年末かけこみレビュー:アカデミー篇
メリエスの『月世界旅行』がモチーフになってるっぽいことは観る前からうすうす知ってたけど、モチーフどころでなくまんまメリエスの話でした。
スコセッシの映画愛に溢れた作品。なるほど、あえて3Dにしたことにも意味がある。
暗さは全く感じず、ヒューゴの瞳の色、ブルーがポイントカラーの美しい映像にうっとり。
クロエちゃんはどんどん背が伸びるね。
『戦火の馬』(2012年3月2日公開)
音楽も映像も物語もお馬さんも美しい。
往年のハリウッド名作映画を彷彿とさせる堂々たる佇まい。
しっかりエモーショナルで、引き算も潔くて、ニクイぜ巨匠!
我らがロキことトム・ヒドルストンがすごくいい人の役で出てますよ。
『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(2012年3月16日公開)
微妙な評判しか聞かなかったのであまり期待してなかったのだけど、とてもよかった。
夫婦の話で老いの話、レミゼでは泣かないのに、こちらは涙腺決壊しました。
プロポーズされたとき、「私はキッチンでティーカップを洗うだけの人生は嫌なの」と言っていたサッチャー。
鉄の女と呼ばれるほどの人生を駆け抜けた先に待っていたのは、まさしくそんなラスト。なんとも切なかった。
幻影となって現れる死んだ夫が時に愛しく、時に呪いのように鬱陶しいのもなんか分かる気がするなあと。
『アーティスト』(2012年4月7日公開)
作品賞はこちら。
現代にあえてモノクロサイレントとは、短編ならまだしも長編映画で。無謀ともいえるアイデア。
しかし見事に成功している。
違和感はほんとに最初だけで、ロマンティックな世界にすぐに引き込まれます。
クラシカルな顔立ちの俳優、大袈裟な演技も演出もいかにもそれっぽくてニンマリしちゃう。
そんな世界にすっかり馴染んだ頃、無声からの悪夢の演出にはドキッとさせられました。
なるほど、ただ昔の映画の真似事をしてるだけじゃないのだ、音が出ることがこんなにもショッキングとは。
恐怖だよね。ジャンの気持ちがよく分かる。
ハッピーなMGMミュージカルで泣いちゃう人なので最後は号泣でした。
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コメント
かけんこさん、こんにちは!
今年もお世話になりました。
戦火の馬にロキが出てたんですか!今度確認してみます。
マクロな現象である戦争を、一頭の馬の視点を用いることでミクロに描いていたのがうまかったですよね。あ、ダジャレになってしまった・・・orz
投稿: ゴーダイ | 2012年12月30日 (日) 14時22分
ゴーダイ様
お返事がたいへん遅れましたー!
こんな私ですが、今年もよろしくおねがいします・・・
そう、ロキ出てたんですよー。
馬を買い取る将校(だったっけ・・・)の役。馬のスケッチとか描いてた人。
ロキ役の人、見た目が地味だから見落としがちだけど
けっこういろんな映画に出ています。
公開当時ベタすぎるーみたいな批判もあった気がしますが
ベタも含めてさすが巨匠と思いました!
投稿: kenkotter | 2013年1月14日 (月) 21時23分