うシーン、凄いアップでしたよね。そこのところでウルウルしました( ; ; )
でも、周りの女性の方々はハンカチでお顔拭ってましたね〜
この映画、ほんとに最初から最後まで歌ってましたもんね(笑)
女性の日でもあったせいか、凄い混みようでびっくりでしたf^_^;)
やっぱり傑作なんでしょうね(^_−)−☆
ちなみに映画館で号泣した映画は、新しいところでは「グラントリノ」まで遡らないとないかなぁf^_^;)
あれは泣けました( ; ; )
投稿: ちー | 2012年12月25日 (火) 03時38分
日本インターネット映画大賞様
お声をかけていただき、ありがとうございます!
昨年から参加させていただきました。
今年もぜひ参加したいです。
投稿: kenko | 2012年12月27日 (木) 13時57分
ちー様
ちーさんも号泣せずでしたか!
よかった私だけじゃなくて
私もウルウルはしたんですけどね・・・
例えば近年のミュージカル映画では『ドリームガールズ』とか号泣だったんだけどな。
歌うシーンは基本アップで1曲歌い上げる感じで見入ってしまいました。
あ、私もレディースデイに観たんだけど
レイトだったからか混み方はふつうくらいだったかな。
『グラントリノ』は私も号泣でした!
最近のイーストウッド作品ではいちばん好き。
イーストウッド出演の『人生の特等席』も観たいと思いつつ
そろそろ終わっちゃいそうですね・・・
投稿: kenko | 2012年12月27日 (木) 14時09分
ラッセル・クロウが子供に勲章を与えるシーンで反射的に涙がでてきましたね。「パブロフの犬」みたいなもんでしょうか。
投稿: e-x-m-s | 2013年1月 8日 (火) 17時19分
e-x-m-s様
コメントありがとうございます!
私も大抵のミュージカル映画はパブロフの犬的に涙が出てしまうほうなのですが
今回はそれがあまりありませんでした
ラッセル・クロウに勲章をもらうシーンありましたね〜。
あの子役すごくよかったです。
投稿: kenko | 2013年1月14日 (月) 21時35分